ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1088話「最後の授業」 若き海兵の奮戦

 1088話の感想です。

 今回はカラー扉絵。実写版にともなって、東の海編時の一味やキャラたちの集合絵です。やっぱり長期連載ならではの絵柄の変化を感じます。それでもゾロの刀のデザインやサンジの分け目など懐かしさを感じます。地味にナミは髪が長いですね。女優さんに引っ張られた印象のデザインです。

第1087話「軍艦バッグ」 師匠と弟子 - ワンピース航海記録

 ハチノスでは多くの海賊を相手に、ガープ筆頭で戦い続けます。しかし黒ひげ海賊団幹部のシリュウを皮切りに、クザンの追撃もあってガープはダウン。さらにアバロピサロが島を変化させた巨大な腕で軍艦を潰そうとして…。

英雄の教え

 冒頭は回想から。旧海軍本部でガープが海兵たちに教鞭を取っています。内容は猛獣だらけの島で老人と赤ん坊のどちらを助けるかというトロッコ問題的なもの。2人乗りのボートしかない状況ということで、コビーは自分が降りて2人を助けると答えますが、ガープはこれをハズレと切り捨てます。ならば正解は…

「老い先短いジジイは見捨ててよし!!」

 おいこら、英雄のジジイ!とツッコミを入れたくなるような内容でした。と言っても、ガープなりに理由はあります。海兵が救うべきは人の未来、ならば老人よりも未来があるであろう海兵と赤ん坊を取るべきだというのです。もっともこの後、他の先生に怒られましたが…。

 そして数週間前のアマゾン・リリー。800名の海兵と軍艦1隻を奪ったティーチはそのまま退却しようとします。セラフィムがあろうとも、相手は四皇。下手に手を出すことが戦争に繋がるので、目の前にいても救出できないのがもどかしいです。

 しかしコビーは自分一人を身代わりに彼らを解放することを提案。その後を思えば、ティーチがこれを承諾したのは明白です。

覚えた拳骨!繋ぐ連携!

 そして現在では、アバロピサロが軍艦を潰そうとしているところ。何発も砲撃しますが、島の土地規模の腕にはまるで破壊できません。

 このままでは多くの命が消えていくことは必須ですが、ガープはまったくうろたえません。

「お前らなら救える!!」

 コビー、ヘルメッポ、グルスへの信頼。自身が一瞬の隙を作った際に、コビーが腕を破壊し、その落石をグルスが防ぎ、ヘルメッポが彼らの邪魔をさせないというものでした。

 あまりにも唐突な作戦内容にうろたえますが、判断は常に一瞬であるのが世の常。ガープの激と共に3人は素早く動き出しました。

 向かってくる海賊たちからコビーとグルスは逃げていきます。背を向けている状況でも容赦なく砲弾を撃ってきますが、これを半泣きでヘルメッポがガード!刀で切っ先を逸らすほどではありませんが、身を挺して言いつけを守ろうとします。

 一方でガープも起き上がります。かなりふらついてる彼をクザンは敵ながらも抑えようとしますが、まだまだやれる伝説の英雄。不意を突いてクザンを殴りつけると、そのまま拳骨の勢い任せにピサロの顔があるドクロの岩へと向かっていきます。

 そのまま真正面から“拳骨唐竹割(ギャラクシーディバイド)”で、技名通り島化したピサロの顔を殴って割りました!そら拳骨が異名になるわ、この人!

 この一撃でピサロは怯み、わずかに腕が上がる形に!それでも相手はまだ腕を振り下ろす気ですが、そこでコビーが飛び上がります。

「期待に応えます!!!」

 ガープが思い出すのは、ヘルメッポとの会話。コビーは成長こそ早いものの、その身体に生傷が絶えず包帯だらけです。ただヘルメッポは知っていました。自分は才能が無いからと、ガープのきつい修行の後に更なる修行を重ねていました。何度も何度も拳を打ち込む軍艦バッグを…!

 このままでは皆がやられる。自分のせいで皆が死ぬなど、コビーにとっては死んでも避けるべきこと。ならば、何をするべきか。師を見習って己が積み重ねてきたものを発揮するしかありません。右の拳に覇気を纏い、打ち出すのは師匠譲りの拳骨!”実直拳骨(オネスティインパクト)”は、ピサロの右腕を打ち砕きました!

 さらに落ちてくる瓦礫に対して、グルスが蜘蛛の巣のように粘土を展開させる“粘土(グニョ)の巣”で受け止めます。加えて、落ちていくコビーはヘルメッポが空中でキャッチ。若者たちが見事に未来を勝ち取ったのです。

未来に任せよう

 軍艦に降りた3人を迎え、海軍は士気も最高潮!これで任務完了とガープから通信が入ります。急いで戻ってくるようにたしぎが伝えますが、彼はこのままハチノスから離脱することを指示します。自分は何とでもなる、今回の作戦は未来ある海兵たちを救うこと。

『お前達が海軍の“未来”じゃ!!!』

 通信が切れたガープは黒ひげ海賊団幹部と大量の海賊に囲まれており、胸には氷の刃が立って倒れていました。かつての弟子によって徐々に身体は凍っていくも、大口を開けて最後まで笑っていき…。

 そして翌日、世界で報道されたのは3件。コビーの生還、英雄ガープの消息不明、そして…四皇である麦わらのルフィのエッグヘッド立てこもり事件でした。

え、英雄!!

 ガープと未来ある海兵たちの奮戦がメインとなった今回の話。

 やはり全員度肝を抜かれたのは、コビーの一撃でしょう。ものすごい成長を叩きだし続けていた彼ですが、まさかこれほどとは…。ガープやクザンも行っていた軍艦バッグを彼もたゆまなく続けていたおかげで、その成果を見事に発揮しました。まさか拳骨を受け継ぐことになるとは…!技名もまたコビーらしいですね。これは大将になった時の掲げる正義は、実直な正義で決まりだな!

 また彼と一緒に連携していたグルスやヘルメッポも見事なものです。ヘルメッポとかずっと泣いてビビっているのに、ちゃんと行動に移すんですもの。お前、もうとっくに親父を超えているよ…。それにグルスもあれほどの瓦礫をまとめ上げるのは、かなり能力の練度が高いですね。あれほどの実力あるなら、褒めて欲しくもなるよね。

 そんな彼らを救い、代わりとなったのは英雄ガープ。ただ彼としては弟子たちの活躍を目に焼き付けて、同時にもっとも望んでいたコビーの救助ができたため、実質的には勝利と言えるのでしょう。彼としては、今回の3人を筆頭にあの船に乗っていた海兵たちが未来を作っていくと考えているのでしょう。

 ところでガープが死んだと言われていますが、あまりそんな印象ないんですよね。もちろん生死不明なので、死んでいる可能性もありますが、黒ひげ海賊団からすればティーチがコビーの代わりにさらに強力な交渉材料が手に入ったのですから、わざわざ殺すとは思えません。むしろコビーよりも政府に強力な影響を持つゴッドバレーの英雄を踏まえて、世界政府が海賊だらけの島に対してどういった反応をするかが気になりますね。

 だからこそ、クザンの意味深な表情が気になります。お前、本当にどういうつもりで幹部やっているのよ…。スモーカーに話していたことを思うと、完全に正義を捨てたわけじゃないと思うんだけどな…。

 そういえば今回の黒ひげ海賊団幹部でしたが、前回はかなり絶望を見せつけていたピサロは散々でしたね。あれを破壊できるほどの攻撃力を持つ者からすれば、大きいことは的になりやすいということなのでしょう。ピーカは直前に別の石に潜って回避とかしていましたが…もしかして操る箇所多すぎて、そういった回避が難しいのでしょうか?

 ところで個人的にこの展開は好きなんですが…尾田先生、かなりコビーを押している印象ですね。いや私の中でだとルフィのライバル的な海兵ってスモーカー辺りな印象だったので…彼にも活躍の場があると信じたいところです。まあ、このあたりは完全に好みの問題ですしね。

 さて本編もまたひとつ大きく動こうとしている中、ついに実写ドラマの方も公開日が決まりました。個人的にはバギーが怖すぎる印象が凄くてな…!本編同様に楽しみです。

 いよいよ次回あたりはエッグヘッドにもフォーカスが当たることも期待しながら、また次回!だが、来週は休載だ!

第1089話「立てこもり事件」 電話の先でまさかの状況 - ワンピース航海記録