ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1113話「STALEMATE」 世界に伝える

 1113話の感想です。

 今回の扉絵リクエストは「チェスになった麦わらの一味とプレイヤーのロビン」でカラー扉絵です。これすごいですね。一味の駒のデザインがそれぞれきっちりしています。個人的にはカラーバリエーションのあるチョッパー兵士が可愛い!

第1112話「ハードアスペクト」 誰も止まらない - ワンピース航海記録

 エッグヘッドでは五老星が大暴れ。ウォーキュリー聖、ピーター聖はルフィ、ドリー、ブロギーを追い、ナス寿郎聖はボニーの前に立ちはだかり、サターン聖は研究層でサニー号付近の一味を狙います。そんな中、マーズ聖はベガパンクの放送の発信源らしきものを突き止めて…

放送まで間もなく

「これが「お前」か…?ベガパンク…」

 いよいよ配信開始まで30秒となったところで、マーズ聖がたどり着いたのは巨大な頭が浮かぶ部屋。ノミノミの実で巨大化した頭はそっくりそのまま培養液につかっていました。脳みそじゃなくて頭そのままかい。

 もっともマーズ聖からすれば大して興味のないこと。最優先事項は放送を止めることなので、足元にあった電伝虫を踏み潰そうとしますが…。

 いよいよ放送時間が迫る中、全世界でもだいぶ準備ができています。ウソップの故郷であるシロップ村、クロッカスとラブーンがいる双子岬、ベガパンクの故郷バルジモア、チョッパーの修行地トリノ王国、果ては無法の海賊が集うハチノスでも配信の準備が整っていました。

 そしてエッグヘッドでは、マーズ聖が電伝虫を踏み潰した…かと思いきや、なんと殻を配信用に偽装しただけのもの!怒れるマーズ聖は再び以津真天に変化すると、研究層内を探し始めます。やはりというべきか、オハラの二の舞にならないように厳重に対策を講じているようで、他の五老星たちもテレパシーでその危険性を話しています。

防衛と結論

 それでも各々の任務を果たそうとする五老星。まずはナス寿郎聖がボニーを狙います。フランキーが前に出てかばおうとしますが、それよりも先に来たのはサンジ。相手の剣を防ぎ、さらにそのまま大きくジャンプしてナス寿郎聖のあごに痛烈な炎の蹴りをお見舞いしました。

「高齢者が労わられると思うな!?海賊のケンカでよ!!」

 ナス寿郎聖は吐血しますが、そのまま頭部が発火!頭だけ馬骨に変化すると、サンジにかみつきます。すごい痛そうな擬音出ている!

 幸い、戻ってきたカーシーとオイモが取り押さえ、吹き飛んだベガパンクはアトラスがキャッチ。さらにボニーが“ゆがんだ未来”によって巨大化し“巨人みたいな未来”で踏みつけを狙います。

 さて放送は続行中。彼は2つの罪を犯したと話しており、自身の死を予感するようなことを話します。そしてなんとこの放送は本体の心配停止と共に始まる仕組みとなっており、今まで人質と報じられていたため世間に衝撃が走ります。

 ただベガパンクはこの反応すらも予期していたようで…

『これをしっかり理解して聞いて欲しい  私を裁く者達が誰であれそれが“悪”と説きたいわけではない』

 どうもそれにあたって、ある人物についてわかっていないようですが…。

 そんな中、サターン聖がサニー号付近に出現。狙いは放送の阻止でしょうが、同時に目をつけたのはロビン。オハラの生き残りをこのまま見逃すわけにいきません。彼女の方も通信越しではありましたが、幼少期に聞いた声で五老星であることに気づきます。

 双方の様子がおかしいと気づいた一味ですが、狙いがロビンであるならば行うことは決まってます。

「ロビンを守れーーっ!!!」

「絶対守る~~~!!!!」

 ナミの指示の下、彼女も含めた4人がサターン聖の刺突を懸命に防ぎました。ど、どこまでやれる…?

 さてマーズ聖は相変わらず発信源を探していますが、電伝虫の反応がいたるところにあり特定ができません。しかも下手に攻撃すれば融合路に誘爆し、周辺の海軍は吹き飛ぶ…は五老星としても構いませんが、マザーフレイムを作れなくなります。

 そしていよいよベガパンクは放送の核心を話し始めます。

『この世界は…海に沈む!!』

バラバラの文脈が繋がりそう

 放送が始まった今回の話。正直、阻止の可能性も考えていたためホッとしています。

 やはり一番目を引いたのは、ラストの言葉。海に沈むということですが…直近で古代兵器と思われるビームで島を消して海面上昇が起こっているので、真っ先にその関係を考えてしまいますね。というか、ウォーターセブンしかりワノ国しかり、これまでもところどころで海に沈んだ類の話はありましたし、エニエスロビーのような謎の穴とかもありましたし…。

 むしろひとつここで思いつくのはワンピースの世界観。海のグランドラインと長い土地のレッドラインで区別された4つの海…これはかつてもっと他に島があったけど、古代兵器関連で海面が上昇。そして天竜人たちは逃れるためにレッドラインに移り住んだという事ではないでしょうか?おそらく古代兵器を使う相手はオハラが解明した、政府が隠したがっている謎の王国、さらにルナーリア族は政府に負けてレッドラインを追い立てられたとか…わりと辻褄が合うと思うんですがね。

 それどころかアラバスタ王国の旧女王リリィが残した手紙、あれ五老星の雄たけびで全貌は不明でしたが、隠された部分は「沈みゆく」ではないでしょうかね。

 さらに全てが海面になると考えれば、魚人島のノアの存在にも説得力が増します。約束の日というのは世界が沈む時のことを指し、人々を救う手段にもなるのではないでしょうか。というか、元ネタの旧約聖書まんまの方法ですし。

 また魚人島関連で思い出すのは、しらほしのポセイドンとしての能力。古代兵器のひとつですが、同じ古代兵器のプルトンが戦艦であるのは少し疑問だったんですよ。ポセイドン=海、ウラヌス=空となると陸があってもおかしくないのに。世界が海に沈むと考えれば戦艦になりますわな。もしかしたら地上用戦艦とかなのかもしれませんが。

 こうなるとより気になるのは謎の王国の正体。世界政府にとっても意地でも倒したかった、だからこそ古代兵器を使ったとも考えられますが、そこまでして倒したかった王国の存在と思想とはいったい何なのか、そして同じように存在自体が不都合とされる太陽の神ニカとの関係性とは、この辺りは非常に気になります。

 併せて、興味深いのは映像でベガパンクが話していた彼の存在。善悪を論じられるほど、この存在についてまだ不明と話していましたが…現時点で該当しそうなのは、たびたびポーネグリフや一部の者から呼ばれているジョイボーイでしょうか。

 それにしても政府はこれを今まで隠し通してきたのか…いやベガパンクが暴きかけているし、ロジャーやその一味、あと話を聞いている白ひげとかは核心的な部分を知っていてもおかしくないですね。

 しかし五老星を完全に出し抜きましたね、ベガパンク。というか、今回は全体的に一味たちも抗っている印象でした。サンジやボニーはナス寿郎聖に対抗しているし、ナミたちもロビンを守るためにサターン聖の攻撃を防いでいました。規模の違う暴れっぷりを見せていた五老星でしたが、そんな強者にも立ち向かっていくナミ、ウソップ、チョッパー、ブルックは見事なものです。というか、ブルックなんて脚1本斬り落としているし…!

 ところでロビンを狙った時に、サターン聖はサカズキの失態みたいに話していましたけど、読者視点からすればあれはクザンが悪いんじゃねえかな…。むしろ非情な方法で徹底的にやったのに評価が下げられるサカズキが気の毒だわ…。

 それにしても今回はラストの発言でいくつかの点が結ばれていくような考察ができそうでしたが、併せていろいろなキャラに感心を抱きましたね。空島の人や宇宙にまで行ったエネル、海に沈むという事でアーロンの発言や魚人の性質など、思うことがたくさんありました。特に1番すごいと思ったのは、アイスバーグの島ごと船にする案。あれは間違いなく今後に必要になるはずですよ。やっぱりあの人すごすぎるって…!というか、それを思うとスリラーバークとかも…。

 驚きの未来よりもサブキャラのすごさに感服しつつ、また次回!

第1114話「イカロスの翼」 戒めの先に語る - ワンピース航海記録