第59話の感想です。
表紙連載は「炸裂!!“寝ボケリッチー”」。夢の中で勇者となり戦うリッチーが、寝ぼけてモージとカバジの頭に一発!もちろん満身創痍の二人はただでは済まずに・・・
サンジが退かずに戦う理由、それは足を失ってまで彼に食料を与え、助けてくれたゼフへの恩返しでした。
再び立ち上がり、ゼフの身代わりになろうとするサンジですが・・・
立ち上がる理由
血を流しながらも立ち上がるサンジ。ゼフは余計なことをするなと言いますが、サンジの方からすれば、自分がゼフから足を奪ってしまったからクリーク海賊団達にもやられたと思ってしまうようです。
パティやカルネといったバラティエのコックたちは、サンジとゼフの会話から因縁があることを察します。
こういった場面は読者目線とキャラクター目線で変わってくるから、どこまで理解できているのかがわかりませんが・・・。
一向に倒れないサンジの様子にパールは高笑いします。
「結果が全ての勝負の世界!!やられた奴が敗けなのさ!!」
別にルール有りの勝負というわけではないので、間違ったことは言ってません。こういう海賊が大半だからこそ、海軍が頑張らなければということでしょうね。
そしてパールさんに振られた時のクリークもその通りだと同意。ダマし討ちの異名は伊達ではありません。
ゼフを人質に取られている以上、手足が出せない状態なのに、立ち上がるサンジ。その理由は・・・
「一時でも長くここがレストランで在るためさ」
か・・・かっこいい!!!
ルフィの決断
もはや死ぬ気とも取れるサンジの行動に、再び攻撃を仕掛けるパール。火も回り、手も出せない状況で、ルフィが遂にしびれを切らしたのか、足を天高く伸ばします。
そしてバラティエのヒレに向かって・・・
「ゴムゴムの!!!戦斧!!!!」
後にアーロン相手に決め技となる「ゴムゴムの戦斧」でヒレをぶち壊します。おかげで火は消えましたが、その行動にクリークが驚きます。
そしてここでルフィが衝撃発言・・・
「この船沈める」
これには敵味方双方驚きです。だいたいこの船賭けて、戦っているようなものですから、納得する人はいないでしょう。
恩返しとは・・・
ルフィの発言に一番怒ったのはサンジ。彼からすれば、ゼフから受けた恩の象徴とも言える船なので当然の反応でしょう。
「てめェがおれの受けた恩のデカさとこの店の何を知ってるんだ!!」
このことの詳細については、ルフィは知りません。しかしルフィからすれば、店のために死ぬなんてのはバカだと言えます。
「死ぬことは恩返しじゃねえぞ!!!」
「生かしてもらって死ぬなんて弱ェ奴のやることだ!!!」
思い出すのは自分を庇って片腕を失ったシャンクスの姿。ルフィも同様に一人の男に、体を犠牲にしてまで命を助けられた経験があります。
サンジの行動は、恩人の夢のために自分を犠牲にする行動。完全に自身を捨てているようなものです。ゼフが命を助けたのは、そんなことをしてもらうためではありません。
サンジが自分と同じ夢を持っていたことに大きな可能性を見出し、自分のなしえなかった大きな夢を果たして欲しいからでしょう。
ギンが動く
しかしケジメの取り方をそれしか知らないサンジは、ルフィと口論に。
割って入る様にパールが二人を攻撃しようとしますが・・・
ここでパールを攻撃したのは、まさかのギン!鉄球の付いたトンファーで、あのパールの盾をあっさり破壊します。
この行動に怒りを見せるクリークですが、ギンはルフィ達を睨みつけます。
「おれの手で葬らせてください!」
覚悟が見れるその表情、そしてなんとクリークの海賊艦隊戦闘総隊長の肩書を持つことが明かされます。
果たしてその実力は・・・!?
圧倒的名場面・・・!
サンジとゼフの過去や、その別れとなる「くそお世話になりました」に隠れがちになりやすいような気がしますが、私にとって、お気に入りの話のひとつです。
ルフィとシャンクス、サンジとゼフの関係性類似性から来る二人の違いが際立っていると思います。
ルフィが「生かしてもらって死ぬなんて弱ェ奴のやることだ!!!」というセリフを言ってますが、たしかにサンジの行動って客観的に見るとすごい恩知らずですよね。
生かしてもらって、真っ先に命懸けるって、彼はゼフの行動を無駄にしているようなものです。ルフィが怒るのも全くです。
しかしサンジは幼少期・・・というかジェルマ時代から「弱い」という烙印を父親や兄弟に押され、損得抜きで助けられた時の恩返しがよくわからなかったのかも・・・。ある意味、ルフィ以上に不器用だな。
そして遂にギンが戦闘に参加!勝手に下っ端認定されていた彼ですが、その本性は戦闘総隊長という、クリークの右腕的な存在です。
こんなに凄いやつを下っ端と言いだしたのは誰だよと思い、読み返すと・・・ゼフじゃねえか!
「おいおい」とテンプレのようなツッコミをしたくなるような気持ちを抱いて、また次回。