ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1049話「目指すべき世界」 彼らが望むのは

 1049話の感想です。

 表紙連載は「なぜ!?研究所の本が発火で2人が解放!!」です。誰かが手引きしたのか、それとも外部で何か問題が起きているのか…。

第1048話「二十年」 長い20年 - ワンピース航海記録

 

 ワノ国を地獄へと変えたオロチは身体を焼かれながらも道連れを狙います。日和に迫る怪物に、傳ジローの一太刀が入りその因縁は断ち切られました。

 一方、屋上ではルフィとカイドウの最大の技がぶつかり合い…

百獣となった男

 ルフィの拳とカイドウの炎の龍が覇気を纏いぶつかり合っていきます。ここにきて、まだあルフィを怯ませるカイドウは彼を称賛します。

「よくここまで戦った!!だがお前に世界は変えられねェ!!!」

 ウォッカ王国という国で生まれたカイドウは、齢10歳にして周りから最強の兵士と呼ばれるほどの実力者でした。そんな彼が勝ってきた戦争で得た金は天竜人への天上金として消えていき、どうして天竜人に従うのかという疑問も感じます。

 数年後、徴兵としてカイドウは海軍に強引に連れていかれることとなりました。レヴェリーへの参加権と引き換えに…

「おれを政治に使うんじゃねェよ!!!」

 その実力を持ってカイドウは軍艦から脱走!初回から7千万ベリーの高額懸賞金をかけられると、飯を食うために捕まり暴れて脱獄を繰り返すという破天荒な行動を繰り返していました。

 そして44年前、海賊島ハチノスでは当時15歳のカイドウが猛威を振るっていました。そんな彼の実力に目をつけたのがロックス。白ひげの伝手でロックス海賊団へと入りました。

 しかしゴッドバレーの事件で海賊団は解散。カイドウはそれから行方をくらませましたが、10年後に彼の下にオロチを唆したババアこと黒炭ひぐらしが現れました。彼女はカイドウを“武力の化身”と評価すると、とくとくと武力の必要性を説いていきます。カイドウ自身もそれを否定することなく、彼女はある話を持ちかけました。

 ワノ国を実質的に支配した彼が望んだのは「暴力」の世界。ただ生まれが幸福だっただけの「貴族」という権力者を引きずり降ろし、「実力」や「戦争」がものをいうある意味で「平等」と「自由」が認められる世界を彼は望んだのです。

 ある日、多くの部下たちを鼓舞する彼は、ヤマトがジョイボーイの名前を話していたことをキングに話します。なんでもキングが待つ男が同じジョイボーイであるのならば、カイドウはそれが誰だか予想できているようで…

超新星が望む世界

 雷ぞうとジンベエのタッグによるゾウの水による消火作業、脱出するCP0、長い年月に決着がついた日和たち…火も収まってきた鬼ヶ島ですが、いよいよ焔雲が限界に近づいて大きく傾きます。

 さらにカイドウもスパートをかけて、燃え盛る炎の龍がルフィの拳を飲み込もうとします。

「お前が一体どんな世界を作れる!!?麦わらァ~~~~!!!」

「…!!おれ゛は…」

 しかしここでモモの助の決死の思いが伝わったのか、大量の焔雲を発生!急いで鬼ヶ島を囲って掴むと大きくずらします。

 そしてルフィの方も力を振り絞って拳を突っ込ませます。彼が作る世界はカイドウのように大きな変化をもたらすのか、そんな革命的ではありません。ただ本気で願うのは…

「友達(ダチ)が…!!!腹いっぱい!!!メシを食える~~~!!!世界!!!!」

 炎の龍が打ち破られ、猿神の拳がカイドウを遥か下にある地面へと一気に叩きこみます。

 叩きつけられた衝撃で大穴へと突っ込んでいくカイドウが思い出すのはキングとの会話。ジョイボーイの正体とは…

『この先おれを倒した男だ!!!』

『じゃあ…現れそうにないな…』

 火祭りでワノ国の国民が笑う中、その近くには鬼ヶ島を無事に下ろしたモモの助と、龍を倒して落ちていくルフィの姿が…。

OVER THE TOP

 長き戦いに雌雄が決した今回の話。

 ついにルフィがカイドウを倒しました。これでもかというほど打ち倒されて、新たな力へと覚醒して尚、一向に退かないその実力を持つ相手でしたが、そんな彼を最後に打ち破ったのはワノ国に来て当初からルフィが決めていた、友達がお腹いっぱいご飯を食べられるという純粋な願いのこもった一撃でした。いよいよ最強の四皇を打ち倒しトップを超えていった瞬間は最高でした。

 これと併せて、モモの助も最後に焔雲を操り鬼ヶ島を墜落させずに、ワノ国を救いました。お前、成長してから本当に頑張っているよ…。

 そしてカイドウも最後まで敵として最強としての格を見せつけてくれました。前半に描写された彼の過去はすさまじく、実力と天竜人への疑問視から今のような価値観が育まれたのですね。武力、戦争と決して穏やかではないですが、同時に誰もが戦いの中で生きるという平等さをうたったものであるのは納得すら感じました。だからこそルフィの純粋な願いとの対比が最高でしたね。

 それにしてもゴッドバレーの件でふと思ったのですが、あの様子だとゴッドバレーという島自体になにか秘密があったように思えますね。まあ、神の名を冠する島なのですから相応の理由はあるでしょうが…。

 そして個人的にツボだったのは、最後のカイドウとキングの会話。かつて発した発言は、お前もジョイボーイでなかった=俺を倒せなかった、ということだったんですね。ジョイボーイが現れないなら、俺が世界を変えてやると思っていたのでしょうね。そしてこれに対するキングの回答も絆を感じられました。ルナーリア族としてでなく、キングとしてカイドウを信頼しているように感じましたね。

 いや討ち入りから2年以上、ワノ国編全体を踏まえれば4年近くの長い年月の戦いに区切りがついたので、爽快感がスゴイですよね。併せて、この戦いが同盟全員が全霊で立ち向かったからこその結果に感じました。誰かひとり欠けては勝利できなかったと断言できます。前回に引き続き、少し泣く…。

 この昂る展開を胸に、また次回!来週の休載が悶絶ものだ~!

第1050話「誉れ」 ありがとう、康イエ様 - ワンピース航海記録