970話の感想です。
表紙連載は「ベッジとヴィトは動けない」です。あの海賊はそこまででもないが残した菌が厄介ですな。これはシフォンを助けるのはおそらく…。
第969話「バカ殿」 おでんがお辛い - ワンピース航海記録
ワノ国に戻ったおでんはオロチに斬りかかりますが彼の側近によりそれは防がれます。そしてオロチに持ち掛けられた密約によりおでんはオロチに屈服するように都で裸踊りを!5年も続けますが約束を反故され、さらに恩あるヒョウ五郎夫妻の悲劇についにおでんは家臣を率いてカイドウの元へ乗り込みます。
乗り込んだ矢先
ワノ国特有の三味線の音が鳴り響く中、おでんは衝撃を受けます。彼の作戦はカイドウが酒を飲んで爆睡しているところで首を取る予定。言わば寝首を搔く暗殺でした。
しかし目の前に広がるのはカイドウ率いる百獣海賊団の面々。どうやら情報が漏れていたようでカイドウはスパイの存在を匂わせますが…。
「全てウソだったんだな カイドウ!!!」
怒りに吠えるおでんにカイドウはあっさり肯定。なんでもおでん帰還時、もしヒョウ五郎と手を組んでカイドウに敵対すれば彼としてはかなり危うかったのです。当時はカイドウの戦力はまだそこまで多くもなく、おでんとヒョウ五郎という二大トップの存在によりワノ国にいる侍と侠客が敵になると予想してたのだとか。
だからこそオロチとカイドウが案じた一計が例の謎の約束。おでんが以前通りのイカレ野郎ならその時点で戦いになったかもしれませんが、白ひげやロジャーという強いながらもどこか海賊らしくない優しさや器の大きさを持つ彼らの仲間であったおでんなら誰かが犠牲になる選択肢を取らないと。その目論見は見事的中。結果的におでんは民衆からの支持を失ったのです。うーむ、人間的に成長したことにつけ込まれたか。
しかし過去を悔やんでも仕様がありません。そこらへんは割り切っているおでんが狙うのはただひとつ!
刀を抜いたおでんは敵陣に突っ込み片っ端から雑兵をなぎ倒します。さすがは化け物クラスの海賊の背中を見続けて共に冒険してきた男。その実力は圧倒的です。赤鞘九人男も彼に続いて突撃。ただ欲望のための屈強な海賊と違い、日々惚れ込んだ男のために実力をつけていった侍達の強さは目を見張ります。
おでんを信じる者達
一方、九里にあるおでんの城には康イエが部下たちと共にトキと子供たちの護衛にあたっていました。どうやらおでんが護衛を頼んだようです。康イエ様信頼できますもの。
とはいえこれはあくまで護衛。本勝負はおでんとカイドウなのです。康イエにはわかっていました。もしこの勝負におでんが負けた時の行く末が。
「この国は終わる!!」
場面は再び戦場へ。おでんの頭を銃で狙う者がいますが、彼にクナイがヒット!突如現れたのはセクシーな格好のくノ一。なんと彼女若かりし頃のしのぶなのです。熟女じゃなくても凶器的な美しさだな、おい!
福ロクジュまでもオロチに屈服する中、彼女はおでんを待ち続けたのだとか。この苦しき道にも最後までついていく気なようです。
龍を斬る侍の末路
しのぶを入れて11人の侍に対し、敵は千人の海賊たち。雑魚相手には押していた赤鞘たちも強敵には手を焼きます。このシルエットはキングとクイーンですね。
とはいえおでんの狙いは大将であるカイドウの首。ここで見せるは彼特有の見事な剣術“おでん二刀流”!!
一瞬でカイドウの懐に入り強烈な十字傷を残していきました。技の名は“桃源十華”!その威力はおでんの技の中でも最大級の物です。
「二度と来るな「ワノ国」へ!!!」
そのダメージに地に着くカイドウに止めとばかりに追撃を狙うおでん。
しかしここで待ったがかけられます。なんとモモの助が捕まって人質に取られているではありませんか。勝負の世界では一瞬のよそ見が命取り。おでんは復帰したカイドウにこん棒による強烈な殴打を食らい倒れます。ちなみにこのモモの助、ひぐらしによるマネマネの能力で化けていただけでした。またお前かよ、ババア!!
ここで錦えもん、アシュラも筆頭に崩れだしていき結果的にこの戦いはおでん達の敗北で終わりました。捕らえられた彼らは“将軍への謀反”という罪名で投獄。以前が以前だったので民衆の反応も呆れ交じりです。ちなみにしのぶだけはおでんが見知らぬ相手と装うことで投獄を免れます。
多くのおでんを信じる者達が待つ現状で、おでん達の処罰が決定!
「3日後!!大衆の面前にて!!「釜茹での刑」に処す!!!」
おでん強し、カイドウちょっと?
前々から話にあったおでんとカイドウの勝負の話。
おでんの強さがこれでもかというほど光っていました。さすがは白ひげやロジャーという最高クラスのキャラと共に戦い冒険してきた男。ここぞという純粋な実力や勝負強さがとてつもないです。ぶっちゃけ彼は四皇最高幹部の中でも抜きんでた強さがある気がします。そこを狙われて敵の策にはめられましたが…。
逆にツッコミたくなったのはカイドウ。まさかの決着の仕方がババアの助けありだという何とも情けないものになりました。いくら20年前でまだ全盛期が来ていないかもしれないとはいえロックス海賊団抜けてとっくにルーキー時代が終わっているのにこの醜態ですよ。正直、これがトラウマで自殺が趣味になったと言っても私は信じるね!元より初登場時から何度も敗北しているという情報はわかっていましたが。
ただこのおかげでルフィ達もなんとかなるんじゃないかという感じはします。今のルフィの強さは相当なものですし、ゾロ、キッド、ローといった頼れる実力者もいますからね。だからこそマムとの同盟が厄介なのですが!少なくとも今回を見る限り海賊としての格はマムの方がありそうだよね。
それにしてもあのババアが厄介すぎます。これでもかというほどマネマネの能力を活用してくるとは!どこでモモの助の顔に触ったんだと思いましたが、彼女の周到さなら他の顔をコピーして近づいて触れることもできるだろうしなぁ…。諸悪の根源というか一番手強いのは黒炭家のババアと琵琶法師でしょうよ。
ところで今回気になる点でカイドウがスパイの存在について示唆していました。そうなると考えられるのはおでんに近しい家臣一同です。個人的にあるとしたらカン十郎、雷ゾウ、お菊、傳ジロー辺りかなと思います。錦えもん、イヌアラシ、ネコマムシはこれまでの描写で百獣海賊団にははっきりと敵対した様子がありますし、彼らのせいでかなり酷い目にもありました。河松は日和を助けましたし、アシュラはいまだにカイドウに誘われている描写の為無いかなと思います。前回まではしのぶも怪しいと思っていましたが、あからさますぎる気もするんですよね。前回のだってまだオロチの城で機会をうかがっていたと考えれば説明つきますし。じゃあ誰だよと考えればわからないのですが…。順当にいけばまだ姿を見せていない傳ジロー辺りでしょうか。こんなことを書きながらしのぶの方もまだ疑っていますし。
とはいえ赤鞘九人男以外にも可能性がないわけではないのですがね。それこそまたババアが潜入していたら…。ただこの場合は現在別のスパイがいるはずですが。
ちょっと気になるのはアシュラ童子が刺された時の場面の腕。私は最初キングにやられたのだと思いましたが、どうみてもあれはキングの腕じゃないですよね。考えすぎかもしれませんが、あれが裏切り者の腕だとしたら…。
今回はかなりの激戦でしたが勝負としての見せ場はおでんとカイドウの場面くらいだったと思います。まあ総力戦でネームドキャラもそこまでではありませんでしたからね。ただキングとクイーンはシルエットながらかなり威圧感がありました。あそこはゾウでの圧倒的タフネスを誇ったジャック並みの怖さを感じます。
それにカイドウに割とがっかりしたと思いましたが、あの時点でそもそも一撃しか喰らっていないので続行したらやられていた可能性は否定できないんですよね。まあおでんが勝っている可能性もあるでしょうが。しかし今回の描写を見る限り、モリアが攻めて来た時点でヒョウ五郎と組んでカイドウに攻め入れば勝っていた可能性はありそうですよね。だからこそ彼の成長が良くも悪くもという形になるのですが。
そしていよいよ次回はおでんの釜茹でになるかな。おそらく回想ももうそう長くはないので彼の雄姿を目に焼き付けたいところです。
おでん最後の矜持に期待しつつまた次回!信じられるか、次回は休載なんだぜ?