ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1030話「諸行無常の響きあり」 見せてくれるぜ、超新星!

 第1030話の感想です。

 扉絵リクエストは「軍隊アリの行列を踏まないように気をつけて歩くブルック」です。脱帽しているあたりに彼の紳士らしさが出ていますね。それはそれとして、映画では斬りまくっていましたが。

第1029話「塔」 これぞ組織のナンバー2 - ワンピース航海記録

 

 サンジが身体の変化に驚いている頃、キラーはホーキンスの人質戦術に苦戦します。しかしキッドの欠損部位を狙い、藁人形を奪いそのまま互いの一騎打ちで超新星同士の戦いを制しました。そしてキッドはいよいよ本調子に…!

裏の勧誘

 ライブフロアの横にある岩戸の間。ここにはアプーがドレークの正体を推測ながらも当てていました。しかし彼にとってはどうでもいいこと。ここで彼が気にしているのは、ドレークがカイドウを倒したいかどうか。それは百獣海賊団としてではなく、アプー本人の意志だったのです。そんな彼と一緒にいるのは、ナンバーズの一美、二牙、三鬼の3人。

 そう、彼はナンバーズを調教し味方につけてこの戦力で、戦い後の満身創痍の敵を倒そうとしていたのです。つまり彼もカイドウの首を狙う超新星のひとり!

 この発言にドレークは呆れますが、信用無いのはお互い様。彼はドレークも引き入れて、さらに確率を上げようと考えているようです。

「こんな“チャンス”は…二度と来ねェぞ…!!!」

 同格に加えて、ナンバーズ3人とか実のところ脅しじゃないですか、ヤダー!

黒炭の怨念

 一方、2階ではナミ、ウソップ、お玉を筆頭とした裏切りSMILEの混成軍団が階段を下りていましたが、前方で奇妙な騒ぎが。なんと下半身だけの化け物が走っているではありませんか。

 それは錦えもんの下半身。以前、ローに斬られてパンクハザードでドラゴンにくっついていたおならで会話する状態です。ナミが反逆の三日月のある入れ墨をつついたことで味方と気づいてもらうと、ウソップがハムレットを連れて城内1階へと向かいます。

 そこには錦えもんの上半身と菊が倒れていました。ギリギリで生きていた彼は救援を願い出たようです。どうやらローのくっつけが甘かったようで、カイドウの一撃で再び分離したようです。

 そんな彼の耳にある意外な人物の声が。なんとカン十郎にオロチからの通信が入ったのです。しかも死んだと思われていたカン十郎がこの通信で、虫の息ながらも意識を戻しました。

 オロチはカン十郎の働きに見事な舞台であることを強調して労わりますが、同時にまだ黒炭家の怨念は晴れていないことを伝えます。最後の最後までその怨念を絶やさず、燃える恨みとして貫き、あらゆる存在を道連れにさせようというのです。

 オロチの激にカン十郎は最後の力を振り絞って、再び描き始めます。

「御意 ご覧に入れます…最後の舞い「黒炭心中」が“急”!!」

 生まれた存在は、黒炭家の恨みを表すかのような火だけの怪物!“火前坊”は城内をゆっくりと動いて城内を燃やし、地下へと向かっていきます。つまりこの火で地下の武器庫を大爆発させようというのです。

 その頃、オロチはちゃっかり避難していました。あとは福ロクジュが来るのを待ち、共にこの島から脱出しようとします。コイツ、そういう能力は本当に長けていますね…。

覚醒能力のコンボ!

 しかし地下に向かうのはこの黒炭家の亡霊だけではありません。最悪の事態を回避しようとヤマトも獣形態で必死に向かっています。

 その時、大きく壁を破る衝撃が彼女の上階で起こりました。そこから出てきたのは大量の金属を繋げた化け物ごと吹き飛ばされたキッド!マムの“威国”を直撃したようです。

 笑うマムが追撃を仕掛けようとする頃、キッドの頭の中にあったのはローとの会話。ローの能力が覚醒しているかを聞いた彼ですが、まだ慣れていない上に使用すると体力を一気に消費するため、ぎりぎりの切り札なようです。それはキッドも同じこと。だがこのまま四皇相手に戦ってもすりつぶされるだけなので、互いのとっておきを使うことを提案しました。

 ということで、まず動いたのはロー。手のひらサイズのROOMを刀身に通します。”KROOM麻酔(アナススィージャ)”と呼ばれるこの技、なんと後ろから突き刺したマムの体を貫通したのです。ただこの貫通自体にダメージはありません。しかしこの“KROOM”は内部に波動を生みだします。内部からの強力なダメージ“衝撃波動(ショックヴィレ)”にはさすがに外面が強力なマムも吐血します。

 キレたマムはローに狙いをつけようとしますが、振り向いたところに今度はキッドが手をかざします。“付与(アサイン)”の掛け声とともに、ナポレオンがマムにくっつき始めました。さらに下にいる百獣海賊団の武器、そして建物内の鉄骨までマムに引き寄せられていきます。磁力を与えられた彼女自身がまさに巨大な磁石!大量の金属による質量圧殺“磁気激突(パンククラッシュ)”の炸裂です!

さすがは超新星

 ローとキッドのコンビネーションが光った今回の話。

 マムを相手にまったく退かない2人の攻防は見事としか言えないでしょう。能力の覚醒まですでに出来ていた彼らの力は、表面上の攻撃が通用しない彼女に大ダメージを与えていました。実際、彼らはカイドウに相対した際にローは内部からのダメージ、キッドは圧殺に言及していましたものね。そう考えれば、ローがドフラミンゴ戦で見せたガンマナイフとかも覚醒技だったのかもしれません。これはルフィにも期待が高まりますね!

 しかしこれほど受けてもまだマムが脱落したと思いません。それほど彼女の怪物性は異常と言えるでしょう。ただ同時に、キッド&ローのコンビでこれを打ち倒せるものだと思います。特にキッドはルフィにも劣らない不屈の精神がありますし、ローも彼らに張り合うほどの勢いのある男。前回のホーキンスが示した新しい道となって欲しいと思います。というか、超新星たちはすぐそこまで来ているんだよな…。

 超新星と言えば、冒頭ではアプーがまさかの裏切りを示していました。ナンバーズの調教師になったのもこれが狙いでしょうか。ベッジのように取り入ってから倒すつもりだったようですね。ホーキンス、お前は自分なりによくやった、森へ帰ろう。

 ただドレークが裏切るかというと…うーん、たしかにカイドウを倒す一点に絞るのならおかしくないのですが、彼が味方化する前に仁義云々のくだりをやっているので、裏切ると思えないんですよね。もっと言えば、コビーがあれほど信頼する人だからここでアプーに手を貸すのは…気に食わないから無いだろうな!

 そしてまさかの復帰を見せたのは、錦えもん&カン十郎。まじで後はフェードアウトだと思っていたので、面食らった感じがします。正直、十分なほど見せ場はあったので個人的には蛇足感がありました。ただカン十郎は、黒炭家の怨念の根深さを見せてくれたので、ある意味では必要なものなのでしょう。こうなると彼の生みだした炎の怪物を解決するのがミソですが…錦えもんの炎を斬る技術かヤマトの氷の力くらいが妥当ですかね。

 黒炭家の因縁にはなんだかんだできっちりとケリはつけて欲しいと思いつつ、また次回!

第1031話「科学の戦士」 両翼の信頼 - ワンピース航海記録