ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1066話「オハラの意志」 過去を無きものにしない!

 1066話の感想です。

 表紙連載は「ジェルマへの帰還、オマケつき」です。最近の衝撃でいろいろ吹っ飛んでいましたが、今回のメインはジェルマでしたね。ところでジャッジとシーザーって何気にMADSの中核2人の再結成は政府的にもヤバい気が…。

第1065話「6人のベガパンク」 それぞれの役割 - ワンピース航海記録

 研究所に案内された一味は、ジンベエのセラフィムと対峙。喜々としてベガパンク達が戦闘データを取っていきますが、それはリーダー格であるシャカによってストップ。そして彼の口から語られたのは過去に存在した高度な文明を持つ国。同じ頃、ルフィ達は古びた巨大ロボを見つけており…。

歴史を繋いだ国

 かつて高い技術を持った古代都市の存在に驚く一味。シャカは仮説と言いますが、かなり確信を持っているような言い方です。

 そうなればやはり気になるのはロビン。その王国は空白の100年にあったものなのかを問います。

 なんとシャカは22年前のオハラ壊滅の理由が、その王国の真実に気づいたのが原因だと推測していました。この空白の100年は、先ほどの超絶的な技術を持った国と世界政府を発足した20の国との戦いの歴史。勝利した20の国は、相手の存在と思想を継がせないために徹底的に歴史を消し去ったようです。

 ただしこの言い方からすれば、そもそも国のことを知った時点で…

「ああ消される」

 やっぱりそういうことなのね…。もちろん現時点では仮説にすぎないのですが、これが理由でオハラが消されていた場合、それは政府の方から事実と認めているようなものです。

 どうも立場が謎なベガパンクですが、彼でもこの国の存在に言及すれば消されるとのこと。ではそんな彼がここまでする理由とは?

 なんと彼はもともとクローバー博士とは既知の仲であり、事件の数か月後にはオハラに出向いていたのです。クローバー博士は考古学の権威でしたが、若いころは空白の100年を求めて文献を求める探検家だったそうな。海軍からの逮捕、投獄も10回はあったそうです。あの人、そんなにバイタリティ溢れていたのか…。

 そんな彼に憧れ、共に研究に励んでいく学者たちが集まったのがオハラという場所。滅んでしまった当時、ベガパンクが足を踏み入れて驚いたのは、湖を埋め尽くすほどの大量の本でした。事後処理の兵士程度ではこの重要性には気づかず、オハラは確かに歴史という財産を未来へと受け渡したのです。

「オハラの勝利だ」

 ロビンが思い出すのは故郷を失ったあの日。母が学者たちが命を懸けて文献を残し世界と戦ったこと…それはベガパンクの口からハッキリとオハラの勝利と明言されたのです。

意外な繋がり

 ボロボロと涙を流すロビンはオハラが王国の存在について暴いたことを肯定。事実確認をしたベガパンクは、さらに22年前の話を続けます。

 オハラの学者たちの奮戦に涙を流したベガパンクが同時に目にしたのは、巨人族が湖の本を引き上げている光景。それを見ていた彼に声をかけていた人物が。

 当時33歳の若かりしドラゴンでした。当時は自由軍の隊長として動いていた彼もクローバー博士とは面識があり花を持って来ていました。そんな彼と話すのも43歳のベガパンク。胴体の倍はあろうかという長い頭にだらんとした舌が印象的なおじさんです。

 さて例の巨人たちですが、すでにドラゴンが調査をつけておりエルバフからの一行だと判明。彼らを率いてきた船長は全身に包帯を覆っているようですが…。

 また会話の中で、ドラゴンはベガパンクが政府に組み伏したことを言及。もっともベガパンクからすれば研究のために金も必要なので、ドラゴンの自由軍ではそれも賄えないですが。

 そんなドラゴンが宣言したのは政府と戦える軍を作ること。戦争が嫌いな彼ですが、学者たちが理不尽に暴力で潰されたこと、クローバー博士やオハラの意志を無駄にしたにためにも彼は強く決心します。

「見てろベガパンク おれが世界を変えてやる!!」

 それから彼はイワンコフ、くまと共に革命軍を作り上げたのです。

 一方でベガパンクは後に内密でエルバフに赴き、回収された本を読ませてもらいました。つまり世界の謎は…

「私が全て…この脳に受け継ぎ研究を進めてきた…!!」

 同時にロビンは気づいていました。もしあのオハラに味方する巨人族がいるのであれば、その場にいた彼…ハグワール・D・サウロしかいないことを。ベガパンクは口外こそしませんが、否定もしませんでした。

 するといきなりシューズが動き出します。なんでもシャカが見せたいものがあるのだとか。

ご本人登場

 一方、エッグヘッドのスクラップ場ではルフィとチョッパーが発見した古代ロボットを起動させようとしていました。こんなロマンの塊を無視できるわけがありません。思いついた名前を呼んだり、動けと命令したりと様々ですが、当然動くはずがない…

 と思った矢先、急にロボットの胴体から波動のようなものが!さらにその中心にいきなり老人が半分だけの状態で現れます。なにやら引っかかって動けないようですが。この人物、先ほどの回想で見ましたね。

 ルフィによって助け出された老人は、彼がドラゴンの息子であることを看破。さらにボニーを見るなり親戚のおじさんのような反応。

 さらに浮かんでいることに驚いていたルフィとチョッパーに、履いているくつDOMシューズでどうやって飛ぶかを教授します。

 そしてやりすぎて一気にジャンプ!助けてと言いながら慌てる老人こそ、SSG班長にして世界1の頭脳を持つ男、ドクターベガパンクの本人でした。

「助けてクエーサー!!」

受け継がれる意志

 ベガパンク本人とまさかのオハラの件が消化された今回の話。

 オハラの件はもろもろ驚きました。クローバー博士とか、あの経歴でよく五老星も考古学者を認めていましたね。しかしやはりぐっと来たのは、当時の学者たちの奮戦が無駄でなかったことの事実。歴史を後世に繋げるために、博士やオルビア、学者たちが最後まで残って本を湖にいれたことが功を成しましたね。それについて勝利発言したのが、世界最高の頭脳を持つ男だからこそ、彼らの戦いがより輝くと思うんですよ。そして俄然気になる滅んだ国の思想…!

 しかし兵士さん、いくらなんでも本の件は報告しておけよ。サカズキの徹底的な正義が泣くぞ、おい…。まあでもこんな怪しい状況で下手に報告したら、なんらかの問題に巻き込まれそうだから関わりたくないのもわからなくはないですが。

 そしてまさか生きていたサウロ。完全に明言はされていませんが、ベガパンクの回想を見る限り、彼の被っていた帽子と思われるものがありますね。Dの名前を持つ巨人族という出生については謎のある彼ですが、あの状況で生きていたとは…。まあ、当時のクザンの技名とかから生きている考察はちょこちょこ見かけはしましたが。ぶっちゃけ、私はアイスタイムカプセルって、アイスタイムを遠距離にした技としか思っていなかったので…。それとも誰か彼を助けた協力者がいたのでしょうか?だとすれば、それこそクザンくらいしかいないような気もしますが。

 しかし負った傷は大きかったのか、全身包帯まみれなようですね。ただそれがむしろひとつの考察に繋がるというもの。やはり読者が頭をよぎったのは、キッドの話していた火の傷の男じゃないでしょうか。バスターコールの火傷痕や凍傷が火の傷でしょうし、オハラの文献があるということはポーネグリフ関連でもあるでしょう。ただそうなると疑問なのが、ローの意味深な表情。彼がサウロとなにかしら関係があるのでしょうか?そもそも彼関連だとロッキーポートもあるから、どんどん首をひねる状況になるんですよね。

 そういえばサウロってエルバフ出身じゃないのに、エルバフの協力を受けられたんですね。まあ、エルバフはマムの件で同族の結束力が高まっていそうですが。それにあそこで本を引き上げていたメンバーって、ハイルディンの海賊団っぽいですね。マムの時しかり、ちょこちょこ物語の根幹にかかわるな、彼…。

 しかし今回の展開のおかげで明確にエルバフを目指す理由ができましたね。正直、本編で行くかどうか、半ばあきらめていたのでこれは嬉しいですね。ローラに求婚した王子ロキの登場にも期待したいところです。

 そして最後はベガパンク本人の登場。過去編も含めて、なかなかぶっとんんだデザインしていますね。舌を出すのはアインシュタインイメージでしょうか。過去編では目立つ巨大な頭を持っていましたが、今は小さくなってリンゴの蓋のようなものをつけています。リンゴはニュートンや知恵の実からでしょうかね。頭が小さいのは、猫たちを作るために脳の一部を彼らに入れたのでしょうか?そんなこと出来るのかと思いましたが、ベガパンクだしな…。

 クエーサーと奇妙な語尾をしており、どこか過去編と比べると抜けた印象もありますが、探求心に関しては相変わらずな模様。セリフからしていきなり現れたのは、ワープ的な実験中だったのでしょうね。

 彼についてちょっと意外だったのは、ボニーへの態度。どうも互いに既知の仲のようですが、ベガパンクは親戚のおじちゃんのような反応でしたね。これ絶対、ボニーが思うような関係とは違った真実が彼とくまの間にありそうですね。

 衝撃的な事実が判明しましたが、個人的な名場面はロビンの涙でしょう。彼女の辛く苦しい20年は無駄ではなかったし、初めての親友は生きていたし…なんというか…本当に生きてて良かったな!(涙)

 ここ最近のロビンの笑顔に心つかまれると思いつつ、また次回!

第1067話「PUNK RECORDS」 その知識は無限なり - ワンピース航海記録