ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1107話「あんたを捜してたんだ!!」 四皇の人望

 1107話の感想です。

 扉絵リクエストは「ローとユキヒョウが昼寝をしているのを見ていじけているベポ」です。船長の昼寝枕役を取られてイヤなのは分かるが、報復の仕方が陰湿だぞ!

第1106話「きみの味方」 これぞ逆転 - ワンピース航海記録

 大量のパシフィスタに狙いをつけられましたが、ベガパンクによってくまの姿をした彼らの威権順位の最上はボニーに。これによってパシフィスタたちが海兵たちを攻撃していきます。さらにギア5状態のルフィが戦線復帰!島をもゴム化させる中、さらにドリー&ブロギーが率いる巨兵海賊団が現れて…!

進撃の巨兵

 軍艦を薙ぎ払い上陸したドリー&ブロギーは、一緒に来ていたオイモとカーシーに指示して海軍と交戦開始。個々でも船一隻とやり合えるような往年の戦士たちに、海軍もたじたじです。

 この援軍にウソップは感涙。ナミやチョッパーも嬉しそうです。これほど大きな事件、おそらく一味を逃がすために来たのであろうことを考えるエジソンたちと一緒に脱出の準備を進めます。

 もっとも船担当のブルックとリリスは氷の道によって通過しかけていましたが。リリスのツッコミ通り、止まってくれよ!

 また上層部ではゾロとルッチの戦いも継続していました。どうも持久戦に持ち込まれているようですが、これこそがルッチの狙い。麦わらの一味が仲間ひとりも見捨てないことを逆手に取って、ひとりでも生きた状態で足止めしておけば一味自体が動けないのです。

 一方で海岸ではパシフィスタたちが猛威を振るってました。すでにかなりの数の小、中型船を破壊しており、レッドキング中将の指示で軍艦メインでの戦いに切り替えていきます。というか、技名貰っていたこの中将、わりと見たまんまの名前だね…。

麦わらの反撃

 さて場面は変わってエッグヘッドの中心部。ギア5状態のルフィは泣いているボニーを不思議そうに見ていましたが、彼女からすればずっと探していた太陽の神がいるのだから涙を流すのも当然です。

 もちろんルフィからすればそんなことは露知らず。彼女がサターン聖に放った弱々しいパンチに言及しますが、彼女はルフィのようなパンチを打ちたかったと答えます。

 だがそんな問答は知ったことじゃないのがサターン聖。ルフィたちは死ぬべき存在と言い張りますが…

「ないね」

 バッサリ切り捨てるルフィは攻撃準備。例によって奇妙な念力で頭部にダメージが入りますが、この状態になった彼が斃れるようなものではありません。ボニーやベガパンクと友達を傷つけた相手に容赦なし。強力な覇気を伴ったゴムのごときパンチの連打”ゴムゴムの白い銃乱射”によって、サターン聖を建物の奥まで吹っ飛ばしました。

 この隙に手負いのベガパンクを連れて逃げようとしますが、サターン聖の一撃が致命的だったようで下手に動かせば死ぬと答えます。そこでボニーたちを先に行かせようとしますが、今度は黄猿が自慢のレーザービームで彼女ごと撃ちぬこうとしました。

 しかし放たれたレーザービームは命中するどころか、サンジによって蹴り飛ばされました。防御不能のレーザービームを蹴りで防げた理由は…

「愛は光より強ェんだ!!」

「それで済んじゃあ「物理学」は終わっちまうよ…!!」

 ということで、ボニー、フランキー、アトラス、くまは先に北東の海岸へ。そしてベガパンクを狙う黄猿の前にはルフィとサンジが立ちはだかります。

現れたもうひとつの勢力

 一方、吹っ飛ばされたサターン聖は瓦礫をどかしながら起き上がりますが、そこに現れたのは黒ひげ海賊団のヴァン・オーガーとカタリーナ・デボン。この場に五老星がいたことを幸運だと言いながら、彼女はサターン聖のクモ足のひとつに触ります。どうやらこれが狙いだったようですが…。

 この警戒するべき相手にサターン聖は睨みを利かせます。特にデボンなどレベル6の囚人。それほどの実力者がまさか誰かの部下になるなど、意外なことこの上ありません。その言葉にデボンは不敵な笑みを浮かべます。

ティーチは特別よ」

「――血筋もな」

 すでに黒ひげの正体については知っている様子のサターン聖。これほど怪しげな動きをして何の目的があるのかを問うと、今度はオーガーが表情を変えずにさらりと言ってのけました。

「世界」

 すぐにサターン聖が攻撃を仕掛けるも、オーガーのワープ移動によってその場から消え去ってしまいました。

 とはいっても、ワープの能力はまだ鍛えている途中なため、島のどこかに現れました。それでもサターン聖との交戦は避けられたので、このままエッグヘッドの離脱を図ります。

 そんな中、2人に声をかけたのはなんとカリブー。だがケンカを売るような雰囲気ではなく、それどころか妙に興奮しています。なんと彼は黒ひげに憧れて海賊を始めた身。その夢はティーチの子分になること…そうなれば幹部を見つけた今やることはひとつ!

「ご当人に一目会わしてくだせえェ~~~!!!」

それぞれの目的

 いよいよ混戦極まってきた今回の話。とにかく驚きの連続であったため、注目点は人それぞれでしょうから順番に見てきましょう。

 まずは前回に衝撃の登場となったドリー&ブロギー。今回は悠々と上陸すると、連れてきた部下たちに指示を飛ばしていました。懐かしのオイモとカーシーもいます。お前ら、お頭と会えて良かったな…。

 まさにバイキングといった風体の一行は軽く見積もっても10人以上はいますが、たったひとりでも船ひとつ破壊するほどの実力です。まさにデカさはパワーといったところでしょうか。そもそもエルバフの風習を踏まえると、鍛え続けていた戦士たちがほとんどでしょうし。そりゃ、百年前に手を付けられず、船長2人の失踪とカルメルを使っての和解の道しか選べないはずです。こんな軍団を敵に回したくないもの。マムも欲しがりますし、彼らよりも大きな古代巨人族がいた百獣海賊団や白ひげ海賊団が警戒させるのも当然ですわ。

 お次はタイトルにもなっていたギア5状態のルフィとボニーの出会い。彼女からしたら父との思い出と願いが抱えられた希望のような存在ですから、感涙もしますわな。そして期待を裏切らないルフィの攻撃が、サターン聖に炸裂。剛腕はカイドウ戦でもしっかり見てきたので、その腕力のパンチがいつものガトリングのように打ち込まれれば…まあ、あれほどの巨体でも吹っ飛びますわな!

 さらに多くの人と読者を驚かせたのは、まさかのサンジ。なんと真っ向からレーザービームを蹴りではじくという芸当を見せました。いや前回の時点でやりそうな雰囲気はあったけどさ…。基本的にワンピースの世界でレーザービームは防御不可能な攻撃のイメージがありました。実際、フランキーはそれでサターン聖にダメージ与えていましたし。それをまさかキックで防ぐって…。ボニーやフランキーの驚愕はもちろんですが、黄猿までも信じられないといった表情です。こんな表情、映画でゼファー先生相手にした時くらいしかしていないと思います。長年、戦ってきた彼でもさすがにレーザービームを直接的に防ぐ相手は初めてか…。

 サンジ好きの私としては興奮もありましたが、同時に黄猿やフランキーと同じような顔になりましたね。例によって彼の眉毛はジェルマ使用になっているので、科学の力が表に出ているのでしょうが…不思議ですね。心を失くす心配はまったく無く、レディへの愛で守る彼には頼もしさしかありません。

 そして終盤はここに来て黒ひげ海賊団の登場。デボンは予想通りでしたが、一緒にいたのはオーガーでしたね。ローたちとの勝負を途中で抜けてきたのでしょうか?

 戦いには参加せず、デボンが五老星に触れるだけでした。しかしこれが何を意味するかを考えれば、かなり恐ろしいことです。おそらくこれで彼女は五老星にすら化けることが出来るはずでしょう。顔に触れなきゃいけないマネマネの上位互換ですな。いやあっちはメモリーの量やモンタージュを作ることとかもできるのですが。世界トップのひとりに化けられるとなれば、マリージョアに潜入することもかなり容易になるでしょうし、内部から大きな混乱を招くことができそうです。五老星をもともと狙っていたわけじゃないでしょうが…おそらく階級高い海兵あたりをコピーできればと考えていたのかな。

 そしてオーガーから語られた黒ひげ海賊団の最終目標は世界。言葉だけ取れば世界の支配者ということでしょうか。それこそかつてロックスが目指したようなものです。サターン聖のセリフも踏まえると、いよいよロックスの血縁者の可能性が高まったと思います。考えてみればレベル6にいるような凶悪な海賊や謎の荒くれ者を部下にしているあたりも、ロックス海賊団を彷彿させますね。加えて、前にコビーに語っていた海賊島を政府加盟国にする話も七武海の時と同様に政府に近づくためのステップでしかなかったのでしょう。幹部クラスであるオーガーの一言でしたが、一種の格を感じられたシーンでした。

 ラストはカリブーが黒ひげの部下になることを希望。ちょこちょこ話していたあのお方とはティーチのことだったんですね。まあ、カイドウやマムには特別なリアクションもせず、彼の性格を踏まえれば割と予想できましたな。ロギア系を持つ彼ですが、下手したら能力者狩りの対象になるのではとも思いましたが、尊敬から裏切りはなさそうですし、彼にはポセイドンとプルトンの所在というとんでもない情報を持っていることを踏まえれば、普通に部下になれそうな気もします。なんだかんだでティーチがとんとん拍子で上手くいっているような気がしますな。

 そういえばぼちぼち最新刊の発売も近づいてきましたね。本誌の興奮を冷ますには…悲しすぎる内容になりそう!

 脱出劇もいよいよ最高潮。この戦いの決着が気になる中、また次回!

第1108話「応答せよ、世界」 暴露まで秒読み - ワンピース航海記録