ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第959話「侍」 憶病慎重な蛇が厄介

 959話の感想です。

 表紙連載は「入国!激戦の傷跡残るドレスローザ」です。想像以上に生々しい鳥かごのあとがありますね。こういうの見ると、ドフラミンゴは本当にやってくれたなと思います。

第958話「約束の港」 第三幕の始まり始まり - ワンピース航海記録

 

 ついに決戦の日となりモモの助と赤鞘九人男は出陣します。しかしなんと約束の港には協力者がひとりも来ていないという異常事態。連絡もつかず、天気も最悪という絶望の状況に立たされた錦えもん達。オロチが打った手段とは…?

いざ出陣の準備

  冒頭写されるのは決戦二日前の情景。錦えもんがスマシを使い各地に散らばるメンバーに檄を飛ばしています。またフランキーとウソップが主導となった船整備も間に合い、武器の運搬や作戦についても打ち合わせもばっちりです。

 ルフィたちの方は飛徹から餞別として鎧と兜を貰っていました。ルフィ、チョッパー、ブルックが装着します。カッコいいけど、ロビンの感想が褒めているように聞こえねえ。

 なお後ろではサンジがゾロに鎧を着ないのか聞いており、懸賞金のことを引き合いに出して喧嘩にまで発展しています。お前ずっとゾロより懸賞金が下だからって気にしすぎだろ(笑)

 

 女性陣は獣士隊と鬼ヶ島の季節について。なんでも鬼ヶ島には入り口があり、そこは冬のように寒いだとか。ミンク族としては寒さは気にしませんが、スーロン化のために天気の方が気になるようです。薄い雲でなければナミとかが吹き飛ばしてくれませんかね。加えて、ネコマムシ旦那のメンバーが間に合うかも不安なところです。

 

 ここでルフィが気になるのはある一人の男のこと。ビッグマムとの戦いの時にしんがりを引き受けたジンベエの存在です。マムが来たにもかかわらず、ジンベエがここにいないことにルフィは納得していないようです。きっぱり約束したし、彼の性格を考えればなおさらねぇ。

「ああ生きてる!!来る!!」

おこぼれ町の事件

 一方、花の都の門外にあるえびす町では大盛り上がり。なんと丑三つ小僧のおかげでお金が手に入りました。都で泥棒の話が出ていないのに不思議に思いつつ、水を買おうと考えます。

 そしてもう一つの貧乏な町であるおこぼれ町ではなんとホールデムが町民を問い詰めていました。どうもアシュラ童子が率いていた山賊の基地を焼き払ったにもかかわらず、報復なくいまだに食料を盗まれているのが気になったようです。おこぼれ町の人たちは侍の討ち入りの噂の可能性を考えて黙っていますが…。

 

 するとここでお鶴さんが登場。何かを知っているような様子でホールデムたちの案内を買って出ます。どうやらお鶴はすでにお菊のことを知っていたため、自分の旦那である錦えもんが動いていることを予想しているのです。だからこそ彼らの邪魔をさせないようにと手を打とうとしますが…。

 しかしここでおこぼれ町の町民たちが自分たちが腹いっぱい食ったと証言。彼らがルフィ達から飯を貰ったのはけっこう前のはずですが…彼らもお鶴さんと同じく信じたか。

小物オロチの念入りな計略

 その夜、翼を持つギフターズが九里ヶ浜に隠されているサニー号に爆撃!さらに各地域を繋ぐ大橋、伊達港の船にも爆撃し道や移動手段を次々と破壊していきます。

 この命令を出しているのは何を隠そう将軍オロチ。彼も彼でまだ反逆しようとする赤鞘九人男の侍を見てはいませんし、見たところで信じられないでしょう。実際に家臣も国民もオロチのたわごとだと思われています。しかも康イエの決死の遺言もあり、それには拍車がかかっています。

「わしの言葉をざれ言と言うも結構!!わしには“実行”する権力がある!!!」

 誰も信じてくれなくても構わない。だって自分にはそんなたわ言すらも対策できるくらいの部下と実行力があるもの。

 

 ということで慎重を重ねるオロチの行動は反逆者の集まる常影港までのルートを完全にふさぐこと。どれだけ人を集めてもそこへ行く道や手段を完全に断つ作戦へと出ました。これは敵ながらあっぱれだわ。

嵐の中で輝く侍の心

 ということで、オロチの策略のせいで刃武港には錦えもん達以外は人っ子一人もおらず荒れた波だけが見える状況。そんな中、赤鞘九人男は前回イヌアラシが見つけた小舟を使って海を渡ろうと考えているのです。

 モモの助は彼らを止めますが、正直これ以上の潜伏は無理にも等しいです。しかもカイドウとオロチをワノ国本土から離して一気に葬れるチャンスは年に一度の火祭りのみ。兎丼制圧もすぐにバレるでしょう。しかもおこぼれ町の人たちが錦えもん達の代わりに罪をかぶって町ごと焼かれたという情報まであります。

 もはやこれ以上の逃げの手は侍にとって生き恥をさらすこと同等なのです。

 いずれ大成するためにモモの助と日和には何とか生き延びてほしいという事を伝える赤鞘の侍たち。せめて彼らにとって大恩ある男のためにも彼らは立派な侍でいたいのです。

「だからこそ我ら最後までおでん様の…“侍”でありたく候!!!」

 

 思い出すのは男が語ったワノ国が鎖国であった理由。それは光月の存在が大きく関係していたのです。

 それは41年前、ワノ国で皆から好かれ自由を求めた男がいました。

「あ~~~~圧死しそうだ 窮屈でござる!!!」

 船出に失敗して帰ってくるなりワノ国のありように不満を漏らすシルエットこそ伝説の男、光月おでん!

小物キャラなのに魅力的!

 決戦なのに皆が来ない理由が判明した今回の話。

 オロチの作戦は、敵の集合地までのルートを潰すという非常に単純かつ効果的なものでした。冷静に考えればすぐに思いつきそうなのになぜ私は思いつかなかったのかと思うほどですわ。少ない戦力で効果抜群ですな。

 それにしてもオロチは本当に厄介ですね。憶病な小物すぎて慎重な行動をしっかりとっています。本当に蛇のような警戒心と慎重さだな。あの自分の言うことを誰も信じなくても、馬鹿にされてもその身を守るために情報と直感を信じて行動を起こすというのは敵ながら見事としか言いようがありません。あのセリフの場面、ちょっとカッコよくも見えましたわ。見た目あんなのだけど。さすがはおでん相手に下克上を成功させた男です。

 というか、この男が何よりもおでんと赤鞘九人男を実力を信頼しているんですよね。家臣たちは20年もの年月で諦めたのが大半で捨名知までしたのもいるのに、オロチの場合はあいつらのことだから20年後に必ず何か仕掛けてくるだろうと考えているのですから。彼は間違いなく小物ですが、大物のおでんのライバル的な要素を持っていますよ。

 

 そしてついにラストには待望の過去編に突入。おでんのシルエットが見えました。とは言っても、しめ縄のようなもののせいで体全体はそこまでわかりませんが。頭の方はあれ笠でも被っているんでしょうかね?それとも単純にああいう髪型なのか?

 何はともあれ、次回にはおでんの全容もわかりそうです。でも本編も気になりすぎるジレンマだ…。

 

 また今回でジンベエ参戦のフラグが立ちましたね。個人的には真打ちの一人くらい…いやむしろ因縁深いビッグマム海賊団相手に奮闘してもらいたいです。

 というか、荒波の件もあるのでルフィたちがここから鬼ヶ島へ行くのに彼の力が必要な気もしますね。他のメンバーはサンジとしのぶが見たあの火祭り用の気球のようなものを使うのもあり得そうです。

 

 それと地味にショックなのはおこぼれ町が焼かれたということ。これ間違いなく死人出ているでしょう…。せめてお鶴さんあたりは助かってくれないかな。あの人の立ち振る舞い、個人的にツボですしワノ国が解放された時に錦えもんと肩を並べて扉絵のようなデートしてほしいものです。

 それとおでんの回想が始まったことでなおのこと疑問に感じたのですが、まじで丑三つ小僧って何者なのでしょうか。牛鬼丸のように謎が明かされたわけでもなく、狂四郎のように予想の余地ありのキャラと違って何者なのかすらいまだにわからないのですよ。今回も討ち入り近くなのにもかかわらず、動いている様子だし…。

 

 ところで最近思うのですが尾田先生はワノ国編の引きを妙に上手くやっているような印象が出てきました。いや本当に今さらですしワンピースは大概引きはうまいのですが、今回のような待望の過去編とかってそこに一週間休載入れるようなイメージがあったのですよ。まあ、それくらいワノ国編を丁寧かつ面白くしようと尾田先生が力を入れている証拠なのでしょうが。

 今回の兜鎧とかもめちゃめちゃカッコよかったですし。…さすがにあれはアシスタントが描いたよね?

 ワノ国編いよいよおでんの回想に期待しつつ、また次回!

第960話「光月おでん登場」 おでんの評価は… - ワンピース航海記録