ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第965話「黒炭家の陰謀」新しいBBAインパクト

 965話の感想です。

 表紙連載は「騒いでくれるな。おれ達が見つかっちまう」です。ベッジはこういうスマートな制圧が似合いますね。それにしても海賊の格が違うわ。

第963話「侍になる」 こんなに立派になって! - ワンピース航海記録

 

 強引に押し掛けたようなやり方で白ひげの船に乗り込んだおでんの毎日は想像を絶するものであった。見たこともないものや人、感じたことのない空気や天気、そして共にいる仲間と綺麗な女性、白ひげ海賊団として刺激ある生活を満喫します。そしてこれに興味を示す人物もいて…

おでんの冒険は続く

  冒頭、おでんの日誌の言葉から始まります。彼の好奇心にこの海はうってつけですね。地図を見ればワノ国がいかに小さいものだったかを思い知らされます。

 おでんはトキにここに行きたがっていた理由を問いますが、両親の故郷がワノ国生まれだったので目指す場所がそこしかなかったのだとか。彼女も時をかける少女をこの年までやっているのだろうから苦労多そうですよね。

 おでんは船がワノ国に行くことはないだろうと言いますが、トキはおでんといることが目的地に着いたような気がすると言うのです。

 そんなラブロマンスに隠れて見ていたマルコ、ジョズはほっこり。空気の読めないネコマムシはビスタが止めてくれます。若い隊長たちが可愛いな!

 

 また新たな発見は白ひげほどの男にも敵がいるということ。海軍に見つかった際におでんはやる気満々でしたが、白ひげは相手の組織力をわかっているため逃げの一手です。世界をまとめる世界政府の存在に驚くおでんですが、白ひげはその判断は旅をしながらすればいいと言います。

「お前の国はまだ自由だ!!」

 この人は出身で苦労したからなぁ…。

 

 さておでんが出航して2年後(現在からは28年前)、なんとおでんとトキの間に子供が生まれたのです。この名前は“モモの助”。おでんは天下無敵を表す言葉として付けたようです。

 おめでたいことですが不安もあります。どうやらすでにおでんは手配書まで出ているほどなので狙われる機会も増えているでしょう。イゾウとしてはこの機会にワノ国に戻ってほしいと思うも、おでんはいまだに決めかねています。まあ嫁さんも気にしていませんが。

 さらに父親になった彼に新たな責任が。白ひげ海賊団も大所帯になってきたので部隊を分けようというのです。その中の2番隊におでんが任されます。

「いやーおれはそういうのあんまり」

「やれ!!!」

 お前、仮にも故郷では大名なんてやっている上に戦力なんだから頑張れよ(笑)

 その後も冒険を続けると多くの発見や新たな仲間が増えていきます。こんなに楽しいこと…どこで止めればいいのか区切りがつきません。

 

蛇とばあさんの計略

 一方ワノ国では各地の大名が緊急招集!なんと将軍のスキヤキが危篤だというのです。スキヤキとしてはおでんに将軍の座を譲りたいもあいにく今は海に出て不在です。そこで彼は“おでんが弟のように可愛がったという男”をおでんが戻るまでの代理として任命します。その名はかつて康イエの部下であったオロチ。彼は黒炭家の汚名返上のために尽力すると言いますが…。

「将軍になるよ!!!」

 しかし彼が思い出すのは貧困時代に出会った謎の祈祷師のばあさんに言われた言葉。なんと将来、彼は将軍になるというのです。

 ここで謎のばあさんによる黒炭家の歴史講座。なんでもオロチの祖父は切腹で命を落としたのですが、その原因がスキヤキにあるというのです。光月家に子供が生まれなかった頃、大名の中から世継ぎが選ばれる可能性があったのです。そこでオロチの祖父は他の大名を次々と毒で暗殺、おかげで将軍も気が滅入り病床に伏せてしまいます。そんな中で生まれたのが光月スキヤキ。彼が世継ぎとして生まれたのです。

 おかげで計画は不意になったどころか、それがバレてしまい黒炭家は断絶してしまったのです…ってこれはただの逆恨みだー!!

 とはいえ、こんな話をそれっぽく聞かされてしまってはオロチの恨みの対象はスキヤキへ向きます。

 

 そして国外にいたという謎のばあさんが見せたのは、顔を自在に他人のものにするというもの。彼女はなんとマネマネの実の能力者だったのです。そして彼女はオロチに恐ろしい魅力話を持ち掛けます。自分に手を貸すのなら将軍になる力を与えるというのです。オロチの答えは…

「何でもする…!!!」

 そうなれば話は早いものです。まず彼女の提案は金を集めてワノ国の高い技術力で武器を作ること。これをダシに強力な後ろ盾を得ようという魂胆です。

 そしてオロチは康イエの下に転がり込むと、しばらくして金庫の金を持って逃走。さらに口八丁でおでんから何度も金を借りていました。その後、おでんがオロチを弟分として城に置いてほしいと言ってきます。しかしこのおでんは去り際に例のばあさんの顔に戻り…。

 そしてスキヤキとオロチだけの部屋になった今、部屋に響いた笑い声はオロチとばあさんの特徴的なものでした。ほどなくしてスキヤキの訃報が流れますがどこまで信じられるか…。

 

大海賊はすぐそこに

 場面は変わっておでんが出航して4年後、魚が不自然なほど騒いでいたのです。どうも先の島に何かがいるようですが…。ちなみにこの時すでにおでんとトキの間に第二子である日和が生まれています。

 さて島にたどり着くと多くの動物が逃げるように森から出てきました。猛獣よりも恐ろしい何がいるのでしょうか?

 正体はなんと海賊。海軍をぼこぼこにのした押していました。この程度なら強い海賊ですがなんとその男、やるんだったらガープやセンゴクを連れてこいとかなり挑発的です。

 となれば読者の予想通り。ロジャー海賊団の登場です。バギーの報告に嬉しそうに反応するロジャーはやる気満々です。

「おれももう寿命が近い!!お前と会うのも最後かもしれねェからな“白ひげ”!!!」

 最高の海賊の対決が見れるかもしれないところで今回は終わりです。

 

スポットライトONばあさん

 おでんとオロチの今後を大きく左右する出来事が描かれた今回の話。順番にやっていきましょう。

 まずはおでんとトキの話。モモの助と日和は白ひげ海賊団に所属していた頃に生まれたんですね。彼らと他の船員たちのはしゃぐ様子がすごく好きです。家族を重んじるからな彼らは。同時におでんが2番隊隊長に任命。なんとなく選ばれるとしたら2番隊な気はしてましたね。むしろ他は誰がなっているのかも気になります。2番隊と言えばティーチも登場しています。あいつもあいつで当時はただの孤児だったのか…?

 というか、おでんとトキの様子はそこまで描かれないと思っていたので個人的にちょっと意外でしたね。トキの天月についてもワノ国の大名関係だとわかったし、やっぱりワノ国は鎖国国家だから空白の100年について何か知っていそう。

 

 そしてワノ国ではオロチと謎のばあさんによるワノ国乗っ取り計画が実行されています。この謎のばあさん、なんと能力がマネマネの実の能力ということでおでんやスキヤキに化けて見事にオロチを能力者にし、仮とはいえ将軍の場につかせます。おそらくですがおでんに金を借りに行ったときにオロチに化けて顔に触れたのかな?こう見るとやはりこの能力は裏工作としてずば抜けて使えますね。アラバスタ王国の時もボンちゃんがへましなければ…いやそもそもボンちゃんはこの手のタイプは向いてないわな。それに彼のおかげでインペルダウンはなんとかなったし。やはり下手に殺すよりも収監して厄介な悪魔の実の能力を別のところに流さない方が大事な気がしてきたわ…。

 オロチはこれまで野心ひとつでここまで来たと思いましたが、始まりはこのばあさんにそそのかされただけにも見えますね。傀儡とまではいかないがばあさんに利用されている印象をぬぐえなくもありません。まあこのばあさんを殺した可能性が一番高いのは、寿命かオロチ本人な気もしますが。実際に現在の彼はかなりしたたかですしね。

 ところで、するっと出ていましたがこのばあさんは何者なのでしょうか?普通なら先代マネマネの能力者で黒炭家の関係者なんでしょうが、ちょっと引っかかる点があります。それは外国にいたということと彼女の顔変化にシキのような顔があったこと。よく見るとあの特徴的な眉毛がシキと同じなので若いころのシキの顔と考えていいでしょう。あの頃の伝説の海賊のひとりの顔をコピーできるということはもしかして彼女もロックス海賊団関係者かもしれません。そもそもあの老婆の姿が本物とは限らないので、黒炭家の関係者かも怪しいのです。むしろオロチを誘導してカイドウにちょうどいい国にさせようとしたのかもしれません。たった一話でインパクトありすぎるんだよ、このばあさん!

 

 ラストはロジャー海賊団が再び登場。白ひげ海賊団と一戦交えそうな様子です。しっかり描写されないような気もしますが、それでもこの二人が相対するのは楽しみすぎます。マッチアップはロジャーVS白ひげ、レイリーVSおでんとか?

 ロジャーはこの頃はもはや寿命が近いことを悟っていますね。クロッカスもいますし、闘病中なのでしょう。その割にはかなりムキムキですが(笑) これが白ひげとの最後の戦いにはなるかもしれませんが、実際はラフテルに行った後に飲んだことあるみたいなんで今生の別れではなさそうですね。

 今回、注目したのは白ひげとロジャーの海軍相手への対応の違い。白ひげが相手を理解して退いてるのに対し、ロジャーは喧嘩上等でぶちのめしガープたちを連れてこいとまで言い放ちます。こう見ると白ひげが如何にしっかりしており、ロジャーの傍若無人っぷりもわかります。

 過去編を読むほど白ひげの株が上がっていきますねぇ。懸賞金こそロジャーより下ですがもしかして彼は海軍にとっての脅威が少なかったからロジャーより低かったのでは?とすら思ってしまいます。

 一方でロジャーの言動を見るほど、たしかにエースと同じように猪突猛進な面がある気がします。これはシャンクスの評価も当たっていたな。今では敗北者ネタでいじられるエースですが、正直最近の白ひげの偉大さとロジャーの気質を見ていたらあれは仕方ない気にもなってきましたわ。まあ、あれの原因はほとんどティーチなんだけどさ。

 

 ところで、ワンピースマガジンがまた発売されていましたね。すでに読んでいるのですが感想は最新刊と同時に書こうと思っていますのでもう少しお待ちを。

 今年もあと少しの中、過去編にたぎりつつまた次回!

第966話「ロジャーと白ひげ」 - ワンピース航海記録