27話の感想です。ここから4巻です。
前回クロの計画を知り村の皆にそのことを報せるウソップですが、普段の行いから全く信じてもらえません。カヤにもそのことを話しに行きますが、彼女はウソップがクロへの仕返しにウソをついているのだと勘違い!力ずくにも連れていこうとしますが、村人たちが追いかけてきて泣く泣く逃げます。一方ルフィは目が覚めて、ゾロたちにクロの計画を話します。その後逃げてきたウソップと合流しますが、ウソップ海賊団にはこのことをウソだと言います。そして夜ルフィ達にウソップは自らの心情と覚悟を語ります・・・。
ストーリー
ウソップがメインの話です。彼なりに今まで積み上げてきたものが一気に崩れ去った印象です。彼の日課が原因なのですが、それでも自分の大好きな村を救うために頑張ってもまったく聞いてくれないのはやはり辛いでしょう。そんなウソップの苦しさがわかる話です。
登場キャラ
・ルフィ
崖から落ちて寝ていたところをゾロたちに発見されます。クロの計画について話した後に食糧の心配したり相変わらずですが、素直な彼だからこそウソップに加勢することもできると私は考えています。
セリフ自体は多くないですが、微妙な表情の変化が彼の心情を表してくれます。
・ゾロ
出番もセリフも少ないですが、最後の方の一言で彼がウソップのことを認めているのだと考えられます。
・ナミ
彼女は細かい点で宝好きな一面や逃げれば良しという考えといった自分らしさを見せています。そんな彼女もルフィの加勢する発言に全く否定的なところを見せなかったのは、彼に感化されてきたのだと思いますね。
・ウソップ
今回の主役です。流し読みでも彼の必死さがよく伝わります。自分が生まれ育った大好きな村とそこに住む村人たちを助けたいのに信じてもらえず、あまつさえ自分が悪者扱いという辛い立場に置かれます。そんな状況に陥っても、自分を信じてくれる子分たちを巻き込まないためにウソをつきます。ルフィ達に今後自分がどうするかを話したのは、ルフィ達がよそ者であったのと彼自身の決意をさらにしっかりとしたものにするためでしょう。それでも本物の海賊相手に一人で戦うと考えれば、怖くなり涙も出ます。この話のウソップは本当に辛いなぁ。
ところでこの話で彼は初めてパチンコを使います。この時点ではてっきりただの道具の一つぐらいにしか考えていませんでしたが、今となってはメインの武器です。もはやパチンコらしくない感じもありますが。
・ウソップ海賊団
ウソップと合流した際には、ウソップのウソ発言であったことに納得します。何話か後でそれについておかしいと感じてはいたことがわかりますが、ここだけ読むとちょっとあっさりしすぎな気もします。
その後に失望したといいますが、彼らがウソップのことを慕っていたのは人を傷つけないウソをつく面もあったようですね。
・カヤ
ウソップの話すウソが大好きな彼女でも、信用するクラハドールのことを悪く言うような内容なら気分がいいものではありません。ましてやクラハドールのためにプレゼント用意したり、ウソップの父親が卑下された後といった状況では、ウソップの方が信用されないのも当然です。
彼女もウソップ同様に涙を流しますが、こちらは彼に対して失望した悲しみといったところでしょうか?あんなに自分を楽しませてくれたいい奴だったからなぁ。
・メリー
カヤの執事です。クラハドール初登場回から出ていたのですが、特に目立った場面はなかったので省いていました。今回はクラハドールへのプレゼントを取りにいったり、カヤを守るためにウソップに銃を撃ったりと注目するところが多かったです。またカヤとのやりとりを見るところ、かなり信用されているようですね。
ちなみにまだこの時点では彼の名前は明かされてません。彼の名前は何話か後で判明します。まあこの名前は、どちらかといえばこの人よりもあの船の方を真っ先に思い浮かべる人の方が多いと思いますが・・・。
個人的名セリフ&名シーン
・カヤ「とんでもない悪党は・・・あなたじゃないっ!!!」
ウソップがガードマンを倒し、無理やりカヤを連れていこうとしたときに彼女がウソップに対してビンタをしたシーンです。暴力が嫌いな彼女ですが、クロを悪く言うだけでなく海賊のように人を傷つけるウソップを見て、本当にショックを受けたのでしょう。涙ながらにそれを言うところは、今までウソップがどれだけ彼女から信用されていたかがわかりますね。
・ウソップ「それがウソつきとして!!おれの通すべき筋ってもんだ!!!!」
自分が村人たちに言った一件を本当にウソにしようとする決意を語る場面です。自分がウソつきであり考えが甘かったことも受け入れたうえで、ウソつきとして最後まで信念を通すことを決心します。彼の本気に関してはその表情からもわかります。
その後、自分がどれだけ村が好きなのか語ったうえで涙をこぼすところは、またこちらの涙も誘います。相手は本物の海賊ですから無理もありません。
・ルフィ「よし 俺たちも加勢する」
淡々としていますが、この一言がウソップにとって大きな救いになる事は言うまでもありません。この短さがルフィらしくも感じます。後ろでナミが宝について話すのも、面白いです。
次回はいよいよ防衛戦の開始です。