ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1100話「ありがとうボニー」 その言葉が温かい

 1100話の感想です。

 扉絵リクエストは「ウソップがサンジが料理をするキッチンの野菜をみてウソップ海賊団を思い出しているところ」です。ウソップの回想なので、海賊団のメンバーが若い頃ですね。

第1099話「平和主義」 くまの航海 - ワンピース航海記録

 べコリ王を打倒し、国民からの指示もあって王となったくまですが、相手を再び返り討ちした際に海賊として出航。ボニーの治療方法を探すためにあらゆる島を航海し、ドラゴンの紹介からベガパンクと対面。彼はクローン兵の許可を得て、それらを将来パシフィスタと名付けることを約束しますが…。

治療の条件

 ある日のこと、まだ小さな研究所であったエッグヘッドに来たのは大将黄猿。なにやら仕事でやってきたようです。というのも、先日ベガパンクがくまと交渉していたことをがっつりと盗聴されていたため、彼がやってきたようです。

 さてくま、ベガパンク、黄猿が同席する中、通信に出たのは五老星のサターン聖。くまはクローン兵の素体として優秀ではあるものの、同時に億越えの大物海賊。政府としてもそんな男のクローン兵の所持には許可できません。

 そこでサターン聖は3つの条件を提示します。まず1つ目は先日エースが七武海のひとりを倒したため、新たな七武海としてくまが加入すること。2つ目は彼自身が改造人間となること。元の実力も合わされば、七武海としても更なる抑止力となることは間違いあいません。ただし相手は海賊である上に元革命軍。強くなった彼が政府に牙を向けても、それまた脅威となります。したがって最後の条件は…

「最終的に一切の「思考」と「自我」を捨ててもらう」

 海軍の命令通りに動くロボットとなるための死刑宣告!これにはベガパンクも激怒しますが、サターン聖はこれを譲るつもりはありません。

 そんな中、くまは顔を抑え涙を流しつつもベガパンクに改造を願い出ます。悲しみ以上に彼が思ったこととは…

「ありがとう ボニーの病気が治るならおれはどんな運命でも受け入れる」

 お前…どれだけ…優しいんだ…!

 ボニーの完全治療に1年半、くまの改造に2年という期間が設けられますが、同時にボニーは人質であることを釘さします。手術後の身柄は政府で預かり、くまが完全に自我を失った時に本当の自由となることとされました。すなわちくまは完治した後の元気なボニーと会えないということ。しかも術後は接触を禁止し、破れば奴隷に落とすとまで言い切ります。おい、どんどん条件厳しくなっているぞ!

 くまとしても奴隷の恐ろしさはよく理解しているので、絶対に会わないと誓います。ただし術後は政府の機関でなく、彼女が育ったソルベ王国の教会で養生することを願います。ここでようやく双方の交渉が成り立ちました。

親子の愛情

 ということで、自身も病気が見つかったと嘘をついてボニーと一緒に半年間エッグヘッドで過ごすことに。くまは改造を、ボニーは治療をうけつつ、それを指導するベガパンクは溢れるアイディアを実現したがるも多忙ゆえに自分が5人いれば良いなどと言う始末。

 またボニーはエッグヘッドの工事に来る人たちとも話したり、戦桃丸と遊んだり、黄猿も交えた宴をしたりと笑いも伴い過ごしていきます。

 そして半年後メインの手術は終わり、ソルベ王国に戻ることになりました。ギョギョやお年寄りたち、コニー王太后などが温かく迎え入れます。

 一方でくまは海賊なのでこのまま出航することを伝えます。おそらく1年以上は帰れないと言いますが、手紙を書くことや今度会ったら旅行に行くことを約束します。本人は連れていきたかったと内心こぼしますが…。

 今度はそこにセクシーなナースが登場。といっても、正規の看護婦ではなくCP8のアルファという女性です。徹底的な周辺管理をした上で、いざという時はボニーを始末することを改めてくまに伝えます。

 ただ彼も約束を反故にするつもりはありません。彼にとって1番はボニーなのですから。そんな彼が別れ際に娘に伝えたことはとびっきりの愛情でした。

「ありがとうボニー 生まれてきてくれて!!」

 出航した彼は暴君の異名を持つものの、政府に従順な七武海としてその名を馳せました。この新たなメンバーの介入に他の七武海は興味を示したり、逆にどうでもよさそうにしたりと様々な反応。この加入に関わっていたエースは一緒にいたジンベエとも話しています。また革命軍も衝撃的な様子でした。

 くまはボニーの描いた似顔絵をマークに航海しながら、この日も政府の任務をこなしていきます。ボニー宛の手紙もたくさん書いて送っていた頃、またもや政府からの命令が。そんな彼がいたのは東の海のフーシャ村近くで…。

七武海バーソロミュー・くま誕生

 くまと政府の取り引き内容が明らかとなった今回の話。

 大方は読者の予想通りでしたでしょうが、念入りに容赦ない条件でくまの絶対服従を取り付けた印象です。他の七武海たちの割を食らった感じもあるのが…。

 しかし彼は迷うことなく、自身が犠牲になることを選択しました。どれだけ過酷な条件であっても自分の命が消えようとも、愛娘が助かるなら迷わずそれを選ぶ優しさ。それほど彼にとってボニーの存在は特別であることが改めて実感させられました。父の愛情は偉大なんだ…。

 そしてこの条件を提示したのはサターン聖。提示内容は過酷かつ容赦ないものであり、読者からのヘイトを買っていますが、彼の言い分には理があるのは事実です。もちろんそれで納得できるものではありませんが、個人的には淡々と恐ろしい条件を提示していったのは世界の均衡を守るために動いている五老星としてのすごみが感じられました。

 キャラとして深みが出た感じがして嫌いじゃないですよ。まあ、だからこそ五老星が動揺するようなニカとなったルフィに夜をぶっ飛ばして欲しいのですが。

 またキャラとして深みが出たと言えば、ここにきて黄猿がくまやボニーとも仲が良い様子が描写されましたね。なんでこの人も追撃で曇らされているんだよ…。もう一緒に宴している場面とか家族じゃん…。黄猿と言えば、冒頭の場面でドレークらしい人物もいましたね。黄猿の部隊にいたから、パシフィスタの噂も聞いていたのでしょうね。

 今回は他にも様々なキャラが登場。旧七武海メンバーはくまの加入で完成されましたね。それぞれの反応が見られますが、個人的にドフラミンゴの表情が凄すぎるのが印象的でした。またジンベエと一緒にエースも登場。なんと彼が七武海を倒したことで、空席があったのだとか。兄弟そろってやっているな、おい!エースは白ひげ海賊団に加入する前に七武海の勧誘を蹴っていたこともありましたが、わりとこの制度と縁が深いですね。こうなるとエースが倒した元七武海もどんな人物だったのか気になります。

 そういえば新キャラも出ましたね。CP8のアルファというまたセクシーなキャラですが、名前的にカリファの親族でしょうか。くま相手に睨みを利かせていましたが、ここからボニーを逃すことになると思うとちょっとおバカっぽい印象が出るのが…。

 いろいろ書きましたが、個人的にもっとも印象的だったシーンはくまがボニーにありがとうと言った場面。タイトルにもなっているこの場面に、素直に涙腺を刺激されました。彼の優しさや愛情がさ…よく伝わってさ…!この後もボニーの似顔絵を海賊旗のマークにしたり、ちゃんと手紙を送ったりと親子愛がよくわかるんですよね。命を取るような条件にもありがとうって言ったりとか、こいつどんだけ優しいんだよって…。

 そのためここ最近は私の中のサボが毎度のごとく、優しかったくまの奴隷扱いに吠えている気がします。

 ハッピーエンドは難しくても、くまやボニーに救いが欲しいと思いつつ、また次回!

第1101話「ボニーへ」 少女出航 - ワンピース航海記録