ワンピース、NARUTO、ドラゴンボール、FAIRY TAIL、金色のガッシュ!etc・・・世間一般で言う人気の少年漫画はあらかた読んできたつもりです。
王道バトルマンガが私は大好きです。やはり凝った設定とキャラの魅力、そして魅せるところで魅せる燃える展開など、もうよだれが出るレベルで好物です。
それでこの趣旨の話を、友人と話しこみ面白いのがあるとのことで貸してくれた本が「ハイスクールD×D」というライトノベル。
友人曰く「アニメをやるから読んでみなよ!絶対ハマるって!」とのこと。なかなかの主張に興味がわき、読んでみますが・・・
嘘だと言ってよ、バーニィ!
いや本当に騙された気分だったんですよ。せっかくなので、今回はこの本について書いていきます。
今回は個人の感想とはいえ、批判がひどいので読む人は心してくれ!
あらすじ
女性の胸が大好きな高校2年生の兵藤一誠に、彼女ができた。舞い上がる彼であったが、気づけばその彼女に自分が殺されてしまう。
そんな彼を救ったのは、彼が通う学校一の美少女、リアス・グレモリー。なんと彼女は自分は悪魔だと言い、さらに一誠を悪魔に転生させたと伝えるが・・・。
さて読んでみましょう!
この作品、ジャンルが「学園ラブコメファンタジー」というものでした。最初にそれを見た私は、学園要素とラブコメ要素もあるのかとけっこう感心しました。その上で王道かつ熱い展開とか、すごそうではあります。
しかも調べてみれば、けっこう長い期間書かれているとのことで、自然と期待が高まっていきますね。
主人公の個性も強力で、他のキャラの個性もなかなか。そして貸してもらった全巻(新しいのは自腹で買ったけど)を読んで、思ったことは・・・。
期待したんですよ!必死に!
砂漠で叫ぶバナージごとく、orz状態で床を叩きたくなるような思いになったのです。
どうも、いろいろ残念に思ってしまう作品でした。これを「学園ラブコメ」や「熱血王道もの」と少なくとも私は思えません。呆れるくらい酷かったんですよ。
では、いくつか私が「えっ!?」と思った点について挙げていきましょう。
都合のいい設定の追加、展開
まず私が読んでいる途中に常々気になったことが、この点です。どうもこの話、ご都合主義に場当たり的な設定を追加しているような気がします。
そのためいきなり矛盾が発生したり(いちおう整合性を取るようにしているようですが、それでも無理がある上に改変っぽい)、せっかく追加した設定がろくに活かされずに死んだ設定になっている気がします。
伏線ではなく、都合良いような設定の追加に見えるため、かなり茶番臭が強くなります。
特に酷く感じたのは、10巻で女性恐怖のような描写が出てきたこと。もとよりエロいことにストイックな主人公で、しかもこの巻に至るまでさんざん女性相手に仲良くする様子を見せておいて、今さらこんな展開を出されるのは・・・。
他にも18巻の主人公の武器の新能力など、これは作者も扱いに困っているのでは?と思うものが多い気がします。
長期連載だと後付けは仕方がないものですが、週刊連載の漫画でもないのだから、ある程度の整合性を持たせたり、それを気にしなくてもいいくらいの勢いや演出が欲しくなるのは私だけではないでしょう。
わりとマジでキャラを設定に置き換えた、ライオン仮面的なものを感じます。
敵の魅力
王道バトルものとなると、やはり熱いのは強敵との戦い。私の場合は、最近だとルフィVSカタクリですね。
この作品にも確かに強敵との戦いはありますが、どうにも燃えません。
というのも、敵が総じてゲスい印象があるキャラが多く、良い感じの敵キャラはなんか味方化、または勝手に改心するようなパターンが多いです。せっかく、ライバルの立ち位置にいるキャラがいるのに、劇中でまともに勝負したのが・・・1回?
いやゲスいキャラも突き抜ければ、魅力になるのですが、この作品の場合、小物やチンピラ特有のゲスなため、魅力を感じません。
王道でバトルに味を持たせるのは、やはり敵にも強力な魅力が必要です。設定はもちろん、性格、佇まい、バトルスタイル、行動・・・これらを踏まえた上で初めて盛り上がりが生まれます。 圧倒的悪役は、相対する主人公の格を上げることにも貢献されますしね。
それこそNARUTOだと暁やマダラ、ドラゴンボールだとフリーザやセルなどはそれらを踏まえて風格を漂わせているセリフや戦いに大物感があるのです。さすがにこのレベルと比べるのは酷かもしれないですが。
端的に言えば、箔付けが甘い。
言葉のゴリ押し
主人公の評価(自他ともに)として、努力、熱血、ヒーローと言葉がドンドン出てきますが、作中でこの言葉を安易に使いすぎな気がします。その割には納得いくような説明や描写が少ないため、どうもこれらの言葉をゴリ押しして、外側だけを形作ったようにしか見えません。
特に「努力」について。努力する描写はありますが、ここぞという場面で設定の追加が入ることが多いため、主人公が努力して力を得たのではなく、棚ぼたによる都合の良さが目立ちます。
もちろん味方から力を借りたり、協力したりするのは王道といえば王道なのですが、この作品の場合はそれが同じパターンで何回も起こったり、関係ないような人物が主人公に力を貸すため、気持ち悪い違和感が拭えません。
それとこれは私が憤りを感じたことなのですが、一巻でルフィの名言をパクらないでほしかった・・・。というか、けっこうどっかで見たことあるセリフが散々ちりばめられている気がする。
まあ、ここのゴリ押しへの怒りは私がワンピースに想いがありすぎるからなのですが、やるならリスペクトっぽくしてほしいものです。
まとめ
このように軽く上げただけでも結構な数がありました。他にもいくつかあるのですが、私としてはこれらが顕著に感じましたね。
どうも、この作品は最初に挙げた「都合のいい設定の追加」で一気に破たんしている気がします。そのため読み進めるほど、粗が気になりました。序盤はツッコミどころが多いとはいえ、勢いでそれを忘れさせてくれる内容で、まだマシだったのに・・・。
しかもこの設定が雑な上に主人公勢の持ちあげが多いため、キャラの魅力や言動、燃えるような熱い展開、考察したくなるような世界観が冷めてしまいます。
二次創作でもない作品にこの言葉を使ってもいいのかは迷いますが、この主人公への都合の良さは、「メアリー・スー」の印象が拭えません。そりゃ、物語である以上、作者の嗜好が入り込むのは普通だけど、これが透けて見える演出なのがひどいです。
アニメ4期もある人気作品らしいですが、私としては、「ヒロイン達の可愛さと中途半端なお色気」で人気になったんじゃないかと思ってしまうほどなのが、がっかりです。挿絵の少なさを考えれば、ラノベとはかなり相性悪いと思うのだが。てか、それじゃあ絵師の力がほとんどだし、文章力も褒められたもんじゃ・・・ゲフンゲフン!
しかしこの作品、設定が脳内の中二病を刺激するような内容であり、メインキャラクターもそこそこ個性と魅力あるので、設定をがっつり凝りさえすれば面白くなる内容になると思います。
またせっかく「悪魔」を取り上げるのですから、人間の時とのギャップやそこから来る情緒的な面を取り上げても良いと思います。そこから出てくるドラマもあるでしょうし。まあ、もう手遅れな様な気がしますが・・・。
嫌いじゃない点もあるけど、のめり込むほどじゃないし、それゆえに粗が気になる印象でしたね。好きな人は好きなんだろうなという感想です。
というか、「熱血王道もの」というようなうたい文句が違う気がします。せめてエロギャグや学園コメディ・・・いや、それにしては無駄に重い展開やいらないバトル要素が多いしな。
私が今回こんなに残念に感じたのも、前情報との食い違いが酷かったのは理由の一つになると思いますね。
それにしても、こういうのが今は流行っているのでしょうか?とりあえずアニメ1話は見てみますけど、その後はどうしようかな。
それにこの作者、他にも作品だしているようですが・・・ビルドダイバーズとルパン三世見てから考えよう。