ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

20周年記念!! 「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」感想

 最近忙しくめっきり更新頻度が落ちているけど、今日は逃すことができません!

 本日、7月22日はワンピースが連載された日。つまりワンピースの誕生日ですね。

 そんな記念すべき今日は、ワンピース映画で個人的に一番面白かったONE PIECE FILM STRONG WORLDの感想を書いていきます!

概要

 本作はアニメの10周年記念作品であり、劇場版10作目となっています。公開日は2009年12月12日。

 公開前の前売り券販売数は東映史上最高数であり、初日の興行収入は5億越え、最終的な興行収入は48億円という大ヒットでした。

 ストーリー、製作総指揮者は原作者の尾田栄一郎先生が初めて手掛けており、監督はアニメでディレクターをしていた境宗久さん、脚本はこちらもアニメや映画で大きく関わってきた上坂裕彦さんです。

 ちなみに入場者に、「ONE PIECE 巻零」がプレゼントされました。設定画に加え、シキとロジャー、その時代に生きた者達を描いた第0話も収録されています。

あらすじ

 航海中の麦わらの一味に、東の海(イースト・ブルー)で次々と町が襲われる事件が起こっているニュースが舞い込む。

 故郷のピンチにルフィ達は、東の海へ向かうことを決意。するとそこに巨大な空飛ぶ海賊船が現れる。海賊船の船長は「金獅子のシキ」。海賊王ゴールド・ロジャーの時代を生きた伝説の海賊だ。

 その後の台風の事件から、自身の弱点である気象現象を克服するため、ナミの天性の気象センスを目的に、彼女を誘拐!さらにルフィ達を、自身の拠点であるメルヴィユへ落とし・・・。

登場キャラ&用語

・ルフィ

 我らが頼れる主人公は、今回がっつり冒険している印象です。見たことのない島だからか、すごくはしゃいでます。冒頭ではただ一人、夏島に上陸。豊富なクリーチャーの戦いに巻き込まれつつも、奮戦します。

 ナミと合流後は、5人でシキに挑むも敗北。5人ともかなりいいコンビネーションでしたが、シキの地の利を生かした戦いに押された感じでしたね。

 最後はシキと再戦。ギア2とギア3を活かしての激闘です。この作画が凄いのなんのって!

 

 中盤からは、仲間のために諦めない姿勢がよく出ていました。今回は特にこれが顕著でしたね。最初の方でも、自分の故郷である東の海の皆を助けに行こうと言ったりと、自分に関わった人たちや好意的に思ったことに対して、ほっとけない性格なんだと思います。

 衣装は冒険感あふれる衣装。帽子の上にさらに麦わら帽子をかぶるという謎スタイルでした。スーツ姿はカッコいいんだけど、半ズボンみたいになるまではやっぱり違和感あるな(笑)

 

・ゾロ

 前半はチョッパーと共に冬島に上陸。戦闘描写があっさりしてますが、小ボケが多い!

 中盤の戦闘ではサンジとのコンビネーションを発揮。やっぱりいいよな、この実力派コンビ。

 終盤はDr.インディゴと対決。今となっては懐かしの九刀流の攻撃で見事撃破します。

 一貫した安定感が多いです。慌てることも少なく、こいつ来てくれたおかげで助かったという印象がよく出ていました。実際、冬島とインディゴ戦はそんな感じだし。

 

 ただ今回は、彼の武士道的な感じはあまりなかったですね。むしろ方向音痴の小ボケの方が印象に残りました。しかも手拭いも巻かれてない!

 衣装はシンプルながらも、ゾロのごっつい感じが残るような感じでした。花柄のバンダナをそのように見させるのは、こいつの特権だと思います。スーツ姿はやっぱりヤクザの若頭にしか見えません。「FILM GOLD」と違ってサングラスないから、まだ押さえている感じだけど。

 

・ナミ

 今回はその天候センスが狙われ、さらわれますが、割とあっさり脱出。伊達に長い間、海賊泥棒をやっていません。

 中盤では苦悩しながらも、シキの軍門の下りますが、終盤は決死の覚悟で、シキの作戦の邪魔をします。

 

 今回は完全にヒロイン状態。もう行動や表情がえらく気になるものが多いです。そんな中、東の海の苦悩やルフィ達を助けるための自己犠牲、そして信頼、多くの面で心理的な描写が多く、掘り下げられています。

 あといちいちお色気カットが多いのも特徴的。最初の水着とか、ルフィと合流後の尻のところとか、ラストの衣装とか・・・。

 衣装はいろどりが鮮やかなものです。これがまた可愛い。正装姿は一見シンプルな感じですが、途中で動きやすいように破り捨てます。正直ここもなかなかのエロス。

 

・ウソップ

 序盤はサンジと共に春島へ上陸。ツッコミがキレッキレです。正直あれはもっと怒っていいと思うんだ・・・。

 中盤は彼らしい援護技の数々。今となってはめっきり使われなくなった技ばかりです。さらにシキに負けた際に、気がついてナミの説得に。ここの必死さがいい感じです。

 そして終盤はチョッパーと共にナミの救助。かなり奮闘してましたね。何気に映画限定のオリジナル技も披露。これがルフィの決め手にもなるのだから、大したものだ。

 

 いつものように慌てる様子こそ多かったですが、ナミへの説得など細かいところでしっかり見せてくれます。ただ私としては、ツッコミの切れがいつもよりも凄かった印象の方が強いです。それもあってか、必死さがよくわかる様子が多かったです。

 衣装は宇宙防衛軍みたいな服装で、スーツ姿ではクワガタのような兜を装着。どちらも頭に目がいくようなものでした。

 

・サンジ

 ウソップと共に春島へ上陸し、ナミとロビンの名前を叫びまくっては、動物たちを招くアホみたいな展開に。彼が一味で3番手の実力者だから良かったものの・・・。

 中盤は、ルフィ達と共にシキと勝負。ゾロのコンビネーションがありますが、彼だけ蹴りを止められたので、いまいち強そうに見えない。

 終盤ではロビンを捕まえたスカーレットと対決。あの勝負は完全にギャグテイストにも関わらず、サンジの強さがよく出ていました。おいしいところはブルックが持って行ったけど。

 

 まあ全体通して、ナミさん、ロビンちゃんと叫んでいる様子が多いのなんのって。ある意味自分を犠牲にしていますが、ギャグ要員感が強いです。それでも戦闘はしっかりやってくれますがね。

 衣装はおしゃれな探検家のような姿。スーツは下に青いシャツを着ているなどと全体的におしゃれ感があります。サンジの映画衣装は、この手の物が多いな。

 余談ですが、序盤でチョッパーが東の海出身について、サンジに聞いています。原作読んだ後じゃ、意味深な表情にしか見えない!

 

・チョッパー

 ゾロと共に冬島へ上陸。戦闘こそありませんが、何気にマンモスを手懐けています。動物の言葉がわかるって便利です。

 中盤は、当時彼の最高クラスの技とも言える「刻蹄・桜吹雪(ロゼオ・ミチェーリ)」を披露。あんまり効いていない様子だったけどね。

 終盤はウソップと共に、ナミの救出。持ち前の移動性能と、鼻で活躍します。

 

 今回は戦闘で見せることこそ少ないですが、それ以外の活躍がなかなか多い印象。ダフトグリーンの設定があるため、特に嗅覚については大きく注目されますね。

 衣装は大きな帽子が特徴的。よく見れば、ルフィ同様に帽子の上に帽子かぶっていますね。スーツ姿になってからは、ヘビーポイントとウォークポイントが主流に。いつもの状態でスーツも可愛いと思うんだけどなあ。

 

・ロビン

 序盤はフランキー、ブルックと共に秋島へ上陸。状況を冷静に判断していきます。

 中盤では機転を聞かし、シキの傘下になる海賊団たちから情報を入手。ここら辺がかなり設定を説明する状況に。

 終盤は巨大な蝶であるアゲハグエラと対決。見事勝利を掴みますが、スカーレットに捕まります。おかげでサンジが凄いことに(笑)

 

 彼女もチョッパーと同様、戦闘外での活躍が多い印象。設定や状況の説明をしたり、戦闘をより激化させるための役割でした。というかナミのヒロイン感が凄いので、相対的に目立たなくなったのかも・・・。

 衣装は白と緑の服装。眼鏡ロビンがとにかく可愛く、この姿だけでもお腹いっぱいです(笑)。正装時はすらりとしたプロポーションが魅力的。

 

・フランキー

 序盤はロビン、ブルックと共に秋島へ。コーラ切れもあったので、活躍はほとんどなし。

 中盤は動物たちを利用して、ザーリーダビットソンとバッタGT-7000というバイクもどきにして爆走。これは正直乗ってみたい!

 終盤はハンマーイソギンチャクと勝負。追われているところは、かなり迫力がありますよ。

 

 ところどころで活躍。戦闘回数こそ少ないですが、彼が絡むと躍動感がある印象でした。ただ個人的には一番目立ってないような気がするな・・・。

 ちなみになぜかルフィを「麦わら」と呼ぶシーンがあります。もう仲間だからルフィでいいだろうに。

 衣装はライダー風。ザーリーやバッタに乗っているときは、かなり似合っています。スーツ姿の方はぶっちゃけかけているサングラスもどきの方が気になる始末に・・・。

 

・ブルック

 ロビン、フランキーと共にアダルト組として、秋島へ上陸。新入りですが、いきなり大量の軍隊アリを器用に斬っていくという芸当を見せてくれます。

 中盤はハイテンションで騒ぎまくり。パンツ見せてくれますか?も出ます。

 終盤は巨大なハエのバッチ・フライと対決。再び「鼻唄三丁 矢筈斬り」で見事斬りさきます。そしてロビン救出劇のオチ担当(笑)

 

 今回が映画初登場のため、見せ場が多く、カッコいいところもギャグもたっぷりでした。感情の表現も面白く、白骨なのに表情豊かにも感じますね。

 衣装は冒険する気あるのかと問いたいぐらいのヒッピースタイル。スーツ姿でも強力な色のシャツ着てたし、こういうのが彼のスタイルなんでしょう。

 

・シキ

 今作のボスキャラで、金獅子海賊団親分。大海賊時代より前の海賊で、ロジャーや白ひげに並ぶ大海賊。異名は「金獅子」。

 風貌は和風な服に、長い金髪。2本の名刀「桜十」と「木枯し」を足の代わりに使っています。頭に刺さっている舵輪については、ロジャーと戦った際に刺さったことが0巻で明かされています。

 「フワフワの実」の能力者で、自分や物質を重力に関係なく浮かせられます。メルヴィユや船を浮かばせたり、水、岩を浮かせての攻撃とかなり汎用性が高い能力です。ただし飛ぶという性質上、嵐などの気象現象が弱点となりえます。

 

 海賊王ゴールド・ロジャーとはライバル関係であるが、その実力は認めおり、0巻ではロジャーが捕まったことを聞いて、単身で海軍本部に乗り込み、センゴクやガープと戦ったりもしました。その際にインペルダウンに幽閉されますが、足枷を足ごと斬り落とすことで脱出し、ルフィ達の大脱獄までの20年間たった一人だけ脱獄を成功させた人物としても名を残しています。

 20年間、世界支配の野望のために準備しており、今作でそれを実行。警告として空からマリンフォードを襲ったり、ロジャーの故郷である東の海を狙います。

 

 どっしりと構えていますが、残虐な一面もある男です。敵だけでなく、部下に対しても容赦はしません。戦闘においても一歩も引かないその実力や言動は、まさに大海賊の風格といったところでしょう。また支配欲もあり、「海賊は海の支配者」という考えを持っています。これらが合わさったためか、悪役としてはかなり魅力的な敵となっていますね。

 

 一方でギャグ的な面もあり、インディゴやスカーレットとダンスしたり、漫才まがいのことしたりとネタも欠かせません。

 実は尾田先生が前から考えていたキャラであり、先生の中ではロジャー時代の伝説の海賊だったようです。これほど凝ったキャラとなったのも納得だ。

 声は俳優の竹中直人さん。シキの大物感をがっつり見せつけてくれます。というか声がもろ竹中さんにも関わらず、こんなにも似合うというのも凄い気がする。

 

Dr.インディゴ

 通称ピエロと呼ばれる科学者で、シキの右腕的存在。変な足音とピロピロという笑い声が特徴的。

 ボケ&ツッコミをするお笑い要素が強いですが、今回出てくる動物たちを凶暴化させた人物でもあります。ちょいちょい自信たっぷりなセリフが印象的でした。

 

 戦闘ではゾロと対決。ケミカルジャグリングという火の玉で攻撃してきます。

 声優は中尾隆聖さん。バイキンマンフリーザが有名な大ベテランさんですね。今のアニメではシーザーの声も当てています。どっちもマッドサイエンティストな役って・・・。

 

・スカーレット隊長

 通称赤ゴリラで、シキの側近。もろゴリラなので、ウホしか言いません。インディゴやサンジはなぜか言葉わかっていたけど。

 メルヴィユに住む凶暴な動物たちのボスのような立ち位置であり、雄たけびで動物たちに指令を出していました。またかなりの美女好きで、ナミやロビン相手に嫁に欲しがる場面も。

 

 戦闘ではサンジと対決。強力な腕力を見せつけます。

 声優は銀河万丈さん。ガンダムギレン・ザビが有名ですね。というかほぼ鳴き声なのに、ここまでできる万丈さん凄すぎでしょ・・・。

 

・シャオ

 メルヴィユでシキに支配されている村に住む少女です。驚くと気絶するのが特徴。ナミの心配してくれる優しい子でした。

 この子含め村の人たちは、腕に羽が生えており、ラストではこれのおかげで助かる場面も。

 

・ビリー

 電撃を発することができる鳥。サイズはそこそこあり、大人一人は乗れる大きさです。名付け親はルフィ。オトボケな性格ながらもやる時はやるタイプ。

 もともとはインディゴにより発見だされた新種でしたが、ナミが王宮を脱出する際に共に逃げます。以後ルフィ達と行動。

 最終戦では飛べるシキ相手に、ルフィと共に奮戦します。彼の活躍はなかなかのもの。

 

・メルヴィユの動物たち

 インディゴにより、凶暴的に進化した動物たち。それぞれが特徴的かつ戦闘的な進化をしているため、並みの海賊では相手になりません。シキはもともと彼らを東の海へ送り込み、東の海壊滅を目論みました。

 かなり凝ったデザインが多いので、みなさんもお気に入りの動物が見つかるのではないでしょうか。カタクナは、スカーレットの呼びかけの際に、チラッと移ったカエル「カンフー・ドット」がお気に入りです。あの2足ダッシュと設定画でやられた。

 

・特別出演声優のキャラ達

 北島康介さんが演じる魚人族「キタジマ」と皆藤愛子さんが演じるシャオの姉「エバー」が登場。ほとんど物語には絡んでません。いや、特別出演だから仕方ないんだけどさ。

 

・メルヴィユ

 シキが拠点とする島。元はグランドラインの秘境的な場所だったが、20年前からシキが支配。フワフワの能力で、浮遊する島となっており、島ごとに季節がわかれている。

 

・ダフトグリーン

 動物たちが嫌う匂いを出す植物。人が住む場所の周りに植林し、動物たちが近づかないようにしている。毒性があり、人が大量に吸い込むとダフトと呼ばれる病気になる。

 

・IQ

 メルヴィユに咲く花。シキが独占しており、インディゴはこれを改良したSIQで、動物たちを凶暴化させた。ダフトの特効薬でもある。

感想(個人的名シーン&個人的名セリフ)

 ワンピース映画の記念すべき10作目である本作は、凝ったストーリーが印象的でした。不思議な島を回っていく冒険、強大な敵との戦闘、仲間や家族の絆をがっつり見ることができた内容でした。テンポもよく、強引に感じるような流れもなかったので、すっきりと見れました。

 

 キャラも個性的で、特に敵キャラのシキは悪の親玉という風格が出ているいいキャラでした。他のキャラ達は、見た目でインパクトを取っていた印象でしたが、それに見合った動きでより魅力的に感じます。

 衣装もカッコよく、いつものようにおしゃれ&面白い冒険服に加え、普段は絶対に着ないであろう正装姿までありました。正装で大きな銃やバスーカを持っているのはシュールですが、それすらもカッコいいのはさすがといったところ。

 この作品、個人的に本当に非の打ちどころがなく、ワンピース史上最高傑作といっても過言ではないと思われます。

 

 ただしルフィ達が2年前の状態なので、人によっては強さがおかしいとか、覇気がないとかそっちの類で不満は感じてしまうかもしれません。そもそも映画なので、そこらへんを追及するのはナンセンスだと思いますが・・・。

 

・冒頭のルフィの冒険

 冒頭ルフィが多くの動物たちとの戦いに巻き込まれる場面です。ランドゲーター、森ダコ、ドン・カマキリ、テログマの乱戦です。

 映画というのはやはり掴みが肝心。冒頭のシキの警告のシーンもいいですが、こっちの方が冒険している感と躍動感があって好きですね。個人的に空島上陸後の不思議な現象を満喫している感じを思い出しました。

 

・ブルック「ちょっと失礼じゃないですかー!!!」

 軍隊アリに襲われない理由を、フランキーから聞いた際のブルックの怒り。多分ここが最初に劇場で笑い声があったシーンじゃないでしょうか?

 アリって大半は肉食らしいので、理由としては納得です。まあブルックとしても好きでこんな骨だけになったわけではないので、そう思われるのは不本意でしょう。

 

・シキのダンスシーン

 プールでナミに会う際、シキ、インディゴ、スカーレットがダンスしながら登場したシーン。

 軽快なリズムと共に、しっかり合わせて踊る彼らがかなりツボでした。あとなんか音楽が好きですね。

 そのあとのトリオ漫才も面白い。個人的にはビリーが出てきた後のインディゴのツッコミ「どんだけゴリラ顔だよ!てめぇの家系は!」がお気に入り。

 

・シキ「ベイビーちゃん」

 シキがナミのことを呼ぶ際の愛称。ちょっとねっとり言っている感じなのですが、それが癖になります。

 しかもこれだけで、面白さや恐怖を感じさせるものです。竹中さんの演技力の凄さよ。

 

・ルフィ達が船から落とされる場面

 シキの能力でルフィ達がサニー号から落とされる場面です。

 ナミのヒロイン的な叫びとか、シキの能力の凄さとかもあるのですが、それより気になったのはあの状況。読み返しだから思うのですが、2年後のルフィ、サンジだと空中を移動できるから、あの状況でもナミを助けに行けそうですよね。

 原作であったホールケーキ城の倒壊など、ワンピースでは空を飛べるというのが大きなアドバンテージになりますね。

 

・シキ「より高いところから落ちるやつのひきつった顔は最高だからな」

 集落に男を一人戻すように指示した際のセリフです。

 絶望させる前に希望を見せるという上げて落とすという残虐さが、もろに出ています。ちょっと前までは結構コミカルなキャラかつあまりこれまでの敵と大差ない感じでしたが、ここで敵キャラとしての株を一気に上げてきました。

 

・ルフィ達VSシキ

 ルフィ、ゾロ、サンジ、ウソップ、チョッパーの5人でシキと戦う場面です。

 5人それぞれがいいコンビネーションを見せつつ、その上で上回っていくシキの実力の凄さがよくわかります。

 個人的に一番ツボにきたのが、シキの「獅子威し・地巻き」の言い方。ちょっとコブシが利いていて、好きですね。

 

・シャオ「私も喜んじゃった・・・」

 ナミの故郷が東の海だと知り、シキが早く東の海へ行けばいいのにと彼女の前で言ってしまったことを、母親たちと嘆くシーンです。

 直前に自分たちの村が、動物たちに襲われて壊滅状態なのにも関わらず、ナミのことを思いやれる彼女たちは、ちょっと優しいなんてものじゃありません。ものすごく心優しいです。単純に胸打たれました。

 

・インディゴ「通じたーーー!!!」

 いつものパントマイムでシキに伝えようとした際、本当に伝わった際のセリフ。

 自身が驚くってことは、そもそも伝える気がなかったのかよ!

 

・ナミ「私は見たくないのよ!!」

 シキの王宮の周囲にあるダフトグリーンを爆発させようとしたナミのセリフです。

 彼女の胸の中にある思いが全部つまったようなセリフですね。やっぱり大事なものを抱えてこそ、彼女の魅力は十二分に引き出されると思います。

 それにしても表情とかも合わさって、ヒロイン力全開だな・・・。

 

・ルフィ達がシキの王宮に乗り込む場面

 この場面はいよいよ開戦という雰囲気がとてもカッコいいです。ルフィとシキのやりとりからわかる2人の違いもよく、仲間を信じる少数海賊団の船長ルフィと大船団のボスであるシキの差がいい感じでした。

 

・ゾロ「東の海で生まれた俺が馬の骨なら、俺に斬られるお前は・・・いったい何の骨だ」

 ゾロVSインディゴと戦いの場面です。決め技は、「鬼気九刀流・阿修羅 穿威(うぐい)」。正直、弌武銀との違いがよくわからん。

 その中でも特にこのセリフがカッコよく、ゾロらしさがよく出ていました。自分の故郷をバカにされるというのは、亡き友を侮辱されたことにも同義なのかも。

 オチの方向音痴ネタまで完璧です(笑)

 

・サンジ「それが東の海の恋の味」

 サンジVSスカーレットの戦闘です。決め技は「悪魔風脚・野獣肉シュート」。連続で炎の蹴りを叩き込みます。

 この戦闘、終始ギャグテイストが強く、ロビンを捕まえたスカーレットにキレるサンジ、そこへ行くまでのトンでもないスピード、ブルックの絶妙なツッコミ、オチのサンジ、ブルック、ロビンのやりとりと笑わせてくれます。

 しかし躍動感が凄く、戦闘としての描写は短いながらも強力な印象でした。

 

・シキ「東の海の男に俺はまた阻まれるのか・・・」

 ルフィVSシキの戦闘でのセリフです。ビリーに乗ったルフィとシキの戦闘の勢いはとても見ごたえがあり、お互い自分の能力を存分に発揮した勝負でした。ルフィの決め技は「ゴムゴムの巨人の雷斧(ギガントトールアックス)」

 ただ個人的にはルフィのセリフよりも、シキがやられる間際のこのセリフが印象的でした。彼がどこまでも東の海にこだわっていたのは、誰よりも自分を阻んできた最強のライバルの故郷だからこそ。今は亡きロジャーを超えることと海の支配者になることの両方を達成するための今回の経過だったのかもしれませんね。

 それにしても彼が20年もかけて計画した、東の海の滅亡計画ですが、やっぱり一つの海の征服って相当凄いことですよね。そう考えるとジェルマとかよく北の海支配出来たよな・・・。

 

・ナミ「必ず助けに来て・・・!」

 最後のナミのセリフ。劇中では音貝(トーンダイアル)で一度ルフィ達と別れる際のセリフであったことがわかります。

 前置きがシキには勝てないというような内容だったのですが、本当は仲間たちの信頼していることがわかるセリフです。ルフィ達の強さにも疑いがなかった証拠とも取れます。

 ちなみにナミは一番鈍感なルフィに向けたらしいです。もうヒロイン力、ここに極まったという感じ(笑)

主題歌

・「fanfare」

 Mr.Childrenが歌うまさに神曲。約6分ほどある長い曲ですが、飽きの来ないリズムとテンポ、そして盛り上がるサビが最高な曲となっています。

 尾田先生は主題歌がMr.Childrenだったら本気出すと言ってたらしく、本当にとんでもなくいい曲持ってきたらしいです。実話かどうかはわかりませんが、これマジだったら凄い話ですよね(笑)

冒険!バトル!感動!

 ワンピース映画10作目、その面白さは歴代最高と言っても過言ではないと思います。未知の地へのワクワクの冒険、見ごたえある激闘、練り込まれたストーリーを中心に多くの見せ所がある素晴らしい作品となっています。

 まだの人(このブログを読みに来ている人に限ってそれはないでしょうが)、すでに見た人、皆が楽しめる映画に仕上がっています!