51話の感想です。
表紙連載は「謎の女海賊登場」。アルビダがバギーを助けます。見た目は大きく違いますが、特徴的な帽子は変わってないのでわかる人はすぐ気づきそうです。
いきなり現れてガレオン船を斬り割いた最強の剣士ミホーク。その強さを目の当たりにしたゾロは自分の野望のため、そして亡き友人のためにミホークに戦いを挑みますが・・・。
ストーリー
今回はゾロとミホークの勝負がガッツリ描かれてます。ミホークの強さとゾロの漢気をご覧あれ!(お前が言うな)
全力は出さん!
壊れたガレオン船を足場に向かい合うゾロとミホーク。ゾロが手拭いを頭に巻き、刀3本を構えるのに対し、ミホークは胸にかけていた小刀を取り出します。
「おれはうさぎを狩るのに全力を出すバカなケモノとは違う」
言うまでもなく完全にゾロを舐めています。当時読んでいて、本当に舐めすぎだろと思いましたね。
もちろんこれにはゾロも怒り心頭!3本の刀を交差させ斬りつける「鬼斬り」をしますが・・・。
ゾロVSミホーク
なんと小刀一本で、3本の刀が交差する一点を押さえつけるミホーク!
この技は見極められたこともないのに、刀ですらないものに防がれることに衝撃を感じたゾロは、とにかく連撃! しかしそれすらも完全に防がれます。
もうこの時点で勝負は決まっているような状況で、これまでの強いゾロを完全に打ち砕くような演出に読者も驚きです。
「強さの果てに何を望む 弱き者よ・・・」
ミホークの言葉にブチ切れたヨサクとジョニーは、助太刀に向かおうとしますが、ルフィが2人を強引に押さえつけます。まあルフィもこうでもしないと我慢できずに、ミホークをなりそうな気迫ですが・・・。
強き者の覚悟
今度は「虎狩り」を決めようとするも、胸に一突き。周りの奴らがおもちゃと呼ぶ小刀とはいえ、ミホークに掛かれば致命傷を与える武器へと変貌します。
しかしゾロは一歩も引かず。ここで下がればこれまでの大事なものを全て失うと感じたようです。ミホークから言えば、それこそが敗北とのこと。
「死んだ方がマシだ」
なんと死ぬ事以上に敗北を拒みます。ちょっと無茶しすぎですが、これこそゾロの心力です!ミホークもその心力に驚き、ゾロの名を聞き、「強き者」と呼びました。
ゾロは刀を構え、ミホークも自身最強の武器である黒刀を構えます。奥義「三千世界」を放つも、手に持ってた刀を砕き割られ、完全に技を破られます。この短時間でゾロの技3つも破られるとは・・・。
敗北したことを認めたゾロは、後ろで構えるミホークに対して正面から大の字で立つ形に。
「背中の傷は剣士の恥だ」
両者とも笑い、ゾロはミホークの強力な一太刀を・・・!
登場キャラ
・ゾロ
今回のメインキャラ。これまでは最初に敵にアドバンテージを与えるも結果的に圧倒するというような勝ち方をしてきたため、彼の圧倒的な強さがよくわかりました。しかし今回は当初から全力を出すも、相手に舐めプまでされ完全敗北するという、逆に圧倒的な力の差を見せつけられます。
しかしそんな中でも野望を目指す胆力と、剣士としての意地を最後まで発揮する漢らしいカッコよさを見せてくれます。
気になったのですが、結構うぬぼれが強い印象も受けました。特に奥義を破られた後に敗けると思わなかったと考えるセリフなんて、よほどの自信家でもない限りでないと思いますね。まさに「井の中の蛙大海を知らず」。読み返しているからこその感じ方な気がしますが。
ところで今回奥義「三千世界」を使用してます。完全に打ち破られますが、ゲームでは長く最強の必殺技として使われてました。しかも「君の好きな技」ランキングでも2位に君臨。この技成功させたのスリラーバーク編の終盤なのに・・・。
・ミホーク
世界最強の剣士の名に恥じぬ実力を、ゾロ相手に存分に見せつけます。これまで作中で登場した敵キャラとは、明らかにレベルが違うと当時の読者は思ったでしょう。さすがに小刀で三刀流をさばける人物なんていませんもの・・・。
しかし彼の凄いところは実力だけでなく、精神的な側面までしっかり見ているところ。ゾロの勝利への執念と心力を目の当たりにし、「強き者」として認めます。黒刀を抜いたのも、剣士として最大限の礼をつくした行動でしょう。
今回は終盤に黒刀を構えますが、これには「夜」という名前があります。刀の中でも最高峰の最上級大技物で、ミホーク愛用の刀です。2年後での回想で、ミホークは全ての刀は覇気によって黒刀になりえると言いますが、この刀は元々黒刀なようです。元はそんなことないのですが、どうもこの話の黒刀は細く見えます。なんか弱そう(笑)。
・ルフィ&ウソップ&ジョニー&ヨサク
ゾロの戦闘を見守ってました。各々の反応が特徴的で面白いです。ゾロの舎弟的なジョニーとヨサクは怒りに任せて助太刀しようとし、ルフィは2人を押さえながら自分も我慢しています。ウソップはそのルフィの気持ちに気づいたような印象でした。
・クリーク海賊団
こちらは2人の勝負に衝撃を受けていました。完全にミホークのやばさにビビってただけな気もしますが・・・。
感想
ゾロとミホークの勝負がメインだったこの話。やっぱりこれまで強いゾロという印象だったのが、完膚なきまでに叩きのめされるのは、子供ながらにショックだったのですが、それと同時にこれまでにはなかったゾロの魅力が全体を通して描かれていました。
この話ラストのゾロのセリフだけが注目されることが多いですが、ミホーク、ルフィのカッコよさと、これまでとは違う展開の戦闘描写が面白く描かれているおススメ話ですね。
・ルフィ「ちゃんとガマンしろ・・・!!!」
ルフィがヨサクとジョニーを押さえた時のセリフです。いつもは自分の思ったように行動をとる彼が、ゾロの戦いを邪魔しないために我慢するところは、彼らの信頼を見ている感じです。
ルフィの表情と汗、わなわなと震えている様子から必死さがよく伝わります。
・ミホーク「そう それが敗北だ」
ゾロに小刀を刺した際のセリフです。これまで多くの戦いを経験してきたであろう彼だからこそ、重みのあるセリフです。
最近だと似たようなセリフをクラッカーが、ルフィに言ってました。歴戦の戦士が新入りを圧倒的な強さで抑えた時の反応って、カッコいいパターン多いですよね。
・ゾロ「背中の傷は剣士の恥だ」
ミホーク「見事」
ラストにゾロが斬られる際のやりとりです。言わずと知れた名場面で、ワンピースファンの間でもよく取り上げられます。
ゾロの剣士として信念、ミホークと言う格上からの最高級の賛辞、この2つのセリフがあってこそ、光る名場面だと思います。
次回もゾロのカッコよさが満載です。今回の話の総括編といった感じでしょうか。