約2か月前…
さて、映画も公開されたし、記事にするか。…うーん、しかし文章がまとまらないな。まあ、公式でもネタバレは厳禁状態だし、趣味だからスピード命ってわけでもない。そもそも興奮していると、昔からまともに書けないから、とりあえずは放置で良いか。
そして現在…
もう10月も半分過ぎたな。気温の移り変わりが激しいな。ところでなにか忘れているような…デュエプレのパックは引いたし、録画した容疑者Xの献身は見たし…あっ。記事の作成、完全に忘れていた…!
ということで、今回取り上げるのは絶賛公開中のワンピースFILMRED!すでにワンピース映画の中でも歴代最高の興行収入を叩きだしている本作について、個人的な感想を語っていきます。
概要
劇場版ワンピース15作目であり、久しぶりに「FILM」の名を冠しています。新キャラであるウタを中心としており、公開前から劇中の音楽やYouTubeでウタ日記なるものを公開したりと、これまでとは違ったキャラのアピールをしていました。特に音楽にはかなり力を入れている印象。すでに興行収入は150億を超えているという、大ヒット状態の作品です。
監督は谷口悟朗氏。ワンピース初のアニメ映像作品である「倒せ!海賊ギャンザック」でデビューした方ですね。個人的にはコードギアスの印象が強いです。脚本は黒岩勉氏。FILMGOLDでも脚本を務めていた方ですね。そしてメインの音楽は中田ヤスタカ氏。名前を見た瞬間、出たな天才…と思いましたよ。キャラデザ、総作画監督は佐藤雅将氏。長い間、ワンピースシリーズに関わっていた方ですね。
あらすじ
麦わらの一味が訪れた島は、音楽の島エレジア。そこでこれまでずっと配信のみであった世界の歌姫ウタが、初の生ライブと言うことで衣装も整えて向かいます。そしてライブが始まると、ルフィはどうも彼女に覚えがあるようで…。
登場キャラ
・ルフィ
我らが主人公であり、今回はウタにとってもキーマンであった男。彼女とは幼馴染という関係性です。懐かしの再会をしながらも、相変わらずの自由奔放っぷりを見せつけます。同時に大切な幼馴染を助けるため、自分を救ってくれたシャンクスへの信頼も持っており、強い覚悟をもって行動します。そして終盤はまさかの…。
決戦時の衣装はどでかい帽子と髑髏マークが印象的。麦わら帽子が無いのが、ちょっと不思議な感覚です。フェスの衣装はファンがついた謎のベスト着用。個人的にかなり謎衣装です。
・ゾロ
船長を支える両翼の剣士。戦闘では率先して前に出て行き、その実力をこれでもかというほど見せてくれます。今回、戦闘場面では本当にガンガン行きますからね。戦闘員のポジションには納得のものですが。
決戦時の衣装はパンクっぽい上着に、フリル付きのシャツというゾロにしては珍しいもの。フェスの衣装はダメージ加工ありのシャツとパンツという、打って変わってゾロらしいスタイルです。
・ナミ
美人航海士はゼウスを従えて参戦。今回はブルックの件やブリュレの件で、妙に声を出している印象もあります。特に家族関連は…ブリュレには本気で言っていただろうな。
決戦時の衣装は大きな海賊帽子が目を引くスタイル。ガーターストッキングと肌の露出もまぶしい、セクシーな女海賊です。フェスの衣装はボディペイントまで加えて楽しむ気満載。どちらも髪を結っているのが可愛らしい。
・ウソップ
ルフィ同様に赤髪海賊団とは縁がある狙撃手。前作同様、援護が花道という言葉を体現したファインプレーが多いです。一方で、終盤はまさかの敵を崩す大きな役割を担うという凄さも…!ヤソップの関係性も大きな注目点ですね。
決戦時の衣装は謎のカエル帽子に、ハーフのレザーベストを着用。カッコよさとネタ方面の合わさったものに仕上がっています。フェスの衣装は顔面真っ白メイクに髪型…これについては声優さんが言及しています。
・サンジ
剣士と共に船長を支える両翼のコック。ゾロ同様に戦闘では前線に赴きますが、どちらかといえばある人物たちへのフォローやネズキノコへの博識披露が印象的でした。それでも戦闘ではオーブンの手を借りて、アニメに先んじた新技のような描写もあります。
決戦時の衣装はサーベルを携え、騎士のような靴をつけたもの。パンクな雰囲気のおかげで、騎士とは違ったカッコよさがあります。フェスの衣装はハーフパンツにジャケットのオシャレな兄ちゃんスタイル。全体的に高いサングラス率と少しウェーブのかかった髪がイケメン性を上げています。
・チョッパー
ウタファンとして感涙な船医。生で彼女を見れるということで感動しつつ、全体通してマスコットとして可愛さもアピールしています。ただし早々に退場したモンスターポイントは泣いていい…。
決戦時の衣装はいつものでかい帽子に、さらに重そうなものが乗っかる状況。可愛くもロックな雰囲気です。フェスの衣装は…これはただの超絶オタクですな!
・ロビン
博識で助ける一味のブレイン担当である考古学者。エレジアの経歴や古代文学、さらにはウタの発言から状況を脱出する提案までと、とにかく知識方面が見事な印象でした。決戦時にはアニメに先駆けた新技を披露するものまで。
決戦時の衣装は紫のバンダナにロングコートが海賊らしさを醸し出します。サンジと同じく中世の騎士のような脚部も魅力的。決戦時の衣装は革ジャンにアシンメトリーのブーツを着用。ロックっぽいのに上品な印象もあるのは彼女の特権ですね。個人的にはライブ衣装の方が好きです。
・フランキー
久しぶりに将軍なしで大暴れした船大工。目立った活躍こそ少ないものの、ガタイの良さで重いヘビー級な動きを魅せており、勢い余った行動をしちゃう場面も。多少は矢尾さんも声が回復したような…。そういえば何気にフランキー将軍を出していませんね。
決戦時の衣装はパンクを体現したような姿。謎のガスマスクのようなものまでつけています。フェス衣装はラジカセのコスプレのような姿。映画でこういったコスプレを披露するのはもはや様式美です。
・ブルック
麦わらの一味きっての愉快な音楽家。音楽の知識や黄泉の冷気で一味をサポートする老獪な立ち回りを見せます。いぶし銀なカッコよさ多いんだよ、この人。ただ個人的には音楽関連でもうちょっと出番が欲しかった…。
決戦時はまさかのアフロが変化。ウニのようにとげとげしています。フェス衣装はパーカーに金髪アフロというこれまた衝撃的な雰囲気です。
・ジンベエ
映画初登場の操舵手。初登場の割にはちょっとセリフが少ない気もしますが、フランキーとのコンビ技など絵的にはド派手に動き回ります。
決戦時はコートを羽織るような形。ロックなんだけど、どっしりとした親分感は隠しきれていません。フェス衣装は真っ白に星のマークが印象的な、彼らしくない衣装。これでサタデーナイトフィーバーしようぜ!
・サニーくん
サニー号がそのままマスコット化したようなキャラクター。その正体はウタワールドで姿を変えたサニー号でした。前情報では衝撃的な印象でしたが、映画自体では目立った活躍はウタを少し怯ませたくらいでしたね。しかしまるで意思のあるような動きや、担当声優を踏まえると、この船にもメリーと同様に大切にされてきたんだなって…。ゆえにルフィの最後のセリフがより響くような印象です。
・ウタ
今作のメインキャラである世界の歌姫。赤と白のハーフの髪にリングのような結びの美女。不思議なデザインのヘッドホン、左腕には変わったマークが記された水色のアームカバーをつけています。個人的にはダボっとしたパーカー姿が1番好きです。
そんな彼女は歌姫として大人気。その歌は辛い大海賊時代を生きる人々の支えとなっています。今回は彼女のライブということで、同時に天真爛漫に歌を披露します。一見さっぱりとした性格ですが、生い立ちと経歴のせいか子供っぽい印象も見られます。そして極度の海賊嫌いでもあり、海賊を辞めることを促したりもします。そこから見える狂気と湿度もはなかなかのものです。詰まるところ、年相応の真面目さが…。
公開前からシャンクスの娘でルフィの幼馴染という衝撃の設定がありました。その実態は敵船から奪った宝箱の中にいたというものなのですが…彼女は紛れもなくシャンクスの娘でしたね。
一見、ただの女の子ですが、持ち前のウタウタの能力を発揮して自在に戦います。彼女の歌を聞いたものは眠り込んで、彼女が自由自在に操れるウタワールドに閉じ込めます。さらに歌によって眠っている者達の肉体を自在に操ることまで可能としていました。
本来であれば彼女が眠れば解除されますが、ネズキノコという劇物を食べて強引に起きた状態になって、ウタワールドへと入れたままの状態を保ちます。そのまま肉体が死亡するとウタワールドに精神が閉じ込められたまま…海賊による辛い現実ではなく、望めば何でも手に入る「新時代」を実現しようとします。しかしそこに隠されていた本音は…。
声優は会話パートを名塚佳織さん、歌唱パートをAdoさんが担当しています。名塚さんはコードギアスやギャグマンガ日和など様々な作品で活躍している声優さんですね。Adoさんはうっせぇわの印象しかなかったのですが…めちゃめちゃ歌上手いな!
しかし尾田先生が伝説のおっさんを描くの疲れたから、ということでお出しされたキャラですが…女の子にも容赦ねえな!これハマる人には本当にドストライクなキャラでしょうよ!
・ゴードン
音楽の島エレジアの元国王で、ウタの育ての親でもある人物。どこかフランケンシュタインを思わせる風貌です。
公開前は見た目と声優のせいで黒幕疑いが常に付きまとっていた彼ですが、実際は優しさと愛に満ち溢れていた人物。音楽を愛し、ウタの歌を愛し、その上で常に苦悩も抱えていました。疑った人は素直に謝りなさい。…はい、ごめんなさい。
声優は津田健次郎さん。ワンピースではヨンジも演じた人気声優さんですね。
・シャンクス&赤髪海賊団
ルフィの恩人にして、ワンピースのキーマンであるシャンクス率いる赤髪海賊団。なんでも今回の舞台であるエレジアを財宝を奪って滅ぼした経歴があるそうですが…。かつて別れた娘のウタのために再び彼女の前に姿を現します。
そしてやはり目を引くのは、四皇の海賊団たちの戦い。シャンクスを筆頭に彼らの戦闘場面はどれほどファンが待ち望んだ描写か…。40億巻の設定も合わせると、より味わい深いものになります。それでもシャンクスはいい加減に技名を教えてくれよ!もっともフィアーランド家とか、宝箱の件とかいろいろ気になる要素は増えましたが…。
・ロー&ベポ
今回も登場したハートの海賊団の2人。来たのは一味がいたから…ではなく、ベポがファン&付き添いだそうです。相変わらず何でもござれなオペオペの能力を駆使して、ルフィの救助や戦況のコントロールに精を出します。ベポの方は途中からマスコット化。空気の読めなさで笑いを誘いますが、ゴードンを解放する手伝いをする場面も。
・バルトロメオ
彼も同様に前回の映画に引き続き登場。バリアの能力を使い、絶対的な防御でルフィを救います。ウタのファンではありますが、それ以上にルフィのファンなのが彼なんだ。またウタワールドの中とは言え、彼のバリアが破られるという珍しい光景も。
・海軍
ウタワールドにはコビー&ヘルメッポが入り、ルフィ達やブルーノと協力。原作でも気になるロッキーポート事件の英雄として立ちまわったり、決戦でも奮戦したりと頑張っています。
外ではウタを捕えようと、黄猿、藤虎、モモンガが海兵を率いて登場。ウタの市民コントロールやシャンクスの覇気の件でいまいち見せ場がありません。これはまあ致し方なしというか…。
・世界政府
CP0として、ウタワールドではブルーノ、外での監視はカリファが久しぶりの登場。彼女の方はいまいち目立っていませんが、ブルーノはドアドアの能力を使って裏方として大活躍。中盤からはウタによってマスコット状態にされて、可愛さ方面でも強いです。いちおうルッチも出ますが…例の場面のおかげでスタッフみたいな印象が残ります。
そして五老星やチャルロスも登場。五老星はただの観戦者の印象が強いですが、チャルロスの方は作品の空気を変える転換期として重要な役割がありますね。
・ビッグマム海賊団
何気に映画初登場の四皇の海賊団。カタクリ、ブリュレ、オーブンがメインに動きます。公開当初は顔見世程度かなと思いましたが、3人ともメインとして動き、主要キャラとのやり取りや、決戦時でも奮闘します。特にオーブンは新技ひっさげるわ、ゾロやローと並んで戦うわ…いやすごいな!?
・ゲスト声優
今回もゲスト声優がたくさん出ています。中でも筆頭はやはりクラゲ海賊団でしょう。山田裕貴さんと霜降り明星の3人がメインで張っています。今回、全体的に上手な印象ですね。浮いている感じがまったくない。
そして例によって竹中さんもいました。私、3回も見に行っているのですが、いまだに確信持てないんですよね。多分、あの場面のファンだと思うんだけどな…。
・トットムジカ
太古から伝わる歌の魔王の肩書きを持つ本作のボス。現実世界、ウタワールドともに出現し、彼の存在によってこの2つの世界が繋がります。昔はウタの能力に目をつけて、楽譜として彼女の前に現れて復活した経歴があります。それがエレジアを滅ぼすことになり、ウタに罪を着せないためにもシャンクス達と彼女が別れるきっかけに…。しかも倒すには現実世界とウタワールドで同じタイミングで攻撃しないといけないとかいうふざけた仕様です。
もろもろ存在が謎なこの魔王は、アニメオリジナルや昔の映画の敵のような不気味さが感じられます。そこに音楽的要素と道化師のような雰囲気が加わったデザインです。個人的には第2形態が好みです。
感想(個人的名シーン)
正直、今回は全体的に流れが良く、一部を抜粋というよりかはその前後も含めて素晴らしい内容でした。ストーリーの練りこみは素晴らしく、映像も迫力満点です。ひとりのキャラクターに焦点を当てるという点では「FILM Z」と似たような点はあるのですが、そこにルフィの幼馴染、シャンクスの娘というファンにとって馴染み深いキャラとの強烈な結びつきのある要素が含まれることで、ワンピースの物語として深みを与えています。ラストのビターな雰囲気も、いつものワンピース映画とは違った味わいを魅せてくれます。
また音楽がとにかく多く、ミュージカルというほどではありませんが、一種のMVのように響き渡ります。今回の映画の売りのひとつですよね。
個人的にはワンピース映画の中でも、「FILM Z」と並んで2番目に好きです。この辺りは個人の好みなのですが、ハマるギャグが無かったのともっとぶつかり合うような戦闘と未開の地を進んでいくような冒険的ワクワクが欲しかったですね。やっぱり怪物とかよりはしっかり意思のある敵や幹部戦の方が好きなのかなぁ…。
・ライブスタート(新時代)
冒頭、ウタの登場と共に始まる「新時代」のライブ。もはや彼女のMVといっても過言ではないスピード感あふれる映像と身体に響く音は、視聴者のボルテージを盛り上げていきます。これは映画のスタートダッシュとして完璧でしょう。
・ウタ「じゃあ、歌にしてあげる」
「私は最強」の歌と共にクラゲ海賊団とビッグマム海賊団を瞬く間に無力化させたこの場面。彼女の能力があまりにも万能なため、この辺りからその力が催眠系のものだと気づくのには難しくないと思います。それにしてもこのハイレグ機械鎧…セクシーだね!
・ウタ「ねえルフィ、海賊やめなよ」
再会からルフィが海賊と知った際のウタのセリフ。発表時のビジュアルにも書かれていたセリフですね。名塚さんのすこし湿っぽい言い方が最高なんだ…。
・ウタVS海軍
ウタの計画を止めようと現れた海軍と、能力によって観客たちを操るウタの戦い。独特な雰囲気のある「ウタカタララバイ」のライブ映像と共に、防音対策をしてきた海兵たちを次々と追い込んでいきます。さすがに海兵たちも市民にはなぁ…。そんな状況にも退かずに対応する藤虎とモモンガがかなりカッコいいです。というか、藤虎は視界だけでもなく聴覚も封じた状態でよく戦えたな!
毎回、ここの場面を見るたびにスモーカーやヒナがいたらあっさり拘束できたんだろうなと思ってしまいます。緑牛とかも…いや、あいつは観客ごと容赦なくやりかねないか。
・ウタ「もっと楽しいことがあればいいんだね!」
ウタが能力で観客ごと楽しいことへと変化させる場面。この前からの天竜人を捕えたあたりからガラっとライブの空気感が変わるのが見事です。そういう意味ではチャルロスはある意味MVPですな。
ウタ自身がゴードンと長年過ごして知識に疎いのもありましたが、後の明かされる罪悪感の払拭と併せて、もはや退くに退けない状況だったことが分かります。そこに自分以外の英雄の存在で、支持してくれた人たちからも責められたしなぁ…。
それにしても彼女が観客たちを変えたものとかが、全体的に子供っぽいのが幼さを窺えますね。
・ルフィVSウタ
彼女を止めるために単身で向かったルフィ。向かってくる音符兵たちもものともせずに、見事に捌き切っていきます。ルフィにしては珍しく淡々と処理していくのが印象的でした。それでも彼女のケンカを受けたところで、何も変わらないから受けるわけにもなぁ…。
ところでこの勝負で久しぶりにルフィが“ゴムゴムの暴風雨(ストーム)”を使っていたのが印象的でした。うまい具合にカウンター技に昇華している…!
・ウタ「シャンクスゥ~~!!なんでだよ~~!!」
ウタの回想で滅んだエレジアに取り残され、去っていく赤髪海賊団に叫ぶ一幕。ウタがどれだけシャンクスたちを慕っていたのか、名塚さんのシャウトも相まってその重さがよくわかります。
そして2回目以降だと、彼らが笑っていた際の顔を思い出してさらに胸が締め付けられる想いが…!
・シャンクス「久しぶりに聞きに来た、お前の歌を」
現実世界で麦わら帽子ごとルフィに止めを刺そうとした際に、それを止めたシャンクスのセリフ。CMでもたびたび見てきた雨の中での赤髪海賊団の登場場面ですが、劇中では出てきた時にこれほど安心するとは思いませんでした。心からやっと来てくれたかぁ…と安心しつつ、少し後の真顔で一般人に殴られる場面がシュールな笑いを誘います。いやどうしても絵面的にさ…。
・発動、トットムジカ
眠れないだけでなく精神もおかしくさせるネズキノコ、その効果が表れたウタが覚悟を決めて古の魔王トットムジカを復活させた場面です。その迫力ももちろん凄いのですが、…眼が完全におかしくなっているウタの色気がなかなか凄くてね…。
そして後に明かされますが、自分とトットムジカがエレジアを滅ぼしたことを知っていたことを思うと、彼女の覚悟はまさに相応のものだったのでしょう。
・ウソップ「立派だぜ!あんた!」
真実を打ち明けて謝罪するゴードンにかけたウソップの言葉。真面目なこの人であればこそ、ウタに対して抱いていた罪悪感はすさまじいものだったでしょう。それでも自身が愛した国が滅び、その元凶となった楽譜を音楽を愛するあまり捨てられなくても、彼はウタとずっと一緒に生き続けた…その事実は父親として素晴らしい生き様でしょう。これをヤソップの件があるウソップと、その後にジャッジといろいろあったサンジが一緒にフォローを入れているのがいいんだ…!
正直、私はウタよりもゴードンにぐっと来てしまった節はあります。
・ルフィ&シャンクス「「野郎ども、気合い入れろぉ!!!」」
ウソップとヤソップの見聞色の覇気が繋がることで攻撃のタイミングが判明した後のそれぞれの船長による檄!ここから流れ始める新時代をバックに、麦わらの一味+αと赤髪海賊団+カタクリの連携の開始です。これまでアニメに先駆けて魅せる新技や判明してこなかった赤髪海賊団の戦いなどファンとしては垂涎ものの連続です。
そしてついにそれぞれの船長同士の攻撃が魔王に向かっていく時、シャンクスの脳裏には愛娘との思い出。そして出会いはかつてロジャー達に自分が拾われた時と同じように、宝箱の中に自身が入っていたというもの…。
大事な幼馴染を、愛する娘を救うために最大級の覇気を見せるルフィとシャンクス。グリフォンには炎のような力を纏い、ルフィは解放の戦士の姿に…!
純粋な盛り上がりにおいてはこの場面が最大級だったのではないのでしょうか。もっともここから見逃せない状況なのですが!
・シャンクス「こいつは俺の娘だ。それを奪うつもりなら死ぬ気で来い!!」
騒動も一段落して海兵たちが取り囲む中、睨みを利かせて覇気を見せたシャンクスのセリフ。その覇王色の覇気はすさまじく、中将級まで何人か気絶させるほどすさまじく、作中でもトップクラスの覇気と言えるでしょう。まさにカイドウやマムにも並ぶ四皇だわ!
シャンクスなりにも過去のことに思うことはあったのでしょう。だからこそどれだけ罪を重ねても、どれだけ自分を許せなくても、今度は彼女を離すわけにはいきません。彼の実力と想いがこれでもかというほど表れたシーンでしょう。
・ウタ「私にとっても大事な帽子…いつかきっと、これがもっと似合う男になるんだぞ」
ウタワールドでのルフィとウタの別れの場面。もはや終わりを悟っているような彼女はいつの間にか自分よりも大きくなっていた幼馴染への感慨深さを抱きつつ、まるで託すかのようにルフィへの想いを告げます。
これに対して本当にわずかに涙を見せていたルフィですが、それでも彼はウタの終わりを引きずることは無いでしょう。かつてエースの死を乗り越えた彼だからこそ、ウタの想いを受けて前に進むのです。エンドロール後のいつものセリフは、まさにそれを体現していたと思います。
ちなみに彼女が何度かやっていた「負け惜しみぃ」はここが1番好きです。ちょっと眉が下がっているところとか、切なさを感じられて…。
・エンドロール
空に浮かぶ今作のタイトルから始まるエンドロール。エンディング「風のゆくえ」をバックに、多くの場所でウタの曲を聞いている面々が見られます。これでもかというほどファンサービスとして多くのキャラが映っており、その面々が彼女の歌を聞いています。まさに歌詞の通り、彼女が消えても歌は響くんだなって…。個人的にはゴードンが子どもたちに音楽を教えている場面で涙腺がかなり危なくなりました。やっぱり新時代とこの曲が私の中でお気に入りですね。
ただ本編でビビやコブラ王がいろいろあったことが明かされていたからなのか、アラバスタが無いのが…。
新時代を築こうとした少女
ワンピース屈指の興行収入を叩きだしている本作。やはりウタという作りこまれたキャラクターの魅力と、彼女とルフィとシャンクスに踏み込んだ重厚なストーリーが本作の面白さを魅せているのだと思います。
またadoさんのずば抜けた歌唱力から提供される様々な楽曲や多くの入場者特典など、ストーリー以外にも注目して楽しめますね。そもそも本作の人気ってワンピースとadoさんの相乗効果が大きいでしょうし。
公開からすでに2か月以上経っていますが、まだまだ間に合う本作。来週からは新たな入場者特典もあるので、まだ見ていない人はぜひ劇場へ!私もあと1回は見たいところだわ!