ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第67話「soup」 夢を応援しよう

 67話の感想です。

 表紙連載は「リッチーズ・オー・ヴァン(リッチー一味の赤ワイン煮込み)」です。ここの先住民、ワイン使って調理するの!? 戦闘力もあるし、けっこう時代に適応している先住民なのかもしれません。

 相手を倒す信念のもと、みごとクリークを倒したルフィ。敗北を受け入れられないクリークとは対照的に、ギンは覚悟を決めたようで・・・

時間ないからこそ

 冒頭、ギンはクリークを抱えた状態でサンジに伝言をお願いします。

「『偉大なる航路(グランドライン)』で『また会おう』ってよ」

 もちろん、ルフィに向けての内容です。彼もこの先、海賊を続ける気満々なようです。

 

 しかしいきなり吐血!やはり毒のダメージは辛いらしく、もはや数時間の命の可能性まであります。

 とはいえ、彼もこのまま終わるつもりはありません。自分のやりたいことはクリークと同じように海賊。その想いを今度はクリークの名に隠れず、自分の意志で堂々とやっていくことを誓います。その表情は余命少ない男の悲観的な面よりも、何か吹っ切れたような気持ちのいい笑顔でした。

 

 サンジはパティとカルネに、ギンたちへ買い出し用の船を用意するように指示。反論こそする二人ですがサンジの強めの怒鳴りであっさり折れました。うーん、彼らのサンジへの反感が面白い!

踏ん切りつかない男

 時間は立ち、目を覚ますルフィ。包帯の代わりに巨大な絆創膏で手当てされていました。

 サンジはギンからの伝言をルフィに伝え、さらに去り際のやりとりを思い返します。戦う料理人がいるレストラン、バラティエの勢いと睨みがよくわかります。

 そしてルフィの方は雑用の終了を確認。そういえばそんな約束していましたね。

 

 加えて、サンジをまた仲間に誘いますが、彼はそれを拒否。今回のように強い海賊が来る可能性もあるので、なおさらここを離れるわけにはいかないというのです。

 それでもいずれかは行きたいと考えるサンジ。その理由はもちろん彼の理由でもあるオールブルーを探すことです。ルフィが知らないことを知ると嬉々として話し始めるサンジ。そんな彼を上階から見つめる男がいます。

「嬉しそうな顔しやがって・・・バカが」

このスープの味は・・・

 さて騒動もようやく終わり、バラティエでは飯の時間。ちなみに今回の担当はパティとカルネです。他のコック曰く、極道コンビだとか(笑)

 少し遅れてサンジとルフィも来ますが、なぜか席がありません。他のコックたちもどこかよそよそしく床に座って食えとまで言ってきました。

 疑問を抱くサンジに、パティが今日のスープの仕込みを誰がしたのか訊いてきました。サンジは自分が担当だと言います。今日のスープの出来は、サンジとしてもかなり満足のいくものだったらしく、自信満々でしたが・・・

 

「こんなクソマズイもん飲めねェよ!!!」

 なんといきなり床にスールをぶちまけるパティ。食い物を粗末にすることはサンジがもっとも怒る行為なのに、それを躊躇なく行います。

 いえ、パティだけではありません。カルネや他のコックたちもマズイと言い、次々とスープを床にぶちまけ、なんと最後にはゼフまで彼のスープを否定しました。

 怒り心頭のサンジはゼフの胸ぐらをつかみ、自分のスープとゼフのスープの違いを問います。

 

「うぬぼれんな!!!」

 ゼフとしてはまだ料理は未熟らしく、世界で料理してきた自分にはまだ敵わないという旨を離します。そして驚くのはなんとゼフ、蹴らずに拳で言い聞かせるという珍しいことを行いました。

 最終的には店から出るサンジですが、このごたごたを気にせずに例のスープをがぶがぶと飲むルフィ。彼にとって味は文句なしの美味しさらしいですが・・・。

 

 サンジが出ていったことを確認すると、ホッとしたように座り込むコックたち。なんと彼らのさっきまでの行為はすべてお芝居で、サンジの料理も認めているというのです。いったいそこまでする必要のあった彼らの狙いとは・・・

「・・・あのチビナスを一緒に連れてってやってくれねェか」

 そう、彼らが望んだのはサンジを海へと旅立たせるため。そしてこの真実を外の扉のすぐそばで聞いていた当人・・・。

夢の後押し

 クリーク戦後の後語り描写とバラティエ勢によるサンジの夢の後押しがあった今回の話。

 やはりグッと心を掴まれたのは、バラティエ勢のサンジへの気遣いです。男だらけの不器用な気遣いがとても面白く、温かみを感じました。やっぱりサンジがルフィに夢を語る表情を見れば・・・家族的な存在であるゼフを筆頭に夢を応援したくもなりますよね。

 でもスープをぶちまけるのはやりすぎだと今でも思います。これくらいしないとサンジは動かないと思ったのでしょうが。

 

 またゼフが拳を使ったことにパティ達が驚く描写もありましたが、ふだん蹴りでしつける彼が手を使ったのにはやはり特別な意味があるのでしょう。・・・しかし私はここらへんがまだピンと来ていないのです。個人的には、ゼフが夢を追いかけるのと同時にもっと料理の腕を磨いて来い、というような師匠ながらも対等なポジションでの教えだと思っています。しつけではないということですね。

 

 個人的に耳が痛かったのは、ギンがやりたいことをやるという決意をした下りですね。私は臆病で打算的でもろもろ行動に移せないことが多々あるので、覚悟を決めたギンを見るのが違う意味で辛かったです。彼のようになっても、自分は出来ないんじゃないかな・・・。

 いよいよ次回でバラティエ編がラストになることに感慨深くなりつつ、また次回!

第68話「4人目」 くそお世話になりました!!! - ワンピース航海記録