38話の感想です。
ジャンゴ相手に不意打ちを仕掛けるウソップ海賊団。始めこそ成功したものの結果的に相手を怒らせる形に・・・。その頃ルフィとクロの対決では、クロがルフィを倒した後はクロネコ海賊団も殺すと言います。互いに「本当の海賊」のあり方をぶつけ合う二人。そんな中クロは遂に必殺技「杓死」の構えを・・・。
ストーリー
クロが必殺技を披露するなど戦いは佳境に入ります。その戦闘はクロネコ海賊団の船員を巻き込むほど大きなものです。(まあほとんどクロのせいですが・・・。)
見どころは「海賊」のあり方について、ルフィとクロがぶつかり合うことです。未だにワンピースでは海賊について賛否両論ありますが、少なくともここではルフィにとっての「海賊」がよくわかります。またそこにはワンピースの重要ワード「仲間」も絡んできます。
登場キャラ
・ルフィ
海賊としては新米ながらも、戦闘の中でクロ相手に海賊のあり方を話します。彼は大切な人のためにリーダーとして行動し、誰よりも強くいられる人物です。まだ当時は彼の性格については、自由奔放な面や気に入った人のために戦うといった面が強かったですが、読み返すことで彼がどれほど仲間を大切にしているかがわかります。今回がそれを初めて教えてくれた話でしょう。
戦闘ではクロのスピードに反応したり、杓死の攻撃を食らっても怯まなかったりと実力を見せてくれます。ただ杓死の方は実力よりも、仲間すら犠牲にするクロの行動への怒りで立っていた印象も受けました。
・ナミ
久しぶりに登場しますが、特に目立ちはしません。どうやらいなくなっていたのは、クロネコ海賊団の船に盗みに入っていたようです。
・カヤ
目閉じてジャンゴの催眠を拒否します。立場がわかっているのもありますが、自分だったらどこかでビビッて開けてしまいそうだな・・・。
・ウソップ海賊団
ジャンゴに追いつかれるも、知恵をしぼってジャンゴ相手に戦います。子供らしい戦法ですが、だからこそ意表をつけて決まっている感じです。とはいえ流石にその後は押されます。そらきついよ・・・。
・クロ
非情な性格ここに極まったという感じです。自分を知る元手下たちを消す計画やルフィを倒すためとは言え無差別攻撃を行うなど、かなり恐ろしい男です。
また戦闘中には、ルフィに海賊のあり方も語ります。その非情な性格はここにも反映されており、彼にとっては船員はただの駒でしかないとのこと。海賊からきっぱりやめると決めた男ですが、ここでは海賊としてルフィに攻撃を仕掛けるのが恐ろしいです。
・ジャンゴ
ウソップ海賊団に翻弄されるも流石は現クロネコ海賊団船長。たかだかごっこ遊びの子供たちには負けません。しかし計画の要であり頑張っている彼も、裏ではクロに殺されるメンツにいるのが・・・。
・クロネコ海賊団
クロの計画で殺されるとわかり、その後は杓死に巻き込まれるという散々な奴らです。まあいい奴らとは言えませんが・・・。
個人的名セリフ&名シーン
・ルフィ「器だよ」
クロがルフィの背後に回った時にルフィが言った一言です。クロが自分がウソップに劣っているところを聞いた時に、ルフィはこのように答えました。彼の言う通り、ウソップは仲間をその人物として受け入れる器があります。対してクロは自分に都合のよく動くための部下としか見てません。リーダーとしてどちらが優秀かは人によって違うと思いますが、危ない橋を渡る海賊においては信頼関係を築けるウソップの方が重要だと考えます。
・クロ「本物の海賊がそんなに知りたかったんなら教えてやるとも その恐さをだ・・・!!!!」
杓死を出す前のクロのセリフです。頭から血を流し、本気で人を殺しに行く表情も相まってすごい威圧感です。というか海賊やめるなら、そこでその恐ろしさを出すなよ・・・。
・ルフィ「お前は仲間をなんだと思ってるんだァ!!!!」
仲間をも巻き込むクロの攻撃を見て、ルフィが怒った場面です。このセリフだけでルフィがどれだけ仲間を大切に想っているかがよくわかります。多分この話、セリフがルフィの仲間想いの大きさを我々読者に初めて教えてくれた場面だと思います。現在連載中のホールケーキアイランド編なんてもろそうだしな。
次回はいよいよ決着。タイトルは五巻の表紙にもある回です。