ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

映画最新作「STAMPEDE」感想

 暑い日が続く中、ついにファン待望のワンピース映画最新作「STAMPEDE」が先日公開されました。これを見てだるさもやる気のなさも吹っ飛ばしていこう!

 そんな考えのもとで今回は「STAMPEDE」の感想について書いていきます。

注意:この映画は現在公開中ですが、ネタバレを含んだ感想になっています。まだ視聴していない方は視聴後にどうぞ。

概要

 ワンピース映画14作目かつアニメ20周年を記念する本作はまさにお祭り映画。いつもの麦わらの一味はもちろんのこと、あらゆる勢力や世代のキャラが入り乱れて登場しており、常に目が離せません。またオリジナルキャラであるダグラス・バレットや各勢力のキャラが組む奇跡の共同戦線など多くの注目点があります。

 監督は大塚隆史氏。ここ最近活躍しておられる方で、以前放送したエピソードオブ東の海でも監督をされていました。脚本は大塚氏と共に富岡淳広氏。ポケモンを中心に様々な人気アニメを手掛けている印象があります。

 キャラクターデザインと総作画監督は佐藤雅将氏。これまでのFILMシリーズでも担当してくださっていました。音楽は田中公平氏。ファンならご存じの通り、ウィーアーの制作者のひとりですね。

 そして今回も監修に尾田栄一郎先生の名前があります。嬉しいのですが頼むから休んでほしいですわ!

あらすじ

 麦わらの一味に届いたのは、ブエナ・フェスタが主催する海賊のためのお祭りイベント「海賊万博」のもの。今回のメインイベントは宝探しでなんと海賊王ゴールド・ロジャーが残した宝の奪い合い。多くの海賊がそれを狙う一方、超新星のひとりトラファルガー・ローが手負いの状態でルフィたちの前に現れる。

  そして裏では主催者のフェスタの陰謀が…。

 

登場キャラ

・ルフィ

 我らが主人公は今回持ち味であるその場にいる者を魅了し味方につける不思議な魅力を発揮します。関わりのある人物たちとはいえ、いきなり共同戦線を張ることになった彼らをあっさり信用するのは底抜けのお人よしなのか単なるバカなのか。しかし彼自身は共に戦う人物たちの実力を知っているからこそ、自身の背中をすぐに預けられるのがわかっていたのでしょう。ただし本人は連携を取ろうとはしませんが(笑)

 もちろん当然ながら、仲間への想いも人一倍。ウソップがやられた時には怒りの表情を見せます。私としてはルフィがバレットに挑むのは終始ウソップのために思いました。彼にとって仲間は何よりも必要なもの。その想いとは反対にいるようなバレットへの怒りをぶつけているように思いましたね。

 戦闘ではキッドやウルージ、そして今作の敵であるバレットと激突。最新のギア4であるスネイクマンも使って戦いを挑みます。

 服装はシンプルながらも巨人族の兜や万博で買ったお土産の詰まったバッグなどで騒がしさ満点です。お前は旅行客の帰りか。冒頭の夏休み服も大砲を担ぐなど、今回はいつも以上に何かを持っている印象です。ちなみに夏休み服はユニクロデザイナーとのコラボなんだとか。

 

・ゾロ

 宝探しでルフィと共に先陣を突き進む剣士。とにかく今回の彼は戦闘が多く、一味ナンバー2ともいえる実力を存分に発揮しております。裏方的な面は皆無なものの、今回は戦闘員として一味に大いに貢献します。

 そのメインの戦闘はキラーや藤虎が相手。特に藤虎との勝負は一歩も引かずに持ち前の剛剣で猛攻を見せます。藤虎が去り際に落とした隕石にも、必殺の一大・三千・大千・世界で見事に切り裂きました。しかしまだ師匠の方が強かった。キラーとの勝負は一瞬でしたが、ある意味本編でやったからねぇ…。また最後にはクロコダイルを押さえつけるなんて描写もありました。ルフィの邪魔なんてさせません。

 服装はつなぎ姿。刀をベルトに巻き付け、酒も入れられる機能性重視の見た目です。夏休み服は甚平を着ています。やっぱり和装が似合うな。

 

・ナミ

 今回はあまり目立っていなかった航海士。 ヒロイン感のあったこれまでのFILMシリーズと比べると、そういった類が今回はなくて驚く人もいたとかいないとか。全体的にツッコミと驚いていたことが多かった印象です。それでも序盤の突き上げる海流相手に経験を活かした航海術を見せるのはお見事の一言。大きなリードをとれたのは彼女のおかげでしょう。

 戦闘では例によって雷攻撃で味方を援護。ゼウスも登場します。

 服装は水着の上に足の露出が激しいデニムのジャンプスーツ。横から見える胸がセクシーです。夏休み服はジムウェアでしょうか。可愛らしさとセクシーさが両立されています。

 

・ウソップ

 もはやヒロインとも呼べる狙撃手。偶然にも宝を手に入れてしまったためにバレットにやられますが、その後の勝負やルフィを助ける場面など彼の頑張りはとても印象的でした。また2年後で強くなったとはいえ、いまだに自分の実力の至らない点に涙する場面も。彼が泣くその最大の理由は、力になりたい仲間がいるからこそ。悔しさや情けない感情が入り混じっていたに違いありません。それでも彼には彼の戦いがあります。それを活かしてルフィの仲間として理解者として、共に戦いました。

 もちろんいつもの騒がしさもご健在。ビビリとツッコミは彼らしさとして終始映画を面白くさせてくれます。

 バレット相手に戦いを挑いますが、その行動はラスト間際にルフィのサポートとなります。援護が花道を最後まで貫いていた男でした。

 服装はゾロと同じつなぎ服ですが、模様が黄色中心の迷彩柄という派手なもの。今回も背負うハリボテハンマーと角が目立つヘルメットのおかげで派手さには事欠きません。夏休み服はストリート系のようなもの。DJやっていそう。

 

・サンジ

 潜入チームで指揮を執るコック。裏方として敵の動向や脱出ルートを探ります。彼特有の柔軟な思考力が光っており、機転の利く動きとリーダーシップを見せていました。ぐるわらの一味で指揮を執っていただけはあるね(笑)

 戦闘ではスモーカーと激突。一味の潜入組で唯一の覇気使いであったため、自然系相手にも退かずに戦います。戦闘場面こそ短いながらも互いにしっかり魅せる勝負でした。また横槍を入れようとしたルッチを抑えます。ゾロと共に船長を支える主力として活躍していますね。思えばゾロもサンジも防いだのが、かつてのボスクラスの敵というのは感慨深い。

 服装はミリタリー要素が前面に押し出されたもの。ショートパンツなため空島編を思い出します。夏休み服はエプロンを腰に巻いています。休日に料理するただの兄ちゃんだこれ。

 

・チョッパー

 潜入チームとして共に動く船医。治療場面もがっつり描写されるわけではないので、いまいち活躍に恵まれていません。というか、戦闘場面も無いに等しいから下手したら今回で一番目立っていないまであるかも…。ウソップ同様のビビリや笑いはあるんだがねぇ。それでもルフィとウソップを助ける場面は、特にウソップの気持ちを汲んでいたのではないでしょうか。

 服装は迷彩柄の帽子をかぶっており、子供らしいシャツも併せて可愛さ全開です。夏休み服は尺玉と書かれた帽子が目を引きます。俺自身が花火となることだ。

 

・ロビン

 こちらも潜入で魅せる考古学者。能力を活用する場面が多く、要所での活躍は見ものです。またクロコダイルとの再会やバスターコールといった彼女だからこそその恐ろしさがわかるような場面も。というか、今回はロビンのトラウマえぐるようなものが続くな。

 また今回はサンジに助けられ、ローにお姫様抱っこされ、サボに助けられと陰ながらヒロイン感を醸し出します。しかも全員年下…なんて魔性の女なの!(違います)

 服装はワンピースとカーディガンというシンプルなもの。冒険者らしくはありませんが、そのシンプルさゆえの色気と優雅さが目立ちます。夏休み服は運動しやすさを重視したスタイル。セレブな奥様感が漂います。ここまでエロくはないでしょうが。

 

・フランキー

 いよいよ目立つ場面が減ってきた船大工。今回もと言うべきか、活躍場面が少なく潜入組にもいないので大きくアップされる場面も無いのが切ないところです。戦闘でもビームとフランキー将軍なので、充分見てきた戦力だし…。サニー号のフライングモデルというレアなものを見せてくれただけでも良しとしましょう。

 服装は兜に盾に剣、そしてマントと男の子が憧れるような重装備。フランキーの体格のおかげでごつさ倍増です。夏休み服は肩の神輿が目を引きます。彼のコスプレ的要素は我々とは方向性が違うな!(誉め言葉)

 ところでワノ国編での八尾さんの声がどこか弱々しく感じるのは私だけでしょうか?杞憂ですめばいいのだが…。

 

・ブルック

 要所の活躍が光った潜入組の音楽家。戦いではスモーカーの十手を防ぐくらいしか見せ場はありませんが、幽体離脱による情報収集と魂の喪剣による冷気はルフィ達の力になります。彼は目立たないながらもしっかり活躍し、魅せるところは魅せるという立ち振る舞いが映画でのスタンスな気がします。

 服装は片メガネが気になる紳士的なもの。服だけならアニメのシャーロックホームズにも出られそうです。夏休み服は対照的にファンシーなもの。カラフルなアフロで目立てるのは彼の特権です。

 

・ダグラス・バレット

 今回のボスキャラ。元ロジャー海賊団の船員で「鬼の跡目」の異名を持ちます。当時でレイリーとタイマンを張るほどの実力者で、インペルダウンにいたころも鍛錬を怠らなかったのだとか。軍服に身を包んだ巨漢で赤い肌に見える無数の傷が歴戦の実力者であることを物語っています。

 強さに固執しており、全てを倒すことが勝てなかった亡きロジャーを超える手段だと考えています。またその強さはあくまで自分一人のものであると考えており、過去の経験から一人であるからこそその強さがあるのだと自負しています。

 そんな彼の経歴はとてつもないほど過酷で、名前すらも少年兵時代のコードネームのようなものが元となっています。入場者特典の壱萬八拾九巻には彼の壮絶な人生が詳しく書かれています。

 己の強さだけを信じる彼の実力は鬼気迫るものでしたが、最後にはルフィ達に敗北します。彼の人生からそのような考えに傾倒してしまうのはわからなくもないですが、彼自身は無意識に気づいていたのではないでしょうか。一人の強さに限界があることを。しかしそれでももうロジャーとは決着をつけられないジレンマやこれまでの自分の生き様だけを理解してきたから、あくまで一人での強さにこだわったように思えます。少なくとも彼が長年挑んで勝てなかったロジャーや実力を認めていた白ひげは仲間や家族がいたからこそ強かったのです。ただ彼はそれを理解できなかったというよりも理解しようとしなかっただけで、本質的には感じていたと思います。それこそロジャーに叩きのめされても挑んできたあの笑顔にはそういった意味があったのでは。

 戦闘ではその強靭な肉体を活かした格闘戦が主流。さらにガシャガシャの実の能力者であり、あらゆる鉄や武器を強制的に自分と合体させることができます。劇中では愛船のカタパルト号とその中にあった武器を合体させて一種のロボットのような姿(中型バレット)となりました。さらに後半では覚醒した能力により島中の物質や海軍の軍艦を取り込んで島ひとつに匹敵する巨大な怪物(大型バレット)になりました。

 声優は磯部勉さん。ドラマや吹替を中心にご活躍されるベテラン俳優さんですね。私はテレ朝のXMENのウルヴァリンがお気に入りです。

 

・ブエナ・フェスタ

 海賊万博の主催者で「祭り屋」の異名を持つ男。ぽってりした体形ながら妙に長い脚と豊かな表情が気になります。

 表でこそ祭り屋として様々な祭りを催す男ですが、裏の顔は戦争仕掛け人として戦いをそそのかします。どうやら人を熱狂させることに魅入られており、その中でも最も人が熱狂するのが戦いだと思っているようです。そんな彼が敗北したと感じたのはロジャーが大海賊時代を巻き起こしたこと。たった一言で時代を始める人々を熱狂させたことに、彼は意気消沈しました。バレットと裏で組んだのも、彼と共に大海賊や海軍、裏の者たちなどといった世界に喧嘩を売り、闘争心を掻き立て熱狂するような新たな時代を作り上げてロジャーを超えることが目的でした。

 バレットの狂気とは別ベクトルで恐ろしい暴走っぷりを見せています。本人の戦闘力は高くありませんが、策略や野心という面でバレットと合わせて敵キャラとしての魅力が詰まったキャラでした。ただ彼も彼でロジャーが彼の言う熱狂を目的に大海賊時代の幕開けになったとは思えません。ここを知らなかったのがフェスタの今回の暴走につながったというべきでしょうか。彼の人生も壱萬八拾九巻で書かれています。何気にロジャー時代の海賊というレアなキャラですな。

 声優はユースケ・サンタマリアさん。俳優やタレントとして活躍されていますね。フェスタの狂気的な面を押し出した素晴らしい演技でした。

 

・ドナルド・モデラー

 海賊万博司会の男。悪さと愉快さを両立させたような顔をしていますが、片手義手、片足義足となかなか強烈なデザインのキャラです。

 海賊万博の司会ということで、そこでのルールや実況などを担当していました。見た目通りのノリの良さが嫌いになれません。

 声優は山里亮太さん。先日結婚を報告した人気お笑い芸人さんです。上手なのですが、聞いているとだんだん山ちゃんらしい感じになっていくのが気になりましたなぁ。

 

・アン

 海賊万博でスペシャルゲストとして招かれたトンガリ島の歌姫。元は東京ワンピースタワーで上映されているライブショーのキャラクターです。ビジョビジョの能力で幻影を映し出すことができます。

 天真爛漫にドナルドと共にお宝争奪戦の実況をします。またラストにはサボの頼みでエースの幻影を写したりなんかも。やはりというべきかなんだかんだで麦わらの一味を応援していました。

 声優は指原莉乃さん。様々なジャンルでご活躍なされています。思った以上に合っており、彼女の元気の良さが表されていました。

 

・ロー

 登場からボロボロであったルフィの協力者。バレットとフェスタの陰謀にいち早く気づくもバギーらに追い回されたり、作戦を立案するもまとまりがなかったりと苦労します。

 しかし彼の能力と指揮でバレットを崩すことに成功しました。ドフラミンゴの時と違って、やられながらもやることはやった印象です。あの時は精神的ブレが気になったり、緊張感のない死んだ詐欺があったし。

 

・スモーカー

 海軍側の主人公とも言っていい男。海賊万博にたしぎと共に潜り込んで、いろいろと探っていました。真意を知ると、一人残ってでもバレットを倒そうとします。ラスト間際にはバスターコールを止めようと連絡したり、スタッフロールには大量の海賊を捕まえたりなどルフィの協力者としても海軍としても活躍していました。

 戦闘ではサンジやサボと勝負した後に、バレットを倒すためにルフィ達と協力します。サボとのコンビネーションは見ものです。やはり彼はメラメラの能力者とは妙な因縁がありますね。おかげでグランドバトルとかではエースを使えるようにするキャラでもありましたなぁ。

 

・ハンコック

 後半から登場した七武海。ルフィに協力してバレットと戦いますが、彼女も彼女でローの言うことを聞こうとしません。それでもコンビネーション時の実力はさすがは七武海というものでした。あとバレットに怒った際のダッシュでなんか笑ってしまったわ。

 また妙にメロメロ描写が多いのも印象的です。女版サンジどころか、彼と違って基本惚れたルフィに腑抜け気味なのでキリっと決める点が少なくなっている気がするの。

 

・バギー

 ほぼなりゆきでルフィに協力することとなりました。とは言いますが、彼自身は協力している感じはなく実際バレット相手に少しでもダメージを与えていたかというと怪しいものがあります。マギー玉とルッチのコンビネーションが決まったと思おう。そうしよう。しかし演出としてもローは最後の全員でルフィを援護するときに、なぜ彼までシャンブルズさせたし。

 とにかくギャグ臭が強く、決戦時も千葉繫節全開です。しかしバレットについて神妙な面持ちで解説するのは妙に説得力がありました。ここはやはり元ロジャー海賊団である彼だからこそですね。

 

・サボ

 後半から登場した彼ですが、スモーカーとの勝負やルフィへの協力、フェスタとの一騎打ちと活躍場面に事欠きません。そんな中でもお兄ちゃんらしさ全開でルフィに協力するのには安心感を覚えます。

 ラストにはアンに頼んでエースの幻影を出してもらい、メラメラの能力と共にルフィを援護します。この時の彼とルフィの様子で、エースの死を乗り越えたことを改めて実感させてくれました。

 

・ルッチ

 この予告詐欺野郎~!とも言いたくなるような立ち振る舞いでした。公開前に言われていた奇跡の共同戦線のメンバーである割には全体を通して目を張るほどの活躍もなく、本当にただお宝を狙っていただけにも見えます。実力あるのにもったいなさすぎるよ…。たしかにスモーカーと違って協力するイメージ湧かないけどさ。

 

・クロコダイル

 サプライズ的に協力することとなった元七武海。バレットとはかつて勝負した間柄で、設定では当時は決着つかなかったようです。裏でローに指示をしていたのは彼なんだとか。

 バレットとの勝負時に彼も懐かしのグラウンドデスで足元を破壊したり、目くらまししたりしており、活躍ならばルッチと大差ありません。ルッチ入れるならこっちも入れろよ…。

 

超新星

 ロー以外の超新星組は宝争奪戦に参加。さらにルフィと共にバレットと戦います。しかし全員やられてしまう結果に。まあ彼らの活躍は本編に期待しましょう。

 全員の船が今回出ており、それぞれ凝ったデザインをしております。またそれに乗って最後にルフィ達と共に脱出しようとしているのは同世代のよしみ感が出ていました。

 何気にホーキンスがアニメ前に自身のストローマンを出していますね。

 

・麦わらの一味の協力者たち

 脱出に当たって、ルフィ達と共に戦うメンバーも登場。参加であるバルトロメオとキャベンディッシュに加え、何気にワポルやフォクシーも出ました。後者は助けてくださいという素晴らしきギャグ要因でしたが(笑) というか、ワポルはなんで海賊やっているんだか。

 

・海軍

 白ひげとの戦争を思い出すような多くの戦力を投入。中将組があっさりやられたのにはちょっと面喰いました。バレットさん強い!

 多くのキャラが出ましたが、私はたしぎ、ヒナ、コビー、ヘルメッポが印象的でした。スモーカーと共に戦うという若者たちと彼の意をくみ取る同期のヒナがいい味を出しています。

 

・そのほかのキャラ達

 とにかく今回は尾田先生の言っていた通り、キャラが出まくるお祭り映画。黒ひげのようにバレットのやばさを演出させるものもいれば、セリフこそないものの見たことあるキャラなどありとあらゆるところに登場します。映画やアニメオリジナルキャラも登場するので、しっかり探していきたいところです。

 

・そのほかのゲスト声優キャラ

 前述したキャラ以外にもフィッシャーズやロン・モンロウさんが登場。しかし私が気になったのは今回も登場してくれた竹中直人さん。この人はもう友情出演の領域ですな。ありがてぇありがてぇ。

 

主題歌

・「GONG」

 WANIMAが歌うテンポの速い曲。ガンガン突き進むような曲調で、このお祭り映画への盛り上がりにはベストマッチです。また歌詞がずばりワンピースの一味の冒険やキャラのことを思い出すようなものとなっており、アニメ20周年の重みを感じられます。

 

個人的名場面

・一味の海賊万博巡り

 冒頭でタイトルが出るまでに麦わらの一味が海賊万博を満喫している場面です。あの描写はいろんなキャラがいて目移りしてしまうのと同時に、フェスタ主催の海賊万博の規模がよくわかります。

 

・お宝争奪戦

 超新星を中心としたお宝争奪戦。ルフィVSウルージ、キッドVSドレーク、ベッジVSボニーといった珍しいマッチングが見られます。あのごちゃごちゃした乱戦は大好きですね。

 

超新星VSバレット

 お宝めぐって突如現れたバレットと勝負することになった場面。中型バレットとよりも、普通のバレット時の勝負の方が好きですね。超新星がお互いに邪魔するななどと言いつつも、絶妙にコンビネーションをとっていくのはさすが名高き実力者ルーキーです。

 

・サンジVSスモーカー

 偶然出会ったことから始まった対決。戦闘時間は短いもののお互いに自信の戦闘スタイルを存分に魅せた良い勝負でした。

 それと私自身サンジとスモーカーはワンピースの中でもトップクラスに好きなキャラなので単純にこの組み合わせは嬉しかったですね。今回で二人とも原作の活躍できなかった分を発散しているように見えます(笑)

 

・ゾロVS藤虎

 実をいうと奇跡の共同戦線のバレット戦よりも興奮したこの勝負。余裕をもって大将の実力を見せつける藤虎に食い下がるゾロはとても印象的でした。攻めて攻めて攻めまくるゾロの剣術は見ものです。下手に退いたら逆に負けそうな相手ですしね。

 また隕石を切り裂くのも印象的でしたが、そこから斬った隕石の処理で剣術の腕を見せつけたミホークもカッコよかったです。ゾロよりもまだ先にいるな、あの人は。

 

・ウソップ決死の戦いと救助

 バレット相手にウソップが戦う場面と、その彼がルフィを背負って助ける場面。これはウソップだからこそできた場面だと思います。あまりにも実力差がある相手への絶望感を持ちながらも向っていく必死さ、ルフィの力になりたいのに自身の弱さを悔しがる嘆き、これらはルフィと波長が合い自分の弱さを最も理解している彼だからこそやることのできた内容だとも思います。しかし回想でmemoriesはずるくないですかねぇ。

 それゆえに最後の笑顔は喧嘩までして長年理解し合ってきた仲間としての貫禄がありました。そうそうルフィとウソップの関係性はこういうのでいいんだよ。

 

・挑むスモーカー

 バスターコールが来ると判明した中、島に残って意地でもバレットを討とうと考えるスモーカー。直前のヒナとのやり取りがとても味わい深く、大型バレットを見据える彼の姿はまるで主人公のようです。背中の正義の文字が大きく響くような気分になりました。

 

・ルフィVSバレット

 奇跡の共同戦線からのラストの通常バレットとの殴り合いまでの流れは怒涛の展開でとても迫力がありました。ルフィ、ロー、スモーカー、サボ、ハンコック、バギーの並びからの巨大な相手に流れるような動きで立ち向かうメンバー、中型バレットに対してウソップの援護が見事に決まった場面、宝を奪おうとしたクロコダイル&ルッチを防いだゾロ&サンジの一味主力組、そしてルフィの宴を絡めた仲間を思うセリフやバレットとの最後の殴り合いとワンピースの熱いバトルとキャラの掛け合いをこれでもかと見せてもらいました。

 ルフィとバレットの対決時に流れたウィーアーもちょうどよいところで流れてゼットやテゾーロの時と比べると爽快感の強いテイストの決着になっています。今回は劇中でウィーアーを使われることが多いのですが気になるレベルで使っているわけではないためくどく感じませんでした。お前らのことだよ、デジモンアドベンチャーtri.!

 

・エピローグ

 ロジャーによるお宝であったラフテルへのエターナルポースを捨てる場面。なんと尾田先生が書き下ろした内容です。壱萬八拾九巻にラフ画が載っています。

 ここで気になったのはロジャーの早すぎたという発言。何気にこれはONEPIECEの存在について予想する重要な手掛かりになるような気がします。ロジャーの存在が描かれること自体がレアですし、この時はすでにラフテルにたどり着いた後ですからなおのこと気になってしまうでしょうよ!

 

まさにお祭り映画

 今回はアニメ20周年を記念したともいえる内容の映画ということで、とにかく多くのキャラが出てきます。本編は22周年、アニメは20周年という長い年月から生まれてきたキャラを見るだけでもテンションが上がり、気持ちが昂るというものでしょう。反面、キャラが多すぎてごちゃごちゃした印象を抱く場面も少なくないため、騒がしいだけに感じるところもあります。

 しかし後半からの怒涛の展開は視聴者を飽きさせることない場面の連続で、王道的なすっきりしながらも熱いバトルと駆け引きがとても面白いです。

 またルフィとバレットの仲間についての考えの違いやウソップを中心とした一味の仲間のために戦う姿は、ワンピースの重要なキーワードである「仲間」を改めて深みのある内容にしてくれたと思います。

 私としては疲れる点が多いものも、ファンならば行って後悔することは絶対にないと言い切れるような素晴らしい映画だと思います。

 原作、アニメ共に長い年月を重ねてきて、現在は両方とも尾田先生が力を入れているワノ国編を進行中。今作を一つの区切りとして、これからも原作とアニメの両方を楽しんでいけると確信できた物語でしたな!