ワンピース航海記録

こちらはワンピースを中心に物語の感想などを扱っているブログです。

第1035話「ゾロVSキング」 右腕の戦い

 1035話の感想です。

 今回から短期集中表紙連載25弾です。タイトルは「脱出!ホールケーキアイランド」です。ついにジェルマが来たー!

第1034話「サンジVSクイーン」 ケリをつけよう - ワンピース航海記録

 

 ジェルマの能力を技術再現していたクイーンはサンジに対して猛攻!しかし彼もこのままでは終わらない。新たに得てしまった力を活用し、パワーアップした燃える脚。女性にすら手を上げるクイーンに連続の蹴りのコンボが決まります!

遊郭での勝利者

 サンジの凄まじい連撃を食らったクイーンは壁を突き破り鬼ヶ島の場外へ行くほど吹っ飛ばされます。

 強敵との激戦を経て表情も険しくなるサンジに、助けてもらったお染も怯みますが、そんな彼女に懐から差し出したのは探されていたネズミの忠治でした。礼を言う彼女に、サンジはかつての幼少期にネズミに餌を作ってあげていたことを思いだします。

 お染を心配するような声をかけながらも、いよいよ限界であったサンジは倒れます。優しき男は手当ても受けながら、見事にクイーンとの戦いで勝利をもぎ取ったのです。

キングの素顔

 一方、ゾロはキングに強烈な一太刀!どうやらキングの背中の炎は消えた際に防御力が落ちるようで、彼の攻撃が通りました。ゲームのボスみたいなギミックだ…。

 これにより黒い覆面も破れたため、キングは無表情で使えなくなった覆面を取ります。黒い翼はそのままに、長い白髪に浅黒い肌、左側には変わった入れ墨が入っており、これまでのワンピースのキャラとはまた違ったイケメンフェイスです。めっちゃ好みだ…!

 しかしこれに百獣海賊団はどうも変わった反応を見せます。なんでもこの特徴を持った人物がいると知らせるだけで世界政府から1億ベリーという破格の額を貰えるというのです。そんなふざけた部下たちに、キングは発火の力を合わせた炎の龍を刀で撃ちだす“火龍皇(かりゅうどん)”を決めます。

 ゾロは自分に注意を向けるように、百獣海賊団のモブどもと同じような言葉でキングを煽ります。その何者かという疑問には読者としても気になるところですよ…。

「知ってどうなる!!」

 低レベルな煽りですが、キングには触れられたくないことなようでプテラノドン形態で猛攻!弾丸と翼の連撃を超スピードで突っ込みながら決めていきます。しかしこれをゾロはなんとか捌ききりました。

ナンバー2の出会い

 たしかに奇妙な種族ではありますが、ゾロからすれば知ったことではありません。あくまで危険なのはその実力。それでも船長のためにも負けるわけにはいきません。

「もう充分君臨したろ 席を空けろお前ら」

「調子に乗るな…カイドウさんこそ「海賊王」になる男!!」

 啖呵を切ったゾロが構えるのは“閻王三刀流”!一方でキングも百獣海賊団のナンバー2として負けるわけにはいきませんでした。

 彼が思いだすのは少年時代のカイドウとの出会い。どこかの政府研究所でルナーリア族の耐久実験がされていたのですが、そこに若き日のカイドウが現れたのです。ちょうど新たな海賊団の結成のために人材を必要としていた彼は、まさにそこで実験体として扱われていた少年に目をつけたのです。

「お前は世界を変えられるか?」

「おれにしか変えられねェ!!!」

 これを機に「アルベル」という少年は、カイドウからその強さから「キング」という名を与えられ、もう誰にも彼を奪わせないと宣言します。

「お前は今日からおれの右腕だ!!」

今こそ龍を斬る瞬間

 ゾロのパワーアップした“煉獄鬼斬り”をかわしたキングは再び“火龍皇”で攻めます。その威力は炎を超えてマグマのような一撃!背中の炎までついているので、今は攻撃が通用しません。

 つばぜり合いが続く中、キングが再び剣のギミックで絡め取ろうとしますが、身体をひねってゾロはこれを回避!そのままとてつもない速度でゾロに蹴りを入れますが、同時に確信しました。このスピードが上がっている状態は炎が消えて攻め入れられる時だと。ここでゾロの“厄港鳥”で反撃します。

 キングのルールを理解してきたゾロはそのまま攻めたてます。その勢いはすさまじくダメージを負わない状態のキングも、気迫に押されて攻撃を防いでいます。キングはプテラノドンとなって上空に向かって距離を取りました。

「お前は生物としておれには勝てねェ!!」

「おれはそういう言い訳が一番嫌いなんだ!!」

 突っ込んでくるゾロに対して、キングは巨大な炎の龍“御守火龍皇(おおもりかりゅうどん)”を撃ちます。

 これにゾロは正面からジャンプすると“閻王三刀龍”の掛け声と共に構えます。突き進む斬撃は炎の龍をも葬り、キングの元まで一気に突き進む!“一百三情飛龍侍極”をキングに刃を届かせました!

エモいナンバー2

 ゾロとキング、それぞれのナンバー2のカッコよさが光った今回の話。

 まずゾロですが終盤のキングに対しての勝利への自信が揺るがない姿は見事としか言いようがありません。あの段階で勝負は決したと言っても過言ではないでしょう。そして彼の新たな3刀流はこれまでと違い、刀の特性で覇王色を纏わせたもの。技のひとつひとつが強化されていることに強い説得力が生まれます。最後の龍ごとキングを斬ったのは、尾田先生の読み切りのモンスターズを想起させました。

 一方で勝るとも劣らない魅力をキングも見せつけてくれました。その素顔はワイルドながらも正統派な雰囲気を醸し出すイケメンでしたね。これまでのワンピースでも見ないタイプでしたね。いちおうワイパー辺りが近いでしょうか?これで変顔とかやっていたのか…。

 ただやはり強い。あの炎の技はもちろんのこと、パワー、スピードにおいても、種族の特性にしても四皇ナンバー2に相応しい実力でした。おそらく今回で決着がついたのが惜しすぎる…!

 しかしそれ以上に、ナンバー2に相応しいと思わせたのは、カイドウとの出会い。ルフィとゾロの出会いを想起させるようなものでした。器の大きさを見せて、彼は間違いなく「海賊王」になると思わせる…キングの壮絶さ、カイドウの魅力、互いの強い信頼関係が短くも納得できる濃いエピソードでした。

 ところでこの出会いの場ってパンクハザードですね。もしかしてクイーンとかもここで出会ったのでしょうか?今思えばクイーンがキングに言ってた拷問好きってかなりの皮肉的表現ですよね。…いやおそらく彼はキングの素顔を知っていたのでしょうが。

 そういえばクイーンの敗北が決まりましたね。最後まで紳士で優しさを振りまいたサンジに安心したのが私です。そもそもクイーンは、サンジの地雷原をタップダンスしていたようなものだからな…。

 本音を言えばキング戦はもうちょっとだけ見たかったと思いつつ、また次回!

第1036話「武士道と云うは死ぬことと見つけたり」 - ワンピース航海記録