第943話の感想です。
扉絵リクエストは「ロビンがタランチュラに糸をもらって編み物をしているところ」です。経歴のせいかロビンはこういうものもそつなくこなすイメージがあります。まあ、それ以上に太ももが気になりますが。(←変態)
第942話「”白舞大名“霜月康イエ」 笑えない理由の笑顔 - ワンピース航海記録
死に際にバレてしまった反乱の計画のリセットとオロチに屈しない態度を見せた元大名の康イエ。そんな彼がオロチに撃たれ、多くの銃弾を浴びて息絶えたにも関わらず、都に流れ込んできたえびす町の人達は涙流すも笑うばかりです。この異様な状況を引き起こしたのは、なんとSMILEが原因だと言い・・・
笑いおこるワノ国
前回同様に冒頭から回想です。それは康イエが統治する白舞での出来事で、7人の人物が大金を盗もうとしていたのです。彼らは若き頃の赤鞘9人男で、おでんが金に困っているから盗みを働こうとしていたのです。お前ら不良かよー。
普通なら怒り心頭でしょうが康イエは盗もうとした金に更に金額を上乗せして彼らに渡すと、おでんが好きかと問います。見るからに荒くれ者な彼らですが、それでもおでんには恩義を抱いているようです。康イエが渡したお金はいわば男たちへの教育費。いずれ将軍になることが期待されるおでんの忠臣として恥のない侍になるよう期待したのです。これは確かにおでん以上に将軍への期待を持たれる人ですわ。
場面は現代へ。錦えもん含めこの映像を見ている赤鞘のメンバーは先ほどの回想を思い返しながら涙します。自分たちへ絶大の信頼と期待を置いていた男を助けられなかったのは無念でしょう。
彼らの涙とは逆に変わらず笑い続けるえびす町の人々。
「人を不幸にしておいて・・・!!悲しむ事もさせないなんて・・・!!!ここは・・・“地獄”以外の・・・何ですか?ゾロ十郎さん・・・」
この現状に涙を流す日和はゾロに対して苦しそうに訴えます。
かたや本当に笑っているのはオロチ。康イエをドブネズミと罵り、笑ってあの世へ送ってやれとまで言います。彼としてはワノ国は天国にも匹敵する場所としています。偽りにも程があるわな。
えびす町の人たちに続くようにサンジたちも到着。さらに兎丼では康イエの死にざまに百獣海賊団がゲラゲラと笑っています。同時に涙をこぼすヒョウ五郎にルフィは怒りを抑えるような顔で彼に問います。
「理由はあんだろ・・・?あいつが誰であっても・・・死んで笑われていい奴なんている筈がねェ・・・!!!」
いるはずがない、いていいはずがないんですがねぇ・・・。
劇薬SMILE
多くのものがこの惨状を見ている中、しのぶがナミたちにえびす町が笑う理由を説明します。
人口悪魔の実SMILEはその名の通り人工的に作られた悪魔の実。食べれば強力な動物の力を得ます。カイドウはこれを利用して最強の海賊を作り出そうとしています。
しかしなんとこのSMILE、通常の悪魔の実とは決定的に違う点があったのです。それは絶対能力を得られるわけではないこと。能力を得られる確率は約10パーセント程度であり、10人食べて1人成功する程度の見込みなのです。ではそれ以外はどうなるかといえば、なんと能力を得られず悪魔の実特有のリスクであるカナヅチになってしまうのです。
さらに驚きなのはリスクはカナヅチだけでなく、怒りや悲しみといったもろもろの感情を失い、笑うことしかできなくなるというのです。これこそがSMILEの語源であり、百獣海賊団は果実を食すのを待つウェイターズ、食して強化されたギフターズ、外れを引いて笑うプレジャーズといったように分けていたのです。
またSMILEは悪魔の実と違い、副作用であるリスクを実に残しています。つまり二口目以降でも食べることでそのリスクを得ることができます。普通では嫌でも遠慮したいものですが、オロチはこれに目を付けます。先ほども書いたようにオロチはワノ国を理想郷にしたがっています。それこそ皆が笑顔でいるような国に。飢えや病気で多くの人が死に、涙を流すおこぼれ町を嫌がっていた彼は都からのおこぼれにその使用済みのSMILEを混ぜたのです。もちろん回数を重ねればどんな実かもわかりそうですが、おこぼれ町の人たちも飢えには勝てずに・・・。
同時にゾロとブルックに真実を話していた日和。この事実を知ればゾロだってえびす町の人たちを責められません。むしろそんな状況でも笑顔を前向きにとらえていた康イエの姿を思い出します。
十五のそろい踏み
そして処刑場のほうではどうやったのかトコが柵を抜けて、父親である康イエの死体のもとへ。薬を持っているといって笑いながらも彼を助けようとしますが、そこまで行って気が付かないオロチではありません。以前、自分を笑ったことに怒ったオロチは銃を構えてトコに狙いをつけます。小紫が死んだ責任が彼女にあると思うと、処刑と称してその怒りのまま引き金を引きますが・・・
何者かによって柵が破壊され、銃弾から彼女を守りました。その状況に周囲の人たちはざわめきます。なにせ彼らはワノ国でお騒がせものになっている人たちだったのですから。
「ゾロ十郎と!!!サン五郎だァ~~~!!!」
「「あァ!?」」
一味の二大巨頭のそろい踏みで今回は締め!
もうSMILEいい加減にしろよ・・・
まずはめちゃくちゃ遅れて申し訳ありませんでした!!先週からPCがダメになってしまい、いろいろ頑張りましたが結局買い替えることになりました。とりあえずこれでもう大丈夫なはず・・・。
ということで本編の感想ですが、人口悪魔の実SMILEの明確な実情も判明しました。体の一部を獣化するというちょっと微妙なお手軽悪魔の実かと思いましたが、実態は能力を得られるのは運次第、リスクは本物以上という劇薬でした。かなりの欠陥品ともいえるような気もしますが、求めて死んでいくものもざらにいる悪魔の実と比べれば生産を確保できるしお手軽なのでしょう。あとは・・・味くらいでしょうか?少なくとも新鮮だったようですし。
それでもこれまでの惨状を見ればハイリスクローリターンな気がします。ギフターズがそこまで活躍しているわけでもないし、リスクのほうを見るとね・・・。しかも本物と違ってリスクだけは残るとか厄介すぎる。
このSMILEにつながる形でえびす町の笑顔の理由が明確に明かされました。実験体どころかオロチの身勝手な理由でこのような凶行をしたとは、私も驚きました。初登場時のセリフがここまで怒りを覚えるものになるとは・・・。
ワノ国は天国どころか臭いものに蓋を徹底し、一部のものに都合よく作り変えられた恐ろしい国といえるでしょう。おこぼれ町の人たちの環境を考えれば、這い上がるのも難しいし何よりも感情表現を奪われてはできないことも多そうです。
そして見つかったおトコを助けたのは麦わらの一味の二大巨頭であるゾロとサンジ。今回の二人の立ち並びがかっこよすぎます。これは頼もしいわ!外道的なことに加えてゾロは武士道で、サンジは空腹の件でものすごく怒っていそう。
思えばゾロはサンジとまだ会っていませんでしたね。犬猿の仲でありながらいざとなったら絶妙なコンビネーションを見せるほど信頼しているこの二人、どういったやり取りがあるのか今から楽しみです。
また今回は康イエについての回想で若いころの赤9鞘人男も登場。とはいっても河松と傳ジローはシルエットでしたが。どうも昔は荒くれものだったみたいですね。アシュラ童子の方はもともとそういった人物でしたが、大方のメンバーがそうだったのかもしれませんね。錦えもんですら侍とは言えないような風貌でしたし。ちょっと女形みたいな人はお菊かな?
そんな彼らが礼節を重んじるきっかけを作った康イエはしっかりした人物だったことがわかります。それゆえに今回の死にざまは悲しいな・・・。
それにしても今回のSMILEの件は本当に衝撃的でした。 ちょっと読み返せば、プレジャーズが出てきたときに変に笑っていたしこれすらも伏線だったということでしょうか。なんかもう変に笑うやつがみんなSMILEを食わされている気になってきました。それこそ前に出てきた鎌ぞうとかゾロにやられた時ですら笑顔だったし。
しかしワノ国編に入ってから読者を曇らせるような展開がちょこちょこあるなあ。というか、今回の一件はワンピースの中でも1,2を争うくらい胸糞悪い行為だと思います。四皇でも平和に国を統治していたビッグマムがすごく思えてきました。カイドウよりはあっちがイカレテそうだと思うけど。
カイドウ、オロチに加え、シーザー、ドフラミンゴへのヘイトがどんどんたまっていきます。いやドフラミンゴはまだ回想で同情できる面もあるけどさ。
むしろここからさらに読者を曇らせる展開があるのかが気になってきました。カタルシスはすごくなりそうだけど、展開を想像したくないような気もしますね・・・。
尾田先生はどこまで読者を曇らせる気なのか気になりつつまた次回!もう明日だけどな!