ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1069話「万物は望まれて、この世に生まれる」 悪魔を冠する可能性

 1069話の感想です。

 表紙連載は「闇金王ル・フェルドの慈善事業・平和研究所MADS」です。いやMADSの出資者お前かい!四皇にも繋がる相手の研究組織とか、そりゃ政府に目をつけられるわ…。

第1068話「天才の夢」 また壮大な…。 - ワンピース航海記録

 ベガパンクが掲げる夢は、エネルギーが無償で世界中に行きわたること。戦争の原因をひとつ消し去るものでした。そんな彼を船に乗せることをルフィは同意。しかし合流するために上へ向かう中、エッグヘッドに来たルッチ達と出会い…。

飯の恩がある

 冒頭、島民が逃げる中、ルフィはルッチがこの島にいることに驚きますが、そもそもここは政府の島。ルフィの方が部外者です。

 この因縁の出会いですが、カクとステューシーはルッチに待ったをかけます。上からの指示は無いし、そもそもルフィは現在四皇。抗争があれば、傘下(本人は認めていないものの)も動いてあっという間に大規模な戦いになってもおかしくないのです。

 そんな中、ルフィは倒れているアトラスを発見。すぐにチョッパーに頼みますが、ルッチは政府内の問題のため口出し無用と言います。しかし…

「おれ達はこいつにメシ食わせて貰ったんだよ!!」

 飯の恩義は重い…そして向かってくるのであればルッチも…。

 すでに海軍本部でもルフィ達がエッグヘッドにいることが連絡。すでに黄猿も向かっているようで、この宣戦布告のような状況をさらに悪化させないためにも、海軍が来るまでルッチ達に戦わないように指示が飛びますが…。

生まれる理由

 当然、そんなこと出来るはずもなくルフィとルッチは激突!辺りの建物が倒壊するほどの激戦です。

「“麦わらァ”強くなったのは!!何もお前だけじゃない…!!!」

 いきなりニカ状態のルフィに対して、ルッチの姿もこれまでとは違ったものに!能力が覚醒しており、人獣形態で生命帰還を使った時のようなフォルムに黒い煙のようなものを纏っています。

 さてルフィとルッチの戦いを研究ラボで見ていた一味ですが、そこにベガパンク本体が到着。彼は興味深そうにギア5のルフィを見ています。どうも古い悪魔の実図鑑にはゴムゴムの実という存在自体が無く、今のルフィは古い文献に記された神の姿にそっくりなんだとか。いつでもおどけて人々を笑わせる解放の戦士と呼ばれた神、ニカはその存在や歴史から消されています。

 それでも人が望むのであれば、本当の意味で消えることは無いのです。

「万物は望まれてこの世に生まれる!!例えば…!!“悪魔の実”もそうじゃ…!!!」

 ベガパンクの仮説では、悪魔の実は人の進化の可能性とのこと。誰もが思う望みが形となり、不自然だからこそ自然の母である海に嫌われる。

「“能力者”とは…!!誰かが思い描いたいくつもの異次元を生きる者達…!!」

セラフィムの仕様

 さてこの勝負の中、セラフィムを率いた戦桃丸が到着。CP0と組んで、海賊を追い払えばいいのかと確認しますが、ベガパンクは自分の命が狙われているから、CP0を追い払ってほしい旨を伝えます。普通にやれば、彼も謀反を起こしたことになるので反論しますが、どうも食えずに困っていた彼をベガパンクは拾った恩義があるようで…。

「「圧」がすげェな!!!」

 ということで、彼もベガパンクに従って行動開始!さすがにセラフィム3体を相手にするのはきついと踏んだカクは連れてきたS-ベアに1体相手にするように指示しました。しかしセラフィムには命令を聞く威厳順位というものがあるようです。トップが五老星、その次にベガパンク達、そして3番目に戦桃丸であり、その下が威厳チップ所有者なんだとか。つまり命令の順列は戦桃丸が上!彼の命令でS-ベアも役人相手に暴れます。

 ルフィが地面に腕を潜り込ませてパンチする“ゴムゴムのモグラ銃”を決めたところで、戦桃丸はセラフィムたちに指示を飛ばします。彼らの登場にはチョッパーやジンベエも目を丸くして驚きます。

 そしてルフィは戦桃丸との再会に笑いながら話しかけますが…その一瞬にルッチが指銃の手バージョンとなる“手銃”で戦桃丸の胸部を貫きます。

「司令塔は消すだけだ…「セラフィム」!!我々の指示に従え!!!」

悪魔の実の存在とは…

 悪魔の実の核心に触れたような気がする今回の話。

 ニカの存在とタイトルにもなっているセリフから、悪魔の実についてベガパンクが触れました。悪魔の実は誰かが思いついた可能性や望みでありそれを得た能力者は、それらを体現して生きる者という仮説…あまりにも異次元でぶっ飛んだ内容ではあるのですが、ニカを筆頭にあらゆる面で無限の可能性を見せてきた能力者たちを見ると納得してしまいます。解釈で明らかに変なことをしていた能力者もいるしな!

 これ言っていることはベガパンクの仮説なんですが、本人の経歴と海のくだりとかのせいでほとんど確定情報のように思いますね。というか彼の仮説を踏まえると、悪魔の実も不自然=創られたものと思うんですよね。さすがに誰かの望みを読み取って自然界に発生とかはあり得ないと思うですが、その場合は誰が生みだしたのか…それこそ神か…いやだとすれば自然に嫌われるのはおかしいか。

 能力者と言えば、今回はルッチも強化して戦闘。シャカも言っていた通り、ゾオン系の覚醒は実の意志に取り込まれる場合もあるようですが、彼は完全にコントロールできてますね。生命帰還を使った時のような細身の筋肉に脚が逆関節になっています。そして黒い煙のような羽衣?を纏っているのも特徴的です。なんか獣の力に加えて、悪魔の力も引き出したような雰囲気ですね。ギア5のルフィともそれなりにやりあえているとは、かなり強くなりましたね。諜報員としては、完全に失格な行動だけどな!

 そんな彼の一撃を受けて、久しぶりの登場となった戦桃丸はダウン!何気にベガパンクとの関係性も掘り下げられましたね。わりとあっさりと味方に付いたのが驚きでした。

 そして彼が倒れたことにより、セラフィムのコントロールが危うくなる可能性が出てきました。いやさすがにセラフィム×4にルッチ達はキツイでしょうよ。しかも黄猿まで来る可能性があるし…。前回まで戦力差を心配していましたが、あっという間に覆されましたね。これはカマバッカ王国から姿を消したくまの動向も気になるところです。

 今回の個人的な注目場面はルフィとルッチが拳をぶつけ合ったところ。2年前の戦闘時のセルフオマージュでしょうか。前の時より2人も数段上に行き、その戦いには相変わらず心を震わせてくれます。

 エッグヘッドが火の海になりかねないと思いつつ、また次回!来週は休載ですが、考察には困らないほどの詰め込みっぷりですね。

第1070話「最強の人類」 ベガパンクの傑作 - ワンピース航海記録