926話の感想です。
扉絵リクエストは「博学なツルとカメと一緒に医学の勉強会をしているローとチョッパー」です。勉強会ではあるんですけど、ツルの表情が本当に頭よさそうでチョッパー達に教えているように見えます。
モリアと黒ひげの小競り合い、世界会議中に革命軍と大将の衝突など大きく世界が揺れ動く中、ワノ国では第二幕がスタート。百獣海賊団の大看板もその姿を見せる中、ルフィ達は・・・
逆さ三日月の呼び出し
ワノ国、花の都では多くの話題が挙がっています。北の墓場で幽霊が出現、人斬り鎌ぞうによる人斬り騒動、丑三つ小僧の大金盗んで貧しいものに配るネズミ小僧的な偽善行為と多くの事件で話題に底をつきません。
話題でにぎわう中、ある侍の懐に一枚の紙が入っていました。そこには反乱を意味する逆さ三日月が記されています。
言うまでもなく、これを入れたのは変装したウソップ。さらにハートの海賊団も各地に散らばり、様々な人物に同じ紙をひっそりと紛れ込ませるように渡します。
(本当に帰ってきたのか・・・!?「光月家」が・・・!!!)
侍だけでなく、行商人、大工、一般の町民にも行き渡っています。少なくとも、戦力集めはとどこおりなくやれていますね。
血気盛んな若者は参加する気満々。もう若くなく参加を断念するご老人は、武器が無いのを心配しますが、若者の方は素手でも行く気満々なようです。いや、そこは心配しようよ。
そしてウソップはガマの油を見世物に、今日もせっせと集客中。
「ゆっくりと聞いといで~~~~!!」
反乱の準備を着々と
一方、座敷では二人の男が談義中。内容は武器の取り引きとかなり物騒です。「お主も悪よのォ」というテンプレをやりたい人に、面食らったような返しをするじいさんがいい味を出しています。
そんな二人のやりとりを天井から覗いていたのは、ナミ(新米くノ一、おナミ)としのぶのくノ一組。ナミが望遠鏡で二人の会話を口の動きだけで読み取ろうとしています。読唇術ってやつですね。ちなみにしのぶは老眼なので出来ないそうです。忍者も老いには勝てないか。
しかしここで感づいた悪人面の二人。曲者には制裁を、ということで薙刀で天井を一刺しします。間一髪で避ける二人ですが・・・
「ギィヤアアアアア~~~~~!!!」
声は極力出さないナミに対して、とてつもなくデカい声で叫ぶしのぶ。彼女の声で天井を連続で突き刺されるわ、ナミが猫のマネでやり過ごそうとしても上手くいかないわでてんやわんやです。
仕方ないので、しのぶは忍法“大凧”を使い、ナミと共に脱出!なんとか気づかれずに済み、ナミのおかげで武器取引の「港の名前」と「出航日」まで判明しました。先ほど、武器が無い若者の件がありましたが、これを奪うなどすれば問題は解決しそうです。
ちなみにしのぶが騒いだ理由ですが、彼女は「先端恐怖症」なようです。
「戦い全般不向き!!」
「でも熟女ってもはや兵器よね」
彼女って熟女を誇りにしているよね・・・いやもうちょっと頑張ってくれよ!
さてナミ達が空を移動しているのと、なにやらものすごい行列が見えます。見れば、行列の多くが女性。ナミとしてはすぐに察しがつきます。
「さー食べてってねお姉さん方。甘い口どけ確かなアルデンテ!!「十八番そば」だよ!!」
屋台そば屋となったサンジ改めサン五郎による二八そばです。サン五郎と二八そばの数を足して十八番そばだとか。面白いネーミングです。
しかし客は女性ばかりで、侍が集まっていませんん。うーん、お前ももっと頑張ってくれよ!するとそこに怪しい人影が・・・。
ルール厳守の囚人採掘場
場面は変わって、ワノ国「兎丼」です。囚人採掘場と武器工場を兼ねるこの場所は、多くの囚人たちが奴隷のように働かされています。しかも自分の何倍もある大岩を5個運んでやっときびダンゴひとつ貰えるだけという食糧事情。
涙する小さな老人は、看守に殴られてしまいます。ヒョウじいと呼ばれる老人は周りの反応からするに、ここは長いようです。
働けど働けどなお我が暮らし楽にならざりじっと手を見ると石川啄木を思い出す状況です。悲しいなぁ・・・
「どけどけどけどけ!!」
「邪魔だ てめェらひき殺すぞ!!!」
なんて思った矢先、めちゃめちゃ元気に大岩を運ぶのはルフィとキッド。瞬く間に船一杯に大岩を詰め、二人とも500個以上は運んでいるとこと。もちろん海楼石の手錠は付けていますが、それを感じさせない労働力です。
そして戻った牢屋では労働の対価として引き換えてもらった大量のきびダンゴをかっ込んでいます。働いて食って寝て(さらには運んだ数で喧嘩して)、すっかり元気になっていました。健康か!!
そんな中、現れたのは副看守長のドボン。真打ちでカバのSMILEなのですが、カバの口の中に体、足がカバのあごにあるため、気まぐれにカバが口を閉じると話が途中で遮られます。カバの顔のサイズに驚き、構造上ホールデム以上に不便なやつです。
彼が怒っている理由は倉庫の食料が食いつくされたからです。もちろん犯人はルフィとキッド。
まるまると膨れていた二人ですが、ドボンの説教を聞いている間に食ったダンゴがドンドン消化され元の体型に戻ってきます。今更だが、こいつらも人間やめているよね。
ここで囚人採掘場のルールが明かされます。内容はとても単純で、看守に逆らったりすれば、1回目で両腕切断、2回目で両足切断、3回目で死刑だそうです。理不尽!
あくまで自分たちは弱者の立場であり、ルール通りに食料を得ただけだと主張しますが、ドボンからすれば自分の飯が奪われたので怒り心頭です。そしてしつけという名目でカバで二人を丸のみにします。部下曰く、この口の中はドボンの「惨殺部屋」とのことで、二人は見るも無残な姿に・・・
なっているわけもなく、それどころかいきなり倒れたカバの口からごく自然に出てきました。一方、ドボンの方はボコボコにされていました。これは状況的に二人がドボンを倒したことには間違いないのですが・・・
「証拠は?」
死刑確定だと言うドボンの部下に対し、しらばっくれるルフィと証拠の提示を求めるキッド。口の中で怒ったことなので少なくとも目撃者はいません。
まったく臆さない態度の二人を「囚人の星」と称えつつ、今回は締め!
ルフィと同格に上がった男
メインキャラがイキイキとしていた印象が強かった今回の話。
ルフィやキッドはカイドウに敗北したものの、まったく屈する様子はなく、それどころかしっかり働いて飯を食ってぐっすり眠るという健康生活で見る見るうちに回復していました。これを海楼石の手錠をかけられている状態でやるんだから凄いよ。キッドなんて片腕ないのにルフィ同様に大岩運んでいたし。
今回、すっかりルフィとキッドが同格かつコンビで描かれている印象でした。カイドウとの勝負では、この二人で戦うのかもしれませんね。二年前の時のように、ローも並ぶのかなと思いましたが、あいつはもう実力的にキツそうだな。
またルフィの方はさらりとヒョウじいを助けているなど、相変わらずの主人公特性。困っている人や理不尽にやられている弱者を放っておけないのでしょうね。これは海賊として、ローも困惑するわ。
一方、着々と反乱の為の準備を進める他のメンバー。あとから来たナミやサンジも大活躍です。
ナミの方はその身のこなしと観察力で、武器の取り引き場を把握。老体のしのぶでは大変なことも彼女がサポートします。むしろしのぶの方が足を引っ張っているようにも見えます。
サンジの方は自身の御手製そばで人集め。現状は女性しかいませんが、その味はとんでもない行列を作るほどで、彼女たちの伝手でもっと人を集められそうなものです。ただし彼のもとには、謎の人影も迫っていました。セリフからすれば敵と見ていいでしょう。相手にもよりますが、サンジも戦闘する可能性があるかな?
ところで今回、私は二人の表情がめちゃめちゃ好きでした。ナミのしのぶの口を押えたりする時とか、サンジのそば切っているところとか、すごくイキイキしていた印象です。
そしてワノ国に来てから4人目の真打ちが出ましたが、またもや瞬殺される始末です。お前ら、いい加減にしろよ!
だいたいいくら強くても、海楼石で弱くなっているルフィやキッドに瞬殺されるのは情けすぎます。これならホールデムの方が善戦していたよ!さらにはキレた理由も自分の飯が足りなくなったという情けないもの。囚人の飯はきびダンゴだけなようですし、なぜ自分たちの飯と一緒にしているのかにも疑問です。あいつら、いろいろ雑すぎる!
ホールデム、ドボンは瞬殺、スピードは裏切って粛清とSMILEの真打ちで使えた奴が出たためしがありません。シープスヘッドもあれだったし、マジで超新星くらいしか使えるやつはいないんじゃないかと疑ってしまいます。
これはあと幹部の災害とカイドウくらい・・・いや、いちおうオロチの軍勢もいますか。
また人斬り鎌ぞうや丑三つ小僧など、新キャラらしき人物の名前が出ていました。正直、現状のワノ国に不満を持つ者がいるというアピール程度でドレスローザでのメンバー程の活躍は無いように思いますが、もしかしたら錦えもん達同様におでんに仕えた赤ざやのメンバーもいるかもしれないので、ここは様子見ですね。
そういえば、反乱者ではないですが、囚人の中にカリブーがいましたね。扉絵でドレークにやられて捕まっていましたが、まだやられずに生きているところはなかなか根性があります。さすがは今年の超新星の生き残り。彼の活躍も期待できそうですね。
そして今回は遅れて本当に申し訳ありませんでした。まだリアルが忙しく、今日発売の91巻のレビューも遅れそうですので、興味ある方は気長に待っていただけるとありがたいです。
ルフィ同様の忙しさに若干げんなりしながらも、また次回!