ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1104話「ありがとう、お父さん」 悲しみを破る拳

 1104話の感想です。

 扉絵リクエストは「レストランでネズミのカップルのプロポーズが成功してデザートを運んでくるサンジ」です。ネズミとは縁が深い彼ですが…いいな、この笑顔。

第1103話「ごめんね、お父さん」 悲しみに包まれて - ワンピース航海記録

 追い詰められたボニーにサターン聖が伝えたのは、これまでの真実。くまの死どころか彼女の能力や母の病気などにも関わっていたのです。圧倒的な力の差に心が折れかけるボニーに、サターン聖は止めを刺そうとしますが、寸前のところで自我のないはずのくまが庇います。そして拳を握りしめ…!

優しき父の一撃!

 冒頭、くまの壮絶な過去が1ページに収められ、さらには愛娘であるボニーも同じように涙を流します。歯を食いしばり拳を振りかぶるくまにサターン聖は驚きを隠せません。というのも、彼が革命軍によって連れ去らわれた際に自爆スイッチを押していたのだとか。つまり生きているのもおかしいはずなのですが…。

 そんなことは知ったもんかと、怒りと覇気を込めたくまの痛烈な拳がサターン聖の顔面にクリーンヒット!その威力はすさまじく、前が見えねえ状態の相手は背中から大きく倒れこみました。さらに壊れた研究所の瓦礫が降りかかるというおまけつきです。

 これには周囲の海兵たちも驚き、同時に動けるようになったサンジ達も行動を開始します。そんな中、面食らって呆然としていたのはベガパンク。なんと彼は自爆スイッチをつけていませんでした。そうでもすればくまを特効兵器として扱うだろうと予見していたからです。代わりにつけたのは完全停止スイッチ。起動すれば、意志も無ければ命令も聞こえないという植物人間となるものです。

 しかし現実では、エッグヘッドまでボロボロになりながらも飛びつつ、サターン聖にまで強力なパンチをお見舞いする状態。そして息を切らしながらも、大泣きするボニーを優しく抱き上げました。

(やはり本当なのか…?バッカニア族の特性は身体の強さではない…彼らはかつて…)

 ベガパンクになにやら思い当たる節がある一方で、ボニーの方は父の顔に優しく触れました。声は出なくても、自我を失っても、あの記憶を見た今だからこそより強く伝わる父の愛。どれだけ世間が彼を暴君と呼ぼうとも、ボニーは大好きな父がどれだけ偉大かを実感していました。

「お父さんが誰よりも優しくて誰よりもかっこいい人だった事…!!あたしが忘れないからね!!!」

殲滅の合図

 そんな中、うめき声をあげながら起きてきたサターン聖。さすがにくまの全力の一撃は応えたらしく、かなり流血しており片腕と片方の角が欠損していました。頼むからそのまま倒れていてよ…。

 それどころかベガパンクのせいかと問い詰めつつ、なんと腕や角が徐々に修復されてきました。まさかの再生能力持ちかい!

 くまを用済みと切り捨てて再び脚による刺突を狙いますが、それをカットしたのはサンジ。動きさえすればこっちのものとばかりにフランキーも参戦し、“ラディカルビーム”が敵の身体を貫通します。麦わらの一味にとっても恩人であるくまのために奮闘します。

 しかしここで黄猿が戦線復帰!フランキーを後ろから蹴り飛ばしました。気持ち的には複雑なことはベガパンクに看破されますが…まあ、立場上やるしかないわな。

 ということで早々に終わらせようと黄猿も参戦。さらにはサターン聖も身体を修復しつつ、島ごと破壊することをもくろみます。つまり発動するのは、例によってバスターコール!!ロビンやベガパンクといった秘密の探究者に、くまのような失われた種族の存在、そしてルフィといった古き神を呼び起こした者たちをまとめて焼き払うつもりです。

「この島は不都合に満ちている!!!」

よし決まった!

 くまの怒りの一撃が決まった今回の話。

 あれだけ彼の苦しい過去と愛娘ボニーの絶望を読んだ後では、あのパンチはすごくカタルシスを感じました。正直、あれほどの攻撃をあと数発くらいやっても、くまは許されると思います。

 しかし動けた理由については、いまだに不明。ベガパンクが機転を利かせて爆発は免れたようですが、動けたことに関してはバッカニア族の特性が起因している可能性が高いですね。まあ、さすがに身体能力だけでは巨人族とかの方が凄いだろうですし。どんな特性かはまだ不明ですが…個人的にはニカを信仰している辺り、想いを現実的にするために力を発揮するみたいなこととかありそうな気がします。なかなか無茶苦茶な感じはしますが、他の絶滅種族であるルナーリア族や三つ目族の特異性を踏まえれば、盛ってくるんじゃないかな…?だって今回の描写からすれば、人格が消えたはずなのに覇気まで使っているし。

 そんなくまの一撃にはサターン聖も相当な重傷でしたが、謎の再生能力によってあっさりと復活します。ちょっとここまで万能だと、本当にただの能力者なのかすら懐疑的です。これまで幻獣種で悪魔とかを考えていましたけど…これ本当にゾオン系なら悪魔の方が人格をのっとっている可能性があるのでは…?

 しかも最後にはバスターコールを発動。いよいよエッグヘッド自体を消し去ろうとしてきました。またロビンのトラウマを抉るような…などと思いましたが、そもそもエッグヘッドの研究施設って破壊禁止の命令を受けていたのでは…?これは下手したらイム様の逆鱗に触れる可能性もありそうです。

 バスターコールですら大変ですが、そもそも黄猿とサターン聖のタッグという大ピンチな状況です。サンジとフランキーで乗り切るにはかなり厳しい…ということでルフィの復帰を期待するしかありません。すでに飯は食っているし、今回でしれっと姿も消していました。カリブー辺りの助けでしょうか、少なくとも着々と反撃の兆しはできています。ルフィにサターン聖、サンジ辺りに黄猿、ゾロには上でルッチと戦ってもらって時間稼ぎ…いや勝ってくれて一向に構わん!

 というか、黄猿は裏切りませんか。いやどれだけ複雑な感情でも仕事を遂行するしかないですものね。裏切るならもっと前からやっていたでしょうし…本当に難儀な男だな!

 なんだかんだ書きましたが、やはり今回はくまの一撃が見どころでしょう。お父さん、本当に強いです。人格を失ってもその優しさと強さが娘を守るんだ…!この後のボニーが想いを優しく伝えるのも良い場面ですね。心が温かくなる…。

 激化していく未来島の戦況に期待しつつ、また次回!

第1105話「愚の骨頂」 ひどいことするわ… - ワンピース航海記録