第57話の感想です。
表紙連載は「次期船長決定戦」。モージとカバジの決闘です。
ゼフを人質に取られたため、ボコられるサンジ。そんな中思い出すのは、子供の頃の記憶・・・。
海賊“赫足のゼフ”
サンジが乗る客船オービット号に向かって来たのは、当時から名をはせていたゼフ率いるクック海賊団。驚きようを見る限り、ついこの間までグランドラインにいたと思われます。
それにしてもクック海賊団の見た目がものすごくモブなのにそこそこ強そうなメンバーに見えるのは、やはりゼフが率いていると思うからか。
さて船をつけられ、オービット号の船員とクック海賊団が対面。用件を聞く船長に対して、ゼフの言った言葉は・・・
「奪え」
さも当たり前のごとく、略奪を指示。金品を容赦なく奪いにかかります。まあ海賊としてはかなり正しいですよね、この行動。そういう意味では、ルフィやシャンクスとかって異例だよな。
とてつもない嵐の中、できるだけ早く退こうという船員。たかだか船ひとつの略奪に危険な橋を渡れません。
ゼフの足とサンジの意地
略奪品を見ていると、ゼフがあることに気づきます。その略奪品を持ってきた船員に対して、ゼフは強力な蹴りをお見舞い!
「他所の食料には手を出すなと いつも言ってあるはずだぜ」
仲間に対しても本気になるとは、クック海賊団のルールとして食糧事情にはかなり厳しいようですね。小腹がすいた程度でも、食料の略奪は許しません。
蹴られた人物とか、けっこう血が流れていますが、鉄に足跡を残すゼフにしては、これでも加減しているんだろうな・・・。
一方でサンジは包丁を2本持って、船員たちに喧嘩を売ってます。船員の方は指怪我した方ですが。
サンジ曰く、どうせ殺されるなら、先に殺してやる。血の気の多い選択ですね。しかもゼフたちの様子を見る限りだと、略奪だけのようにも見えるから何とも言えません。まあサンジの視点だと、そんな風に見えてもしょうがないよね。
そんなサンジにもゼフは蹴りをお見舞い!クック海賊団の船員も言ってますが、まさに容赦ねぇなの一撃です。
ボロボロのサンジは這いつくばりながら、ゼフの右足にかぶりつきます。
「お!おれはいづか・・・!!!オールブルーを見づげるんだ・・・・・・!!!」
血と涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら、絞りだすようなセリフ。そうだよな、ようやく地獄(ジェルマ)から抜け出せたもんな(涙)
運命の巨大波
そんなサンジの言葉を笑うのは、クック海賊団のメンバー。彼らはグランドラインを航海した結果、オールブルーの存在は確認できなかったようです。
サンジの仲間のコックたちもはらはらしながらも、その言葉に何言っているんだ状態。
ゼフの方はサンジを掃うように、もう一発蹴りを決めます。この時のゼフの表情は、いったい何を思うのか・・・。
さて予想以上にデカい嵐のため、クック海賊団は早々に引き上げようとします。
そんな中、いきなりの高波に倒れていたサンジが巻き込まれ、なんと船から放り出されてしまいます!
行動をとったのはゼフ。客船のマストを蹴り倒し、掴まりながらサンジを追います。クック海賊団はたかだがガキ一人を助けようとするゼフの行動に疑問。
さらに来るのは船2隻を軽く呑み込むほどの巨大な波!もちろんこれを防ぐ術はなく・・・
孤島に2人
サンジが目が覚めると、ゼフと2人で巨大な岩山にいました。残骸を見る限り、両者の船、船員とも全滅の可能性は高いようです。
また厄介なのはこの岩山。木などの植物がないため、木の実や動物もなく、海へ飛び込み魚を取ろうにも、陸に上がれないような“ねずみ返し”となっています。いわゆる「食料絶対取らせない島」・・・!
生きる方法は助けを待つだけ。ゼフは5日分の食料をサンジに渡し、互いに孤島の両端から船が見えるのを待とうとします。
ここでサンジが抗議。どう見ても、ゼフの食料袋の方が大きいのです。ゼフ曰く、自分は大人だから胃袋のデカさが違うようですが・・・。
「こんな状況なんだ 仲良く助けあっていこうじゃねェか」
蹴られた痛みであまり動けないサンジに頭から足を乗せるゼフ。まあ本来なら実力差なども考えて、食料を全て奪われてもおかしくない状況ですからね。
しかしこの時点でサンジの怒りはマックスになったと見ても、過言ではないかな。まあ気持ちはわかる。
無駄なエネルギーを使わないため、余計な接触はしないと言い残し、ゼフは孤島の反対へ。
夕日が沈む中、サンジの腹がなります。食べたいところですが、普通に食べて5日分。いつまで助けを待たなければわからない分、そう簡単に手を出せません。
「死にたくねェよ・・・!!!」
空腹の中、サンジの口から出た本音。まさに見えない恐怖と戦っているという感じでしょうか。
一方のゼフは、船の残骸を口にはさみ、歯を食いしばってます。そして手に持っている大きな鋭い岩で、なんと自分の右足を・・・!
始まった孤島生活
さてついに始まったサンジのゼフの孤島生活。限られた食料で、来るかもわからない助けを待つという恐ろしい状況です。現代社会のような、食料を簡単に得られるような状況では、想像もできないほどの過酷な環境でしょう。
しかし結末を知っているとはいえ、もうこの状況だけで涙が出てきそうです。特に最近、アニメとかでもサンジのジェルマ時代を見ているので、この頃のサンジのセリフや行動がさらに深いもののように感じます。読み返すのって最高だな!
当時ではそこまで気にならなかったものも、読み返すことで感慨深くなるものに。今回では、サンジが包丁を構えたのは、ジェルマの剣術を彷彿させます。結局、蹴り飛ばされただけなのですが。
そしてゼフやクック海賊団の行動。
略奪の際に、女性には身につけていたネックレスを引きちぎる程度であり、攻撃らしい攻撃をしなかったことや、ゼフが部下を蹴りでしつけるといった、後にサンジに教えることがここでも反映されています。
さすがに当時、尾田先生が狙っていたかはわかりませんが、蹴りの件は考えていただろうな。
次回は涙必死の58話!自分の感動を言葉にできるのかが不安だよ!