ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第975話「錦えもんの一計」 さすが錦さん!

 975話の感想です。

 表紙連載は「誰だか知らないけど、助けてくれてありがと♡」です。ああ、この態度は間違いなく彼女じゃないか!いよいよ再会の時も近いかな。

第974話「いざ、鬼ヶ島!!」 絶望と希望のコンボ - ワンピース航海記録

 

 荒れ狂う海の中で自分がオロチの内通者であることを明かしたカン十郎。彼に能力で分身を作ってモモの助を捕えられ、海上では百獣海賊団が待ち構えるというピンチな状況に最悪の世代最高峰の3人がそろい踏み…。

最悪の3人

 冒頭、しのぶが黒い蛇に縛られています。おそらくカン十郎の能力で生み出した生物でしょう。しかし嬉しくないサービスだ。

 モモの助もしのぶもカン十郎の行動に驚くばかりですが、それ以上に驚いているのがカン十郎。自分が伝えた情報に対してあのオロチが何も対策を取っていないのかと訝しみます。

 もちろんルフィ達の船に攻撃は仕掛けられましたが、サニー号はあのアダムで造られた船。中途半端な攻撃では破壊なんぞされません。

 サニー号に乗っていたのはルフィ率いる麦わらの一味に、ワンダ、キャロット、シシリアンといったミンク族の戦士たち。周囲に誰もいない異変に疑問を抱きますが、錦えもんが作戦がバレていた事を伝えます。カン十郎のことにはまだ言及しないのね。

 ここで話に割り込んできたのは百獣海賊団。伊達港の船や郷を繋ぐ大橋の破壊を明かし、さらにマムとの海賊同盟についても話します。この自分たちの優勢に自信を持った彼らはルフィ達を挑発しますがこれがまさに運の尽き。

 腹の立ったルフィ、ロー、キッドがそれぞれ能力を駆使して敵の船に乗り込みます。我の強い3人は俺が俺がと攻撃を開始!ルフィはギア4を発動、ローはROOMを展開します。キッドの方は磁気によって体に金属を纏う“磁気魔人(パンクロットン)”を発動します。2年前の最悪の世代でそろい踏みした強者の攻撃はまさに破格!それぞれの一撃でまずは船一隻を戦闘不能にさせます。こんなやっていてもいがみ合うのはらしいですわ(笑)

 

現れるのは侠客の赤鞘

 ここで百獣海賊団の前に現れたのは狂死郎一家の船。援軍に喜ぶ百獣海賊団ですが、読者からすれば彼が何者かわかっている以上期待することはただひとつ!

「敵を沈めるんだな 任せておけ!!」

 その一太刀はお見事の一言、あの巨大な百獣海賊団の船をすっぱりと斬りました。やはりこの男は破格の実力侍!

 

 そして狂死郎は赤鞘九人男に一家200人での討ち入りの助太刀を申し出ます。これに困惑する赤鞘ですが、彼には光月家への恩義があるのです。ここで明かすのはかつての山の神事件。おでんの凶行ではなくあれが錦えもんの仕業であることを彼は言及します。もはや家臣の中でもこれを知るものはいないはず。そもそもこの事実を知っているのは錦えもんとおでん、そしてもう一人その場に居合わせたもう一人の古株の家臣…。

「おぬし…!!傳ジローか!!?」

 ここでついに正体を明かした傳ジロー。あの変なリーゼントのかつらを脱ぎ去って懐かしの再会です。傳ジローとしてはすぐにでも正体を明かしたかったですが、万一を考えて敵として立場を秘密にしていました。おかげで内通者によって情報を流されオロチに目をつけられることなく、この討ち入りの大チャンスに羅刹町で捕まっていた千人の同志を解放することが出来たのです。これで追加メンバー千と200人という相当な戦力補強です。

 

見事な計画!?

「———しかし錦さん!!さすがは頭の切れる男!!」

 大きな戦力アップが明かされる中、傳ジローが錦えもんに見せたのは康イエが残した例の判じ絵。この判じ絵ですが、ハブの腹の2本の線は足ではなく腹の絵を消すことを意味する「文字抜き」というもの。つまり「はぶみなと」の始めと終わりの二文字だけ読めばいいのです。それによって読めるのは「はと」と読めますが、傳ジローは錦えもんが内通者の存在を疑って身内や近しい者には「トカゲ港」と話したと考えます。

 この作戦は見事に成功、内通者はオロチに間違った情報を引き渡し、しかもオロチ自身が長い間の都暮らしで土地勘が鈍っていたため手を打つのが遅れたのです。おかげですでに集めていた同志4千200人は康イエが示した彼の思い出の地もみじ林の絶景がある刃武港の波止に身を隠していたのです。

「「鬼ヶ島」への討ち入りの作戦は!!!何一つ狂っていない!!!」

 これにより理想戦力を超える5千400人、おでんの悲願と打倒オロチ&カイドウのために動き出します!もはや何者にも止められないほどの闘志を見せる侍達!そしてこれを計画した赤鞘九人男のリーダー錦えもんは何を思うか!

(「トカゲ」じゃなくて「ハト」って読むのか!!!)

 ダメだ、この学のない侍!と思ったところで今回は終わりです。

 

さす錦!!

 希望が盛り返したのが思わず笑ってしまった今回の話。

 いや実際にね、ルフィやローを味方につけたのは錦えもんですよ。侍たちの討ち入り計画を練ったのも錦えもんですよ。おでんの夢のために誰よりも必死になっていたのは錦えもんですよ。しかしこれは笑わずにはいられません。まさかの錦えもんの学のなさから来た勘違いが結果的に最高の状況を持ってくることになりました。いくら元ゴロツキでもワノ国の民なら間違えないようなことを間違えるなよ(笑)

 これ読み返すと気づくんですけど、たしかにこの新たな判じ絵について錦えもんは通信越しの相手には「線二本」としか話していないんですよね。しかもこの判じ絵を持っていたのってほとんど錦えもんで場所については彼の口頭でしか話していないのでそら場所を勘違いしますわな。

 まさかオロチの最適手を一気にひっくり返すのが錦えもんの勘違いなのには驚きました。いちおう最後のコマで頬を染めているから恥ずかしいとは思っているのでしょうけど。もう今回のやり取りから錦えもんが話したことを傳ジローは何倍にも良い解釈して実際に上手くいっていたから、錦えもんは「頭の切れる男」なんて評価されるようになったことが容易に想像できます。オイオイと思いますが、実際に上手くいっているしねェ。

 

 さらにもう一つの見せ場ともいえるのが前半のルフィ、ロー、キッドによる一斉攻撃。ローはともかくルフィやキッドは大技をぶっ放していましたね。雑魚相手でも容赦ないのはあの二人らしい性格ですね。というか、絶対にあいつよりもすごい技を出すという考えが見え見えです。

 地味にローがキッドだけでなくルフィをバカにしていたのは印象的でした。パンクハザードからローは完全にルフィ達に振り回されるポジションだったので、シャボンディ諸島のような反応を見せてくれるのは嬉しいですね。

 それと私的に気になったのは麦わらの一味とキッド海賊団。前者はほとんどが鎧を着て武装する中でルフィ、ゾロ、サンジの3人はそういったものを身につけていませんでした。これは決戦時に期待して良いということでしょうね!キッド海賊団の方は普通に乗っていたことに驚きました。ぶっちゃけ全員SMILE食わされている可能性も考えたので一安心です。まあキラーみたいにそう簡単に折れないような相手だからこそ食わされたのかもしれないですが。

 にしてもキッドの技名カッコいいですね。地味に磁力で空中移動もしましたし、能力名はジキジキの実とかジバジバの実とかですかね。考えてみればこいつの能力ってマグニートーみたいなものだから弱いはずがありませんわ。

 

 なんかいよいよ決戦が始まることにワクワクしています。しかし油断はできません。そもそもここでカン十郎を逃せばモモの助を連れていかれてピンチになりますし、相手には災害や真打ち以外にもナンバーズやビッグマム海賊団もいます。どのように戦うのかが今から楽しみですわ。

 カン十郎と言えば今回のこれは悔しいだろうな。完全に役者として動いていた自分が騙されていたんだもの。しかも知る由はないといえ素の男に。カン十郎はこのままオロチに切り捨てられるのでしょうか。それとも決戦時に参戦するのか。いずれにせよ彼もワノ国の暗い面を受けた存在だからなんとか救いが欲しい気もします。

 頭の切れる男渾身の勘違いに笑いと期待を込めつつまた次回!

第976話「お控えなすって!!!」 間に合いましたぜ - ワンピース航海記録