ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第985話「新鬼ヶ島計画」 まさに海賊の計画

 985話の感想です。

 今回は巻頭カラー。ルフィ、キッド、ローの3人が鳥に乗りながら弁当をぱくついています。本誌のおかげでトリオ感強いけど、バトル以外の描写となるとなかなか新鮮ですね。ルフィとキッドの会話は容易に想像つきます。表紙連載も「僕とロボコ」である意味やってくれたようなものだから安心だな!

第984話「僕の聖書」 僕…僕? - ワンピース航海記録

 

 鬼ヶ島に潜入したロー&赤鞘の前に現れたのは、ネコマムシとイゾウ!さらなる援軍に期待が膨らむ中、カイドウは新たな計画である新鬼ヶ島計画を発表します。

 一方、ルフィはカイドウの息子と名乗るヤマトと屋根裏で話すことに。なんとその正体はおでんの意思を継ごうとする女で、しかもエースを知っているのだとか…

 鬼ヶ島裏での決戦

 鬼ヶ島の裏口からの潜入を目指す赤鞘ですが、そこに立ちはばかったのは百獣海賊団を引き連れたカン十郎。首をもがれた武者の絵を赤鞘に見立てて揶揄するその様子は、ありし日のおでんの家臣と同一人物とは思えません。またモモの助をどのように扱ったかを事細かに語り、光月の歴史の終わりを笑います。

「———もう口を閉じてくださいカン十郎さん 拙者の刀傷はあの世まで消えませんよ」

 

 面をかぶり、戦闘態勢を取るのはおでんの家臣である残雪の菊之丞。その異名は残って春を苦しめる雪のごとく、彼の気迫はとてつもないものです。

 菊とカン十郎のぶつかり合いを皮切りに、両軍一斉に動きだします。この勝負、いったいどちらに軍配が上がるのか!そしてコブラとなったネコとシキとなったイヌの明日はどっちだ!(どうでもいい)

頂点取ったるわ!

 その頃、屋根裏ではヤマトがルフィの船に乗る気満々であることや自由であるルフィの方がおでんらしいと話します。おでんが概念になっていく…。

 彼がおでんのように自由でないのは、彼の腕につけられた手錠。なんでも8歳の頃からつけられたもので、島から出ると爆発するというのです。親が子どもを爆発するのかとも思いますが、幼少期から殴られ幾度となく挑んでは返り討ちにされてきた身としては十分あり得ると考えます。

 そこでルフィが訊いたのは、本当に彼女がカイドウを倒したいのかということ。たとえ彼女の前でも容赦なくカイドウを倒すことを宣言するルフィに、ヤマトは自分がそうしたいくらいだと反応します。理解したルフィは覇気でこれを外そうとしますが、下からライブフロアでの映像で盛り上がります。

 

 すでに七武海制度の撤廃はカイドウの耳にも入っており、海軍の新戦力に警戒を表しますが、もはや彼にとってはそれも問題ないこと。かの最強クラスの海賊団であるビッグマム海賊団との同盟と、最強の破壊力を誇る古代兵器の入手を目論見ます。

「おれの名をォ!!!呼んだか!!?カイドウ~~~~!!!」

 ライブフロアの壁を突き破って登場したのは、大量のホーミーズを連れて百鬼夜行状態の花魁おリン!指名者はいなくても逆指名で奪っていきそうな破壊力!その証拠にゼウスが奪い返されており、ナミたちが倒れ込みます。

 組むことでもはや夢の物ではなく、狙える存在。ここで組むことは海賊家業に本腰を入れること。つまり彼らの狙いは…

「「“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”を獲りに行くぞ!!!」」

計画の全貌

 いよいよ本気で世界を暴力と混乱の渦に巻き込もうとするカイドウ達。そこで全域に向けてはなった言葉は意外なものでした。

「オロチの部下達よ!!!どちらかを選択しろ!!!」

 ワノ国は滝のおかげで簡単には落とせない特徴的な島。さらに大量の武器の開発も可能です。しかもカイドウとしては花の都にいる人も労働力に割こうとしているのです。それによりワノ国が完全に海賊の楽園と化します。

 

 もちろんこれを許すようなオロチではありません。すぐに怒りの形相で抗議しますが、それをキングの刀を借りてカイドウが一閃!オロチの頭を真横に真っ二つに斬ります。

 黒炭家?光月家?そんなことカイドウ達にとっては知ったことじゃない国事情!5秒間にオロチの部下に迫る決断は、カイドウの部下として海賊になるか、彼らに挑んでここで死ぬかの理不尽な二択!

 鬼ヶ島の勢力を花の都へ移してワノ国を滅ぼし、世界の大戦に向けての海賊国家にすること。これこそが新鬼ヶ島計画、その旗頭になるのがヤマトなのです。

「なってたまるかァ!!!クソオヤジ!!!」

「早く案内しろ!!!モモが殺される!!!」

 カイドウの真意にお子さんがキレるところで今回は締め!

斬られたぞ、おい!

 開いた口が塞がらない海賊っぷりが光った今回の話。

 やはり驚くべきはカイドウがオロチを切り捨てたことでしょう。あまりにもいきなりのことなので読み終わった後に思わずうわーと声を出してしまいました。海賊の同盟は裏切りが当然とはいえ、20年も長い付き合いをしていた相手をここまで容赦なくやれるのは衝撃的ですね。

 この一場面でカイドウの海賊としての格が上がるのはさすがですよね。オロチに思い入れあった人には評価下がったかもしれませんが。この場面で笑い続けられるマムと言い、やっぱりあの2人は海賊のトップをやっているだけありますね。

 ただネットの感想を見ていると、オロチが本当に死んだと思う人がいないですね。ぶっちゃけこいつの慎重さとヤマタノオロチの能力を考えれば、身代わりとかいくらでも手はありますものね。カン十郎の絵もあるでしょうし。

 ただこいつの場合、落としどころが難しいタイプの敵でもあるのでここでリタイヤもありえるにはありえるんですよね。わりと油断していたことを強調された描写もありますし、おでん達相手に警戒していただけならば説明つきますし。まあ、私も生きていると思っているのですが。

 あと個人的にツボなのは、カイドウの意図を汲んで刀を取れるようにしたキングですね。さすがは組織のナンバー2です。蔵馬も副将が重要だって話してたものね!

 

 冒頭の赤鞘VSカン十郎軍団の勝負も注目です。菊の異名である残雪の由来がカッコいいのが気に入りましたね。イヌとネコのいろんな意味でのパワーアップには苦笑いでしたが。

 というか、ラスト間際でカン十郎って菊に斬られたんですかね。実は絵でしたを2回もやるかといえば怪しいし、こいつオロチ以上に落としどころが難しいキャラなのでやられた可能性も否定できませんが、傷は負った感じでしょうか。

 正直、黒墨家の2人はこのワノ国編に当たって無視できないキャラなので、ここで退場はして欲しくない&こいつらのことだから死んだフリだろうという気持ちですね。ルフィ達は普通にカイドウをぶっ飛ばすでいいけど、モモの助たちはやっぱりワノ国が生んだこの闇には向き合って欲しいな。

 

 ヤマトの方は、もう無茶苦茶さが気になって仕方がありません。ルフィもツッコミに回るおでん発言はカイドウでなくても頭を抱えたくなるものです。しかもこれでアラサーだしな…。

 でも例の爆発する腕枷に、殴られた発言を考えると、カイドウもやっぱり酷い親だったのね。正直、ホールケーキアイランドでマムとかジャッジを見た後だと、それすらも霞む感じはしますが。

 そういえば、ヤマトって8歳の頃から鬼ヶ島から出ていなかったということは、エースはここまで来れたんですよね。あいつやっぱり四皇最高幹部の素質あるわ…。

 

 さてここからの展開は気になるところですが、何気にマム登場の時にナミ達もライブフロアにたどり着きました。そしてウソップとチョッパーはそれを追っている。こうなるとどこかでサンジやフランキー&ブルックも来て、麦わらの一味が敵の主力と相対することになるのではないでしょうか。

 そうなったところでルフィ達になにができるんだとも思いますが、単純に燃えます。興奮します。つまり尾田先生にはこの楽しみになる気持ちをさらにヒートアップさせて欲しいわけですよ!

 今回のように思わず声が出てしまう回を再び期待しつつ、また次回!

第986話「拙者の名前」 おでんの息子だから - ワンピース航海記録