ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第962話「大名と家臣」 自分で開いた出世街道

 962話の感想です。

 表紙連載は「泥酔バキュームキス魔を追う海軍を発見」です。ローラじゃなくてあんたかキュイーン!なんでファミリーなのに捕まっていないのよ!

第961話「山の神事件」 これで18歳かよ… - ワンピース航海記録

 

 父親から絶縁された18歳のおでんが残した伝説は山にも迫る巨大な猪を斬り倒し都を救ったというもの。その豪快さと器のでかさに惚れこんだ錦えもんと傳ジローはおでんについていきます。そしておでんは顔なじみの康イエのもとに行きますが、そこには将来脅威となる存在がいて…。

白舞を後にして

 冒頭の場面は康イエが統治する白舞。おでんは九里のアシュラ童子に興味を示しています。康イエとしては九里は完全無法地帯で力がものをいうような世紀末レベルの土地なのであまり勧めるようなことはしませんが…。

「面白い!ちとワノ国を漫遊して参る!!!」

 この無法かつ破天荒な男が言うことを聞くわけもなく意気揚々と出発します。自信あるなぁ。

 

 ちなみに彼を泊めていた城の部屋はものすごい荒れよう!家探しでもここまではしないでしょう。

 さらに金庫にしまってあった金がなくなるという事件も発生。しかもおでんが金をそっと懐に入れるのを見たとオロチが証言します。家臣たちはおでんを疑いますが、彼をよく知る康イエからすれば勝手に堂々と持っていくと考えます。

 まあ読者から見てもそうだと思いますよね。イヤー誰が盗んだのかわからないなー(棒)

九里の道中

 さて白舞をでたおでんは錦えもんと傳ジローを(嫌々ながらも)連れていき、道中海賊の真似事に日誌なんかつけて九里を目指します。道中はこの日誌によって語られています。

 まず鈴後では女性のような見目麗しい兄弟が踊りで稼ごうとしているのを発見。兄はイゾウ、弟は菊之の丞と言い没落した舞踊の一家だったようです。勝手におでん達が食っていたおでんを食べると彼らについていきます。

 続いて希美では生死問わずに人の髪を切り奪う妖怪が現れます。その妖怪はカン十郎と言いおでんの髪を奪おうとして殴られるとあっさりついていきました。お前は羅生門の老婆か。

 お次は兎丼でのこと。ここには女を攫い男は半殺しという恐ろしい山賊の噂があります。しかしその正体はくノ一にふられて光月家の御庭番衆をやめた元天才忍者雷ぞうの仕業でした。やっていることクズ過ぎない?

 

 そしてついにたどり着くは九里。そこでは支配しているアシュラ童子がどっしりと構えておりおでんの噂を聞いて殺す気満々のご様子です。蛇の血を飲んでいるこの怖さは絵になります。

 さておでんについてきた者たちは鍋を囲んで晩飯(たぶんおでん)を食らっています。おでんの姿が見えませんが雷ぞうの話では前の日だったかに大便をしに南へ行ったとか。しかしここで傳ジローが気付きます。ここから南とは九里の入り口にあたる場所だということに…。

激闘!荒くれものども!

 ということで、すでに九里に乗り込んでいたおでん。当時の九里のルールは入るは安し出るは殺されるというビッグマム海賊団のような土地でした。自由が大好きで鎖国しているワノ国に辟易しているおでんからすれば「出るな」などと納得できるわけありません。意気揚々と敵陣に突っ込んでいきました!

 

 そしておでんの部下が加勢に来た頃ですが…

「悪ィな…今全部終わったとこだ…夜通し丸一日かかっちまったよ…!!!」

 なんと一日かけて九里の実力ある無法者全員を倒しており、アシュラの上に乗っていました。ボロボロながらもその姿には気迫があります。

 息をのむ錦えもん達にもはや生きる希望も無いので殺されることを願うアシュラ童子。そんな彼らにおでんは自分のことが好きかと問います。

「お前らの知恵と力を貸せ おれはどうしようもねェクズ共の王になる事にした!!」

あんたが大名、あんたらが家臣

 その決意は揺れることなく、瞬く間におでんは九里の粗暴者をまとめ上げると無法地帯から郷にまで仕上げました。この話にスキヤキは勘当を解きおでんを九里の大名に任命します。

 あの血生臭さはすっかり消え、大きな城と緑が立ち並ぶ土地となった九里。それに歓喜する町民やかつて殺し合った仲のアシュラ童子。ここから九里が本当に変わったことがうかがえます。

 そして大名となったおでんですが、それには家臣が付き物です。しかしおでんとしては堅物な奴がいても面倒なだけ。そこで彼が誘ったのは自分を最も慕い共にこの九里を復興させた者達でした。

「おれはお前らがいい!!おれの“侍”になれ!!!」

 これは断れねぇよな!!

 そしてここから6年が経った33年前。世間ではあのロックス海賊団が壊滅したため、そこにいた化け物クラスの海賊たちが次の覇権を狙って新たな仲間を集めて名を轟かせ始めたころ、九里ヶ浜では若いころの河松が流れ着いた二人の獣人を気味悪がっており…。

後の赤鞘九人男達

 おでんが大名になった経緯が怒涛の展開で繰り出された今回の話。

 赤鞘九人男のメンバーと彼がどのようにして大名になったかが明かされました。かなりテンポよく進んでいたので濃密な印象でしたね。個人的には猪よりもこっちに描写を割いてほしかった気持ちです。

 今回おでんの仲間になったのはイゾウと菊の丞の兄弟、カン十郎、雷ぞう、アシュラ童子ですね。あの兄弟はともかく、他の3人がなかなか外道なことをやっています。いやカン十郎は迫害を受けていたというフォローあったし、雷ぞうは彼の反応的に噂の方が先にいっちゃった感ありますし、アシュラは元よりそういうキャラだし…でもやっていることはアウトっぽいな!だからこそおでんのクズ共の王になるというセリフが映えるのですが。

 やっぱり彼らの中でも気になったのはイゾウでしょう。白ひげ海賊団の16番隊長である彼ですがおでんとはかなり深い関わりがある人物だったんですね。前に康イエの回想で出たのもお菊じゃなくて彼だったのか。なぜイゾウが赤鞘九人男に名を連ねずに海賊をやっていたのかは疑問に感じましたが、彼は彼でおでん以上に白ひげに惹かれるものがあったのでしょうかね。…てか、あいつそうなると何歳だ?

 それとおでんの加勢に向かうとき刀を持っていますね。その際にお菊を背負っていますが、そっちが拳銃を持っている状況です。しかし今はイゾウが銃でお菊が刀…これは獲物を交換したほうが上手くいった感じかな?

 

 最後の方では河松とおそらくですがイヌアラシとネコマムシも登場しています。彼らは赤鞘九人男の中では後釜の方なんですね。これもしかして彼らがきっかけでおでんが海に出る気が再燃する感じなのでしょうか?

 また最初の方ではオロチの怪しさ全開の様子も描かれます。こいつはこいつでどうやってカイドウと接触したのかとかおでんに助けられた恩の件とかいろいろあるんですよね。

 

 今回は全体的に好きなコマが多かったですね。アシュラの登場絵やおでんの勝利場面なんかはカッコいいですし、おでんが大名になったとき錦えもん達と喜んでいる場面は微笑ましくなりました。個人的には前半のイヤそうな顔がツボでしたね(笑) オニ丸が写っている場面なんかもほっこりしました。

 というかなんだかんだでおでんのことが好きになってきているな、私!

 やはり尾田先生の目論見通りになっている気がしつつまた次回!来週は仕事の都合で火曜日更新になりそうです。

第963話「侍になる」 こんなに立派になって! - ワンピース航海記録