987話の感想です。
今回はカラー扉絵。麦わらの一味10人勢ぞろいです。10人ですよ、10人!ジンベエも加わった完成版といっても過言の無い集合絵ですわ。
第986話「拙者の名前」 おでんの息子だから - ワンピース航海記録
オロチを殺したカイドウは、侍たちも傘下に入れて順調に戦力を伸ばす状況。しかしそんな彼の失望から与えた生き残るラストチャンスも、モモの助はおでんの息子として自分の名前をハッキリと言い切り、覚悟を見せます。
そんな中、カイドウの腕輪を外し爆発とともに現れたルフィとヤマト。さらには裏から突き進んできた赤鞘九人男の不意打ちにより、いよいよ戦いの幕が上がります。
彼らはおでんに並ぶ
冒頭、カイドウの頭に浮かぶのはおでんの姿。胸に傷をつけられ、最後まで家臣を信じた漢の死にざまをフラッシュバックしていく中、彼は赤鞘の突撃にフロアの高台から落ちていきます。驚くのはなんと彼らの刃が、カイドウの体に傷を与えること。おでんと同じく流桜を学んだ彼らの攻撃に加え、おでんからの古傷にカイドウは叫びながら真っ逆さまに…。
地下まで落ちていったカイドウに助太刀しようとする百獣海賊団ですが、そこでついにヒョウ五郎たちも正体を見せます。彼らの邪魔をしようものなら、かつての大親分が黙っちゃいません。
ルフィとヤマトも参戦しようとする中、ヤマトを止めたのは先ほど彼女から攻撃を受けたうるティ。モーニングスターの一撃を、金棒で防ぎます。先ほどの裏切り行為に怒りを見せる彼女に、ヤマトが放った答えは…
「僕がいよいよ“光月おでん”になる日が来たんだ!!」
「意味わかんない!!お前バカなの!!?」
無礼者の方が正論言っているじゃねえか!
そこから完全に敵対発言したヤマト。カイドウのこれまでの扱いを考えると、妥当でしょうね。
ヤマトがうるティと戦う中、ルフィが目をつけられたのは因縁深き四皇ビッグマム!幸い、注意が逸れたため、ナミとキャロットがホーミーズは助かりました。しかしマムの注意は完全にルフィへ。迫るだけでとんでもない圧です。
“海賊”麦わらのルフィ
場面は変わって地下へ。カイドウは受けた傷を抑えながら立ち上がるカイドウを囲むように赤鞘が構えています。この現状をようやく理解してきたカイドウ。あのオロチがビビっていた考えが、まさに現実となってここまで来たのです。20年耐えた者に、時を超えた者とその執念にはカイドウも感心しますが、彼から見れば手を組んだのはあくまで海賊。海賊の同盟は裏切りが鉄板である以上、勝機がないとわかればルフィ達は逃げるであろうと指摘します。
しかし錦えもんはカイドウの言葉に被せるように、それを否定。
「彼はいつかこの海の頂点に立つ男!!!拙者達が全員死のうが彼がいる!!!
「ワノ国」に必ず“夜明け”は来る!!それが主君との約束ゆえ!!!」
長い航海を共にして、彼らが仲間や同盟を決して裏切ることのない信頼足る者だと知る錦えもん。だからこそ彼こそが、主君の話していたワノ国の、世界の夜明けを先導する男と信じるのです。
場面は再び、ライブフロアへ。ルフィがカイドウを倒そうとしているのだと考えるマムは笑いますが、なんとルフィはこれを否定します。
「お前ら全員ぶっ飛ばしに来たんだ!!!“全面戦争”だ!!!」
ルフィの狙いは、ここにいる自分に敵対する相手全員!思い切った宣戦布告です!たかだか数百人で勝てる筈がないと、マムやクイーンは笑いますが、ここで裏口から数千人の侵入者の報告が入ります。キッドやゾロといったライブフロアで暴れていた彼らのもとにも、ローや他の侍が加わり、勢いは止まらず。畳みかけるように最後の報告は、何と入り口からマルコとペロスペローが進軍しているというではありませんか!
龍VS侍
鬼ヶ島が戦場となる中、ルフィの宣戦布告を聞いていたカイドウが龍の姿になって地下から登場。
「世界一の戦力を見せてやる!!!」
そのまま館の天井を突き破って、屋上へ出ます。まずカイドウと対面するのは、彼に掴まって同じく屋上へと躍り出た赤鞘九人男。雪が降る夜の絵が、9人の侍と巨大な龍を映えさせます。
かつての戦いを思い出しますが、あの頃と決定的に違うのは彼らには心強い味方が多数いること。特にこの満月となれば、イヌアラシとネコマムシが連れてきた彼らの部下たちの本領なのです。
「雪は“風花” “満月”がよう見えゆうぜよ!!!」
闇夜に映るこれでもかというほどのネコマムシの凶悪笑顔で、今回は締めとなります。
いざ全面戦争
全面戦争開始となった今回の話。
これでもかと内容を詰め込んでいるため、皆さんが特に気になった場面はそれぞれでしょう。私はやはりタイトルにもなっている錦えもんのカイドウに切り返した言葉ですね。元より名と知を捨てて挑むこの戦い。光月の家臣として、おでんの意思を命をかけてでも成し遂げようとするのがわかります。スナッチの意味を知るほど、かっらの覚悟とたしかにモモの助が使うべきでない言葉なのがよくわかりますよね。これは忠臣ですわ。
またルフィはカイドウと違うというのが、錦えもんの経緯から痛いほどわかる上に、その直後のルフィの宣戦布告が、主人公としての格をさらに上げてくれるのです。
しかし刃が通ったのは割と驚きましたね。全員で覇気をひとつに突っ込んだような感じでしょうか。でもここら辺は強さ議論云々ではなく、決まった方が盛り上がりますよね。おかげであの状況でも笑っていられるマムの異常性がまた際立った気もしますが…。
これに真っ向から受けて立つカイドウも、海賊としての格が際立ちます。特に龍形態で屋外に出た時の、その姿はボスとして圧巻でした。これは今から人獣形態の登場も楽しみです。親としては最悪だけどな!
思えば、カイドウもヤマトも面倒くさいおでんファンですね。親子そろってメンヘラ部分は似ているって…。まさかうるティの方がまともに見える日が来るとは、思わなんだ。
ラストはネコマムシのセリフから、ミンク族のスーロン形態が期待できます。キャロットであれほど強くなったのですから、イヌアラシとネコマムシのスーロン形態は計り知れませんね。ただここで出すとなると、彼らはジャックとは戦わなさそうですよね。個人的にはイヌアラシとネコマムシは、ジャック相手に逆襲してほしかったな。
それと今回、細かいコマも気になる点が多いですね。まさかのマルコとペロスペローコンビとか。元々ペロスペローは同盟に反対派でしたし、そう考えると組んでもおかしくない気がしますが、構図的にマルコから逃げているようにも見えるのが面白い。
加えて、その前のローの映るコマで、彼の隣にいる人物がホーキンスに見えるんですよね。もし彼なら名誉挽回のチャンスですよ!アプーは…あいつは最後まで百獣海賊団側なのかな。その際はやはりホーキンスとも勝負してほしいところです。
今週は夏企画もあってとにかく楽しめましたが、正直最初は発売されるかの方が不安でしたね。いやだってほら、アクタージュの原作者が…。いちおう読んでいたけど、打ち切りは当然ですねあれは。島袋先生みたいに数年後とかも無理でしょう。被害者や作画の人、各関係者がとにかく気の毒ですな…。
らしくもなく、ワンピース関係ない話をねじ込んでしまったことを反省しつつ、また次回!