73話の感想です。
表紙連載は「またせたな!!!野郎ども!!!」です。ようやく五体満足な完全体となったバギー船長。次回の派手な暴れに期待です。
アーロンのギョッとするような腕力を見せつけるも、ウソップのおかげでなんとか事なきを得たゲンゾウとココヤシ村のみんな。そんな騒動の後にナミが墓に花を供える場面など何やら訳ありな事情があるようです。そんな中、ゾロはアーロンパークの平海賊を見事に斬り倒しており・・・
気さくなタコ男
冒頭、アーロンパークの正面入り口ではハチがタコの口をラッパのように吹き鳴らします。モームにエサの時間を知らせる合図のようです。この字面だけならただペットにエサをあげるようなものですが、コマでは海底の洞窟から何やら大きな眼光が揺らめいており・・・。
しかし待てど待てどモームが来る気配はありません。豚の丸焼きはその生物の好みなはずですが、一向に現れないことにハチは不思議そうにします。
逆に来たのはパーク内でアーロンを待っていたゾロ。ラッパの音がしたのでそっちを見るとハチと出会います。
ハチは自己紹介をすると、ゾロが人間であることを確認します。そして客や海兵かなどと訊ねます。ウソップ辺りならビビりまくるでしょうがそこはゾロ、まったく動じず客であることを肯定しました。敵アジトで客と言いはれる胆力はどこから来るのでしょうか。
客だとわかるとハチはかなり丁寧な対応をします。アーロンがいないのを知っているため、蛸壺でアーロンが向かったココヤシ村まで送ってくれるというのです。こいつもこいつで抜けているところあるよね。
巨大海獣
一方、アーロンパークを目指して航海中のルフィ達の前には巨大な海獣が登場!ルフィ達の乗っている船の数倍はあろうかというその大きな生物は牛と魚が混ざったような姿をしていました。こいつこそハチが先ほどから呼んでいた海牛モーム。アーロン一味の戦闘員です。モームが現れたのはサンジの料理につられて出るところを間違えたようです。
ヨサクの話では、こいつはグランドラインに生息する生き物なため東の海にいることが不可思議な現状なみたいです。モームが興味深そうにサンジの作った飯を嗅ぐのを見て狙いに予想がつくとヨサクは飯をモームに渡すことを提案します。
が、ルフィはここでゴムゴムの銃でモームの顔面を攻撃します!
「おれのメシに手ェ出すな!!!」
まあ、あんなデカい生物が人間の飯の量で満足するとは思えないけどさぁ・・・。
しかしこれで倒れるモームではありません。怒った様子でルフィ達に襲い掛かろうとします。再び構えるルフィですがぞれをサンジが止めました。どうやらサンジの見立てでは怪我をして自分で食料が取れずに腹を空かせているのだというのです。やはり空腹の者には優しい・・・
「死ねコラァ!!!!」
と、飯を与えると思いきやサンジもモームの顔面を蹴り飛ばします!飯ではなく自分を食おうとしたから蹴っただとか。お前の方が容赦ねえよ。
とうとうキレたモームは食料を無視して船を沈めにかかってきます。ルフィはやる気満々ですが、ここは新入りサンジが買って出ました。帆を駆け上がってモームの首を目がけて強力な蹴り「首肉(コリエ)シュート」を叩きこみます。その威力はかなりのものでモームをそのまま気絶させます。
そのままあっさり食事に戻れるルフィとサンジの感性と度胸を疑うわ・・・。
戻ってきたらとんでもないことになっています
場面は再びゾロの方へ。彼はハチの蛸壺でココヤシ村まで送ってもらいました。礼を言うゾロにご丁寧に対応するハチ。気さくな友人みたいな反応をします。その友好性にゾロは若干引いていますが。
「一体・・・何が起こった!!!同胞達よ!!!!」
そしてゾロが去ったアーロンパークでは衝撃の状況にアーロンの叫び声が響きます。パークにいた部下の魚人が全員倒されているではありませんか。
虫の息の部下に聞くと、捕まえていた男がゾロであったことが判明します。さらに絶妙なタイミングでウソップを捕まえた魚人一行も登場。彼らはアーロン自らが手を下した方がいいと思ったようですが、もはや自分にちょっと喧嘩を売ってきた人間をひねりつぶす程度ではアーロンも気がはれません。
ここで疑われたのはナミ。ゾロが逃げたことなどを考えると、彼女がアーロンを討ち取るために彼を潜入させたのではないかと魚人達が口々に疑いの言葉を発します。
しかしここで当の本人が墓参りから帰ってきました。左肩に印されているアーロンのシンボルに触れながら自分の無罪を象徴しました。
なにやら疑いは続くのではと思いましたが、アーロンは意外にもその言葉を受け入れます。あら、意外と話がわかる・・・
「そうさ 消さなきゃならねェのはロロノア・ゾロと・・・その一味!!!」
というわけにもいきません。苛立ちながらウソップの喉元にナイフを突きつけました。
緊迫のナミ&ウソップ、入れ違いのゾロ、モームを従えて船を引かせるルフィ&サンジ達で今回は締めです。
存在感が出てきたアーロン一味
アーロン達との確執が生まれつつある今回の話。
タイトルとなっているモームの存在ですがその大きさにビビるくらいで、キャラとしてはサンジの見せ場作りの存在となっていました。ここにきてサンジの実力を再び読者に見せつけてくれており、ルフィやゾロに並ぶほどの実力者であることを示します。
またこの回ではアーロン側の幹部クラスがその存在をアピールしていました。ハチは言うまでもなく見せ場が多く、ウソップを捕まえたのはキスの魚人チュウ、ナミを疑うきっかけを作ったエイの魚人クロオビとここらへんからどのキャラが厄介なのかを見せていますね。実際に、その実力や名前が判明するのはもう少し先なのですが。
しかしハチがかなり愛嬌あるキャラで描かれますね。まあレイリーやコアラの件もあると考えると、彼はアーロンほどの差別主義観はないことがわかります。
そのアーロンですが、私が当時ちょっと驚いたのが部下たちのことを同胞と呼んでいたことです。クロやクリークと違って身内には少なくとも優しいのが個人的に変わった敵だと思いましたね。それでもあの差別主義は非道だと思うのですが。
この頃はアーロン達をルフィ達がどのように倒すのか楽しみでしたね。特にサンジという新たな仲間を迎えたうえで、どういった勝負になるのだろうと思っていました。私はこのアーロン一味戦が麦わらの一味がそれぞれ幹部と戦うスタイルが定着したと考えています。これより前からあったのですが、なぜかここが強く実感されるんですよねえ。それぞれが違う場所で戦っているからでしょうか?