956話の感想です。
表紙連載は「おい!ローラじゃねェか!ホントに婿みつかったんだな!!」です。ここでローラを知る人物に出会ったベッジたち。こういう時、双子であるのがラッキーでしたね。
前回、ゾロが新たな刀「閻魔」を手に入れその強力な力を試していました。準備も整っていき、ついに討ち入り決行となったその日。モモの助と光月家の家臣たちが作戦のために歩を進めいよいよというところで締まったワノ国第二幕でした。
その頃の世界情勢の方は…。
魚人島でのガープの頼み
場所は魚人島の竜宮城。ガープがネプチューン一行をここまで送ってきていました。すでに世界会議が終わって一週間は経っていますが、会議の方は難航しました。国ごとに問題は抱えていますし、互いに睨み合いも少なくありません。資源や技術を持つ国は交渉や脅しに使え、宗教や貧富の違いはそのまま国同士の食い違いや差別につながります。結局のところ国同士で仲良くというのは絵空事のようなものとなっており、ガープとしても国民や他国のために発言できる存在がどれだけいるかすらも懐疑的となっています。
もちろん均衡がこれで保てているのであればそれで越したことはないのですがどうも今回はそうもいかないようで…。
ここでガープがネプチューンたちに知らせておきたい事件があるそうです。それは世界会議解散後に起こったこと。これから大混乱が予想されると思われます。
「海軍は全力で事件解決に努めていくが―――どうか地上を…!!人間達を恐れんでくれんか!!」
ガープが言ったのは魚人と人魚たちが人間へ恐怖を抱いてほしくないという願い。そこまでガープに嫌な予感を抱かせた事件の渦中にあるのはなんとあのアラバスタ王国だそうで…。
世界会議後の話題は…
世界会議解散から少し時間をさかのぼって場所は世界経済新聞。モルガンズの下で今回の新聞についてどの記事が見出しかを考えます。なんでも今回の世界会議では「死者」が出ており、それに加えてとんでもない「議決結果」、さらには「殺人未遂」なんてものもありました。
全部を一面で扱えるような構成を考えていると、アタっちゃんが政府からの速達を持ってきました。中身はとんでもない額の小切手。これで情報操作を考えているようですね。しかしモルガンズはこれを一蹴。面白いことを逃さない彼としては情報の方が大切なようです。とはいえ、政府もこれはよほど世に出したくない情報なのかサイファーポールが銃を向けて登場。なんとアタっちゃんに変装していたのです。さすがにこれにはモルガンズも…
「“新聞王”モルガンズをナメんじゃねェよ!!!おれは守銭奴だが!!その前に!!“ジャーナリスト”だ!!!」
なんと素手で逆に返り討ちにしたモルガンズ!アホウドリの能力者である彼ですが、意外にも武闘派だったか!
とにかくジャーナリズムを優先する彼はすぐさま移動可能な本社で引っ越し用意。さらにワポルからリーク情報が入ったという報告もあり…。
お次は革命軍総本部となったカマバッカ王国。イワンコフ、ドラゴン、ベロ・ベティ、コアラがうろたえていました。なんでも新聞にサボのことで何か書かれているようです。
このネタや新聞に驚いたのは革命軍だけではありません。ゴア王国のステリ―、フーシャ村のマキノ、コルボ山のダダンたちは驚きや悲しみに、監獄にいるドフラミンゴは面白そうに高笑いです。さらに海賊島にいる現四皇の黒ひげは何かを狙うような発言をしており…。
裏で動く海兵
さて場面はまた変わってとある海域。コビーに誰かから連絡が入ります。場所を変えて合言葉まで使うなどという用意周到な連絡ですね。
コビーはその人物に新聞の内容を報告。その後の話を考えてもどうも何か作戦を遂行する予定だったようです。コビーの連絡相手がいる場所はなんとワノ国のえびす町外れ。鎖国体制であるワノ国に海兵がいるということでしょうか?
そこにいたのは超新星のひとりであるドレーク!彼の肩書ですが海軍本部機密特殊部隊「sword」の隊長となっています。お前、スパイだったのかよ!さらにコビーもその部隊の隊員であることが判明。階級も少将であることが判明します。ついこの前まで大佐だったじゃん!
ドレーク側もカイドウとマムが同盟を組んだこと、さらにはCP0がワノ国にいたことを話します。世界情勢もさることながらワノ国も混乱状態ですね。
ここでドレークがコビーがどこにいるのかを問います。彼が率いている軍艦の目的地は…。
「海賊女帝ボア・ハンコックの拿捕の為「女々島」へ向かっています!!」
…拿捕?
制度撤廃
世界各国で騒ぎが起きる今回の世界経済新聞。その熱狂を引き起こしたニュースですが、王下七武海制度の撤廃というものでした!世界会議で七武海から大きな被害を受けたアラバスタ王国とドレスローザの議案が多数の賛成によって可決されたそうです。
つまり彼らは名の知れたただの海賊。海軍もすぐに捕えに向かったのです。
まずピックアップされたのはルフィと妙な縁のある伝説の男“千両道化のバギー”!多数の軍艦を引き連れたステンレス中将の話に仁義もクソもないと怒りを見せます。海岸はすでに包囲されているこの現状ですが、バギーとしては海軍の身勝手もいいところ。この怒りぶつけずにはいられません。
「やったるに決まってんだろォがァ!!!」
ということで、まさかの戦闘指示!部下たちに檄を飛ばします!なお本人はその間に逃げようと考えている模様。さすがはバギー!読者の期待を裏切らない反応だ!
お次はシッケアール王国跡地。こちらにも多数の軍艦が迫っています。
「武者震いがする…久しぶりだな…追われる立場に戻るのは…フフ」
底の見えない存在感を示すのは世界最強の剣士である“鷹の眼ミホーク”!
今度は新世界のとある島。多数の海軍が取り囲むのは“自称白ひげJrウィーブル”と母親のミス・バッキン。その現状に戸惑うウィーブルですが、バッキンの方は自分たちを捕えに来たのだと考えます。
「ウィーブル!!やっちまっていいよ!!」
「ホント!?じゃあみんなぶっころそ!!白しげの名の下に!!」
ラストはコビーが向かう女ヶ島のアマゾンリリー。こちらにも海軍の軍艦がすでに来ています。皆が不安になる中、“海賊女帝ハンコック”は全くといっていいほど動じていません。
「慌てるな…忘れておるようじゃなあやつら わらわ達が「王下七武海」になったのは強さゆえじゃという事を…!!」
まさに強者とも呼べる存在の元七武海たち。全員が海軍との激突を承知の上で今回は終わりです。
設定の終止符
カイドウとマムの同盟張りに驚くこととなった今回の話。
やはり目玉はなんといっても七武海制度の撤廃とそれについての各々の反応でしょう。その証拠に今回の四人の肩書は“元七武海”となっていました。たしかに七武海は海賊と手を組むという海軍の存在と矛盾したものがあるような制度でしたが、ここにきて撤廃されることで海軍は新たに敵を作ることとなりました。
すぐにでも拿捕しようと考えますが、揃いも揃って全員が勝負上等という状況。あの逃げ腰がひどいバギーですら、逃げるにしても部下たちをぶつけて隙を見つける気なのに驚きます。ミホークとウィーブルは一騎当千の実力者、ハンコックも実力はさることながら九蛇の女性たちも屈強な戦士たちが多く、バギーも本人はそこまでではないですが強力な砲弾と兵力の数においては他にも劣りません。まさにハンコックの反応通り、実力ありきのメンバーだからこその対応と言えるでしょう。
正直やりすぎなくらいはあるにしても今の七武海のメンバーは海軍に敵対しようという輩はいないような気もするのでムダに敵を増やすのは悪手な気もするんですよねぇ。まあこれにとって代わる戦力があれば問題ないでしょうが。それこそ完成版パシフィスタとか。
わりと今回の展開はそれらのデモンストレーションも兼ねているのかと思いましたね。噛ませになるとすればバギーやハンコックあたりが怪しい気もするのですが、むしろ全員がそいつらを返り討ちにするという展開も面白いと思います。サカズキには悪いけど、彼にはもっと苦労してもらおう!ただこの場合、バギーだけが勝てる絵が思いつかないけどな!もちろん七武海全員がやられる可能性もあるのですがね。
私としては、というよりも読者としてはこれにはかなり衝撃だったでしょう。王下七武海といえば尾田先生がワンピースが長期連載となった原因にも挙げている設定が撤廃されるのにはやはり衝撃といいますか…!
とはいえ、こうなるのもおかしくないという感じですよね。クロコダイル、ドフラミンゴ、黒ひげの件を考えれば当然でしょう。世間的にはジンベエやローだって同罪なようなものですし。だからこそ藤虎がわざわざ回りくどいことをしてまで、政府を通してこういった状況を作り上げたのですから。
おそらくサカズキ的にはこれはまだ納得しきれていませんよね。彼も徹底した正義派閥であるものの元帥である現状とまだまだいる強者相手には七武海が必要とも思っておかしくないと思うのです。やっぱり組織的に新入りの実力ある改革派って良くも悪くも大変ですよね。
というか、冷静に考えればまず海軍が矛先を向けるべきなのはクロコダイルや黒ひげ、ロー、ジンベエといったやらかした方の元七武海達だろうに…。
他にも気になる情報が多々あります。
まずはドレークの正体ですが、なんと海軍の特殊部隊の隊長というスパイでした。まあ、彼としては幼いころに海軍に拾ってもらった恩もあるのでこうなるのは必然的だったのでしょうね。親父さんと違ってムダに気性が荒いわけでもないですし。ただカイドウの信用を勝ち取るために網笠村を襲ったのはどうなのよ…。いやたしかにより大きな正義のためだし、ワノ国は非加盟国なんだけどさ…。
加えてコビーもその部隊であることが判明。それどころか階級が少将にまで上がっていました。ちょっと階級が上がりすぎな気もするんですがね。大佐はまだ2年のスパンが空いたということで納得できるのですが、今回の少将は描写も何もないので反応に困るというか…。むしろヘルメッポとかの方が気になりますわ。
ところでこのswordという部隊はどういうことをするもなのでしょうか?やっていることだけ見ると海軍のCP9みたいなものかしら。何となくですがコラソンとかも所属していたとしてもおかしくなさそうです。
お次はまさかの死亡記事。あの反応を見るとサボが殺されたような内容で出回っているような気もするのですが、確定ではないため何とも言えません。
でもさすがに死んだとは思えませんよね。彼ほどのキャラをこんな0コマ死なんてやらないでしょう。ただ他の幹部含めて大将たちとの勝負では負けたみたいですが。
もしくはモルガンズの話していた未遂の方かもしれません。むしろこっちはこっちで誰が誰を狙ったのかが気になるところですよね。
個人的にサボの方は取り返しのつかないことをやってしまったかのようにも思いますね。他の幹部を逃がすために捕まったとか、彼が誰かを殺してしまったとか。
そしてたった一コマ程度にもかかわらず、存在感を放った黒ひげティーチ。タイミングとあの言い方では彼も七武海の誰かを狙うような発言に思えますが、現状だと他にも革命軍やマム不在の万国という線もあるのでこちらも確定できません。どれにしろ彼が行くと、だいたいそこは荒れることになるからなぁ。
最後に気になったのはアラバスタの件。七武海制度撤廃の次に私としては気になりました。現状はどんな問題なのかすらも触れられていないのですが、ガープがネプチューンたちへいった言葉を考えるとよほど恐ろしいものであることが考えられるでしょう。
そこで思い出すのはビビの写真を持っていたイム様。元々ネフェルタリ家が天竜人と同じような立場でいたと思うと、政府側が秘密裏にビビ達に何かを仕掛けたのではないかと思ってしまいます。
そういえば天竜人で思い出したけど、ミョズガルド聖は大丈夫だろうか。彼も彼で危うくなってもおかしくない立ち位置だし…。
今回は1話で第三幕にこそ入りませんでしたが、内容を考えればワンピース史上大きな出来事があった話といえるでしょう。私としても当時七武海設定に心躍った読者のひとりなので、今後の彼らの動向には期待半分、緊張半分の気持ちですね。
思えば、今の海軍がどうにかしないといけない相手はシャンクス以外の四皇、元七武海の四人とその勢力、革命軍あたりか…やっぱりこのタイミングで撤廃ってマズいんじゃないの、藤虎さんよォ!
ワンピース世界と読者に大きな波紋が広がる一石が投じられたところでまた次回!