ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1000話「麦わらのルフィ」 これぞ麦わらのルフィ

 1000話の感想です。

 今回のジャンプの表紙もワンピースです。個人的には戸塚先生のスモーカーが絶妙にマッチしていて好きですね。さらに今週の名場面ポスターを先週号と合わせると、巨大なカラーイラストが完成します。2年後となった今のメンバーで100話のカラー表紙のオマージュですね。ずいぶん長くきたものだ。

第999話「君がため醸みし待酒」 あの男が背負ったもの - ワンピース航海記録

 

 ヤマトが思い出すのはエースとの勝負のこと。あの勝負で腹を割って話した彼女は、ルフィにある期待を寄せているようです。一方、屋上ではマムがカイドウと合流。ついにひとつなぎの大秘宝を狙いに行く発言をしますが…。

屋上へ向かえ!

  ついにルフィは屋上に繋がる5階に到着。すでにシシリアン率いるミンク族がその周辺の敵をなぎ倒しており、屋上への道を切り開いてくれました。これにはルフィも喜び、雷ぞうをかばう程の漢気にも触れて走ります。

 一方、ライブフロアではマルコがキング&クイーンの攻撃を受けるも回復しつつ、さらに不死鳥の翼で彼らの動きを封じます。もはや古兵が参加する必要は無し。彼の目的はあくまで麦わらの一味のサポートなのです。ということで、そのままゾロをマムが開けた屋上まで通じる穴へポーン!

偉大さを知るからこそ

 場面は変わってヤマトがモモの助に日誌を見せて彼に返したところでした。彼女は昔おでん城のふもとの川で拾ったとのこと。トキか日和かわかりませんが、誰かがこれをつなげたかったのは間違いないようですね。

 この日誌に記されていたのは、かつて伝説の海賊2人と旅したおでんの全て。さらに20年以上先の未来に新世界へ若き実力者が来ることも書かれていたのです。当時のヤマトはエースがその筆頭だと思っていましたが、彼の死を知ると戦いの後に飲み明かした際の話を思い出したのです。

 

 エースが酔った勢いでヤマトに話したのは、なんとルフィの夢の果て。あの海賊王になった後のことと思われる内容です。当時はエースも笑いましたが、彼は必ずルフィがやると信じていました。その想いを持つエースからすれば、これを笑わせないつもりでしたが…

「ぼくは笑わないよ…!!!」

 ヤマトは知っているのです。かつておでんと共に航海したロジャーが、ルフィと同じことを言ったのだと。その偉大な男と同じ言葉を言った彼をどうして彼女が笑えようか。

 ヤマトは別れ際にエースのビブルカードを作り再び会う約束をしますが、その紙が燃え尽きて後の新聞で彼女も全てを知りました。エースこそそのロジャーの息子であったこと、エースの弟がルフィであることを。

 同時におでんの日記に記されていたことに確信を持てました。もしおでんが死んだ時、カイドウを討てるのは次世代の強力な海賊たちであることが!

その男の名は

 ついにルフィは屋上に到着。そこには一足先に着いていたゾロ、ロー、キッド、キラーがカイドウ&ビッグマム相手に睨み合っていました。

 ルフィの登場にカイドウとマムは気ぶるばかり。あからさまに挑発しますが、今のルフィに彼らは眼中になく、素通りして奥で倒れていた錦えもんの介抱をします。見れば赤鞘全員徹底的に打ちのめされ、全員が虫の息でした。そんな中で錦えもんは大粒の悔し涙を流しながら、その無念を口にします。

「おでん様に…!!!合わせる顔がない…!!!」

 勝ちたかった…なんとしてもおでんの想いを受け継いでこの国を取り戻したかった。しかし敵の強さは予想をはるかに上回るもの。もはやその想いすら砕かれかけている彼は、ルフィにワノ国を託します。

 その想いを受け取ったルフィの後ろではカイドウが大きく振りかぶっていました。だが覚悟を決めたルフィの判断は早い!ローに赤鞘全員を下へ逃がさせると、自分はカイドウの攻撃をジャンプで避けます。そしてすかさずギア3!

 思い出すのはここまでの道のり。雷ぞうを守ったミンク族、カイドウ打倒を思ったモモの助の涙、命を賭して侍を守った康イエの最後、反逆の火に震えるヒョウ五郎、そして長い年月を超えて主君の想いを遂げようとした錦えもんの覚悟…その想いはルフィの拳に強く、ただ強く思わせたのです。

 今こそ決まるのは流桜を覚えた新技“ゴムゴムの業火拳銃(レッドロック)”!!その一撃はカイドウの顔面にヒットし、彼を殴り倒しました。うろたえるマムに倒れるカイドウ。そんなに聞きたいなら教えてやる。彼こそ我らが主人公!

「おれはモンキー・D・ルフィ お前らを超えて…“海賊王”になる男だ!!!」

主人公、魅せる

 ワンピース1000話おめでとう!!な今回の話。いや1000話って本当によくここまで面白く連載を続けられたものだ!感慨深くなってちょっと涙ぐんだわ!

 記念すべき1000話はタイトルのごとく、ルフィがついにカイドウ達と相対しました。始まりから終わりまでルフィが理想的な主人公ムーブしすぎでしょうよ!強敵を目の前にしながらそれに見向きもせずに、まずは先に戦い敗れた友を助け、その想いを託されながら前とは違い攻撃を与え、驚く相手にきっちり啖呵を切る…ひねりなくド直球なストレート展開でしたが、それゆえに我々が見たいものを期待を上回る演出で魅せてくれました。こんなの見たら好きになるに決まっているじゃん!

 これまたカイドウの盛り上げも良いですね。ご丁寧に2回もルフィがなんて言ったかを振ってくれるような煽りをしてくれます。いや私もルフィが目の前にいたら、そりゃ振りたくなりますけどね!

 真面目にカイドウは強い奴好きですし、骨のあるやつは心折りにかかりますし、この前のモモの助のことも考えると何もおかしくないのです。また前回の章のボスであるマムがうろたえるのが、また良いんですよ。この強敵を相手に物怖じしない姿勢、グッドだね!

 

 またヤマトの回想のエースも良かったですね。正直、この回想だけでエースの株が軒並み上がった気がします。なんだかんだでルフィを気にかけていたいいお兄ちゃんしていますね。しかもこの頃、生きていたって知らないはずのサボの名前を出したり、わかっていなかったとはいえ間接的に父であるロジャーと飲みたいとか…今風に言うならエモいというところでしょうか。

 あとは錦えもんの涙ながらの言葉も心に響きました。完全に心が折れかけている彼が、海賊であるルフィに国をお願いするところは、これまでの積み重ねを思うとその気持ちがよくわかります。

 細かいところではマルコの活躍がまたすごいことになっています。伊達に世界最強の男の元で隊長やっていただけはあるな!しかし倒しはしないものの大看板2人を足止めできるって…!それはそれとしてクイーン様の体がいよいよ絡繰りじみてきたな。

 

 まあ、なんだかんだで今回の最高の場面はルフィの攻撃や超新星の揃い踏みでしょう。私は超新星組みが四皇と戦うことを期待していたので、今回の見開きには素直に心躍りましたね。船長でないゾロやキラーも見劣りしない風格です。ただちょっと前にローがポーネグリフを探していたので裏方に徹すると思っていたので驚きです。私としては嬉しいから、OKだけどな!ローも赤鞘の想いをわかっているから、すぐに逃がしてくれたのが、イイ感じに思いましたね。

 

 1000話記念ということで特設サイトとか、漫画、アニメが一部無料とか、様々なところでコラボやらいろいろ熱が入っていますね。以前乗った食戟のサンジもありました。ストーリーは前よりも好みです。

 個人的な目玉は今週号のジャンプで掲載された連載陣による特別書き下ろしじゃないでしょうか。個人的には宮崎先生のロボコと島袋先生のビルドキングがずば抜けて良かったですね。ロボコの方は本編のパロ含めて細かいネタまで完璧すぎます。島袋先生はやっぱり盟友というか、本当に仲良いのがわかるんですよ。島袋先生の作品のキャラ勢ぞろいと本人でルフィと尾田先生を祝うとか…少し泣く。

 リアルタイムで1000話書けたことが嬉しくてなー!とにかくワンピース1000話がめでたくてなー!尾田先生、本当におめでとうございます!といったところでまた次回!

第1001話「鬼ヶ島怪物決戦」 怪物並みの人間 - ワンピース航海記録