ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第976話「お控えなすって!!!」 間に合いましたぜ

 976話の感想です。

 今週は扉絵リクエスト「靴作りをする麦わらの一味をトンタッタの小人達がお手伝いしているところ」です。やはりというべきかゾロが奇抜すぎます。そして今回はぶられたメンバーは別の機会で登場かな?

 今回はジャンプの表紙もワンピース。ルフィ、ロジャー、おでんの3人が乾杯しています。すごく…いい絵です!

第975話「錦えもんの一計」 さすが錦さん! - ワンピース航海記録

 

 前回、錦えもんの見事な作戦(?)で見事に敵の目を欺き、傳ジロー率いる狂四郎一家と捕らわれていた侍も合流。荒れ狂う海の中、それにも負けないほどの熱気で討ち入りを決意します。

海上

 冒頭は錦えもんが両サイドにいる河松と雷ぞうに顔をぐりぐりされています。錦えもんが素でハトではなくトカゲと呼んだことを確信していますね。他の赤鞘も明らかに狙ってやったこととは思っていません。この絵面可愛いな(笑)

 錦えもんは自分の運を一生分使ったほどラッキーだと言いますが、これは彼を信じて共に戦ってきた仲間の分もあります。まさに一蓮托生であるこの赤鞘九人男、そのリーダーである錦えもんを筆頭におでんの悲願とワノ国の平和を誓います。

「共におでん様の無念を晴らそうぞ!!」

 

 前哨戦は上手くいきましたが敵はまだいます。百獣海賊団は砲撃の用意をして、カン十郎は手早くモモの助をさらうために絵を描き始めます。しかしここで彼を止めたのは河童の河松。泳いで岸に戻ると攻撃を仕掛けます。カン十郎はこれを防ぎさらに地面に描いていた鶴を実体化!見事な画力の鶴に乗り、日和を狙うことも宣言して上空へ飛んでいきます。

 もちろんこれを放っておく麦わらの一味ではありません。いち早く感づいたサンジとロビン、さらにウソップも彼を狙いますが、突如不自然な黒い雲が立ち込みます。それはなんとカン十郎が描いたもの。連獅子のように髪を使い描かれた“炭雲”はルフィ達や侍の船上空一帯を占めていきます。そこから落ちるのは鋭く尖った雲の一部!炭雲を雨のように落とす怒涛の範囲攻撃“浮世夕立ち絵図”で追手と船に対して上空から攻撃を仕掛けます。これは敵ながら見事な技ですわ!

おでんでなくても出来ること

 なかなかの威力で船体まで穴を開きかねないこの連続攻撃に、モモの助はカン十郎にやめるように懇願しますが元より彼は殺す気で放った技。そもそもここで立ち向かってくる侍は20年前に死んでもおかしくなかったメンバー。おでんとトキによって何とか希望を抱いていましたが、現在の旗頭はあまりにも頼りない…

「せっしゃが“光月おでん”でないことはせっしゃが一番わかっておる!!誰よりもわかっておる!!」

 たしかにおでんのように強くない、デカい器もない、しかしそれを一番理解しているのは20年前から今日まで何度もその事実に直面したモモの助自身なのです。なればこそ今の自分にできることはなにか!

 モモの助は必死に勇気を奮い建てて、海にいる同志たちに呼びかけます。

「拙者は一人で逃げて見せるゆえ!!!カイドウ オロチを討ちはたしワノ国を守ってほしい!!」

 内心はとても恐いし、こんな言葉を言ったら助けてもらえないかもしれない。しかし今のちっぽけな自分にできるのはこれだけなのです。

 

 他の侍たちが涙を見せる中、ルフィは相変わらず笑いながらの罵倒の数々。これには侍たちも怒りますが…

「何とか生き延びろ!!!必ず助けに行く!!!友達だからな!!!」

 ここでモモの助が一番安心する言葉を出せるのはやっぱりルフィだからだよなぁ。

約束を果たしに

 さてモモの助がさらわれたこの現状、ルフィ達が目指すのは鬼ヶ島。赤鞘九人男としのぶは半ば強引にローの船に、キッドは我関せずにそれぞれ鬼ヶ島へ向かいます。

 しかしここで侍たちの船が突如爆発!なんと逃げた一隻の戦艦に搭載された長距離砲による攻撃でした。移動するだけの船ではいくら数がいても、このまま進むだけではかなりの数が減らされるでしょうし、相手も距離を維持するでしょう。そこにワノ国製の強力な武器ではかなり厄介です。この調子でいけばせっかくの戦力が削がれますが…

 

 すると突如、海から槍のような形の水流が飛び出し戦艦を破壊します。突然の海からの攻撃、明らかに自然の物とは思えません。ルフィ達は壊れた戦艦に呼びかけるとそこにはたった一人の屈強な男がいたのです。

「…どちらさんもお控えなすって!!!」

 男の生まれはかの有名な魚人島のリュウグウ王国。多くの土地で暴れ、迷惑をかけてきたその経歴からルフィ相手に杯をもらい仲間になったのはつい最近の新入り。しかし名前は世界にとどろいた元王下七武海の一角。人は彼をこう呼ぶ…“海峡のジンベエ”と!

「ルフィ!!約束通り生きて戻ったぞ!!!」

 なんであんたはいつもこんなにグッドタイミングなんだ親分よォ!ということで懸賞金4億3800万ベリー、麦わらの一味“操舵手”としてジンベエ登場です!

親分だぁ!!

 約束通りのジンベエ再びとなった今回の話。

 強力な戦艦を一人であっという間に沈めるという大戦果を挙げて登場というホールケーキアイランド編でも思ったタイミングの良さです。やっぱり海戦だとこの人強すぎます。そら尾田先生も巻末コメントで嘆くわ(笑)

 そしてワノ国特有の「べん」の擬音と同時に昔の任侠的な紹介で一味に入ったことをアピールしていきます。ジンベエがやると絵になりますね。すごく似合っています。海賊ではなく任侠映画みたいになっていますが、それは今に始まったことじゃないしな!これはアニメに期待したくなりますねぇ。正直引き延ばしは諦めているから演出で舌を巻くようなものを見せて欲しいです。

 このジンベエが仲間に入ることにローやキッドの反応も良いですね。そら元七武海が入るともなれば衝撃的でしょう。まあ敵がそれ相応クラスだし…。ローはもう半分仲間みたいなものだから入るなら今だぜキッドよ?

 なんか現代に戻ってから引きが最高すぎる気がします。いや内容も含めてこれでもかというほど素晴らしいの連続ですわ。

 

 今回のモモの助の覚悟は特によかったですね。これまで過去編も含めておでんと自分の違いに直面しつつ、恐ろしくても今後の国を背負う旗頭として涙ながらに訴えるあの場面は彼が以前よりもはるかに成長したことを実感させてくれます。そこからルフィが彼を最も安心させる言葉をストレートに放つのが私の心にスーッと熱いものを抱かせてくれます。

 少なくともカイドウが訊きたいことがあるみたいなのですぐには殺されないでしょうがいったいどうなることやら…。日和も狙われていますし、いまだに安心できるような状況ではないでしょう。

 

 また目を引いたのはカン十郎の実力。侍としての実力なら赤鞘九人男に名を連ねるだけはあるので十分でしょうし、今回のように能力をフルに活用した戦法は相当なものです。抜け雀とかやっていたやつとは思えない…。

 それと個人的に今回のお気に入りは最初の一コマ目。あの赤鞘たちの仲良さげなやり取りでほっこりしました。からのなんだかんだで錦えもんに全幅の信頼を置いている彼らの絆に心を掴まれます。

 でも同時に悲しいんですよね。あそこにカン十郎もいて欲しかったというか…今回、カン十郎が河松を魚人野郎と言っていたのだけでも辛くなります。お前やオロチだって同じように差別を受けて痛みを知っているだろうに…。

 何はともあれジンベエの登場で安心感が3割増しになったところでまた次回!

第977話「宴はやめだ!!!」 突撃じゃ~~~!! - ワンピース航海記録