ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第954話「龍に翼を得たる如し」それぞれの海賊同盟

 954話の感想です。

 表紙連載は「世界会議騒ぎで“赤い土の大陸”を超えられない!!」です。ベッジはそもそもどうやってレッドラインを越えようとしているのかが気になるところですね。素直に航路引き返したりしたほうが安全ではあると思うの。

第953話「一度狐」牛と河童の遺志継ぐ狐 - ワンピース航海記録

 

 前回、河松が日和と別れてしまった後の動向が判明。多くの武器を鈴後の墓場の地下に隠しており、彼が不在の間も組んでいた狐のオニ丸のおかげで数千も集まっていました。決戦の準備が整っていきますが…

名刀の行く末

 さあ、ついに鬼ヶ島への討ち入り決行まであと一週間。河松たちのおかげで大量の武器を得ることができました。

 そんな中、河松は日和がおでんの形見である刀をゾロに譲ろうとするのを止めますが、当の本人は気にせずに刀の説明を続けます。そもそもおでんは二刀流の剣士であったので、刀は日和の持つ「閻魔」とモモの助の方に残した「天羽々斬(あめのはばきり)」の二本使っていました。どちらもワノ国の名高き名工が打った見事な刀なようです。

 

 しかし秋水はそれにも勝るとも劣らない刀で、ワノ国にとっては神器と呼ばれるほどのもの。おでんの刀より遥かに希少かつ特別な刀なのです。

 日和の説得にゾロは代わりがあるならと納得。リューマへの墓参りと合わせて秋水を返却することを決めました。うーん、かなりあっさりだわ。

同盟の状況

 一方、花の都では相も変わらず羅刹町の侍たちは解放されません。しかしその裏では一人の男が解放されていました。なんとローがホーキンスの体をバラバラにしており、彼に刀を向けていました。以前ホーキンスがローにルフィとの同盟について聞いていましたが、今度はローが逆にキッド、アプー、ホーキンスの同盟について聞き出しています。いきなり前とは状況が逆転してるわ!

 

 なんでもホーキンスの話では、アプーはもともとカイドウの傘下に入っていたというのです。カイドウが空から降ってきたあの時、強力な部下を欲しがる彼は自分の傘下に下れば歓迎すると言ってきたのです。四皇に加え、アプーも敵であるその現状ではホーキンスたちの死亡確率は0%。そんな占い結果が出ればホーキンスならば従ってしまうでしょう。

 しかしハングリー精神がっつりなキッドとその相棒キラーは違います。いくら相手が強大でも動かなくなるまで戦い続けたようです。カイドウもカイドウでそれほどの存在は命を取らずに心を折って服従させようとしてきます。結果、キッドは捕まり彼の仲間は人質となった船長のためにあれやこれやと百獣海賊団やオロチの命令に従うことになってしまったのです。本当に報われねえなキッドたち…。

 

 カイドウの化け物ぶりを目の当たりにしたホーキンスはローにルフィとの同盟について皮肉のような形で問いますが、ローは顔色一つ変えず刀で斬った音だけが牢に響き渡ります。

「…おれを逃がす事がお前の陰謀なら―――乗ってやるよ」

 牢を出たところでシルエットの人物を背に話すロー。どうも彼を助けた何者かがいるようですが…誰だ?

討ち入り作戦会議

 一方、兎丼ではヒョウ五郎の指導の下でルフィの再特訓。分厚い鋼鉄の塊をカイドウの皮膚に見立てて殴りまくります。だいぶ覇気を使いこなせるようになってきたのか鋼鉄をまるでこんにゃくのようにパンチで打ち抜いていきます。カイドウへの敗北をバネにどこまで覇気を高められるのかが見ものです。

 お次は九里の網笠村。錦えもんは各方面で準備中のメンバーに康イエの書き足したマークについて話します。元々は下に描かれていたハブですが康イエはそこに濁点のようなものを書き足しています。これによりハブではなくトカゲとなり、動物のような名の港であるワノ国ではこれで兎丼にある常影港(とかげみなと)が指されることになりました。幸い兎丼はルフィ達が占領しています。どうも康イエはここまで見越していた可能性があるのだとか…すごいを通り越して無理ないかなこれは。

 

 最後の最後まで赤鞘九人男を信じた恩人の援護射撃のおかげで討ち入りの成功率が高まった今、これに報いることこそ侍の恩義。まだ理想戦力5000人には及びませんが着々と同志が集まり、さらに武器の仕入れも完璧。船もウソップとフランキーにミンク族なども加わって速攻で修復中。カイドウの屋敷の設計図も手に入り、鬼ヶ島へ向かうための集合港の土地も占拠しています。また傳ジローの情報こそないものの家臣である赤鞘九人男のうち7人も揃い、ネコマムシの旦那も決戦までには来るでしょう。

「ああ始めよう!!作戦会議!!」

 麦わらの一味やおでんの家臣などのメインメンバーが集まったところでついに始まる作戦会議。この上々の仕上がりに期待も高まります。

殺し合って地固まる

 さて場面は変わり、いきなり始まるのはワノ国の入国方法。ワノ国は鯉を使って強引に滝登りするほかに、滝を割って洞窟を通過し白舞の地下深くにある潜港(もぐらみなと)から入国が可能となっています。

 そこを通ってきたのはなんとスクラッチメン・アプー。彼らは年に一度の宴のために帰ってきたようでカイドウに連絡していました。

「仲間外れはゴメンだぜ!!」

 意気揚々と進むアプーですが、彼を陰から見る子供たちがいました。いや正確には彼の後ろにいる存在です。そこに見えるのは巨人にも劣らないような巨大なシルエット!鬼のような角を持つ彼らは「ナンバーズ」という百獣海賊団の一員なようですが…これ鬼の化け物のようにしか見えないよ!

 

 火祭り近くで笑っているカイドウですが、同時に隣にいたマムも楽しそうに高笑い。先ほどまで殺し合いをしていたのにえらい変わりようです。するとここで彼から部下たちへ報告が。

「我々「百獣海賊団」と!!!」

「「ビッグ・マム海賊団」はァ!!!」

「「海賊同盟」を結ぶ事にしたぞォ!!!」

 まさかの化け物が手を組む恐怖の同盟が誕生!殺し合い続きは世界が滅びた後でも良いよね!なんて気持ちの良い笑顔の二人で今回は締め!

ぶつかった結果がこれだよ!

 もはや開いた口も塞がらない絶望を感じた今回の話。

 物語自体様々なことがあったのですが、やはり読者が一番衝撃を感じたのはラストのカイドウとビッグマムによる同盟宣言でしょう。ルフィよりもはるかに強大な最強の海賊二人が手を組むなどいったい誰が思っただろうか。いや、実際大方の読者はカイドウとビッグマムが対面したところで予想はしていたでしょう。考察が当たったなんて言えるような予想外の内容でもありません。

 にもかかわらず、実際に本誌でやられると予想など無意味とも思える衝撃と絶望が同時に襲い掛かってくるのです。これまでのカイドウとビッグマムの化け物っぷりを存分に見せつけられていたからこそ、予想していたのにもかかわらずこれほどまでの衝撃が来るというものです。そしてそんな中でも「なんすか」なんて軽く言うクイーン様が好きですわ。

 

 さらにナンバーズなる新たな百獣海賊団の戦力も登場。今回はシルエットだけですが、どう見ても巨大な鬼による百鬼夜行にしか見えません。鬼なんているのかと思いましたが、そもそも角が生えている人がたまにいるのがワンピースの世界なのでそういう人種なのかもしれません。

 あの雰囲気やクイーン様の言い方からして荒々しい実力者といったところでしょうか。もしかしたら覚醒したゾオン系のようにまともな自我が無いような存在かも。ナンバーズという名前なのでおそらくジャックより下のトランプの番号1から10の名前があるような存在だと思われます。階級はどのくらいなのでしょうかね?個人的には真打ちよりも上で彼らの中でまだ統率力のあるのが飛六砲になったのではないかと思います。ドレークとかⅩ(ディエス)で10の番号とかありそうだ。

 

 他の方ではゾロがあっさりと秋水を返すことを了承。私としては残念ですが、考えてみれば彼は割と刀は間に合わせでも気にしないような人物だったからある意味この反応は正しいのかもしれません。

 閻魔の件もおでんが二刀流だったので形見がまだもう一本あるので、全部なくなるということは少なくともありません。これはもう一本を使ってモモの助がオロチを討つのでしょうかね。元ネタであろう天叢雲剣ヤマタノオロチに関係ありますし。

 刀といえば中盤の作戦会議の場に刀鍛冶職人の飛徹がいましたね。やはり彼は赤鞘九人男ではなかったか…。そうなると閻魔を打った名工とかの方なのかな?

 

 さらにローがあっさり脱出。そこでホーキンスたちの海賊同盟について聞いていました。アプーは元より傘下の海賊だったということは彼もドレーク同様に飛六砲の可能性ありかな。キッド海賊団がどうしてオロチに従っていたかもわかりましたし、あっさりでしたが知りたいような情報を得られた気がします。

 ところでローを逃がした人物って誰なんでしょうか。キッドあたりが濃厚かなと思いましたが、陰謀という言い方だとカイドウの部下でホーキンスと行動していたドレークあたりも怪しいですね。ドレークだったらこの場にいる超新星全員で四皇に立ち向かうのもあるかもしれません。私はドレークなどは最後まで敵でいてほしいとも思っていましたが、マム達やナンバーズが登場した今なら新たな世代全員で強大な過去の世代に立ち向かうという構図も面白いと思いましたね。

 

 それにしても中盤で討ち入りの準備が着々と進み、至らない点があっても理想戦力を得て上手くいきそうな雰囲気を出しつつカイドウ達はナンバーズとビッグマム海賊団という強力な戦力補強…この一瞬にしてこれまでの希望が絶望に変わる瞬間よ。

 これ誰がどう戦うのでしょうか?一般人からすればギフターズや真打ちだって十二分に強いですし、ナンバーズの実力は不明ですし、ワノ国に出向いているビッグマム海賊団も将星のスムージーやペロスペロー、コンポート、ダイフクといった年長組に他の粒ぞろいの子供たちもいます。これはルフィ達にもジンベエや傘下の海賊たちに出てきてもらわないと…。

  なによりも一番の問題はカイドウとマムの二人をルフィがどう倒すのかということ。タイマンならカイドウなどといわれますが、現状ではこの二人は同格と見ても問題ない気がします。いちおうゾロが閻魔でカイドウを相手するのかもしれませんが、ゾロにはキングや狂四郎のような剣士と戦ってほしいものです。個人的にはルフィは因縁深いマムと戦って、カイドウはキッドあたりが食い下がってくれないだろうか。

 しかし尾田先生、本当に白ひげと海軍の戦争以上の状況を作りやがりました。おそらくこの規模こそ麦わら大船団が起こす一大事件でしょう。むしろその後に動き出しそうな他の四皇や世界政府も気になるが…。

 たしかに私はカイドウ以外の脅威が欲しいと言いましたが、尾田先生は本当に加減というものを知らないな。…ちくしょう、めちゃめちゃ面白いじゃないか!!

 ワノ国編の期待が最高潮に高まったところでまた次回!ここで来週は休載とか生殺しにされている気分だよォ!!

第955話「閻魔」 刀のお話 - ワンピース航海記録