932話の感想です。
表紙リクエストは「シーザーが書いた手紙を片っ端からヤギが食べていくところ」です。手紙というよりも広告ですね、これは。しかし彼はホールケーキアイランド編でしれっとフェードアウトしましたが、今は何をやっているのでしょうか?
前回、花の都ではレイドスーツ姿のサンジことおそばマスクが飛六胞のページワンと対決。さらにビッグマムが海岸に現れるなど、刻一刻とワノ国で波乱となる火種が積み重なっていきます。そんな中、オロチ城に潜入したロビンのほうでは・・・
隠れ蓑
場面は花の都のオロチ城。小紫が狐の面をつけて三味線で曲を奏でます。その美しい音色に皆は感嘆としますが、同じ遊郭の女性からすれば同時に狐の面をつけていることに疑問を持つようで・・・
一方、取り囲まれてピンチなロビン。正直に白状しても、黙ってもひどい目に遭わされることに変わりない状況で、彼女は自分が丑三つ小僧だと嘘をつきます。映画とかでよくある手法を用いますが・・・
「気の利いた答えだ」
はい、そうですかと相手が納得するわけもなく、手裏剣とロープで捕らえられます。ここのロビンの表情がいいねぇ。(←おい)
どうやら丑三つ小僧は少し前に都に出たため、あっさり嘘だとばれたようです。本物でも捕らえられることには変わりなかったと思うけど。
しかしこれで捕まるロビンではありません。どうやらハナハナの能力による分身だったようで、変わり身となりました。すぐに部屋から去ると、ナミ、しのぶ、ブルックに連絡します。ナミ達も屋根裏や井戸に忍び込んでいたようで、ロビンの護衛にいたようです。
お庭番の方は、オロチの酒宴を邪魔しないように各自それぞれ散って事態を収束させようとします。
そしてロビンは何事もなかったように宴に戻ってきました。やはりこの状況では抜け出すのは難しいと思ったのか、自然とオロチに接します。
ここで頬を膨らまし、不満を見せるのは小紫。その可愛さで見せつけるようなヤキモチ状態です。オロチは彼女の裏の顔を知らないようですが、この可愛らしさはわかっても愛おしくなりそうだわ。
結局、ロビンは面で不自然にならないように顔を隠しながらオロチから鬼ヶ島の情報を聴きだそうとします。
亡霊を恐れる将軍
同じ会場では狂四郎を中心にしたヤクザ組の会話が聞こえます。小紫の遊女としてのしつけやそば屋相手に飛六胞をけしかけた話など「任侠道」を語ります。彼のこの類の話は同業者も感心するほどです。
ここで話に入ってきたのは、将軍オロチ。力でねじ伏せる考えに賛同したようです。
「例え・・・“亡霊”であってもな!!!」
皆が集まっていることを良い機会として、オロチは今年がおでんの死んだ20年目であることについて力説します。
ここで話したのは、規格外の実力者たちであった「赤鞘九人男」のこと。ここ最近起きた九里でのルフィVSカイドウや、そば屋の飛六胞騒ぎ、さらに宿屋で浪人がヤクザを襲った事件などが錦えもんの差し金じゃないかと疑っているようです。
赤鞘九人男が現れても斬ってやると意気込みを見せる狂四郎を挟んで、おでんの脅威を言い続けるオロチ。モモの助が見つかっていない事にも不安を隠せていません。
カイドウという化け物が味方にいながら、亡霊の脅威を不安視しているのは味方からしてもちょっと小心者のように思えます。しかしここで笑えば、打ち首じゃ~みたいなことになりかねません。みんな笑いをこらえています。
武士の子に恥じぬ花魁
にもかかわらず、ここで大爆笑する人がひとり。それは以前サンジにそばをごちそうしてもらった禿のトコです。笑い上戸の彼女からすれば、笑いが止まらなくなってしまいます。というか、おトコちゃんは家臣が黙っていることに笑っているな、これ。
キレたオロチは刀を取り出しますが・・・
「やめなんし!!!殿!!!まだ幼子でありんす」
毅然と立ち上がって、主張するのは小紫。しかし耳を貸さないオロチは、障子ごと刀を振り抜いておトコを攻撃します。皆が止めることを諦める中、小紫はオロチの前に立ちはばかり頬に平手打ちをかましました!これは強烈!
他の皆が彼女の行動に衝撃を受ける中、そのひとりが小紫に謝らせようとしますが、彼女はそれを断ります。自分が正しいと思ったことは引き下がらず、誰にもへりくだらないことを主張する彼女に、ショックを受けるオロチ。そして・・・
「弱き女がご所望ならば―――どうぞ斬り捨てなさいまし
わちきは武士の娘!!無様に生きはしない!!!」
「遊女風情が生意気に武士を語るな!!!小紫ィ~~~!!!」
キレたオロチは多頭の頭を持つ龍に変化!小紫は一向に退く様子はなく、ロビンはおトコを保護するもお庭番の一人に見つかります。そんな中で狂四郎はひとり落ち着いて立ち上がり・・・
「修羅場でござる!!」
鞘から刀を抜いたところで今回は締め!
退かぬ!媚びぬ!省みぬ?
小紫に焦点が当てられた今週の回。
顔を見せた初登場回では腹黒い面が目立つ彼女でしたが、今回は芯を持った毅然とした立ち振る舞いが目を引く形となりました。将軍相手にも臆さない彼女の態度には、前半のかわいらしさのギャップも相まってより凛々しく見えます。
第928話「花魁小紫登場」 ワノ国ナンバー1の女 - ワンピース航海記録
ただこの時にも書いていたのですが、やはり腹黒い面は目立つのでそこは彼女と男性たちの和解場面は数コマで良いので知りたいところです。貢がせるのが武士の娘かっていうのもあれですし。
そして彼女の言葉の中でも気になったのは、武士の娘だということ。やはりおでんの娘であり、モモの助の妹である日和なのでしょうか。加えて、ワノ国編の区切りとなる狐の面をつけて演奏するのは、あの曲を聴くとオロチへの憎しみが顔に表れてしまうからではないでしょうか。
ここまで伏線をしっかり張っていれば、もう彼女が確定と言ってもいいでしょう。
というか、ここで別キャラを日和とするのは相当上手にやらなければ予想どころか期待も裏切るような形になる気がします。流石に中途半端になりそうな気もしますな。ただ尾田先生は普通に面白くできそうだから困る・・・。
対して、小物感あふれるのはオロチ。バカ殿並みの沸点の低さを見せてくれます。マジであのコントを思い出してしまった。自分が勝者であることを妄信的に自負しているのも、表情も相まってどこかショボい印象もあります。
しかしこの臆病な小物的な要素が用心する警戒心へと繋がり、むしろ錦えもんたちの計画を完全に看破している状況になっています。それもあって、全てをわかっている読者目線的には有能にも見えますね。むしろ狂四郎以外の部下が甘すぎる。
実際、カリスマ性溢れさせたカッコいいキャラだとそっちの方に肩入れしたくなりかねませんし、強大な力を持ったボスならカイドウがいるので、オロチのキャラは個人的に好きですね。見た目はともかくとして。
そして見た目も今回は能力を使って変化。八首の龍となります。顔はオロチの歯を残した龍の顔ですが、カイドウとは違うテイストの龍顔で個人的には好きですね。詳しい能力名は次回以降でしょうか。やっぱり八岐大蛇かな?
でも女性に対して、あの態度は無いわー。個人的に可愛いだけの女キャラは魅力に一手欠けるので、言うこと訊いたり依存したりするだけの相手がご所望なのは小物感出てきますよね。ここはオロチの対応次第ですよ。女を制圧できなかったからといって怒った浦島の二の舞となるか?まあ、キャラ的に狂四郎になだめられて終わりそうですが。
そして次回以降の活躍に期待できるのは、狂四郎。初登場時にはデザインだけで浦島同様の立ち位置になるかと思いましたが、あのどっしりとした構えやオロチの他の部下たちの反応を見る限り、なかなかの手練れであることを期待できます。元ネタもあの眠狂四郎でしょうし。
オロチの部下が笑う中、狂四郎はむしろかかってこいという反応をするのも面白いですね。オロチと狂四郎の二人が際立って厄介そうです。
さてここからロビンが逃げ切れるか怪しいですが、ナミ、しのぶ、ブルックも侵入してますし、花の都までいけばサンジもいるので何とかなるでしょう。ただ小紫はどうなるかがわかりませんね。捕まるか、オロチの対応や狂四郎の行動次第では事なきを得そうですが・・・。
むしろここでロビンが福ロクジュ辺りと因縁を持っても面白そうです。ロビンは裏方中心なので、決戦時に勝負する相手を作ってほしいですね。
地味に気になったのは「赤鞘九人男」の評価。侍が多くいるワノ国でこの評価なのは、彼らの実力を期待できます。実際、アシュラ童子などは相当なものでしたし。
錦えもんを頭の切れると評価するあたりオロチが侮っていないこともわかりましたし、こういう話があるから私としてはおでんよりも気になるメンバーなんですよね。
話自体は大きく進まなかったものの、今後にとって重要になるネタが多かったと思いつつまた次回!