72話の感想です。
表紙連載は「空の彼方に光る影」です。ロム兄さんを思い出す状況です。貴様らに名乗る名前は無い!
前回、アーロンがいかに魚人がすごいかを高らかに語ったうえに、武器をコレクションをしていたココヤシ村の村長ゲンゾウに会いに行きました。一方、誰もいないアーロンパークではナミがゾロを逃がそうとしており・・・。
手は出すな!
アーロンが高らかに宣言した「アーロン帝国」を作るという野望。影で聞いていたウソップは口をあんぐりと開けて、驚きを露わにします。
東の海を支配して、丸ごと魚人の国にしようとする野望ですが、ノジコの方はわりと達観したような反応を見せます。少なくとも「今は」耐えるしかないようで・・・。
するといきなり叫び声が!なんとアーロンがゲンゾウの胸ぐらをつかんで持ち上げていました。よく見るとゲンゾウの顔には血が流れています。
どうやら武器の所持を反乱と捉えられたみたいですが、ここで飛び出したノジコが反論。8年もの間、奉貢を払い続けたのに今さら逆らうわけがないと言います。
しかしアーロンがこれで納得するわけがありません。魚人至上主義の彼からすれば、判断基準はあくまで自分なのです。
「それともなにか?村ごと消えるか・・・」
鋭い歯を見せて、威圧するような笑いを浮かべるアーロン・・・これは悪役の顔ですね、間違いない。
ここで口を出したのはゲンゾウ。彼は自分ひとりが犠牲になるのは構わないという心構えなようです。しかし不安なのは、ここで誰かがアーロン達に手を出すこと。8年前に死んで支配を否定するのではなく、生きて耐え忍ぶ戦いを選択した決意があるようです。
ゲンゾウの言葉に高説と称えるも、アーロンは彼を柱や地面に叩きつけていきます。これでも後の描写を考えると、手を抜いているんだろうな・・・。
アーロンが認めるのはあくまで「分相応に生きること」なようで、下等な種族は上位種族である魚人に逆らわず生きていけということです。横暴極まっていますな。
弱腰ウソップ、決死の頑張り
さあ、かなりボコられたゲンゾウを見て、抗議する町民たち。これすらも反乱の意志があると見ようとするアーロンには困ったものです。
「死んでしまっては全てが終わる!!!私が死んでも戦うことをやめるな・・・!!!」
とにかく止めるゲンゾウに、笑うアーロン。いよいよ止めとばかりに彼の頭を掴んで、そのまま地面に叩きつけようとその腕を振り上げますが・・・
その瞬間、アーロンの顔が爆破!なにが起こったのかと辺りを見回すと屋根の上に人影が見つかります。
何を隠そう、アーロンを攻撃したのはウソップ!とはいえ足はガクガクに震え、めちゃめちゃビビっています。例によって、牽制で八千人の部下がいると嘘を言います。これでビビってくれれば御の字ですが・・・。
ここでアーロンが起き上がってきました。まったく効いていない様子です。
「下等な人間が!!!おれに何をしたァ!!!!」
それどころか、人間が一発喰らわせてきたという事実に激昂!ウソップが登っていた家を持ち上げて力任せにぶん投げました!ここの腕力による迫力、凄いなぁ!
瓦礫にしがみついて、何とか事なきを得たウソップはとにかくダッシュで逃亡します。
一方でアーロンは部下たちに押しとどめられながらも、怒りのままにウソップを追うことを指示します。結局、このゴタゴタのためにゲンゾウも見せしめにならずに済み、魚人達は去っていきました。
ナミの目標
さてなんとか難を去ったココヤシ村。町民が集まって、ゲンゾウの心配やさっきのウソップの件について話していると、そこにナミが現れます。
するとノジコとゲンゾウ以外の町民はスーッと家に戻っていきました。お世辞にも喜ばしいとは言えない反応ですが、ナミは少し顔をしかめただけで村を通り過ぎて行きました。
彼女が向かった先は、海の見える岬。そこには細い丸太をロープで縛っただけの粗末な外国風のお墓がありました。ナミはそこに花束を置いて、ノジコと話します。
「何が何でも一億ベリー稼いで 私はこの村を買うの!!」
明かされるのは、ナミの目的。金で物事を解決するアーロンから、一億ベリーでココヤシ村を買うつもりなようです。
場面は変わって、アーロンパーク。まだアーロンが帰っていない中、彼の椅子にくつろいで座る男が一人。周りには多くの魚人が倒れています。
「どうしたもんかね 面倒なことになってきたぜ」
ルフィとの約束がまだある中、ゾロは今後の行動を考えていました。余裕そうね、キミは!
ブチ切れアーロンとココヤシ村の人々
キャラ描写をより深めたと思う今回の話。
個人的に注目したいのは、アーロンの怒りとゲンさん含めた町民たちのナミへの反応。
前者はこれまでとは打って変わったような反応が印象的です。怒っている表情がものすごいのは当然ですが、同時に汗までかいていますね。そんなに人間に攻撃を喰らったというのが・・・イヤなんだろうな。タイガーの件を考えれば、この状況が憎んでいる人間に優位に立たれたという印象があるのでしょうし。
後者の方は、当時は当然の反応だと思いました。この時点では読者から見た町民目線では、ナミは村を裏切っているように思いますもの。
そしてナミとノジコの墓の前での描写と前回のアーロンの発言から、あの墓がナミの親のものであり、彼女は人知れず村を助けるために戦っていたのだと思いました。しかし実際は・・・。
でもゲンさんがそれについて匂わせるような発言もしているから、わりと予想出来たことだったのかな?いや読み返しているからそう思うだけだな。
あと今回、ウソップが屋根から登場する場面がまたロム兄さんを思い出してしまいました。わりとよくある構図でそこまで似てるわけでもないのに、そう思ってしまったんです。表紙とかで安易にネタを入れるものじゃないのかもしれないな・・・。
さていよいよ9巻に突入しました。この巻の表紙が個人的にとても好きで、久しぶりに本棚から引っ張り出すのが楽しみだったりしましたね。
じっくりアーロンパーク編を読み直していこうと思いつつ、また次回!