ワンピース航海記録

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第960話「光月おでん登場」 おでんの評価は…

 960話の感想です。

 表紙連載は「大捜索!!ローラを探せ!!」です。現在、写真を使ってローラを捜索中です。でもシフォンがいるとそっくりな顔であまり写真も意味なさそうな気が…

第959話「侍」 憶病慎重な蛇が厄介 - ワンピース航海記録

 

 オロチの策略により集合場所までの経路がすべて絶たれてしまった状況。モモの助には生き残ってほしいと言う赤鞘九人男のメンバーはせめて自分たちだけでもカイドウとオロチに立ち向かおうと考えます。それは大恩人のおでんに侍にしてもらった仁義から。そして思い出すのはそのおでんとの出会い…

かつての二人

 今は昔、カイドウ達の支配も及んでいない頃のワノ国は自然豊かな土地で空気も水も澄んでいる素晴らしい場所でした。

 そんなワノ国で3人の男が山が動いたという話を茶屋の看板娘である鶴女にしています。若いころのお鶴さんは浮世絵風でないべっぴんさんだな。

 さてこの男たちはなんだかとても嬉しそうな様子。それもそのはず、一年かけて白い小さなイノシシを見つけたのです。なんでもこのイノシシを黒狛の親分が欲しがっていて、渡せば豪華な家一軒買えるほどの値段になるんだとか。

 すると店の方でわずかに物音が。それに気づいた鶴はすぐに音の正体である男の腕をひねり上げてのし倒します。その男は若いころの錦えもん。今と違って荒々しい印象です。なんでも彼は勝手に彼女の財布からお金を抜いたようです。ギャンブル癖もあるそうで、彼が彼女から借りた金は相当なものとなっています。昔馴染みでもこれはちょっとなぁ。

「次あたしの金に手をつけたら…あんたの内臓売っちまうよ」

 美人でもこの気迫…怖いよ、鶴女!

 

 その後、お代を置いて都へ向かっていた男たちはなんと襲撃に会います。犯人は先ほどの話を聞いていた錦えもん。大金かかっているとなれば是が非でも奪いたいという身勝手さです。イノシシだけでなく身ぐるみや財布も引っぺがすあたり、ただの追いはぎだこれ。

悪はびこる都

 一方、花の都の城ではワノ国の将軍である光月スキヤキが呆れたように息子のおでんについての報告を家臣から聞いています。

 おでんの経歴はほとんどの年で何か問題を起こす波乱万丈、迷惑千万の人生。0歳から乳母を投げ飛ばすどころか、4歳でクマを倒し、6歳で遊郭に入り浸り、その後は博打や喧嘩などでブラックリストに載ると腹いせでヤクザを抗争を起こすほどでした。逮捕された後の服役所である石切場では光月家の血筋もあってか石工の棟梁にまでなりますが、出所後は井戸で困る人のために勝手に川を捻じ曲げて大洪水起こすわ、それに乗じて海に出ようとするわ、都の女をさらってハーレム築いてはその旦那や親である屈強な侍を相手に乱闘になりヒョウ五郎一家までもが巻き込まれる大惨事を引き起こします。ここまで長々と経歴を追いましたが、これが18歳という若さでの経歴!あまりの酷さにスキヤキがおでんに渡そうとするのは絶縁状です。リハクの目でも読み解ける理由だわ!

 

 城でスキヤキが呆れている頃、都では錦えもんが猛ダッシュで侠客たちから逃げていました。どうやらこいつ、ヒョウ五郎一家からも金を盗んでおり親分のヒョウ五郎も彼のことを知っています。それは実力についてもよく知るほどで…。

 またこいつ以外にも都で悪さをしている奴がいました。黒い髪を束ねてワノ国には似合わない眼鏡をかけている少年は、鍋を買い間違えたと言うとちょっとした口八丁と言い回しにより大きな鍋と30銀もちょろまかしました。なかなか姑息な少年の名は傳ジロー。現代でいまだに姿が不明な赤鞘九人男のひとりですが、この頃は口の回る孤児でした。

あいつこそおでん!

 しかしこいつらよりも強力な悪(?)が都にはいます。花の都の火葬場では個人の家族が困惑していました。どうも火葬が終わって骨を拾うところだったのですが、その炎でなんとおでんを煮込んでいる男がいるというのです。

 アツアツのおでんをハフハフしながら食らうのは誰を隠そう将軍跡目の光月おでん!T字型の髪型になかなかゴツイ顔つきです。

 おでんは酒と共に鍋の中身まで食い尽くすと、一息つきヒョウタンを火にくべます。

「…そいじゃあな!!勝ぞう…!!次に飲む時ゃあの世だな」

 どうやらこれはおでんなりの友への別れであり、亡くなった友と酒を酌み交わしていたということなのでしょう。この彼特有の破天荒な行動こそおでん節と呼ばれ、これを見て涙する男に惚れかけている女性までいます。は、反応に困るわな。

 

 さておでんは自分を追ってきた光月家の部下たちに皆が自分を割けないことに疑問を呈します。なんでも半鐘が鳴っているので、火事のせいだとか。しかし半鐘を鳴らす人物が驚いているのは火ではなくそれよりもはるかにデカいもので…。

 一方、錦えもんは傳ジローに白イノシシについて注意を受けていました。白イノシシに神の使いという逸話があったのは序盤で説明されていましたが、それはある意味間違っていなかったのです。このイノシシは子供で、こいつを探すために親イノシシが突撃してきます。その親イノシシはまさに山のごとき巨大なサイズでまさに神ともいえる存在。伝説と思われていましたが、ここにそのイノシシがいるということは…。

 ということで、花の都目掛けて突撃しているのは山サイズの巨大イノシシ!すでに被害者もおり、このままでは都が潰されます。

 とっくに手遅れかと思われましたが、そんな錦えもん達の前に現れたのは話を聞いていた光月おでん。

「その猪おれによこせ!!」

 なにしでかすかわかるような、わからないようなだ!

おでんが出たけどさぁ…

 ついにおでんのシルエットが判明した今回の話。

 そのなんというか…ものすごく賛否分かれそうなキャラに思えました。尾田先生が力を入れているキャラなのはわかりますが、ちょっと経歴が盛りすぎですしその内容も反応に困るものでした。俊足や怪力エピソードは年齢を考えればすごいですがマムという前例があるため凄いのか若干曇りあるものに。暴力や賭博話もぶっ飛んでおり、すごいというよりもえぇ…というように気持ち引いてしまいます。女性関連のエピソードに関してはちょっと気持ち悪くまで感じました。女性は英雄色を好むと言いますが、現時点じゃ英雄感があまり湧かない!似てるけどセニョール・ピンクのような感じでもないんだよな。というか、モモの助はここが一番似たのかもね。

 あの死者への弔いについては心意気は感心しましたが、いかんせんやることがぶっ飛びすぎて反応に困りました。もっとやり方あるでしょうよ…。破天荒かつとんでもないスペックを持つキャラなのはわかるのですが、自由と身勝手を取り違えすぎて賛否分かれるキャラになっています。

 傍若無人なキャラなのは錦えもん達の話やちょこちょこ回想である会話でもわかっていましたが、それを超えるような賛美的評価がついていたからなぁ…。そのギャップもあるのかもしれません。

 正直言うと、私は現状では好きでも嫌いでもありませんね。死者へのエピソードと豪快なキャラは嫌いじゃないですが、その他の点を考えるとどっちつかずといったところです。オロチのようなキャラ的魅力はまだ感じませんし、デザインも別にという感じですし。

 ただロジャーと気が合いそうだなとは思いましたね。かつてガープがダダンに話していたロジャーへの評価にまんま当てはまるような男ではあると思いました。まだ仲間想いの点だけはあれですが。

 

 さらに若き日の錦えもん、お鶴さん、ヒョウ五郎、傳ジローが登場。錦えもんはなんというか…力だけある小物悪という印象ですね。腕っぷしはヒョウ五郎も認めるほどですが、追いはぎや金にだらしないのはちょっとねぇ。からのイノシシの件についてのビビりようはおでんとの器の違いも感じさせました。おでんよりも生々しいんだよ、彼のチンピラ感。

 お鶴さんは単純に美人でしたね。今と違ってかなり肝の座った元気な女性に感じました。結婚して雰囲気変わったのかな?

 ヒョウ五郎は侠客らしいセリフを吐きつつどっしり構えていました。今と違ってかなりがっしりした体格で風格も十分です。実力を見抜く目も見事なものですわ。

 そして一番の注目は現在唯一姿を現していない赤鞘九人男のひとり、傳ジロー。落語でありそうなやり口で鍋と代金をちょろまかしていました。こいつの悪はまだ可愛げがあるように思えましたね。おでんがぶっ飛びすぎて相対的なような気もするけど。

 ちょっと私としては意外だったのは傳ジローが姑息なやり口をするタイプだということですね。かつて彼らしきシルエットがアシュラ童子と共にカイドウとやり合っている場面があったので、勝手に相当な武闘派だと思っていました。それともこれからかな?同時にこの金関連を考えると、丑三つ小僧が彼である可能性も否定できなくなりました。実を言うと黒髪ということでまたちょっとコウシロウさん関係も考えちゃったりして…。

 

 イノシシの一件とかもあるのですが、どうせこれはおでんが解決するでしょう。むしろ気になるのはおでんの今後の動向と若き日の赤鞘九人男とオロチでしょう。

 前者はまさにワノ国の肝であり、ロジャーや白ひげが関わる可能性もあるので今から期待が止まりません。

 後者は彼らがおでんを慕う理由やオロチとおでんの因縁について深く掘り下げてほしいものです。単純に彼らの若かりし頃が気になるという人もいるでしょう。錦えもんとかかなり違うし。

 

 しかし尾田先生はおでんをここからどうやってあそこまで慕われて納得の人物にするつもりなのだろうか。現状ではちょっと過大評価しすぎで、カイドウのバカ殿発言もマジに思えてきましたよ。ある意味、史実の織田信長をモデルにしたと考えればこれくらいぶっ飛んだキャラは正解な気もするけどさぁ。粋な男という枠をぶち壊している気がするんですよね。

 今後彼がどういうふうに慕われるかも気になるのですが、これ康イエ様が立派すぎるな。こんなどうしようもない男たちをしっかり叱ったり、金を工面して学を覚えさせようとしたんだもの。

 おでんよりも康イエ様に無念な感情を抱きつつ、また次回!

第961話「山の神事件」 これで18歳かよ… - ワンピース航海記録