1024話の感想です。
3つに繋がる大海賊百景の第2弾やジャンプの表紙と気になるところが多いですが、100巻コメントが特に印象的でしたね。最後までついていくからな、尾田先生!
第1023話「瓜二つ」 面影が見える - ワンピース航海記録
飛び六胞が倒れた今、鬼ヶ島での強者の戦いは激化するばかり。ライブフロアではゾロ&サンジVSキング&クイーンの一味の両翼対決、さらにイヌアラシVSジャック、ネコマムシVSペロスペロー、雷ぞうVS福ロクジュと各陣営の強者がぶつかり合います。その一方で、外ではジュクジュクの能力で巨大な龍へと変化したモモの助の姿が…。
燃え盛る城内
城内2階では、覇王色の覇気による気絶者が続出。どうやら同じ階でビッグマムVSキッド&ローというどでかい対戦の余波が来ているようですが、これを利用してウソップのハッタリで敵の戦意を削いでいきます。しかし「二胞狩りのウソ八」って…。
一方、ナミはフランキーと通信中。彼の話ではライブフロアに大量の敵が流れ込んで来ているようですが、そこはゾロとサンジが大看板を相手にしている場所。ハートの海賊団と一緒に敵が流れてこないように戦っていました。
そもそもライブフロアに敵が流れていたのは、オロチの城内につけた火がいよいよ本格的に広がってきたことが原因。ロビンを抱えたブルックはジンベエにも降りるように連絡をします。ただこの状況では上にいるあの男を止めるメンバーが…。
侍との出会い
いやカイドウを止めるのは彼らだけではありません。ヤマトが人獣型の状態で“鳴鏑”を撃ち込みます。しかしカイドウは金棒の一振りではじくと、お返しとばかりに強烈な衝撃波“金剛鏑”で攻撃します。これにはヤマトも受けきれずに弾き飛ばされてしまう結果に…。やはり技は親父の真似ですね。
その威力に相変わらず、殺しにかかってきていることを実感するヤマト。カイドウからすれば「おでん」と名乗るのならば、親子喧嘩ではなく「戦争」を覚悟するくらいになるとのこと。だがヤマトは納得できません。おでんへの憧れがなぜそこまで否定されなければならないのか…。
幼少期の頃から、自分は「おでん」だと言って暴れ続ける日々。ある日、カイドウに鎖に繋がれたままの状態で多くの船員が気を失いました。どうやら彼女は覇王色の覇気を持つようです。
将来の有望性に感心しつつも、自分の記憶に残る宿敵「おでん」を背負うつもりならと容赦しません。天岩戸のような場所に彼女を1か月閉じ込めるというのです。しかもそこに幽閉されていたのは彼女だけではなく、3人の侍もいました。どうやらカイドウに敗北して幽閉されたのだとか。
カイドウはここに1人分のみの食事と武器を置いていきました。そう、ヤマトからすれば周りはカイドウを心から憎む存在、いくら「おでん」になりたいと思っても彼女の実態は「カイドウの娘」なのです。彼女は死を覚悟しましたが…
「食べなさい 侍は腹など空かぬものだ」
なんと3人とも武器だけ取って、食事をヤマトに譲ってどっしりと座り込みます。ただでさえろくに食べていなかったヤマトは号泣しながら飯をかっ食らいます。その武士道に感謝しながら…。
託された意思
腹を空かせても侍になれるかと問うヤマトに、ひとりの侍が手に入れた武器で鎖を斬りながら、彼女が「おでん」を名乗っていることを諭します。彼らもかつておでんには会っているようですが、敗けた自分を笑うように名前は明かさず“某(なにがし)”とだけ名乗りました。
そんな彼らに心を開いたヤマトが見せたのは、おでんの航海日誌。当時の彼女では字が難しく4人で一緒に読みました。
そして10日後、さすがに幼いヤマトは限界が来たようで倒れ込みます。彼女はそれでも日誌に書かれていた20年後の戦いに参加することを決心していました。
「———それは心強い…では拙者達はおぬしをここで“死なせぬ”事で未来の戦に参戦いたそう」
そう言うと、3人の侍は武器を取って岩戸を破りました。もはや20年後の戦いには参加できない、元より屈服したままで終わるような精神は持っていない…彼らはヤマトに意思を託すことでその戦いに繋ぐことにしたのです。
たった10日間の付き合い。しかしそこで彼女を信じ、認めてくれたワノ国の男たちがいたのです。その後には父に縛られて自由を求めた同じような境遇の海賊とも出会いました。
「なぜぼくの自由を奪う!!?なぜワノ国の自由を奪う!!?」
「一問一答で動いちゃいねェんだ世の中は!!青二才が!!!」
互いの“雷鳴八卦”の打ち合いで今回は締め!
ヤマトの完璧回
100巻発売直後にお出しされた神回ともいえる今回の話。
ヤマトの掘り下げとワノ国の侍の強さを完璧に見せてくれましたね。ヤマトはこれまで個人的に、おでんへの憧れだけでここまでワノ国に肩入れするとはよくやるなと思っていましたが、3人の侍から受けた仁義と託された意思があったからこそのものだったんですね。あんな虐待受けた後に、あれほどの強く優しい男たちの背中を見れば奮起しますわ。エースとの出会いも考えると、彼女もワンピースで言われる「受け継がれる意志」と「自由」を存分に体現したキャラと言えるでしょう。ぶっちゃけ、ヤマトの「おでん」になりたいってこの時点では、子どもが仮面ライダーとかプリキュアとかになりたいと言っているのと大差ないでしょうし。
そんな彼女に影響を与えた3人の侍がとにかくカッコイイですね。戦闘しなかったのに、かつて錦えもんが言った「侍は腹など空かぬ」の発言に、カイドウが欲しがるレベルの実力者、衰弱しながらも岩を斬り、立ち向かう心…肉体面でも精神面でも間違いなく強いと言える言動だったと思います。
ところで某さんの見た目…かなりゾロに似ていますし、彼の背中に刻まれたマークってシモツキ村の道場だったかにありましたね。おそらく彼が「霜月牛丸」なのでしょう。おそらく他の2人も大名でしょうか。これは牛鬼丸の話を読み直したくなります。
しかしこんなに強い侍がたくさんいて、他にもヒョウ五郎親分とかまでいたなら、そりゃワノ国に手を出したくない各国や海軍の気持ちもわかりますわ。
個人的に合わせて気になったのは、最後のカイドウの反応。直前の黙ったような雰囲気や彼のセリフを見ると、どうもオロチとの関係だけでワノ国に狙いをつけたように思えなくなりました。もっと根深い理由があるのでしょうか?ここに来て、またあの黒炭コンビ共が気になってしまいます。
今回のジャンプはワンピースの100巻記念ということで、また様々な企画が展開されていますね。食戟のサンジはもう安定してきた印象です。ヤマトの声優さんも決まったし、アニメも期待が膨らんでいきます。
なんというか…楽しいですね。一番好きな漫画のこういった記念に立ち会えて、企画とかを見ることができるのが。
勝手にしんみりしているな…とか思いつつ、また次回!