ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1081話「黒ひげ海賊団10番船船長クザン」 立ちはだかる氷の能力者

 1081話の感想です。

 今回はカラー扉絵。麦わらの一味の男性陣がのんびり睡眠中です。サンジだけ起きて本を読んでいるのが、印象的ですな。

第1080話「伝説の英雄」 老兵の一撃!? - ワンピース航海記録

 海賊島で脱走を図るコビーですが、多くの海賊たちに追われて大ピンチ!そんな中、同じSWORDの海兵たちが次々と現れ、ついには彼の師であるガープの凄まじい一撃がさく裂し…

海兵と戦う男

 先んじて一撃をかましたガープ!あとに続く軍艦もプリンスの“入道粘土(ぐにょ)”によって、無事に着陸します。

 このド派手な救出劇にガープはため息。その理由は…

「すっかり衰えた…!!!」

 周辺の海賊を武装色拳骨で吹っ飛ばしておいて、出てくる発言じゃねえ!

 ガープたちと合流したコビーですが、まだ足かせが外れていません。そんな彼の下にひばりが駆け寄りますが…一瞬で全身を凍らされます!

 これほどの芸当が出来る人物はひとりしかいません。ガープの前に現れたのは、元海軍大将クザン!

「困るなコビー…ティーチの居ぬ間に逃げ出して貰っちゃあ…!!」

傷心の強者と黒ひげ

 場面は過去にさかのぼり、サカズキとクザンの対決から1年後のこと。新世界のとある島で黒ひげ海賊団が現れて多くの島民が逃げますが、彼らは一瞬で氷漬けになる羽目に!難を逃れたティーチは酒場でひとり飲んでいたクザンに、能力を解くように説得します。この時のクザンはかなり気が立っていた様子ですが…

 少し時間がたてば、あっさりと打ち解けて酒盛り開始!サカズキとの決闘を肴に大笑いです。さらに脚を一本失ったこともお披露目しました。

 ここで傷というワードが出たため、デボンがヒノキズの男について話題を振りました。ロードポーネグリフの中で行方が謎であるひとつ、それを謎の人物が持っているというものです。なんでもその男は黒い船に乗っており、近づいた船を巨大な渦で飲み込んだという逸話があります。シリュウあたりは政府の怪しさも疑っていますが…。

「…“歴史の本文”か…いい思い出はねェ…」

 オハラの一件がある彼としてはため息交じりに知らないことを答えます。まあ、いろいろあったものな…。

 さてそんな中、ラフィットがヒエヒエの能力に目をつけてティーチに奪うことをこっそりと進言します。

 しかし能力者狩りの噂を聞いているクザンは、怒って周囲にいたピサロやバスコ・ショットを凍らせます。彼の実力であれば、十分対抗できそうです。

 そこでティーチは慌ててとりなします。彼としてはそんなつもりは毛頭ありませんでした。それどころか自分の仲間にならないかと勧誘までします。

 さすがに正義の名の下に戦ってきた元海兵であるクザンはこれを拒否。それでもティーチは自分の行く正義が、世界の正義と違うことを主張します。そして彼にとって海賊というのは、利害の一致が大切。

「自由だよなお前…何をしたい!?」

その男は海賊に

 こんなやり取りが過去にあって、場面は戻り再び現在へ。ガープはひばりを元に戻せ、コビーを解放しろ、海軍に戻ってこいと言いたいことをズバズバ言います。相変わらずの師匠の態度に、クザンは要求をすべて拒否。彼は彼でやりたいようにやる、そんなことを話す彼の肩書きは“黒ひげ海賊団10番船船長”!ガープめがけて“アイスBALL”で凍らせます。

 だがかつての白ひげ同様にこの程度でやられるガープではありません。氷を砕き割ると、素早く接近してクザンの顔をつかみます。今さら、1番弟子を倒すことに戸惑う男ではありません。彼がクザンに教えたのは「今を生きろ」というもの。

「迷う奴ァ!!!弱い!!!」

 そのまま力任せに地面にたたきつけ、割れた大穴へと突き落とす“海底落下(ブルーホール)”の炸裂です!

敗走

 さて海賊島で激闘が行われている頃、新世界にある勝者島では、ティーチが手負いながらも笑みをこぼします。海中ではなんとポーラタンク号が真っ二つに破壊し沈没!おかげで逃げる足も無い状態です。そしてローたちもボロボロの状態で倒れていました。この状況で、ティーチが狙うのはもちろんオペオペの実。その価値はすさまじいもので、使い道を考えますが…。

 ここでこっそりとベポが丸薬を口にします。チョッパーから作ってもらったそれは、なんと満月が無くてもスーロンへと変化する代物!。巨大なクマになり、腕力に物を言わせた不意の一撃と岩石を投げ飛ばし、なんとかローだけを連れて海へと離脱します。

 ローは戻ることを訴えますが、状況は絶望的。ベポは大丈夫と必死に伝えて海を泳いでいきます。みんなで乗り越えてきたのだから、きっと大丈夫だと。

(だからキャプテン死なないで!!お願いだから!!死なないで…!!)

 ローが率いるハートの海賊団、勝者島にて敗北というナレーションで今回は締め。

クザンの決断

 クザンがティーチの仲間になった過去がメインとなった今回の話。

 クザンは思った以上にがっつり協力してましたね。なんだかんだでサカズキとの一件は思うところがあったのでしょうか。そこをティーチの勧誘もあって、海賊としてやっている印象です。海軍のスパイという線は無いでしょうね。

 ただガープにも指摘されたように迷いはあるのでしょう。彼は彼でモットーのだらけきった正義を抱いていることは信じられます。ただ海軍という立場では限界があるのも事実だし…なんかゼファー先生っぽくなってきたな。おそらくサカズキだったら、むしろティーチの勧誘は断固拒否すると思うんですよね…。

 そしてティーチも今回はかなり器がデカい印象を受けました。彼のクザンを勧誘する場面は、自身の正義と度量の大きさが光った印象です。いつものバカ笑い出来るゲスイ感じがいい感じに魅せられた気分ですね。個人的にルフィに放った夢の雰囲気を思い出します。四皇の格が出てきましたね。

 というか、ティーチの最終的な目的って本当になんでしょうね。コビーには国を作ることを語ったりしましたが…。わりとルフィの夢の果て並みにこの男の真意が気になってきました。

 また彼らの会話の中でヒノキズの男にも言及。今回、なぜかカタカナでしたね。真っ黒い船に渦で相手を沈めるという恐ろしい力の噂が出ましたが…。サウロかと予想していたのですが、ドラゴンという予想もちらほら見かけるようになりましたね。個人的には軍艦ひとつ持ち上げるパワーを持つサウロでも納得なのですが…。

 そして前回に引き続き大暴れのガープ。クザン相手にまったく引きません。この爺さんが負けるビジョンが本当に浮かびませんね。この人がここまで強いと、白ひげが弱体したのって老い以上に病気の方だと実感させられます。

 ラストはハートの海賊団の敗北。予想はされていましたが、やはりティーチたちに軍配が上がりましたね。ただローとベポは逃げきれたので、まだ復帰するのに可能性があります。ひとまず彼らが誰と合流するかは気になるところです。少なくとも壊滅のナレーションを受けたキッド海賊団よりは希望ありますよね…。

 個人的に今回の見どころは、やはり軍門に下ったクザンとティーチの度量。やり取りにコミカルさを感じつつも、渋い関係性を垣間見れます。正直、今回でティーチはボスキャラとして格が出たと思いますよ。

 まさに海賊漫画として面白さがあふれ出ていると思いつつ、また次回!

第1082話「取りに行こうぜ!!」 道化師吠える - ワンピース航海記録