ワンピース航海記録

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第22話「“あんたが珍獣”」 隠れた名話

 22話の感想です。

 オレンジの町を出航したルフィ達は、次なる島と仲間を目指して航海中。そこでたどり着いたのは、不思議な宝箱がある謎の島で・・・。

ストーリー

 あらすじはルフィ達が航海中に不思議な動物の住む島を見つけ、その島で宝箱にはまった不思議な男「ガイモン」に出会います。彼も昔海賊をやっており、大岩の上で見かけたという財宝を登れないガイモンのためにルフィが取ってきますが・・・。

 一部で人気なキャラであるガイモンが登場します。性格は大きな特徴は無いのですが、その見た目のインパクトもあってかとても印象に残ります。

 ワンピースはつながりが重要ですが、このガイモンとの出会いは一話で終わるので、前後のつながりを気にせず読むことができます。あんまりワンピースに詳しくなくても問題なく読めますよ。

 見どころはガイモンの未練と真実に気づいたルフィの対応です。この話が好きな人は会って間もないものの彼らの友情に感動した人が多いのではないでしょうか。

 またこの話で初めてワンピースの世界で偉大なる航路(グランドライン)と赤い土の大陸(レッドライン)がわかります。重要な設定の一つなので、憶えておきたいところです。

登場キャラ

・ルフィ

 前回に引き続き彼の魅力が全面的に描かれました。見つけた島を探索したがる冒険心、夢を語れる、友達のために動ける行動力、彼なりの思いやり・・・この話を読むだけでもルフィの良さと主人公らしさがよくわかります。特に宝箱を取りに行き中身が空であることをガイモンに見せなかった思いやりと、その後ガイモンを仲間に誘った場面は素晴らしいものです。ルフィは誘っても、相手が仲間として本当に行きたがっているかをわかっているような気がします。これに気づけるのは、野生の勘でしょうか?

 また相変わらず気楽な場面もあります。結構前に彼には航海術がないことが判りましたが、まさか海図も読めないとは・・・。リアルタイムでも読んでいて、頭の中でツッコんだ覚えがあります。

 

・ガイモン

 今回登場した無人島で森の番人をしている男です。元海賊であり、大岩の上に宝箱を見つけるものの落ちてしまい空箱にはまり、さらには仲間たちにも置いていかれてしまいます。そして20年もの間大岩の上に見た宝箱に未練を持ったまま、その無人島で過ごしていました。そう考えると本当に凄い人です。だからこそうすうす感じていたとはいえ、20年も守り続けた宝箱の中身が空であることを知ったときの悲しみはどれほどか・・・。

 またルフィのワンピースを手に入れるという発言を笑わなかった人物でもあります。それどころかルフィならワンピースを手に入れられるとも考えているようです。それを言えるのは、彼もまたルフィと友情を育んだ一人だからと言えるでしょう。

 ところで20年で眉までつながったと言ってますが、20年前の箱にハマってしまう前でも眉毛がつながっています。それはひょっとしてギャグで言っているのでしょうか・・・。

 

・ナミ

 この話では、ツッコミ役であったり、グランドラインの解説と細かなところで重要な役回りでした。ルフィがガイモンに宝箱を落とさないシーンでは、彼女の表情やセリフから悲しみを引き出させたと思います。

 また冒頭ではバギーに傷つけられたルフィの麦わら帽子を直していました。こういう女性らしさを持つのもナミの魅力ですね。

 

・ゾロ

 ほとんど寝てましたが、ナミの航海者としての忠告をある程度取り合っていました。彼は少なくともルフィより先に海に出たので、もう少し備えとか気にするタイプだと思っていましたが・・・。

個人的名セリフ

・ルフィ「ばかみてェ」

 ガイモン「ブッころすぞ てめェ!!!」

 ガイモンが20年もこの島にいたことを説明した後のルフィとガイモンのやりとりです。シンプルなギャグ描写っぽい感じですが、ガイモンからすれば相当苦労したはずです。慣れもするかもしれませんが、過酷すぎると思うので全く想像がつきません。だからこそルフィのような考えやナミのようにただ驚くだけになってしまうのですが。ギャグ調だからこそあっさりした感じで読めるのかもしれませんね。

 

・ナミ「バカな事言うな!!!私だって場くらいわきまえるわよっ!!!」

 最新話とか読んでいてもナミの本当の心優しさはわかるのですが、彼女の場合お金や宝に関してはどこら辺が「わきまえる」ラインなのかわからない場合が多いです。確かケイミーを助けたりするときやローラに友情の証に宝は渡していましたが、魚人島の時は割と普通に宝を貰う約束については遠慮なかったような・・・。

 

・ルフィ「だっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!まァ くよくよすんなよおっさん!!20年で おれ達が来てよかったよ!!」

 ガイモンが宝箱が空だと知り涙を流しているときにルフィが言った一言です。他人のことだからこう言えるとも考えられますが、ガイモンからすればこの言葉に救われた思いでしょう。

 個人的に現実ではこういう彼のような気楽さに嫌気がする人もいますが、救われる人も決して少なくないと思います。ここまでではなくとも少し楽観的な方が今後も頑張っていこうと思えそうです。

 

・ルフィ「おっさんも珍獣だもんな」

 ガイモン「ブッころすぞ!!」

 ラストの出航の見送りの際のルフィとガイモンのやりとりです。こちらの方も前述したやりとりと同じようにギャグ調なのですが、長年のガイモンの苦悩にようやく終止符が打たれた後だからかすっきりとした気持ちで読めました。ルフィのセリフは今回のタイトルでもありますが、珍獣にはならなくともこの無人島で「森の番人」として動物たちを守っていけるでしょう。

 

 次回からシロップ村編です。ウソップも遂に登場しますよ!

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