70話の感想です。
表紙は侍テイストな麦わらの一味です。ゾロが似合うのは当然として、サンジがなんかルパンの五右衛門みたいな雰囲気を出しています。
ナミが向かった先はアーロンパーク。そこではアーロンを筆頭に魚人が周辺の村を支配していた。なんとナミは彼の一味の幹部であった。そんなことは知らずに、ゾロ達もアーロンパークにたどり着き・・・
探すか、乗り込むか
ようやく目的地に着いたゾロ、ウソップ、ジョニー。まずはメリー号の行方を探さなければなりません。そのためには・・・
「斬り込むか?」
ゾロの容赦ない提案に二人は猛反対。怪我を追ってまでこの発言は脳筋としか言いようがない気がします。そんなゾロに勝手に動かれては困るので、船の扉に縛り付けました。
するとジョニーがアーロンパーク付近のココヤシ村から少し離れたところにメリー号を発見。さっさとメリー号を回収して、ナミを連れ戻そうと考えるウソップ達でしたが、なんとその途中で話している魚人達に遭遇!驚いて思わずそのまま素通りしてしまいます。おいおい!
やはり怖いのか、踏ん切りのつかないウソップですが、それを見過ごす魚人達ではありません。すぐに海に入ってウソップ達の船を追います。
「脱出!!!」「御意っ」
「ちょっと待てお前らァ!!!」
なんとウソップとジョニー、縛ったゾロを残してあっさりと海に入って逃げ出します。おかげでゾロは魚人達に島流しされたと勘違いされ、アーロンパークに連れて行かれることになりました。結果オーライなのかなぁ?
村での一幕
さて脱出したウソップとジョニーは近くの陸へ上がりました。するとそこでは信じられないような光景が。なんと周辺の民家全部が文字通りひっくり返されているのです。
ジョニーの話では魚人の腕力は生まれながらに10倍はあり、このような状況も不自然ではありません。アーロンに逆らうとどうなるかがよくわかります。
するとジョニーが突然走り出します。その理由は・・・
「とり逃がすとこだった 島流しの仲間だな・・・もう一人いたとは・・・!!」
私、魚人。今あなたの後ろにいるの・・・的な感じでウソップの後ろに魚人登場!猛ダッシュで追いかけっこの始まりです。
逃げるウソップですが、さすがの脚力。魚人相手にも余裕のリードを保ちます。しかしいきなり少年の足掛けで転ばされると、そのまま剣を振りかぶられます。この怒涛の展開を止めたのはひとりの褐色肌の女性ノジコ。ウソップの長い鼻をアーロンと間違えた少年チャボの早とちりだったようです。
しかしこのまま終わるわけにもいきません。後ろから魚人が追ってきています。さすがに女子供を見捨てるわけにはいきません。パチンコを構えて、戦おうとします。
「魚人に手ェ出すなっての!!」
再び、これを止めたのはノジコ。ウソップをトンカチで殴って気絶まで追い込みます。脳震盪凄そう。
彼女の義姉
目が覚めると、そこはノジコの家。彼女がウソップとチャコを連れて、魚人まで撒いたようです。ここら一帯では魚人に手を出せば、取り返しのつかないことになるようです。
ここで疑問なのは、ゴサの村出身であるチャコ。彼はウソップのように外から来たわけでもないのに、魚人に喧嘩を売ろうとしていました。その理由は父親が殺されたことへの復讐。しかし直接アーロンパークに出向いたら「魔女みたいな女」に邪魔されたことを語ります。前回のナミの件ですね。
悔し涙を流すチャコですが、同情ではなく容赦なく死ねとノジコは言い切ります。といのも、彼女は「死ぬよりも辛い生き方を選んだ人」を知っており、それゆえに死ぬことを真っ先に考えるチャコのことはよく思わないのです。
この主張に再び涙を流しながら、今後どうすればいいかを聞くチャコ。どうやら彼の母親の方は生きています。
「心配してるよ お母さんとこ帰んな」
さっきとは打って変わって、笑顔を向けるノジコ。それに応じるように少年は帰路につきました。
さてひと段落着いたところで、ノジコとウソップはお互いに自己紹介。その過程でナミがアーロン一味の幹部であることが明かされます。さらにこの家がナミの育った家、それどころか目の前の女性がナミの義理の姉であることも判明しました。
場面は変わってアーロンパーク。ゾロが連れて行かれたようです。
「ただモンじゃねェとも言っときな!!」
まったく動じないゾロで今回は終わりです。
目の付け所が変わった読み返し
ウソップのドタバタ劇がメインだった今回の話。ひとつひとつの動きや表情が騒がしかったり、逆にすがすがしいほどの逃げの一手を見せてくれます。まあ、彼の覚醒はもうちょっと先だね。
むしろジョニーの方がけっこうチョコザイな印象を受けます。こういうところがあるからフルボディに散々な評価をされるんだよ!
新キャラとしてはノジコが登場。知っての通り、ナミの義理の姉にあたる女性で褐色美人です。アーロンパーク編が終わっても、扉絵でちょこちょこその姿を見せてくれます。
ナミに似た雰囲気を持つ彼女ですが、ナミよりは寛容的というか立ち振る舞いが大人びてキッチリとしている印象です。この1話ではそこまでは思いませんけどね。
またウソップが刺青について触れているコマがあります。現代日本では偏見があるだろうけど、ワンピースの世界でも刺青は敬遠される類なのでしょうか。この刺青がちょっとしたドラマに繋がるとは・・・ってほど意外でもありませんね。
ちなみに前回ナミにやられた少年も名前が判明して登場。今までゴサ村の少年くらいの認識だったのでちょっと面を喰らいました。忘れていることって多いのね~。
ところで今回の読み直しにあたって一番注目してしまったのは、ノジコの家の内装。もちろん本来は目ぼしいものがあるわけではないのですが、「恋するワンピース」を読んだためにあるところが気になりました。あの作者はちょっと読み込みとネタの幅が凄すぎる・・・!
次からはわりとドラマ的要素が出てくるのを楽しみにして、また次回!