ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第955話「閻魔」 刀のお話

 955話の感想です。

 表紙連載は「とある島で食料補給」です。扉絵シリーズのことだからこの島に何かがありそうですが…。

第954話「龍に翼を得たる如し」それぞれの海賊同盟 - ワンピース航海記録

 

 戦力、武器と順当に集めていった錦えもんたちはついにメインメンバーで作戦会議。ルフィもカイドウを倒すためにバリバリに覇気を鍛え続け決戦に備えます。しかしその一方で鬼ヶ島では新たな戦力ナンバーズが招集され、さらにはカイドウとビッグマムが同盟を組むという最悪の事態に…!

その刀、覇気を使う

 冒頭では日和がゾロと河松に頭を下げている回想から。彼女は戦の前に妙な情を持つことがないようにと、まだモモの助たちに会うことを控えるようです。代わりにその力を合わせてワノ国に再び平和を取り戻してくれるように願います。

 その話を河松から聞いたモモの助と赤鞘九人男は大号泣。まあ普通は生きていると思いませんよね。

 皆が日和のことを聞く中で、モモの助は兄として妹を助けてくれたことでゾロに礼を言います。昔の日和はなかなかお転婆だったようで、兄貴にいきなり飛び蹴りするような面もあったようです。今は無自覚天然の方が目立つ気もしますが。

 

 さてここで話を切り出すのはお玉の師匠である天狗山飛徹。まずはお菊からルフィが勝手に持ち出された二代目鬼徹を返してもらうと、自分が20年もある刀を預かっていたことを明かします。それこそがかつておでんが使っていたとされる二本の刀。天をも切る「天羽々斬(あめのはばきり)」と地獄の底まで切り伏せる「閻魔」です。どちらの評価も神話を思い出させるほどのもので、大業物21工に名を連ねます。秋水と同格なんですね。

 

 さてゾロに閻魔を渡されますが、飛徹曰くこの閻魔を扱いきれたのはおでんただ一人。まずは促されて木を一本試し切りしますが…。

 なんと木どころか海岸を切り落とすというとんでもない切れ味!しかし驚くべきはそれだけでなく、刀を持つゾロの腕が生気を吸い取られたように細くなっているのです!なんかこの前のサムライ8の主人公みたいになってんぞ!とりあえず一喝してなんとか刀から力を奪い返します。

 なんでもこの閻魔、持ち主の流桜すなわち覇気を勝手に奪って放出する刀であり切れ味は常に強力ですが普通なら持ち主を干からびさせるほどのものなのです。とてつもないじゃじゃ馬刀ですが…

「いやこれを貰う!!!「閻魔」か…!!こいつに慣れた時…おれはもっと強くなってるって事だろ?」

 ゾロはむしろ嬉しそうなご様子。まあ彼らしいよね。

作戦と噂

 さて討ち入りまで残り三日となる今は作戦会議中。ロビンの情報網では百獣海賊団が2万人、オロチの行列が1万人と占めて3万人が敵ということになります。もちろん場所は敵地なので地の利も相手側なので、不意打ちとはいえ現状4000人では心もとありません。

 だからといって諦めるわけにはいきません。港ではフランキーが10万人来ても大丈夫なように余分に船を直そうとしていますし、ルフィはヒョウ五郎と共に兎丼で引き続き覇気の特訓。ゾロも閻魔を慣らそうと特訓中です。

 二日前にはルフィ、チョッパー、お玉も合流し、さらに各地方の侠客から200人の兵士が追加したとの連絡。これで人数は4200人ですが、理想戦力には残念ながら届きませんでした。せめて現在花の都で捕まっているメンバーが解放されれば何とかなりそうですが、味方の忍びの伝令ではそれも難しそうです。

 結局このまま前日となり、ルフィと錦えもんはここで一度別れます。錦えもんたちは先に港へ向かって、ルフィたちはサニー号であとから合流する手はずなんだとか。

「———では港で!!」

「おう!!」

 

 一方、ワノ国各地ではある噂が流れていました。それは先日の康イエの行動がいたずらではなく本当に討ち入りの合図を記したものだったということ。半ば本気のように語られていますが、奴隷のように働かされている身としてはもはや諦めムード。カイドウには立ち向かえないと考えています。うーん、気持ちがわかるのが辛いわ…。

 そんな裏で目的のために歩を進めるのは9人の人物。かつてワノ国を栄えさせたおでんの息子モモの助に臣下である赤鞘九人男7人に忍びがひとり。世間では亡霊などと扱われる彼らですが、その想いは生の人間としての確固たる信念がありそれを胸にワノ国を歩んでいきます。またかつて世話になった亡き大名や別の地で散った戦友への想いを馳せる者のためにも負けられません。

いざ出陣!

 そして飛徹はゾロの方へ。閻魔が手になじんでいることを指摘します。なんと飛徹は現在ゾロの持つ刀についてよく理解があるのです。そもそも三代鬼徹は飛徹作の刀であり、この妖刀同様に閻魔も弱者には扱えないほど強力なものであることを指摘します。

 さらに言えば、この閻魔を作った人間はゾロの持つ和道一文字と同じ職人でありその名を「霜月コウ三郎」と言います。かつてワノ国から違法出国したようですが、なーんかどっかで似た名前を聞いたことがあるような…。

 またルフィは近くの木を覇気をまとった拳で殴ると破裂するように木が破壊。覇気の仕上がりは上々のようです。

「しししし!みてろカイドウ」

 だがその一方でオロチは兎丼の異常なしという連絡に疑問形。さらには錦えもんの生存と向かう港まで看破していました。

 

 良きこともあれば怪しきこともあれ。ワノ国きっての大イベント火祭りが始まるその日、裏では世界を揺るがし歴史を震撼させる大きな戦いが幕を開こうとしていました。

「ワノ国第二幕 完」の文字と共に今回は終了です。

いよいよ決戦直前!

 討ち入りの準備が終わり、ワノ国第二幕最後でもあった今回の話。

 注目はゾロが飛徹から渡された閻魔の使い勝手。持ち主の覇気を勝手に使いこみ必要以上にその切れ味を見せるという意思を持ったような恐ろしき刀でした。こんな特性持っていても妖刀じゃないのかい!しかしゾロとしてはその暴れ馬のような刀はむしろお気に入りの模様でコントロールしようと修行に励みます。今思えば、雪走が一番おとなしい名刀だったな。

 そこに加えて新たに判明した情報は、和道一文字と閻魔の生みの親が同じだということ。名を霜月コウ三郎と言うそうですが、やはりゾロの師匠であるコウシロウを思い出すような名前です。おそらくコウシロウの父親でくいなの祖父に当たる人物でしょうか。それならばゾロが刀の馴染みが早いことやワノ国のスナッチを知っていたことにも説明がつきます。

 

 さらに飛徹が三代鬼徹の制作者であることが判明。もとより鬼徹を生み出した一門であることはルフィが二代鬼徹を持ち出そうとしたときの発言で予想はできましたが、まさか彼も作っておりそれがゾロの持つ鬼徹だとは思いませんでした。地味にゾロの刀の扱いについて助言したりなど、師匠というほどではありませんが良き協力者になってくれていますね。

 そんな彼の発言で最も気になったのは、お前次第で位列も上がるというもの。つまり刀の位列というのは鍛冶職人の技術力と扱うものの覇気によって鍛え上げられることで変化していくということでしょう。そうなると最上大業物を扱うミホークや白ひげはこれらの条件をクリアして、自身で刀剣を鍛え上げたということか。それとも別の誰かが最上大業物にしたのを手に入れたのか…いやあの二人クラスなら自分でやっていそうだな。むしろ最上大業物ならば並の剣士が扱っても上手く扱えないような気がします。飛徹も実力がものをいうようなこと言っていましたし。

 むしろこうなると気になるのは初代鬼徹の持ち主ですね。いちおう五老星のひとりがそれらしいのを持っていますが真相はいかほどか…。少なくとも妖刀で最上大業物となればそれを扱える人物の剣術はずば抜けていそうですね。

 

 その他にも気になったのは、オロチに計画の致命的な点がばれているということ。あの様子なら全部まではいかなくても作戦の根幹である集合場所と光月家の生き残りである日和について知られるのは手痛いでしょう。花の都でも討ち入りについて妙な噂が流れていますし。

 しかしどこから漏れたのでしょうか。考えられるのは狂四郎あたりですが、あそこまで明確に知っているとなれば内通裏切り者や者も疑いたくなります。今回不穏なカットのあったローも気になりましたが、彼の性格的に今さらルフィ達を売るような真似するかな?

 だいたい今回でルフィたちの強化や討ち入りのために移動する場面は頼もしそうに見えるんですけど、前回のカイドウとビッグマムの同盟発言でかすんで見えてしまうのは残念ですね。ロビンの敵戦力の話とか、どうしてもナンバーズとマム達の姿がちらつくわ!

 

 それにしても今回の話で私の赤鞘九人男最後のひとりが飛徹かコウシロウであるという予想は外れましたね。むしろ第二幕終わってまで傳ジローが出ないとは思いませんでした。むしろ彼が裏切り者という可能性もあるのかな?シルエットだけではアシュラ童子と共にカイドウと戦っているような様子もあったし、アシュラが勧誘を受けていたとなると無いとも言えなさそうな。でも私の予想だしなー!

 飛徹の待ち人がモモの助たちであることが判明しましたが、彼も刀を託される当たり光月家にとってかなり重要な存在だったということが知れますね。刀は霜月コウ三郎が作ったものだからお抱えの職人だったのかは怪しいですが。

 というかワノ国では光月家が重宝されているように聞こえるけど、康イエ、牛マル、コウ三郎、リューマの件を考えると本当にワノ国を支えていたのって霜月家の方じゃないかな…?

 

 さて第二幕が終わりましたが、前回と同じつなぎ方なら世界情勢に少し触れてから第三幕が始まるような形でしょう。あの時はモリア、黒ひげ、キング&クイーンの登場という衝撃の連続だったので次回への期待が高まりますな!

 加速するワノ国と世界情勢を楽しみにしつつ、また次回!

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