ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第964話「おでんの冒険」 大海賊と大冒険

 964話の感想です。

 表紙連載は「お前らにもキスキス菌を撃っちゃうバイ!!」です。キュイーンがキス魔になっていたのはこれが理由か。ならば本当のキス魔(といってもゾンビの頃だけど)の力を見たいものですわ。にしても本当にキスキスの実を思い出すネタです。尾田よ?

第963話「侍になる」 こんなに立派になって! - ワンピース航海記録

 

 康イエの支援もあっておでんと家臣たちは大名とそれを支える侍として成長します。ワノ国の国民から支持を集める中、港には伝説の海賊白ひげが流れ着きます。意気揚々と向かったおでんは攻撃と共に船に乗せてもらおうと考えて…

連れて行ってくれェ!

 冒頭、家臣たちからいきなりのダメ出し。それもそのはず、大名とまでなったおでんが海に出たいというのです。

 もちろん白ひげ海賊団もこれを拒否します。さっき船長に刃を向けたような輩を乗せるわけにはいきません。白ひげもおでんは人の下につけるような人間でないことをわかっていますし、ロックス海賊団の経験からそんなワガママどもがいたところで末路が見えます。いくら航海の才能がないからってこればかりはなぁ…。

 結局家臣と白ひげでおでんは絶対に連れて行かないという約束が結ばれる始末です。

 

 2週間後の夜、おでんは用を足しに行きます。その不振さに家臣のイゾウも何か気づいたようで…。

 一方で白ひげ海賊団は夜逃げのように出航。日中に出ていけばおでんがついて来てもおかしくありませんものね。とりあえず食料と資材のお礼に宝箱だけおいてさっさと出ようとしますが…。

 突如マストに鎖分銅が!なんとおでんがそれに捕まって海に出ようとしたのです!さらにその後ろからイゾウがおでんに掴まります。こっちもこっちでおでんのたくらみを見抜いていました。

「出国はおれの夢なんだ!!共に行こう!!!見せてくれ!!!「世界」を!!!」

 この身勝手な男への始末はどうなるのか。白ひげはマルコにイゾウの方だけ引き上げるように指示します。

 

 騒ぎになっているのはこちらだけではありません。九里の城ではおでんとイゾウ、さらにイヌアラシとネコマムシまでいないというではありませんか。最悪の予想の前にまずはワノ国を探させますが…うん、無理だ!

白ひげの入団テスト

 さあ、場面は再びおでんと白ひげ海賊団に。引き上げられたイゾウは白ひげにおでんを助けるように言いますが、白ひげからすれば断ったのに勝手に乗ろうとした迷惑者。自分の庭で道理を通そうとするならそこのルールに乗ってもらおう。

 ということで、おでんに科せられた試練は3日間この鎖を離さないこと。荒れ狂うグランドラインの海でこんなの自殺志願者でもやらなさそうですが、おでんはこれを了承。荒れる大波に飲まれ、巨大な魚に食われかけ、岩礁に激突…もはや体は原形をとどめていないほどボロボロです。

 しかしいよいよ残り一時間!これを過ぎれば晴れて白ひげ海賊団の仲間入りということで、マルコを筆頭に船員たちも応援し始めます。気持ちの良い奴らだな。イゾウの方は完全に白ひげを憎みますが。

 

 場所は変わって、とある島。天月トキという女性が人買いの集団に追い詰められていました。トキ…おでんの嫁か。

 逃げ場も無い、と言っても本人は未来に行こうと考えますがこの状況を打破したのはおでん。助けを求める女性の声が聞こえたというサンジみたいな理由で白ひげの試練を放って彼女のもとに来ました。その姿、腫れすぎてすっかり肥大化しています。結局人買いの一味はその姿におびえて逃げることになりますが。

 翌日にはトキの介抱ですっかり元の状態に戻ったおでん。白ひげの船に乗り損ねたもののワノ国から出国して海に出たことで最高に心躍る様子です。ここでトキはおでんのワノ国というフレーズに興味を持った様子。よく見れば着物のような服を着ている彼女はなんとワノ国を目指していたのです。これは好機とおでんに連れて行ってもらえるようにお願いしますが…

「すごくイヤそう!!!」

 例の露骨な嫌な顔で拒否します。いやこいつからしたらようやく夢をかなえ始めたのに戻れっていうのもあれだしな。

 

 ここでタコの頭をした男カルマ登場。どうやら昨日の人買いは海賊の一味であり、この男はその船長みたいです。この珍妙な人間におでんは興味津々ですが、この島に降り立った海賊は彼らだけではありませんでした。

 突如現れた白ひげの一撃であっさりカルマはダウン。他のメンバーも白ひげ海賊団の登場に逃げていきます。白ひげはおでんに船に乗るように指示。トキの悲鳴で野望を捨てる甘さ…しかし仁義は通す男なのが分かったようです。

「お前の想像を遥かに超える大冒険に出かけるぞ!!!弟よ!!」

 親父ィ~~~!あんたはなんでそんなにカッコいいんだい!!ついにおでんは白ひげ海賊団に正式加入です!さらに船に密航していたイヌアラシとネコマムシ、おでんと共に来たイゾウ、居合わせたトキも乗船です。

世界の広さを見て

 おでんにとって外の世界は何もかもが新鮮でした。敵船と戦い、知らない島やそこにいる生物に植物、建物に心躍らせます。見たものだけではなく肌で感じる暑さや寒さなんかにも興奮します。

 さらには見たことない人類や自分よりも上の強さ、思考…知れば知るほどそれがすべて想像を上回る毎日は自分が世界の一部であると実感するとともに最高に楽しい毎日を彼は日誌に書き記しました。

 一方、別のある海では二人の小さな海賊見習いが白ひげだらけの記事に不満を持っていました。その姿は若かりし頃のシャンクスとバギー。となれば、これに興味を持った船長は…。

「閉ざされた国から“侍”が出て来たか!!会ってみてェもんだ!!!」

 もう一人の伝説の大海賊ゴールド・ロジャーの登場で今回は締めです。

最高の冒険!最高の出会い!

 おでんがどのように白ひげ海賊団に入ったのかが描かれた話。

 前回の終わりからどうやって入るのかと思いましたが、かなり強引かつ海賊流の容赦ないやり方でしたね。まあ、こうなるのは割と予想通りというか、入るとしたら心意気とどれくらい本気なのかを見せるしかないでしょうよ。ただ白ひげは息子ではなくて弟と呼びましたね。やっぱり彼の気質を考えてそういう立場で呼んだのでしょう。

 むしろ驚いたのはトキの登場です。彼女との出会いは白ひげ海賊団に入るのとほぼ同時だったんですね。見た目はやはり日和によく似て美人です。言動から見てトキトキの能力者であることもわかりますが、地味に気になったのはその生まれた年。あの時点で800年位前でさらに30年前と考えると、彼女が生まれた年は空白の100年に被っています。もしかするとなにか知っているのではないかと思います。そうなるともうひとつ気になるのは彼女の苗字である「天月」です。光月家と似ていますが、彼女の家系も何か空白の100年に関係するのでしょうか。というか、そもそもこの名字がワノ国でのタイプなので彼女自身はワノ国出身な気もしますが…。

 おでんとトキに加えて、イヌアラシ、ネコマムシ、イゾウも白ひげ海賊団に加入します。イヌとネコはそもそも外の世界を見たくてワノ国に流れ着いたようなものなのですんなり納得しました。イゾウは…苦労したなぁ。この人、エースの時も止めておでんの時も止めて…。イゾウは白ひげにかなり怒り心頭でしたけど、宴の場面では一緒に騒いでますね。これは慣れたのもあるし、白ひげ海賊団がアットホームな雰囲気もあったからだろうなぁ。

 

 またラストにはロジャー達も登場します。若いころはやはりエースと似ている気がします。ここからおでんがどのように彼らと関わっていくのかが楽しみです。

 というか、シャンクスとバギーってこの頃からいるんですね。年齢を考えると9歳とかですが…若すぎない!?もしかしてなにか事情があるのでしょうか。それこそロックス海賊団と戦った時のその島にいた生き残りとか解放された奴隷だったとか…?

 

 今回は個人的におでんの成長物語という印象でした。特におでんが日誌を書くにあたって様々な経験をしてきたところは好きですね。空島編などの時のような未知の世界に対するワクワク感が溢れていました。加えて、一緒に冒険する白ひげ海賊団の良い奴ら感が凄く素敵なんだ…。

 好きと言えば、おでん&白ひげのイヤそうな顔も大好きです。あの連続は笑うわ!

 なんだか今回は全体的に安心するような面白さでしたね。それゆえに彼らの末路を考えると悲しさもあります。正直、モビー・ディック号にすらちょっとグッと来てしまいましたわ…。

 過去編の面白さにどんどん引き込まれつつまた次回!

第965話「黒炭家の陰謀」新しいBBAインパクト - ワンピース航海記録