ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

チョッパー誕生日記念 「珍獣島のチョッパー王国」感想

 チョッパー誕生日おめでとう!!
 今日12月24日は、麦わらの一味の船医であるトニートニー・チョッパーの誕生日です。ワンピース界屈指のマスコットキャラクターである彼ですが、今年はなかなかの活躍でしたね。可愛さだけでなく、実力も備わってきたことがわかります。今回はそんな彼がメインの映画「珍獣島のチョッパー王国」の感想を書いていきます。

 概要

 ワンピースの映画三作目です。当時仲間になったばかりのチョッパーをメインとした作品です。ちなみに本来ビビとカルーがいるはずなのですが、この作品には出ていません。

 監督は多くのアニメの演出を手掛ける志水淳児さん、脚本は映画「ビリギャル」などを担当した橋本裕志さん、キャラデザや作画監督はアニメのワンピースで活躍されている小泉昇さん、音楽はアニメ音楽の重鎮の田中公平さんです。

 同時上映に短編映画の「夢のサッカー王国!」もあります。こちらではビビやカルーだけでなく、様々なキャラも出ます。さらに尾田先生が声優に挑戦!

あらすじ

 王なる宝が眠ると言われる王冠島を目指す麦わらの一味。しかしチョッパーは危険だからと反対する。すると突然海底火山が爆発し、麦わらの一味は不思議な動物が住む王冠島にたどり着く。海底火山の爆発で吹き飛ばされたメリー号だが、その勢いでチョッパーが船から飛ばされる。着陸したチョッパーは偶然にも島民から王冠島の王に勘違いされてしまう。一方ルフィは島の探索中に怪しい一味に出会う・・・。

登場キャラ

・ルフィ

 今回は全体を通して、モバンビーに対して仲間としてのありようなどを教えたりといい兄貴分です。仲間としてチョッパーを信用したり、戦ったりするところは本当にカッコいい!彼にとって仲間としての信頼に長さは関係ないですね。

 一方で映画の彼にありがちなバカっぷりです。ウソップの冗談を真に受けたり、動物前に肉を欲しがったりと自由すぎます。一番衝撃なのは、なぜかツノクイを操る音色に反応したところです。なぜ効く・・・?

 ちなみに今回絵をけっこう描いています。その下手さは察してください・・・。

・チョッパー

 臆病で逃げ腰だったり、照れを隠し切れない性格、それでも仲がいい友達や仲間のために勇気を振り絞るところ、医術やランブルボールを使った戦闘など初期の頃の彼の魅力が全部出ています。さすがは今回のメインです。冒頭ではウソップの嘘にビビる彼が、ラストにはそれらに頑張ると言えるくらいにまでなるのはグッときます。個人的に今回の作品は彼の成長ストーリーだと思いますね。ところどころ登場するヒルルクもいい味を出しています。

 また個人的にモバンビーとの友情には、彼が動物であることを押してくるモバンビーの主張と海賊である立場で板挟みになっているところがいいですね。一味に入る前の彼の悩みを乗り越えた感じもします。

 

・ゾロ

 今回、敵の幹部と戦います。その際に強さは心と言ったりするところは、初期の頃から成長したと感じさせてくれます。仲間への信用も結構強調されている気がします。

 また結構他のキャラのセリフを気にします。サンジの発言やホットドッグの発言にですね。まあサンジの件については相変わらずなのですが。

 冒頭で筋トレしてますが、ポーズがツボでした。それにしてもこの頃はまだ筋トレ用具が小さいなぁ。

 

・サンジ

 ゾロと同様に幹部と対決です。映画で結構ありますが、敵からの守れない発言には敏感です。彼も仲間への信用が強調されている感じです。

 またチョッパーが王様であることに自分は王子様という発言もします。現状があれだからシャレになりません。西の海でのちょっとした豆知識を披露したりなどするのも全部ヴィンスモークに関するように感じてしまいます。さすがにこの当時は関係ないですが。

 この作品ではサングラスをかけています。個人的にかなり好きです。

 

・ナミ

 全体を通してツッコミや宝への執着が凄いです。今回王冠島の宝の地図を手に入れたのも彼女のようです。結構お宝に関しては食い下がっています。

 ウソップと組んでツノクイを閉じ込めますが、どうも今ではウソップ一人でもできた気がしてしょうがないです。

 

・ウソップ

 今回かなりウソや冗談が多いです。これがギャグに発展していきますね。

 またナミと組んでツノクイを閉じ込めます。ビビりながらも頑張るのは、チョッパーのためでしょう。口だけも多いですが、ちゃんと行動できるのもいいですね。

 また彼の発明「ウソップブーメラン」や「カモフラージュ用衣装」なんかも出ます。ブーメランは「ウソップアーアアー」と同類な感じがしますね(笑)

 

・モバンビー

 作品のオリジナルキャラで、王冠島で暮らす少年です。動物学者の父親をバトラーに殺され、王冠島で前王のキリンライアンに育てられました。父を殺したのを海賊と思っていたため、海賊を嫌ってました。というかどうして海賊だと思っていたんでしょう?海で襲われたからでしょうか。

 チョッパーを動物王と考え、仲間として彼のために頑張ります。父親を殺されたときにバトラーから言われた言葉がトラウマになっていましたが、ルフィやチョッパーのおかげで勇気を振り絞り友のために戦います。この勇気が認められ、動物王になります。

 この作品はチョッパーの成長と同時に彼の成長物語でもあると思います。特に彼の勇気とラストの方でチョッパーをわざと突き放すところは印象的です。

 ちなみに全体通して見ると、海賊嫌いというより人間嫌いのように見えてしまいます。環境的に仲間が動物しかいないしな。

 

・カラスケ

 モバンビーと共に行動する王冠島で人間の言葉が話せる数少ない存在です。モバンビーのために協力したりと彼の良き理解者です。

・ハゲオウム

 カラスケ同様王冠島で人間の言葉が話せる存在です。モバンビーのピンチには駆けつけましたが、チョッパー見捨てようとしたりとあんまり良い印象はないですね。王冠島の状況について説明する役割という印象の方が強かったです。

 見た目すごく年取っているようですが、長老とかではないようです。それが一番驚きだ・・・。

 

・バトラー伯爵

 今回のボスキャラです。自称世界一のウルトラ大天才だそうです。映画のボスキャラの中では、ギャグ色がかなり強く、隠し事が出来ず自分から秘密を話したり、顔芸も凄いです。角にケチャップやマヨネーズ、マスタードを付けて食べたり、ルフィ達より長くいるはずなのに動物王のこと知らなかったりと、かなりネタが欠けない人物です。

 キングライアンの角を食べ化け物となり、ルフィやチョッパー、モバンビーを追い詰めます。しかし最後はルフィに角を潰され、ゴムゴムのバズーカで吹っ飛ばされました。角壊されただけでダメになるのね。

 

・ホットドッグ将軍

 バトラーの部下で、自称世界一最強の男です。「狂犬のドッグ」と呼ばれゾロと戦います。鉄をも砕く蹴りでゾロを追い詰めますが、 ゾロの龍巻きにやられます。上半身がかなりマッシブなので、個人的にキックよりもパンチの方が強い気がします。ちなみに劇場版9作目の冒頭で懸賞金400万ベリーということがわかります。

 

・ヘビー総裁

 バトラーの部下で、自称世界一の色男です。「毒蛇のヘビー」と呼ばれサンジと戦います。鞭のような剣と残像でサンジを追い詰めますが、サンジの怒りの連撃にやられます。こいつ含めてバトラー一味には自信家しかいないのか・・・(笑)ちなみに劇場版9作目の冒頭で懸賞金420万ベリーということがわかります。

個人的名セリフ&名シーン

・ルフィ「ひとつながり~!」

 冒頭でゾロが海底火山がひとつながりになっていることを発言した後のルフィのセリフです。なんか彼がひとつながりとか言うと、ワンピースに反応したように感じます。あっちはひとつなぎですが。

 

・チョッパー「おお~~~~~う!!!!」

 お尻に尖った岩が刺さったときのチョッパーの叫びです。これが原因で彼が王冠島の言い伝えによる王様と勘違いされるようになります。ご都合主義って感じがしますね。嫌いじゃありません。

・ルフィ「だってお前悪い奴だろう」

 バトラー「ふざけたこと言うなぁ!この吾輩のどこが悪い奴だァ!!」

 ルフィがバトラーの子分になる事を断った後のやりとりです。ルフィ達の方からは見えませんが、バトラーの上着には後ろにでかでかと「悪」と書いています。隠し事が出来ない性格は、服装にまで現れるのですね。

 

・ルフィ「おれ達の仲間なんだ、弱いはずがねえ。」

 ナミやウソップのチョッパーへの心配に対してのルフィのセリフです。シンプルなんですが、ルフィの仲間への信頼がよく伝わるセリフです。麦わらの一味が歌う「Family」でも似たような歌詞がありましたね。

 このあとゾロとサンジに同意を求めるのですが、2人ともその実力を認めます。良いシーンなのですが、サンジはチョッパーの戦闘を見ているからすんなり理解できるのですが、ゾロの納得の根拠がよくわからなかったです。まあでもゾロだしな・・・。

 

・ルフィ「なにィ!お前いつの間にそんなにカッコよくなったんだ!?」

 チョッパーに再開した際のやりとりでのルフィのセリフです。個人的にこの作品で一番面白いやりとりです。ウソップの動物王へのイメージについての冗談を真に受けて、チョッパーがそれくらい凄くなったと勘違いしました。というかウソップのむちゃくちゃな冗談で作られたイメージをカッコよく思うのか・・・。

 

・ウソップ「おい強くねぇからなんだっていうんだ!俺だって強くねぇけどあんな奴ら全然怖くねぇ・・・」

 モバンビーが自分は強くないと言ったことに対してウソップが言ったセリフです。後半足が震えてナミにツッコミを入れられますが、自分が弱いことを受けいれたうえでこのように言えるのは、彼が自分を理解し成長してきている証拠です。

 

・ルフィ「お前だって頑張ったら本当は強いかも知んねぇぞ」

 モバンビーが自分は強くないと言ったことに対してルフィが言ったセリフです。モバンビーの過去を知らないルフィですが、行動に移さずに自分を弱いと決めつける彼に疑問を感じたのかもしれません。ルフィは行動派の人間なので、実行してこそ納得する人間だと思います。その行動を仲間のためにできるのが彼であり、モバンビーにはその重要性を考えさせられるセリフだったのだと思います。

 この後モバンビーはチョッパーのために大いに奮闘してくれます。その際にこのセリフを自ら言うシーンも。

 

・ゾロ「世の中にはなぁ、てめぇなんかよりもっとすごい蹴りをする男がいるんだぜ。むかつく野郎だけどな」

 サンジ「てめぇの剣なんぞあいつに比べりゃ・・・クソみてぇなもんだぜ」
 ゾロとサンジがそれぞれ敵を倒した際に言ったセリフです。普段喧嘩が多い彼らも心の中ではその実力を認め合っているのがよくわかります。この2人はこういう関係でルフィの横にいてほしいなぁ。

 

・ゾロ「だけどよ別のお宝が戻ってきたから良いじゃねぇか」

 ルフィ「チョッパーおめえのことだよ」
 島を出た後のやりとりの一部です。麦わらの一味にとっての大きな宝が「仲間」であることが改めて実感できます。この一味はそのために命を張っていけるのが、魅力ですね。

主題歌「まぶしくて」

 ロックバンドDASEINさんが歌う曲です。そこまで激しい感じではなく、滑らかに盛り上がる印象を受けます。映像は一味6人の幼少期です。

 劇場版の中ではそこまで印象に残っていなかった作品だったのですが、改めて視ると非常に面白い作品でした。特にチョッパーは初期の魅力から彼の成長がよくわかる演出だったと思います。また短いながらも一味の魅力もしっかり出されていたと思います。欲を言えばもう少しナミを目立たたせてほしい感じでした。

 時間も1時間に満たないので、そこまで身構えなくても視れるのでお勧めです。