ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1072話「記憶の重さ」 彼女の正体

 1072話の感想です。

 表紙連載は「量産される殺戮兵器」です。電磁スピアにSMILEにウイルス…平和が聞いて呆れるレベルで研究しているな、こいつら…。

第1071話「英雄出撃」 文字通りの英雄! - ワンピース航海記録

 CP0が迫る一方で、ベガパンクたちは脱出のために他の協力者に連絡するなど手を尽くします。そんな中、本体はボニーに追われててんやわんや。同じ頃、海軍ではコビー救出のためにガープが動き出しており…。

天才が明かせない秘密

 冒頭、ベガパンクの実験によってある人物が「人間として」生まれたことについて言及された文章と共にスタート。

 少女化したボニーが泣いており、それを見たベガパンクが慌てます。しかしこれも彼女の演技。身体を肥大化させる“歪んだ未来(ディストーションフューチャー)”という技を発動させ、パイプで思いっきり殴りつけようとします。これに引っかかるのはちょろいぞ、ベガパンク!

 逃げるベガパンクですが、そこに追撃としてパイプを突き刺します。これによるダメージは無いですが、受けたベガパンクは見る見るうちに若返り少年になって無力化されます。彼女の技“跡死突き”によって、彼の身体から年齢が光る物体としてこぼれ落ちたのです。

 この能力は生物に永遠でこそ無いものの、一時的に無力化する分には十分。彼女がベガパンクに問いただしたのは、逃げていた際にくまを実質的に殺した理由についてでした。

 しかしここまでされてもベガパンクは話すことを拒否。というのも、その真実はボニーを傷つけるものであり、彼女には話さないことをくまと約束したのです。激昂するボニーですが、ベガパンクにとっても大切な友人との約束は、かなり苦渋の想いであったようでした。その渦中の人物は爆撃を受けながらも、レッドラインを登っており…。

 すると研究所の電子音が聞こえ、ボニーがそちらを向くと音の出どころへ向かいます。ベガパンクは必死に否定しますが、肉球マークとどう見てもくま関連の部屋っぽいです。

 “老化衝撃(オイルショック)”という技で鍵を老朽化させて扉を開けると、そこには浮かぶ肉球が…。

 ここでベガパンクが思い出すのは、くまとの会話。すでにリンゴ頭の彼は、人の魂は存在するという理論を説いていました。そしてくまのニキュニキュの能力は痛みという目に見えないものを弾き飛ばし、可視化させることも可能にするもの。そこでベガパンクは「想い」「記憶」「心象」といったものも取り出せるのか相談していたのです。もっとも当時は自分の記憶を勝手に見られることに不快を示し断っていましたが…。

 ベガパンクは必死にボニーに肉球となっているのは「痛み」と訴えますが…

「違う 父の能力なら…よく知ってる…!!」

 そう、彼女が触れようとしているのは大切な父の記憶…!

驚きは突然に

 さて、場面は変わってナミたちの方へ。この一瞬で昇ってきたのはCP0だけじゃありませんでした。なんとセラフィムたちもそこにいたのです。セラフィムにも戦況に応じて判断ができる人格があるため、成し遂げたことでしょう。

 しかしこれはCP0にとっても誤算。ここには威権順位が上のベガパンク達がいるからです。もちろんそれは命令が通れば前提の話なので、表のゾロたちの援護のためにエジソンリリスが向かいます。さらにサンジとフランキーも表へと急ぎます。

 さて場面はゾロ&ブルックの方へ。相対するは人獣形態となったカクですが、ルッチ同様に覚醒したようで黒い煙のようなものを纏っています。“鼻銃”からの首をドリルのように回転させる麒麟マン蛇回転(キリマンジャイロ)”で攻めたてます。だからそんなキリンはいねえ!

 その一方でルッチはセラフィムに命令。ベガパンクが出てくる前に研究所の破壊を狙います。セラフィム4人がかりの一斉攻撃に、研究所も大きく揺れる状況に!このまま破壊しつくされ、中のベガパンクや麦わらの一味が巻き込まれれば危険ですが…。

 するとここでカクが首筋をステューシーに噛まれて眠り込んでしまいます。彼女のいきなりの行動にルッチは目を見開き驚きを隠せません。

「眠らせただけよ お願いルッチ…あなたもそうして」

 口から垂れる血液、悪魔のような翼…そんな彼女はロックス海賊団に所属していたミス・バッキンガム・ステューシーの複製人間であり、MADSのクローン実験成功体第1号の肩書を持っていました…!

冒頭の人物は…

 冒頭の研究成果の正体に驚いた今週の話。いや、あの始まりからすればボニー辺りを疑っちゃうじゃないですか!

 しかし実際のところ、初めてのクローン人間として生まれたのは、まさかのステューシー!エッグヘッドのことを知っているような雰囲気の彼女でしたが、関係者どころか研究成果でしたか。これには読者もルッチ並みの驚きです。

 そしてやはり気になるのは彼女の元となった人物。ロックス海賊団の人物で、その名前をミス・バッキンガム・ステューシー…すでに多くの読者が気づいているでしょうが、元七武海のウィーブルの母親がミス・バッキンです。つまり彼女の若い頃の姿が、ステューシーなのでしょう。マルコが話していた元々同じ海賊にいたというのもつじつまが合います。

 さらにこれによって、ウィーブルたちも関わる可能性が浮上すると共に、彼の素性もやはり白ひげのクローンであることが予想されます。おそらく失敗作でしょうが、実力のみは本物という感じでしょうか。これは尾田先生がSBSで話していたように、カッコいい場面への信憑性が上がるわ…。

 しかし彼女がMADS関連者ということは、前の扉絵で後ろを向いていた人物は若かりし頃のステューシーなのでしょうか。だとすれば、ベガパンク以外は全員悪党側に行ってるじゃないか!いやジャッジはグレーゾーンですが…。

 ところで彼女の能力はなんでしょうね?雰囲気的に悪魔っぽいですが、首筋を噛む行為からはゲームに出てきた吸血鬼の能力を思い出します。雰囲気的にはサキュバスですが…。こんな色っぽいお姉さんが相手なら、白ひげが手を出していてもおかしくなさそうなのが笑います。というか、白ひげの趣味のナース服とか着ていたら…変な所でも説得力を感じるわ!

 ラストの衝撃で薄れかけましたが、ボニーの方もなかなか切迫した展開に。彼女が見つけたくまの記憶。ベガパンクの反応から、そこに彼女が知りたがっている恐ろしい真実が隠されている可能性は高いです。大きく変化したくまの記憶とは…。というか、ベガパンクの理論を聞いて思いましたが、いくら何でも弾ける能力とはいえくまの能力もすごいですよね。

 そういえばボニーも誰かのクローン人間説が流行っていますね。たしかにくまとはあまり似ていないですし、これも否定しづらいですよね。それこそピンク髪と大食いということで、ビッグマムとか…。まあ、ポンポンとクローン人間を出す展開はちょっと懐疑的ですが…。

 個人的には彼女よりも過去のくまの描写の方が感慨深いですね。初登場から変わった言い回しと威圧感が印象的でしたが、今回は厳格さを伴い、仲間や娘からはとても優しいと評され…この人の末路が本当に気の毒そうで不安なんです。

 それにしてもステューシーについては、本当に驚きましたね。初登場からこんなにいろいろ設定が盛られているキャラとは思いませんでした。ルッチもあれだけ驚くのも納得ですよ。というか、ルッチがウォーターセブンでアイスバーグさんやパウリーにやっていたことが因果応報…ではないけどブーメランのように返ってきているのが面白い。

 なんかルッチが本気で気の毒になってきたと思いつつ、また次回!

第1073話「ミス・バッキンガム・ステューシー」 天才と繋がりあり - ワンピース航海記録