1074話の感想です。
表紙連載は「万年No.2戦争-険悪な3人-」です。なるほど、不動の1位はベガパンクで、その次点が誰かということですか。にしても、だいぶ現在の雰囲気に近くなってきましたね。
第1073話「ミス・バッキンガム・ステューシー」 天才と繋がりあり - ワンピース航海記録
なんとかセラフィムを止めた一行ですが、ベガパンクの本体が消える事件発生。その頃、白ひげの故郷を守ったウィーブルを連れ去ったりと海軍側も大きく動きます。そしてエッグヘッドに向かう軍艦には五老星のひとりが…!
行け、パシフィスタ
エッグヘッドの工場ではルッチたちと共に来た政府の役人がパシフィスタにやられていきます。撃ち込まれた砲弾は、ベガパンク作成のバブルシールドによって防御し、そのまま反射します。このシャボン玉のような防御性能を持つパシフィスタマークⅢは、かの頂上戦争で出撃したプロトタイプを凌駕する性能だとか。
ベガパンク不在の中、このパシフィスタを指揮していたのは一命を取り留めた戦桃丸。工場の裏で市民から治療を受けていました。とはいえ、彼の方も通信が繋がらず余裕とはいいがたい様子。研究所やベガパンクとは連絡が取れず、海軍側も同じ通信をくり返し、もろもろ悟られないようにしています。
とはいえ、すでに謀反を起こした彼はルフィやベガパンク達を出航させることに全力を尽くすことを決意!パシフィスタマークⅢを50体という大盤振る舞いで、役人の無力化や警備の図ります。
「お前達の“生みの親”を!!!必ずこの島から脱出させるんだ!!!」
彼もだいぶベガパンクに恩義を感じているな…。
研究所内の謎
さて場面は変わって、研究所の方に。ルフィがベガパンク&ボニー不在のことに気づいて探し回っていました。もっともシャカの話では、モニターにラボ内全域は映されており、ボニーは見つかってます。ルフィの労力が無駄に…(笑)
ゾロ、ブルック、ステューシーも合流、アトラスも修理済とトントン拍子のように見えますが、大きな問題が2つ発生しています。ひとつは先ほどでも判明した連れ出すべきベガパンク本人がいないこと。もうひとつはフロンティアドームが制御不能になり、出ようとしたらレーザービームで焼き殺される状況になったことです。
おそらくベガパンクは、先ほどのセラフィムの攻撃で研究所内を映していた電伝虫が気絶か持ち場を離れたことで生まれた死角にいると思われます。ドームの修理はシャカに任せ、他のメンバーはそれぞれベガパンクの捜索に向かいます。もっとも全力で走り回ったルフィは休憩、ゾロは仲間達から直々にストップをかけられてお留守番です。キミらは眠っているルッチ&カクを見て、懐かしむだけにしておいて…。。
少年の涙の意味
その頃、ボニーはくまの記憶に入り込んでいました。彼女が見たのは、傷だらけ、血まみれの丸刈り少年が原っぱで泣いているところ。SBSでもあったくまの幼少期です。ボニーが声をかけようとしますが、黒い大人のシルエットが現れます。彼らはくまに戻れと掴みかかりますが、くまの方は必死で抵抗します。
「泣いて何になるクソガキ!!」
「戻れ!!」
「じゃあここで殺せ!!戻ったってどうせ死ぬんじゃないか!!!」
間もなく彼は大人たちに殴打され、謝罪と助けを求めながら、別のシルエットの下に連れ去らわれ…。
記憶はここでストップ。ボニーははじかれるように出てきました。わずかに見た一旦だけでも涙は止まらず、それでも父を知るために彼女は手を伸ばし…。
同時刻、研究所内を捜索中のピタゴラスにはなぜか爆発が…。
活字のDJと一緒にいる2人
さてエッグヘッドの内部がとんでもない騒ぎになっていますが、世間でもすでにこの事件は取り上げられています。海軍が世界で慕われるベガパンクの暗殺を決行というのは、かつてのオハラの事件を彷彿させる内容。そこに居合わせたのがお騒がせ四皇であるルフィのため、情報を手に入れたモルガンズは、「ルフィがベガパンクを人質に立てこもった」という内容で新聞を印刷しようとします。
相変わらず自分の面白さを優先させ、今回は政府にも都合がいいので謝礼金を求めようとするモルガンズの記事ですが…
「バカバカしい記事ね!!」
そんな彼にバッサリと苦言を呈したのは、なんとアラバスタ王女であるビビ!世経への文句を言う彼女に、一緒にいたワポルも匿ってもらっているのだからと収めようとします。
「ウソか本当か重要じゃねェ!!!新聞はエンターテイメントだ!!!」
モルガンズの自分流の主張で今回は締め!
生きてて良かったわ!
ラストの意外な人物の登場に度肝を抜かれた今週の話。
行方不明となっていたビビでしたが、なんとモルガンズに匿われていました。彼の泣いていたというセリフからコブラ王の死亡ニュースは本物っぽいですが、少なくとも現状のビビは元気そうです。
併せて一緒にいたのは、妙な縁のあるワポル。そういえば彼がモルガンズにリークがあるみたいなセリフがありましたが、その内容ってビビと一緒にいるから匿って欲しいということだったんですかね。まあ、内容の密度を踏まえれば、間違いなくモルガンズが喰いつきそうなものですが。
ワポルのセリフからすると、2人して政府に狙われていることが示唆されています。ビビについてはイムが狙っていたような描写があるため、その事件に関連して、偶然居合わせた、見てしまったワポルと一緒に逃げている…そんな状態ですかね。ビビの無事に安堵と同時に、これはモルガンズにも暗雲が出てきたなと思う展開ですね。
また今回のメインとなっているパシフィスタマークⅢの活躍。かつてのプロトタイプ以上の性能は伊達でなく、汎用性が高そうなバブルシールドはこの短い描写だけでもその厄介性が分かります。これにレーザーとパシフィスタの身体があれば、並の海賊じゃ勝てませんわ。これを50体とかマジかよと思いますが、セラフィム同様に威権順位ってあるのでしょうか。だとしたら…とりあえずは無事であった戦桃丸に安心しておきましょう。さすがにまだ活躍の場は用意されていましたね。というか、セリフも踏まえると彼もベガパンクに恩義がありすぎでしょうよ。
さらに今回の話で、展開に大きく影響しそうなのは研究所の故障とピタゴラスの襲撃。前から怪しまれていましたが、どうも研究所内に何者か敵対している者がいますね。これってそもそも内通者なのか、侵入者がいるのかがわかりません。内通者の場合、ベガパンクの猫の誰かが怪しいと思われます。それこそ以前、ベガパンクがジンベエに図書館の例を出しましたし。それこそいまいち目立っていないヨークとか…欲だから色んなものと結び付けられるんですよね。ただベガパンクの猫たちがこれをやることにメリットが無いんですよね。となると侵入者が考えられますが、そもそもルッチたちが入り込むきっかけを作ったのもその人物と思われるため、前から侵入しているはずなんですよね。それが出来そうなのは…スケスケの能力のシリュウとかでしょうか?
そして個人的に今回でもっとも印象的だったのは、わずかに垣間見えたくまの過去。あの様子を見ると、幼少期から天竜人の奴隷だったのでしょうか。連れてきたのは歯抜けもいたので同じ奴隷、天竜人特有の髪型のシルエットもありましたし。ここから国王になり、暴君となり、七武海となり、革命軍となり、無敵奴隷となり…本当にどういう経緯があったんでしょうか。ただ純粋にくまの必死な叫びに心がえぐられました。サンジの過去で幽閉されて泣きながら謝っている場面を思い出しましたよ…。
それゆえに今回は探しに行こうとするゾロを止めようとする、サンジ、チョッパー、ロビンのやりとりにほっこりしました。いやサンジが止めるのはしょっちゅうですが、ロビンの「お願い大人しくしてて♡」が容赦なくて…。彼女が楽しそうで何よりです。
リアルが忙しくて翌日更新が続きましたが、この面白さは見逃せないと思いつつまた次回!