もう2019年になってから二週間以上。大晦日に書いていた記事をようやく仕上げようと思い、まだ書いていないFILMシリーズの映画を書き上げました。久しぶりにサボっていたわい・・・。
今年はワンピースの新作映画が公開されるし、これは書いておかなければ!ということで今回は、「ONE PIECE FILM Z」の感想を書いていきます。
概要
劇場版ワンピースの12作目で「FILM」の題名を持つ2作目の映画です。映画自体は前の年に公開しているのですが、長編映画は「STRONG WORLD」以来となります。
二年後の麦わらの一味が登場する初の映画となります。
今作でも尾田栄一郎先生が総合プロデューサーとして関わっており、多くの面で関わっています。オフィシャルムービーガイドではこの映画を「男の映画」と評しています。
監督は長峯達也さん、今年は「ドラゴンボール超 ブロリー」の監督をしていました。
脚本は鈴木おさむさん、多くの番組に関わる有名放送作家さんで2018年は監督にも挑戦されていました。
キャラクターデザイン・総作画監督は「FILM」の映画で担当してきた佐藤雅将さん、音楽は多くのアニメに関わる田中公平さんと浜口史郎さんです。
あらすじ
新世界のファウス島では、海軍本部元対象であるNEO海軍総帥のゼットが強力なエネルギーを持つダイナ岩を盗み、その道中に黄猿と戦闘をしていた。激戦の中、ダイナ岩を使い、手負いの状態でこの二人の戦いは幕を閉じた。
一方、航海中の麦わらの一味のもとに巨大な武器をつけた手負いのゼットが流れ着く。治療するもルフィ達が海賊と知ると、ゼットは襲ってきて・・・
登場キャラ
・ルフィ
我らが主人公。二年後のため、覇気を使用しその実力を存分に発揮しています。ただ戦闘場面はこれまでと比べると動かない印象でした。その分、泥臭い戦い方が印象的です。
同時にゼット相手には常に格上として立ち回られ、新世界の厳しさを教えられる様子も。それでも夢を追う海賊として、新しい世代の信念を持つ者として、ゼットとの勝負に挑みます。
決戦時の衣装は赤いコートよりも背中の巨大な肉に目がいってしまうような状態。しかしこの肉も戦闘に使うのですから侮れません。船上での衣装はドクロ柄のTシャツが印象的。
・ゾロ
こちらも二年後のため、覇気を習得しており、戦闘においては幹部相手にも圧倒的な実力差を見せつけていきます。しかし戦闘場面は見せ場が多いですが、それゆえに他の場面ではあまり目立っていない状況です。実力あるからこそ、戦いで魅せているのですけどね。
決戦時の衣装は海賊コートを羽織るようなスタイル。妙に威風堂々としています。船上での衣装はヤクザのようなスタイルで酒を煽ります。しかし灰の入った酒を辛口と評するのはいかがなものか。
・ナミ
前半の方でまさかの若返り化。そのため今回はほとんど8歳の状態で行動します。可愛らしく、会話の中心にもたびたび入ってくるのですが、活躍場面は少なめです。やはりその体型じゃねぇ・・・。
決戦時の衣装は8歳児の年齢に合わせているため、成長してからはちぐはぐ感が否めない感じになります。色っぽいんだけど、ゲームに出てくる兵隊みたいな印象もありました。船上での衣装はカラフルな水着にサングラス、さらに少女状態での衣装もあります。
・ウソップ
例によって今回もコミカルな印象が強い男。しかし二年後で物怖じするのは少ない印象でした。またルフィの回収やバナナボートなど、細かなサポートにも注目です。総じて活躍は多い方に思いました。
決戦時の衣装は巨大な付け髭、巨大な帽子、巨大なハリボテハンマーととにかく目を引くものが多い!船上での衣装はポップグリーンを育てるための作業着のようなもの。後ろのタンクやサメの帽子などこっちでも目を引くものが多いですね。
・サンジ
一味の主力として、幹部相手に圧倒的な戦闘力で立ち向かっていました。ギャグ描写にも参加していたためか、ゾロ以上に目立つ場面が多い印象でした。ナミの若返りに嘆く場面とかね。サンジ好きの私としては嬉しいです。
決戦時の衣装は黒いモコモコのコートが印象的です。拳銃も持っていますが、だんだん彼のデフォルトにもなっている気がします。船上での衣装はチェックのジャケットを着用。これただのおしゃれ兄ちゃんだ。
・チョッパー
ナミ同様に若返ってしまい、こちらも戦力としてはいまいち・・・かと思ったら、決戦時にはチョッパー戦車なる新技を披露し、妙にインパクトを残します。あれどうやって引き金を引いているんだ?またもとより小さいのがさらに小さくなったため、ところどころかなりあざとく見えます。
決戦時の衣装は小さいためか不相応な大きな帽子がポイントです。船上での衣装は牛のパーカーを、さらに情報収集の際はソンブレロをかぶっています。個人的にはこの衣装があざとさを際立たせていますね。
・ロビン
こちらも若返り、18歳の状態になります。もともと30歳とは思えない若さですが、今回は実際に若返ったためかハツラツとした印象でした。また戦闘では剣を使うなんてレアな場面も見れちゃいます。
決戦時の衣装は露出多めのセクシーファッション。個人的には三十路でこの格好となった終盤の方が興奮す・・・ゲフンゲフン!船上での衣装はニットにホットパンツのスタイル。落ち着いた感じがたまりません。
・フランキー
サニー号の修復をしていたため、出番自体は一味の中でもかなり少なく、活躍場面は少なかったです。しかし戦闘ではフランキー将軍を操り、旧型パシフィスタの軍団を一掃する大活躍を見せます。戦果だけなら一味の主力勢にも勝るとも劣らず。
決戦時の衣装は肩にキャノン砲を装備したバリバリな戦闘スタイル。二年前の脱臼する砲台とは大違いです(笑) 船上での衣装は巨体を生かした桜の木のコスプレです。その格好で船を修理するのか・・・!
・ブルック
彼も若返るのですが、もともと90歳でありさらに50年以上はアフロ骸骨をやっているため、変化はまったくと言っていいほどありません。本人的には微妙に違いはあるらしいのですが・・・。
決戦時の衣装は西洋の剣士風。アフロまで赤くするのは強烈ですが、仕込み杖に護剣をつけるなどナイト的な要素にも注目です。船上での衣装は三毛猫帽子にアロハシャツとこれまたインパクトの強い衣装です。この服でネコマムシの旦那の曲を歌って欲しいですね。
・ゼファー(ゼット)
本作のボスにして、この映画のもうひとりの主人公とも言える存在。荒々しく豪傑的な印象を与える人物で、設定では年齢74歳と驚きのパワフルじいさんです。
自らが作ったNEO海軍を率いて、新世界の崩壊を企んでおり、その手段として強力なエネルギーを内包するダイナ岩を奪います。その目的のために過激な面も少なくありません。
そんな彼ですが 元々は海軍本部の大将で、ガープやセンゴクの同期。さらに現元帥のサカズキや黄猿ことボルサリーノ、元青雉のクザンなど多くの名だたる海兵を育てた経歴を持ちます。大将時代の異名は「黒椀のゼファー」で、武装覇気の使い手です。
妻子を海賊の報復で殺されたり、教え子たちを葬り自身の右腕を切り落とした海賊が王下七武海入りしたりと海賊のせいでかなり悲惨な人生を歩んできました。加えて、七武海の一件から海軍や政府の甘さを感じ、徹底した攻撃的な性格が見えます。しかし彼の本質は弟子への情に溢れ、どんな悪をも許さない正義感あふれるところでしょう。
とにかく渋く、武骨なデザインでそれに見合った性格となっています。良くも悪くも信念を通す男でそのカッコよさは敵ながらも目を見張ります。
戦闘では右腕に備え付ける巨大な義手「バトルスマッシャー」をメインに使用。海楼石で作られており、パンチなどの打撃からマシンガンなどの銃撃も可能という万能兵器です。弱点は重すぎるところかな?また海楼石製の銃弾を使ったりと、長年の経験による老獪な面もあります。
本人は能力に頼りすぎるのを好まず、黄猿やルフィにそういった類の指摘をする場面も。ルフィの場合は年長者からのルーキーへの指摘もありますが。
声優は大塚芳忠さん。洋画を見ていれば、一度は聞いたことがあるであろう渋い声が魅力の声優さんです。私はフルハウスのダニーが好きですが。
ワンピースでも以前モンブラン・ノーランドの声を担当していたのですが、今ではゼットの方が有名な印象です。まあ、まだ今ほどワンピースが広まっていなかったものね。
・アイン
NEO海軍に所属する女性幹部。ゼットの教え子であり、前述した事件の生き残りでもあります。青髪の美人で、ゼットへの忠誠心はかなりのもの。
「モドモドの実」の能力者で、手から当たると12年若返る光を放ちます。1回で12年、2回で24年と重ねがけも可能で、対象は生物以外にも無機物にも効果があります。また武器として大型ナイフや拳銃を使用。
戦闘ではゾロと対決しますが、自分の実力を把握しているのか足止めに徹しているように見えます。
声優は篠原涼子さん。有名な女優さんで演技力も素晴らしいのですが、どう聞いても篠原さんなんだよねぇ(笑)
・ビンズ
NEO海軍の幹部。アイン同様に例の事件の生き残りで、ゼットの教え子です。
奇抜な忍者の格好をしており、動きや表情からコミカルな面がかなり強いです。それでもアイン同様にゼットへの忠誠心は印象的でした。
「モサモサの実」の能力者で、あらゆる植物を成長させ操ります。忍者特有の素早い動きや武器も使用し、サンジと対決しました。
声優は香川照之さん。言わずと知れた名役者で、こちらはビンズの奇抜な面とよく合った演技でした。ところでこの人、最近はドラマとかでなく、CMで見る機会が圧倒的に多い気がします。
・海軍
サカズキやボルサリーノなど現役の海軍勢が登場します。
やはり印象的なのはゼファーと同期のガープ、センゴク、つる。彼らの発言は昔の彼を知っているからこその重みがあります。
ちなみに私は公開当時、つるの後ろにいたスモーカーたちやヒナの登場に興奮した思い出があります。彼らも出世したものだ。
・クザン
原作に先駆けて登場した元海軍本部大将。サカズキとの対決の傷が未だに残っており、片足に至っては能力で義足を作るほどです。
ゼットとは古い仲であり、彼の生き様を見届けます。また地味にルフィ達にゼットについていろいろ教えたりも。
戦闘場面はありませんが、噴火をヒエヒエの能力で抑えたり、一瞬にして巨大な氷の壁を作ったりと実力の片鱗を見せつけます。
・ドック島の面々
ゼットにやられたルフィ達に武器などを提供してくれます。
一番印象的だったのはモブストン(武器を提供してくれた造船会社の人)のところで働いているガリ。ヒーローに憧れる彼が、ゼットの印象をより深いものにしてくれたと思います。
・ゲスト出演声優のキャラ達
今回も多くの方がゲスト出演されているのですが、正直アインとビンズ以外はそこまで印象に残りませんでした。「STRONGWORLD」や「GOLD」ではどんなに小さな役でも誰かは頭に残っていたんだがな・・・。
感想(個人的名シーン&名セリフ)
今作はとにかくストーリーが練り込まれている印象でした。「STRONGWORLD」でもストーリーは凝っていたのですが、今作はそれ以上の内容となっています。
特にゼットは設定がよく作りこまれてあらゆる面で魅力的なキャラとなっており、この映画は彼のストーリーと言っても過言ではないと思います。
また戦闘場面も素晴らしいの一言です。躍動感と重厚感の両方を兼ね備えたものが多く、ワンピース映画特有の迫力あるバトルシーンが目を引きます。
2年後であるため、強くなった一味の皆が戦う場面はやはり手に汗を握ります。
ただやはり内容的にゼットに傾倒しがちな内容だと思います。ストーリーはたしかに素晴らしいのですが、ルフィ達よりも圧倒的に彼の物語という印象が強くなっています。別にルフィ達に見どころが無いというわけではありません。ただそれ以上に彼のインパクトと設定がストーリーにぶち込まれていた印象です。そういう意味でもこの作品のタイトルは「FILM Z」なのだと思います。
あと私的には、ワクワク感が足りなかった気持ちです。「STRONGWORLD」ではストーリー、キャラ、戦闘場面に加え、未開の地での冒険がありました。こういう新たな世界観による冒険的なワクワク感は足りなかったと思います。もちろんそういった内容の映画ではないので、この考えはただの好みの問題なのですが。
・ゼットVS黄猿(ボルサリーノ)
冒頭、ダイナ岩を奪った際の二人対決です。
ゼットのバトルスマッシャーを使った重厚なパワースタイルと、黄猿の光の速度によるスピード感が絶妙にマッチしており、スタートからワクワクさせてくれます。
またこの前のNEO海軍による侵攻から、この組織の中核であるメンバーの実力がわかります。そしてこの対決がまさにゼットの実力がどれほど強力なものかを印象付けるのと同時に、年齢と心肺機能の低下によるスタミナ不足が弱点であることがわかります。この短い戦闘の中でここまでゼットをわかりやすく、面白く描写されたのに感心しました。
そして今回見直して思ったのは・・・黄猿の声優をやっていた石塚運昇さんが亡くなったことが残念でしょうがないんだよね。今後の代役は誰になるのだろうか?
・ゾロ「待てよ、もともとこれは辛口だからこういう味なのか」
花見の際に、ウソップが撒いていた害虫駆除用の農薬が流れている間に酒を飲んだゾロの感想です。単純にお前は味覚が大丈夫なのかと思ってしまった瞬間です。
ここら辺はよくある宴の雰囲気があって好きですね。
・ゼット「海賊王かァ!?」
ルフィになぜ海賊をやっているかと聞いた時に、海賊王になるためと答えられた時のゼットの反応です。
この直前に麦わら帽子に焦点が当たっているため、どうしてもロジャー関連を考えてしまいます。シャンクスにも触れる場面があるし、ガープ達と同期と考えるとロジャーのことを知っているのかもしれません。後述のセリフもありますしね。ゼットからすればこの大海賊時代を作った原因はなぁ・・・。
またこの後のルフィ、ゾロ、サンジを相手に戦う場面も印象的です。あの狭い屋内でよくバトルスマッシャーを使いながら器用に戦闘できるな。
・ビンズ「モサモサダンスは全ての植物を操る」
サニー号に乗り込んできたビンズが能力でフランキーを縛った場面です。表情、動きと共にコミカルなためかなり印象に残りました。このダンスのヌルヌルくねくねする動きは頭に焼き付くんですよね。
・サンジ「これからはナミさんの体が大人に成長していく貴重な日々を共に過ごすことができるってことなのか?」
若返ったナミに対して、ふとサンジが思ったことです。
他にもウソップのロビンへのツッコミやブルックの変わった発言など面白い点が多いのですが、ここのサンジが純粋にヤバいやつ感がありました。ゾロのキモイのツッコミに同意です。
でも恥じらうナミは可愛かったです(←結局サンジ並みの思考回路)
・クザン「よっ久しぶりだなぁ」
クザンの登場シーンです。二年後でさらに原作よりも登場が早いとなれば、やはり興奮してしまいます。適当さは相変わらずですが、傷と足の欠損はなかなか酷いですね。
この場面はクザンへのそれぞれの反応も面白く、ブルックが何者なのかわかっていない様子なのも印象的でしたね。というか、ここを含めた風呂場面はナミ達が情報収集しているよりも好きです。
にしても、子安さんが昔以上に渋い感じになったと思います。これは演技なのか、それとも加齢によるものなのか・・・。
・ゼット「自分の信念を貫くために仲間の犠牲をし、その屍を超えて行く覚悟はあるのか!」
ルフィとゼットの2回目の戦闘でのセリフです。
このセリフは長年海兵として多くを経験してきたからこそのベテランのセリフ感がありました。信念を貫くのはあくまで本人の問題。仲間がどれだけついてきてくれるかはわからないし、ついてきても仲間がいなくなったことに自身が耐えられるかはわかりません。これはルフィを試す意味を含めて言ったと思います。
ただ我々からすればルフィの仲間は彼の信念についていくつもりで仲間になっていますし、ルフィもルフィで彼らが生きてついて来ることを信頼しているので、愚問にも捉えられます。「死んでもやり遂げる」ではなく、「生きて皆でやり遂げる」のが麦わらの一味でしょう。
・ゼット「お前は今も罪深い男だ・・・」
ルフィに海楼石の銃弾を撃ちこみ、麦わら帽子を奪う際のセリフです。
この後にシャンクスに触れていますが、このセリフはやはりその前任者であるロジャーを思い出していたと思います。この後もちょいちょい、ワンピースがもたらした時代と弊害の憎しみがあるんですよね。起こったことも考えれば致し方ないか。
・火砕流が凍った場面
クザンが大量の噴火した火砕流を凍らせた場面。
単純な迫力はもちろん、元とはいえ海軍の最高戦力の一端を見せてくれました。これだよ、俺らの見たかったクザンはよ!
・ガリ「そうだよ、カッコいいじゃん!!!」
ルフィ達がゼットのところへ向かう直前のガリのセリフです。
彼は大人になったらヒーローになりたいらしく、海賊王と海軍大将で迷っているそうです。彼としてはどっちも同じような存在で、理由はカッコいいからというもの。あまりにもシンプルな理由ですが、彼にとっては大きな理由。
これと同じように、その信念を持って生きている者が彼だというのは終盤で明らかになります。それゆえ、異様に頭に残ったセリフです。
・ゼット「こんな帽子がお前にとって何だっていうんだ?」
ルフィ「道しるべだ、海賊王になるための」
ルフィとゼットの3度目の戦闘の前のセリフです。
ここでいう道しるべは自分の夢を目指すにあたって心を支えるものだと考えています。海賊王を目指すにあたって、どんなに強い敵が現れてもめげないのはこの麦わら帽子の存在とこれを返すというシャンクスとの約束があるからこそ。それを端的に表した良いセリフだと思います。
私にはこういうものが無いどころか、これといった大きな夢も無いので持っている人を見るだけで羨ましさと自身の情けなさで押しつぶされかけます・・・。たぶんこういうのもあるから、印象に残ったんでしょうね。
ちなみにこの後に海賊が夢を見る時代を否定してますが、ベラミーとはニュアンスが違うのがよくわかります。この徹底した考えもゼットを魅力的にしていると思います。
・ゼット「覚えておけ。悪を滅ぼす俺の名は・・・ゼットだ!!!」
こちらはルフィと勝負する皮切りとなったゼットのセリフ。初めて見た時は凄みだけだと思いましたが、ゼットの設定を知って見直すと重みが違ってくるセリフです。
あくまでカッコいい正義のヒーローとして信念を通すゼット・・・これは先生と呼びたくなります。しかしやりすぎた・・・。
・ルフィVSゼット
最後のエンドポイントでのルフィとゼットの対決。バトルスマッシャーを外した状態での殴り合いがとても印象的でした。お互いに腕を覇気による武装硬化で強化した状態でノーガード殴り合いです。
黒椀のゼファーと呼ばれただけあり、武装硬化による殴り合いにおいては地味ながらも重みのある印象でした。対してルフィは気力を振り絞り、持ち前の持久力で何とかやった感じでしたね。というか、やはりゼットのスタミナがなぁ・・・。
決着もすっきりしたもので、多くは語らず声優さんの演技力で察せられるようなものでした。
それとクザンは黒椀のゼファーが戻ってきたと発言していますが、個人的にまだこの時点ではゼットだと思っています。少なくとも好きなようにやることとして、ルフィを倒すヒーローとしてね。
・ゼファー「お前達に最後の稽古をつけてやる!!」
ルフィ達を逃がすために、ゼファーが海軍と戦う場面。
最後のケジメでもあり、全ての海兵を育てた男による最後の稽古という名のバトル。指導者としてのゼファーが戻ってきた感じで、古参海兵たちからすれば感謝すら湧く状況とも言えるでしょう。
同時にこの時点でもまだ正義のヒーロー「Z」であり、自らの正義を身をもって教え子の海兵に教えていると思います。
特にBGMである海導とド―ベルマンの涙が感動を誘う演出となっています。信念を持った男の最後は指導者としても完璧でした。
・ゼット「いつでもかかってこい!俺の名は正義のヒーロー、ゼーーーーット!!!」
ラストの少年時代のゼファーのセリフです。
本当に短いですが、この男が幼少期の頃から正義を信じ、最後まで一本の筋を通していたことがわかります。
またこの描写がヒーローを志したガリを思い出し、より胸を熱いものにしてくれました。目標のために自由にやる・・・これが信念を通すことに繋がるのでしょうか。
主題歌&劇中曲
・「How You Remind Me」&「Bad Reputation」
まさかのアヴリル・ラヴィーンさんによる楽曲提供。前者はバラード調のしっとりとした曲で、後者はハツラツとした盛り上がる印象でした。
映像では前半にガリのその後、そして中盤からラストは様々なキャラの幼少期が描かれます。
驚くべきなのは、これがアヴリルさんの邦画への初楽曲提供だということ。当時、私の友人に外国の有名歌手が大好きな人がいて、その人の話を聞いていなければたぶん驚きが半減だったかもしれない・・・。
・海導
こちらは劇中で何回か流れた曲。合唱ver、クザンver、ゼファーverがあり、ゆったりながらも、その声で壮大なイメージを感じさせます。
劇中でも重要な場面に使われていたため頭に残る曲で、なによりもその場面を感動的にさせるにあたって最高の演出とも言える曲だと思います。子安さんも芳忠さんも良い声だよなぁ。
心を震わせる男の生き様
今回の感想を書いて思ったのは、やはり何度見ても飽きないタイプの作品だということ。ストーリーが練られているため、映像の迫力に慣れても物語の面白さに味わい深さを見いだせる作品だと思いました。
これほど作品を魅力的にできるのは、やはりゼットというキャラの魅力。今回の個人的な名シーンでも多くがゼット関連のものになりました。自身の正義を信じ最後までそれを貫き通してヒーローであろうとした男、多くの教え子たちに慕われ敵対してもなおリスペクトされた男、この二つの余すことなく渋くカッコよく見せた存在だと思います。
あと私はワンピースにおいて、こういう男の渋い場面好きなんですよね。白ひげの最後しかり、カルガラとノーランドの友情しかり。
ただやっぱりこの映画は「FILM Z」ですよね。見方次第ではワンピース以外でも作れそうな内容ですし。
すっかり新年が始まって長い時間が経ってしまいましたが、この作品を見てふんどしを締める気持ちで信念を通そうと決められそうです!・・・いや、私の場合はまずそれを探すところからだな。(←締まらねえ)