870話の感想です。
表紙連載は「まず港一番の悪をシメまして」。バルトロメオの手慣れた感がいいですなあ。
背表紙は「ロビン退場」。サンジとチョッパーに別れを言う場面ですね。休載だった先週は「フランキー登場」。カタクナはここら辺のアニメが大好きです。
籠城戦を強いられることになるも、ビッグ・マムが起きて大ピンチの連合軍。次なる一手は・・・
ストーリー
全体的に見どころが多い今回の話。でもやっぱり去年から続いたサンジとヴィンスモークの関係かな・・・。
頭目(ファーザー)の意地
怒りをあらわにベッジを呼ぶマム。シフォンがマムに頼みます許してくれるように頼みますが・・・
「てめェも暗殺の共犯かァ!!!」
逆にマムをより怒らせてしまいます。うん、知ってた。そもそもローラ似ってだけでひどい目にあってきた彼女が、身内にも容赦ないマムを止められるわけありません。
マムは強力な攻撃で城になったベッジにダメージを与えていきます。ルフィは外に出て加勢しようとしますが、ナミ達がそれを阻止。連合軍とはいえ、目的は別。少なくともルフィ達は目的を果たしたので、これ以上戦っても被害が増えるだけです。
ベッジとしても計画立てた自分達が失敗して、ルフィ達は成功というのは納得いかないもの。まさか道連れとかやる気かと、ブルックとシーザーが焦りますが・・・
「おれのかわいい部下達も…!! 愛する妻も子もいる!!!死なせるわけにゃいかねェんだよ!!!」
ベッジ~!(泣)なかなかの漢っぷりを見せてくれます!!
生みの親より育ての親
この死地を脱出するために、ベッジは連合軍を体に入れた状態で、シーザーが抱え飛んでいくことを提案。しかし相手は待ち伏せ状態。四皇の海賊団だけあり、武装色の覇気を使える者も多いため、シーザーでもやられかねません。
一方でサンジとジャッジが話してます。どうやらジャッジは自分が助けられたことに疑問を抱いているようですね。するとサンジは
「父親が悲しむ・・・」
生みの親こそジャッジですが、彼に料理や足技、そしてなによりも愛情を注いでくれたのは、バラティエオーナーのゼフ。育ての親に対して胸を張った生き方として、サンジは血を分けた家族を助けたのです。
「13年前ジェルマから逃げ出したヴィン・スモーク・サンジは海で一度死んだんだ」
「お前はおれの父親じゃねェっ!!!ヴィンスモーク・ジャッジ!!!」
その上でヴィンスモーク・サンジでなく、海賊サンジとしてジャッジに自分の父親でないことを認めさせます。
ジェルマの覚悟
サンジと東の空には近づかないことを約束したジャッジ。するとなぜかベッジに扉を開けることを指示。なんと空へ逃げるのをジェルマが援護すると言います。
科学力により空も飛べますが、相手はビッグ・マム海賊団の軍勢。対して護衛のヴィンスモーク家は5人。ルフィも行くと言いますが、サンジが止めます。
「“出来損ない”に……!!借りなど作らない!!」
「あいつらなりのケジメだ」
大頭目(ビッグ・ファーザー)を解除したベッジを抱え、逃げるシーザー。大量の銃弾が飛んできますが、ジェルマがマントを使って防ぎます。うーん、頑丈!
今度はマムが天上の炎(ヘブンリーファイアー)でレイジュを攻撃。そのまま今度は雷雲ゼウスでレイジュを追撃しようとしますが、ルフィとサンジがそれをガード!
「お前出るなって言ったくせに!!」
「おう!出るなよ おれァいいんだ!!」
ルフィとサンジまで出てしまった、ビッグ・マム戦!無事逃げきれるか?
登場キャラ
・サンジ
遂にヴィンスモーク家との決別を果たしました。生みの親への憎しみよりも、今の自分を育ててくれたゼフに恥ずかしくない生き方を選んだような印象です。和解とは違いますが、違った形でわだかまりを解消した感じですね。
ただある意味、ジャッジの意見も取り入れた形なんですよね。13年前の別れ際にジャッジに自分の息子だということを口外するなと言われてたし、幽閉時には葬式まで開かれてたし。
またちゃんとジャッジの気持ちを汲んで、ルフィを止めるのもいいですね。こういう気持ちを察せるのは、彼ならではの魅力です。
ラストはルフィと共に飛び出し、「悪魔風脚(ディアブルジャンブ)牛すね肉(クロッス)ストライク」でレイジュを助けます。この時の彼はヴィンスモーク家としてでなく、黒足のサンジとして、姉を守ったと言えるでしょう。
そういえばこの場面、サンジが女であるマムを蹴ったとかで物議をかもしましたね。実際蹴ったのはゼウスなので、問題ないですが、そうなるとペロスペローやカタクリとかと戦うのかな?
・ジャッジ
サンジの説得により、こちらも決別を果たします。これまで自分の息子ヴィンスモーク・サンジとして一応は扱ってきましたが、今回でそれも終わったと言っていいでしょう。
考えてみれば彼がサンジを欲した理由は、ビッグ・マム海賊団との政略結婚なので、マムに裏切られた以上、サンジを息子として扱う必要もないのですが。
そして自分たちが護衛につくことを進言します。シーザーのセリフでもありますが、彼はプライドが高いところがあります。
それゆえこれまで失敗作として見てきたサンジに助けられたのは、許せないものだったのでしょう。だからこそ、今回の一件の清算にジェルマのボスとして赴いたのだと思います。
・ヴィンスモーク家
サンジの姉弟達はジャッジと共に、ベッジの護衛につきます。先週でもわかっていましたが、やはりレイドスーツを着るとその能力は格段と違います。この力はマムも欲しがるわ。
イチジ達は性格というか感情的に、サンジとの和解の類は無理ですが、実力を認めるくらいの場面は欲しいですね。
それにしても今回もレイジュ姉さんがかわいいな。写ってるコマ少ないのに。
・ルフィ
全体的にみんなのことを心配してます。特にベッジとヴィンスモーク家のために自分も体を張ろうとします。ただやっぱり今回は相手が悪いので、周りに止められることがしばしば。
そしてラストはサンジと共に「ゴムゴムの象銃(エレファントガン)」でレイジュの援護をします。レイジュは命の恩人だから、ほっとくわけにもいかないよなあ。
・ベッジ
今回の影の主役。カタクナは経歴や暗殺動機から、あまり好きなキャラじゃないですが、今回の家族と部下を守る発言はカッコよかったですね。
シフォンや部下の反応を見る限り、彼がどれくらい慕われていたのかもよくわかります。前に部下の手をフォークで刺してた?知らんな!
今回大頭目(ビッグ・ファーザー)の防御力がセリフで触れられてましたね。大砲でもビクともしないぐらいじゃ、新世界の化け物は止められんよ・・・。
・シーザー
今回も今回で損な役回りをしている人物です。やってることはクズいのに、こんなにも愛着がわくものか。
またジャッジのことを昔から知っているようなセリフを言います。ジャッジは元科学者で世界政府の手を逃れたので、科学者時代の付き合いなのでしょう。もしジャッジが死んだとかなると、サンジにジャッジのことを語る役目になるかも・・・?
・ビッグ・マム
いよいよ本気でルフィ達を仕留めに掛かってきた印象を受けました。持ち前の腕力と、プロメテウス、ゼウスを使って、ガンガン攻めてきます。その迫力は、さながら大怪獣とも言えるレベルでしたね。
感想(個人的名シーン&名セリフ)
サンジ、ベッジ、ジャッジ、この3人のカッコよさがとにかく光った話です。ジャッジについては賛否両論だと思いますが。
奇しくもこの3人が「家族」という観点からカッコよさを見せてくれたのが良かったですね。
特にサンジは私が好きなキャラなので、ひいき目に見てしまうのですが、去年のヴィンスモーク家の謎から今回の訣別までのことを思うと、ゼフへの恩義などを感じて、グッとくるものがありました。
それにしても最後のルフィとサンジが出てきたのは燃えますね。やっぱり逃げるにしても戦闘は入れてくれないと!
・ビッグ・マム「明日のおやつが食えると思うな!!」
シフォンを見た時のマムのセリフです。セリフ回しが面白いです。やっぱり、おやつなのね(笑)
・ベッジ「おれのかわいい部下達も…!! 愛する妻も子もいる!!!死なせるわけにゃいかねェんだよ!!!」
ブルック達が道連れを心配した際のベッジの返しです。あくまでも自分が大切な人を守るのがカッコいいです。闇の世界にいると、こういう信頼みたいなのが大事なのかも。
・サンジ「お前はおれの父親じゃねェっ!!!ヴィンスモーク・ジャッジ!!!」
ジャッジの胸ぐら掴んで、訣別するときの場面です。父親が悲しむというセリフから、ヴィンスモークの過去とゼフとの別れの回想が入る演出がたまりません。
その後ちゃんとこれ以上自分たちに関わるなというのもまたグッド!
・ジャッジ「“出来損ない”に……!!借りなど作らない!!」
ジャッジが護衛のために、扉に向かう際のセリフです。彼がサンジにやったことは、人として許せないことではありますが、だからこそ今回のようなカッコいいセリフに感じたと思います。
・イチジ「弱い奴が悪い!!任務を全うせよ!!!」
レイジュ「かわいくない弟っ!!」
マムの攻撃に吹っ飛ばされたレイジュとイチジのやりとりです。イチジのセリフは私情を挟まずに、任務を遂行するプロフェッショナル感があっていいですね。だからこそ実力という形でサンジを認めてほしい。
そしてレイジュ姉さんがかわいい!このセリフに怒りマークがあるのがいいんです。