ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1029話「塔」 これぞ組織のナンバー2

 1029話の感想です。

 扉絵リクエストは「ボニーとラッコのわんこそば対決」です。東北出身の私としては、こういった扉絵は嬉しい限りです。ところで対決ではあるけど、ラッコ側が多すぎる…!

第1028話「ブラキオ蛇ウルス」 これが驚かずにいられるかい! - ワンピース航海記録

 

 衝撃的な分離技ブラキオ蛇ウルスに苦戦を強いられるサンジ。その攻撃力は恐ろしいものの、サンジの体に異変が。それはまるで鋼鉄のような体に…。

体の違和感

 クイーンの剣を折ったサンジに周りはどよめきますが、クイーンはわかっているかのように笑います。彼はかつてジャッジからその研究の内容を耳にしていたのです。とてつもない硬度の外骨格、異常なまでの回復力、常人を遥かに超える腕力…

「そして何も感じない「氷の心」を!」

 クイーンがビームを乱射してくるのに対して、サンジは混乱気味に一度離脱します。自身が軽蔑する心の無い怪物にはなりたくないのだから当然です。

 心を失うことを恐れ、とにかく自分が何をしたのかを振り返るために逃げる中、当然他の百獣海賊団も狙ってきます。しかし銃弾が頭に撃ち込まれたにもかかわらず、痛いで済むサンジはもはやただの人間ではありません。やはり彼の身体は…。

頭痛が辛い

 一方、頭痛に悩まされたのは彼だけではありませんでした。マムと対峙するキッドがかなり苦しそうに呻いていました。強敵を前にして頭痛に苦しむなどそれどころじゃないだろうと思いますが、どうもかなり大変そうです。

 戦力にならないキッドにローは怒鳴りながら、マムに対して“カウンターショック”を決めます。マムを怯ませるほどとはこいつもやっぱり強いわ…!

 しかしマムを相手にする以上、敵は複数いるのが常。手の空いていたプロメテウスによる火炎放射である“盗まれた火(シュトーレンフォイア)”を受けます。さらにマムは大ジャンプして縦回転!ヘラを纏わせたナポレオンを振り下ろす“マーマ急襲(レイド)”を放ちます。マムは技名もいいな…。

 とんでもない一撃を受けながらも、キッドは立ち上がります。せっかくここまで来たのに、何もできない自分に苛立ちを感じていますが、それでも頭痛が止みません。この頭痛の正体とは…。

選択した未来

 場面は変わって3階のキラーとホーキンスの対決。なぜかホーキンスが柱に何度も頭をぶつけていました。そう、これこそキッドの頭痛の正体。彼の笑い人形を取り込むホーキンスの仕業だったのです。

 すでにキッドの仲間達も駆けつけていたものの、キラーは味方に手は出させずダメージを受けながらもホーキンスに自傷を止めることを懇願します。

「キッドを解放してくれ 俺の命ならやる…!!!」

 これに対してホーキンスはキラーの顔を何度も蹴りつけます。そこで彼が口にしたのは四皇の圧倒的な実力と存在感。その恐ろしさは生物的本能からも理解できるほどで、彼らに勝つために挑むということ自体が無理な話だったのです。

 しかしキラーは、普段は冷静な彼が声を荒げる様子から気づいていました。ホーキンスがもっとも納得していないことが何なのかを。

「お前が死ぬと恐れた未来をおれ達が生きてんだからな!!ファッファッ」

 胸の内を看破されたホーキンスは抜刀しますが、このままやられるキラーではありません。敵の能力を完全に把握できていませんが、一か八かの賭けに出ます。そこで出たのは2つの質問。ひとつは「行き場の無いダメージを受けた時にどうなるのか」というものです。いまいち意図が読めない質問ですが…。

カードが指し示すのは…

 向かってきたホーキンスに、キラーはカウンターがてら素早くジャンプして彼の左腕を斬り落としました。かなりの大ダメージですがそれを肩代わりするのはキッド…ではなく、そのままホーキンスにダメージ!そう、キッドはそもそも左腕が無いので肩代わりするところも無いのです。

 斬り落とした左腕から身代わりの藁人形を抜き取とると、もうひとつの質問。彼には「まだ身代わりがあるのか」というものでした。いやすでにここでダメージを受けた時点でわかっていたでしょう。彼の持つ身代わりのストックはすでにありません。

「おめでとう…!!それが最後だ」

 とはいえ、彼も超新星の端くれ。“藁人形カード”を取り出します。出たカードは「死神」の正位置、示す内容は「消滅のカード」ということで真っ向からストローマンが鎌を振りかぶります。

 しかし勝機が見えたキラーは“斬首爪”でストローマンの首を斬り落とします。ただし無限復活のストローマン。カード次第で次の行動が取られます。そして出たカードは「塔(タワー)」、これを意味するのは…

 そのまま追撃の“刃音撃(ジンソニック)”により、キラーはついにホーキンスを打ち倒しました。最後のカードが意味したのは「古きものの崩壊」と隠された意味は「新しい道」、つまりかつての大物が打ち崩れて、新たな世代が台頭するのです。

「行け相棒!!!」

 復活したキッドと見事なキラーの信頼で今回は幕引きです。

キッドの相棒

 ナンバー2としてキラーがカッコよすぎた今回の話。

 実力、舌戦共にホーキンスを相手に勝利をつかみ取る演出は最高の一言です。相棒であるキッドへの信頼、ホーキンスの後悔を看破したそのハングリー精神、ナンバー2として見事な立ち回りを見せてくれました。一見哀れに見える笑いも、彼ならば乗り越えていけるという安心感すら感じます。おいおい、超新星で一気に人気が上がっていくのが手に取るようにわかってしまうね!これは今からマムを倒すほどにキッドへの期待値も高まってしまうものです。

 そんな彼に敗北したホーキンスは最後まで敵役として戦いました。根が真面目なところもあるためか、最後まで占いの結果を信じていましたね。いや占い無くても普通の海賊ならば、こんなふうに屈服するのが当たり前なのでしょう。彼は心の折れた強者というべきなのでしょう。しかもそう思っていたら、キッド達が喜々として戦っているのだから、そりゃ後悔もしたくなると思います。

 キラーがカッコよかったのに対して、ホーキンスは残念だったという意見もありますが、私はこういった超新星同士の戦いも期待していたのでそういったことは思わなかったですね。まあ、ホーキンスの立ち振る舞いはちょっと小物臭くなった気もしますが、キャラとしては深みが出たと思います。

 一方で冒頭はサンジが混乱しながら一時戦線離脱。WCI編では喰らっていた銃弾もまるで通さなくなるのは驚きです。前回も思いましたが、彼も焦るわな…。

 今回は全体的に表情が良かったですね。サンジとかホーキンスとかの曇り顔とか尾田先生の筆が乗っていた印象を受けました。

 あとはやっぱりキラーがカッコいいに尽きます。最後のセリフとか、ルフィ&ゾロとはまた違った相棒枠として力強い印象を受けますね。キッド海賊団では彼がひとりで両翼を務めていたんだろうな…。

 これからのキッド&キラーにも注目したいと思いつつ、また次回!

第1030話「諸行無常の響きあり」 見せてくれるぜ、超新星! - ワンピース航海記録