986話の感想です。
表紙連載は「海軍と父を名乗る変な男からの逃走!!」です。父親なんていきなり言われても証拠ないけど、あまりにも疑いなく行動に移していてダメでした(笑) パウンドはまあ、いちおう望みである娘に一目会うことはできたからまだいい方なのでしょうか?
第985話「新鬼ヶ島計画」 まさに海賊の計画 - ワンピース航海記録
全貌が判明した、新鬼ヶ島計画。それは海賊としての新たな拠点をワノ国に構えることでした。ついに長年同盟関係であったオロチをも殺し、ワノ国を本格的に乗っ取ろうとするカイドウ。
そんな中、旗頭になりそうなヤマトはルフィと一緒に逃走中で…
おでんの家臣
冒頭、鬼ヶ島の裏口にたどり着いた錦えもんと傳ジローが目にしたのは、彼らを待っていた赤鞘と血を流し横たわるカン十郎でした。時間稼ぎが目的とはいえ、彼ではこの戦力には太刀打ちできなかったか。
思い出すのはおでんとの日々。カン十郎も含めた家臣たちの笑顔溢れる日常が、頭に映るのです。それを思うと、この男を手にかけたのは…
「辛かったな…お前達…!!」
役者であったかつての友に、笠を被せたのはせめてもの慈悲でしょうか。
そして錦えもんは久しぶりの再会となるイゾウと手を交わします。戦争で尊敬する船長を失った彼としては、ここを死に場所と決めています。
一方その頃、カイドウはオロチの部下に選択を迫っていました。
その結果は、あまりにもあっさりしたもの。お庭番衆率いる福ロクジュ、見廻り組総長のホテイがカイドウにつくことを宣言しました。仕方ないとはいえ、これには敵であるヒョウ五郎親分も侍としての矜持の無さに怒り心頭です。
その名が意味するものは
戦力がすっきりしたところで、カイドウが次に向き合ったのはモモの助。彼としては脆弱な少年が、おでんの息子であることは納得いかなかったのです。そこで彼がモモの助にあることを問います。
「お前の名は?」
一方、ルフィはヤマトと突撃中。道中でモモの助たちの安否の話をしつつ、ついにルフィが彼女の腕輪に手をかけます。ゆっくりと息を吐き、そのままポイッ!見事、外すことが出来ました。
ヤマトを狙う飛び六胞、ナミ達を追うウソップ&チョッパー、カイドウを狙う赤鞘、戦い続ける超新星、それぞれの場所で戦いを続ける中で、モモの助が思い出すのは亡き母と父の言葉。そして自分を認めてくれたルフィのことでした。
モモの意味は天下無敵、かつてワノ国を救おうとした父が名付けたその名前!
「拙者の名は!!!光月モモの助!!!ワノ国の“将軍”になる男でござる!!!」
嘘を言えば助かったかもしれない。しかしここでカイドウに屈しては、ワノ国を将軍になり、ワノ国を開国するなどできるわけがありません。死を覚悟した彼は大粒の涙をこぼしながら、最後まで矜持を貫こうとしたのです。
20年越しの突撃
すると突如、ライブフロアの壁を破るような爆発が!
「畜生あの…牛ゴリラめ~~~!!僕を殺す気だった!!!」
そこから現れたのは、ルフィと恐怖の涙で変顔状態のヤマト。キレたヤマトはカイドウを倒すために彼のもとへ向かおうとしますが、ルフィがこれを止めます。
「この決戦を始めるのは!!おれ達じゃねェ!!!」
そう、あくまでルフィは今回一緒に戦おうとなっただけ。狙いはカイドウですが、あくまでこの戦いの火ぶたを切るのは、おでんの意思を継ごうとする者達でなければならないのです。
突如、カイドウの後ろから現れた侍達。刀を構えようとするキングを妨害するイゾウ、カイドウの金棒を払いのけるネコマムシ、一斉に武器を構える赤鞘の侍、彼らを率いて先陣を切るのはリーダーの錦えもんと20年も敵の部下を耐え忍んでいた傳ジローです。
今こそ名を捨て、知を捨て、戦う時!鬼気迫る彼らはまさに20年前の主君の如し!
「スナ~~~~~ッチ!!!!」
開戦!
ついに討ち入り決行となった今回の話。
やはり目玉と言えるのは、ラストの一枚絵でしょう。正直、スナッチとか意味ないなと思っていましたけど、こんなのズルいじゃないですか。カッコいいし、素直に目頭熱くなりましたし、気持ちが高ぶりました。というか、俺がスナッチ微妙と思ったのは唐突なのと、あと掛け声が微妙に感じたからですしね。いや今でも思っているけど、ここまでされたら心を素直につかまされます。
赤鞘で言えば、冒頭の裏口での場面もよかったですね。形が違えど、おでんの家臣が一同に集まったあの場面は一種の哀愁を感じました。思えば、錦えもんの言葉はカン十郎にも向けていたんですかね。雷ゾウの涙とか見ていて辛い…。
しかしカン十郎は本当に死んだと見ていいのでしょうかね。役者で死に場所を求めていたのに、舞台外でその命を散らうのは虚しさを覚えます。このあっさりさは時代劇みたいな演出に感じました。ちょっとあっさりすぎますが、がっつりバトルはアニメでやってくれるでしょう。二度おいしいな!
彼らの家臣としてのカッコよさが描かれるほど、オロチの人望無さに苦笑いです。まあ元より権力でゴリ押すタイプだったし、家臣たちにバカにされっぱなしでしたものね。家臣たちも忠誠心なかったけど、そういう奴らはそもそもオロチにつかないし、ヒョウ五郎の話していたように百獣海賊団にやられたのでしょう。それこそオロチに忠誠を誓っていたのって、カン十郎くらいじゃないでしょうか。
カン十郎はやられたけど、オロチが死んだとはまだ思えませんね。というか、今回のモモの助のセリフとアニメで思い出しましたけど、日和の件があるからまだ生きていそうですわ。
タイトルであるモモの助の場面もグッときました。幼子ですけど、その心持ちはまさにワノ国を開国しようする将軍の器があるといえるでしょう。ヤマト的に言えば実におでんです。
直後のカイドウの反応含めて、この場面は完成されていましたね。モモの助にとっては命を奪われるのもつらいけど、それ以上に自分の生まれを否定する方が心苦しかったのかもしれません。
個人的にはルフィがヤマトを止めた場面がお気に入りです。あくまでこの戦いはおでんの意思を継ぐ彼らが始めるべき戦い。そこら辺をわきまえて、しっかり彼らの顔を立てるルフィに船長としてのカッコよさを感じました。82巻の同盟結成の場面読み返してしまったぜ…。
というか、今回は本当に見どころ多かったですね。正直、表紙連載がエンジンかかっていましたもの。このいよいよ決戦というところで、次回はカラー扉絵とかもう期待しかないじゃないですか!
外の気温並に、気持ちも熱くなる展開となったところでまた次回!